詰みゲーみたいな島(四国)に人類を滅ぼす敵として転生した百合厨はどうすりゃいいんですか? 作:百男合
みんな大好きヘテロルートの案内精霊、セキレイハメ。
100話突破記念のバッドエンドルームだパコォ! 一〇〇話って書くとア〇ルビーズみたいでなんかエロいハメね。
まさかボクも100話を突破するとは思わなかったんだパコ。正直95話くらいで終わってあとはバッドエンドルームで100話に届けばいいなぁぐらいに思ってたんだハメ。
103話。こうして瞳を閉じるだけでご主人様が勇者の皆と過ごした変態叡智な日々がまぶたの裏スジにギンギンによみがえってくるパコ。
まあ、ボク5話しか出てないけど気にしちゃダメハメよ。
さて、早いものでもう3月。あと1突きでもうゆゆゆの新作、ショートアニメの「ちゅるっと!」が放送パコ。
ここで放送スケジュールを知らないマダハメイトのみんなに新作アニメ「ちゅるっと!」の紹介だハメ。
2021年4月。毎週金曜日25:50頃からMBS/TBS系列全国ネット「スーパーアニメイズム」枠のお尻にて放送決定しているそうだパコ。
4月14日から毎週水曜日23:30からBS日テレから再放送される「結城友奈は勇者である」とは別枠だから間違わないようにみんな注意するんだハメ。
それでは真面目な話も終わったところで今回紹介するのはシコら! ジュビビボバ! ジュルゥウウウ!
ゆゆゆの永遠のチョロイン。にぼっしーこと夏凜ちゃんルート! イェエエエイ!
映像が終わり照明がつくと、風、樹、夏凜の3人はダラダラと冷や汗を流しながら友奈を見る。
(((やばい、東郷(先輩)もやばかったけど友奈(さん)も相当だった―!!)))
なんと言葉をかけていいかわからずちらちらと互いを伺い合う。
(ど、どうすんのよこの空気! 夏凜、アンタ完成型ツッコミ型勇者なんでしょ! 何とかしなさいよ!)
(誰が完成型ツッコミ勇者よ! そういうあんたは勇者部部長でしょ! あんたこそ何とかしなさいよ!)
(これ、夏祭りから付き合ってると思ってるの友奈さんだけですよね。明吾くんは絶対クリスマス会の終わりから付き合ってるって思ってますよ)
ぼそぼそと小声でしゃべりアイコンタクトをしている3人を置いて、東郷は友奈の元へ行くと目を合わせ告げる。
「友奈ちゃん、落ち着いて聞いて。夏祭りの時から丹羽君と付き合っているというあなたの認識は間違っているわ」
言いやがったこいつー⁉
とんでもない爆弾を放り込んだ東郷に3人の顔が引きつる。その言葉に友奈は首を傾げ不思議そうに言う。
「え? でも明吾君は私のこと好きだって」
「あれは、愛してるじゃなくて好ましいという意味の好きだと思うわ。友奈ちゃんと丹羽君の気持ちが重なったのはクリスマス会の後だから友奈ちゃんと丹羽君が付き合っている歳月は2か月ということになるわね」
東郷の正論に友奈は目を白黒させていた。
正論。正論なんだけどなぁ……。
丹羽を手に入れるために一芝居打ち罠にはめ、逃げられないように囲い込んだ東郷が言うのは何か違うような気がする。
「違うよ。明吾君と私はちゃんとお付き合いしてたよ。どうしてそんなこと言うの東郷さん? 東郷さんも私も困らせるの?」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさい友奈! 東郷の言ってることは間違ってないからとりあえず落ち着いて」
不穏なオーラを出して目の光が消えだした友奈を風と夏凜が囲み、ゆっくりと言い含めるように東郷の言葉を噛み砕いて説明する。
話が終わった後、友奈は顔を真っ赤にしていた。
「そんな、じゃあ私勝手に1人で勘違いして…恥ずかしい」
「まあ、そのおかげでちゃんとお付き合いできたから結果オーライなんじゃない? 東郷みたいに悪意があったわけじゃないし」
夏凜の言葉にうんうんとうなずく風と樹に「ちょっと!」と東郷が不服そうに異議を唱えるが事実なのだからしようがない。
「友奈は思いつめるところがあるというか、丹羽にもそこんところ注意されたでしょ。あと丹羽を守るためとはいえ脅すのはやりすぎよ」
「だって、あの人たち明吾君のこと困らせてたし。大好きな人を傷つけようとする相手なら、私容赦しません」
「わかる、わかるわ友奈ちゃん!」
「あ、別に東郷さんほどじゃないから。私はまだライトな方だから」
同調する東郷に友奈は若干引きながら否定する。その様子に、ガーン! と背後にオノマトペが出るほど東郷はショックで石化していた。
「いやいや、友奈。東郷とあんたは同じくらいヤバいと思うわ。むしろ振り切れてる分あんたのほうが危ない」
夏凛の言葉に今度はガーンと友奈がショックを受ける。その様子に樹が風の耳に手を当て内緒話をするように言う。
「ねえ、思ったんだけど友奈さんの世界の明吾くんがそういうことをしない理由って、本能的に友奈さんのそういう面に無意識に気付いているからじゃ」
「樹、そこは黙っておきましょう。今回は友奈に現状を理解させられただけでも御の字ってもんよ」
それにこれ以上藪をつついて蛇どころか大蛇を出したくないし。
君子危うきに近づかず。触らぬ神に祟りなし。
犬吠埼風はそれを忠実に守っていた。
要するに友奈のメンタルケアを友奈の世界の自分に丸投げしたともいう。
『ちなみに友奈パイパイセンは勇者部の女の子たちがご主人の身体に触れるのは黙認してるけどそれ以外は容赦しないハメ。それに触れた時間は秒単位で数えておいて、後で同じ時間の分だけご主人とイチャイチャするのが恒例行事となってるんだパコ』
セキレイの言葉に「当然ね」とうなずいているのは東郷だけである。他の3人はドン引きしていた。
重い、重すぎる。
愛が重いというか、自分たちの甘酸っぱい青春のような恋とは向ける感情の濃度が違いすぎる。東郷もそうだが、もし丹羽から嫌われたら立ち直れないんじゃないだろうかこの2人は。
「あのー、ちなみに2人とも。仮に、仮にですよ? もし明吾くんと何かの拍子でケンカになって先輩なんて大嫌いって言われたらどうしますか?」
おそるおそる尋ねた樹の質問ににっこり笑って友奈と東郷は言う。
「そんなの明吾君が言うはずないよ。だって私がこんなに好きになった人なんだから」
「そうね。でももしそんなことになったら…彼を殺して私も死ぬわ」
「ヒェッ」
目がマジな2人を見て思わず喉奥から声が漏れてしまった。
怖い! この2人マジだ!
「友奈、東郷。アンタら帰ったらそれぞれの世界のアタシと丹羽とちゃんと話し合いなさい。今なら間に合うから」
「それで足りなければあたしや樹、園子と銀ともね。悩んだら相談! それが勇者部でしょ」
肩をがっちりつかみ必死に言う風と夏凜に友奈と東郷は目を白黒させる。
『2人とも心配性ハメねぇ。友奈パイパイセンと東郷パイパイセンの尻滅裂な思考・言動・淫行なんていつものことなのに』
「おいそこの鳥、少し黙ってなさい。今大事な話をしてるんだから。それと支離滅裂の文字違わない?」
ナチュラルに下ネタを混ぜてくる精霊に文句を言う風。それにあっけらかんとした様子でセキレイは告げる。
『で、最後に残ったのはミスツンデレことにぼし仮面にぼっしーだけどもう放映するパコ?』
「おいそこの白い鳥の着ぐるみ。最後だからって投げやりに紹介してるんじゃないわよ」
拳を強く握る夏凛に残りの4人の視線が集まる。それを受け夏凜はため息をつき席に座った。
「いいわよそれで。どうせ大して甘酸っぱくもない話だし。その、少し恥ずかしいけど」
『今回はどこまで再生するハメ? 付き合って二か月のご主人様のことを『ダーリン』って呼んで勇者部の皆をドン引きさせてたところまでパコ? それともお尻での変態叡智なら膜はついたままだから勇者に変身できると思ってア〇ル性交に興味を持ち始めt』
「だーらっしゃー!」
セキレイくん吹っ飛ばされた―!
夏凜渾身のドロップキックを受けて壁にめり込む白い鳥の着ぐるみみたいな精霊。
「いい、あんたたち。今のはこいつの虚言よ。嘘っぱち。いいわね」
「「「「アッハイ」」」」
あまりにも必死な夏凜の様子にうなずくしかない。
というか今時いるんだ、ダーリンなんて呼ぶ子。推測だが夏凜の世界線の2人は相当なバカップルなのではないだろうか?
『うーん、もう少し丁寧に扱ってほしいハメねぇ。オ〇ホも裏返して石鹸で洗うんじゃなくてちゃんとお手入れ用の道具が専門サイトで売ってるからそっちを使ってほしいパコ。そっちのほうが長持ちするし衛生的にもいいんだハメ』
「知らないわよそんなこと! いいからさっさと再生するならしなさい!」
『ハイハイ、わかってるパコ。それじゃあ名残惜しいけど最後の映像ハメ。みんな席について静かに見るパコよ。バ〇ブやディ〇ドの振動音は自分が思ってるより聞こえやすいからエロ漫画やAVは信用しちゃダメハメ」
セクハラ発言連発の言葉と共に照明が落ちて部屋が暗くなる。無論東郷と風の保護者組は保護対象(友奈と樹)の耳をふさぎ対策済みである。
『それではよいドスケベライフを~!』
画面に映像が流れだし最後のヘテロ公演が始まった。
人型のバーテックスと神樹様の話し合いが終わり、2週間ほどたった頃。
その日、三好夏凛は園子と防人隊たち32人と共に新天地となる中国地方にいた。
今回の派遣は再生された中国地方の情報を詳しく人類側――つまり大赦に報告するための情報収集だ。
それと人型のバーテックスに頼まれていた建築技術や都市整備の細かい情報が書かれている資料を運ぶという任務もあった。
『なるほどなるほど。つまりここをこうしてこうすれば…あ、ここは前作った奴で代用できそう。そうなると新しく作り直した方がいいかな』
スマホにまとめられた資料を読みながらてきぱきとゆゆゆいバーテックスに指示を出す。さらにショベルカー型バーテックス、ブルドーザー型バーテックスなどを新たに作り出し地下水路がある都市を作っていく姿に防人隊たちは開いた口が塞がらない。
え、なにこの無茶苦茶な存在。人間が何年何か月もかかるような仕事を1体でやってるんだけど。
本当に規格外な存在なのだとこの時夏凜と防人隊32名は人型のバーテックスに対して畏敬の念を抱いた。園子も言っていたが無茶苦茶にもほどがある。
「すごいわね、これは…。ここに来てたった数日だけど、驚きばかりよ」
目の前で近代都市ができていく姿を見ながら言う楠芽吹に、そんなことないですよと言うのは丹羽明吾だ。
「楠先輩の持ってきてくれた資料があればこそです。素人でもわかりやすい近代都市の整備の仕方っていう難しい注文にも応えてくれて。別途にまとめられた解説書も読みやすいってあいつも言ってましたし」
丹羽の言う通り、人型のバーテックスの注文は結構無茶な内容だった。
知識がない者にもわかりやすくかみ砕いて教えるのは難しい。ましてやそれが都市の構造や専門的な技術を要する内容ならなおさらだ。
だが短い時間で芽吹は期待以上の働きをしてくれた。絵や写真付きの図鑑を何冊も吟味し、専門的な用語はかみ砕いて分かりやすい内容に書き換えたものを別途に用意してまとめ人型のバーテックスに渡したのだ。
さらにわかりにくいところは丹羽を通じて具体的に説明してくれる。痒い所に手が届くサポートぶりだったのだ。
「芽吹さんは大工の娘さんですもの。お家づくりには一家言ありますわよ」
「弥勒さん。私の家は大工は大工でも宮大工です。それに、なんで私のことで弥勒さんがそんなに得意げなんですか」
ふっふーんとナイスバディな胸を反らせて言う夕海子に、芽吹がツッコむ。それを夏凛は面白くない気持ちで見ていた。
人類が住めない土地を再生する人型のバーテックスと四国との橋渡し。
その作業に欠かせないのが丹羽明吾だ。人型のバーテックスに作られ、勇者を守る勇者として四国に送り込まれた存在。
最初こそその事実に戸惑った勇者部の面々だがすぐに受け入れた。それは今までの丹羽の無償の愛というか、自分たちに向けられていた献身があればこそだ。
だからこそ丹羽と結ばれるのは勇者部の誰かなのだと思っていたのだが…。
「楠先輩、ここがわかりにくいそうなんですが」
「ああ、これはね。こことここの管を通すような感じで繋げてこうぐるっと」
「なるほど。だってさ」
『了解。じゃあ作ってみるわー』
近い。芽吹と丹羽の距離が近い。
物理的な距離もだがあのクソマジメを擬人化した芽吹の近くに男がいるというのは、勇者候補生だった頃からの知り合いである夏凛としてはなんだか変な気分だ。
昔の芽吹ならあくまで事務的な対応のみであそこまで親密にはならなかったはず。男嫌いということはないが、それでも自分や夕海子と同じように心を許して接することはなかっただろう。
魚座のバーテックスもどきから助けられたのがきっかけだとは思うが、それだけだろうか?
今回の資料選びもすごい気の入れようだったし、とても張り切っている。それに防人隊隊長という立場から園子と一緒にではあるが丹羽と接することが多い。
距離が近づくのも自然なことだと思うが…。果たしてそこに男女のなにそれがないとは言い切れない。
「三好…難しい顔してる。どうかした?」
「あら、夏凜さん。どうかされまして?」
「三好さーん。あなたのチュン助がお話を聞きますよー。チュンチュン。だからメブがいないときは私を守ってー」
そう、近いといえばこの3人もそうだ。
山伏しずくは休日に丹羽と何度もラーメン店で出会っていることを仲良しの精霊のセッカから聞いた。
夕海子は丹羽とメル友らしい。夏凜のことを含めて頻繁に連絡を交換し合っているそうだ。
加賀城雀は時々丹羽と密会…というか、越後屋と悪代官みたいな会話をしているのを目撃したことがある。夏凜に気づくとそそくさと2人は離れていったが、あれはきっと何かたくらんでいるに違いない。
つまるところ、最近の丹羽は勇者部の皆よりも防人隊の女の子たちと一緒にいることが多い。
そうすると必然的に丹羽と防人隊の女の子たちと接する時間が多くなる。
最初はバーテックスである丹羽に警戒心を持っていた防人隊の少女たちも、接しているうちに丹羽の性格というか百合イチャを見るためならどこまでも人畜無害を貫き親切に接してくれる人柄に次第に心を許していった。
防人の少女たちはお役目のためとはいえゴールドタワーという特殊な施設に集められた年頃の少女たちだ。
男性との接触もなく免疫もない。そこに丹羽みたいな男(無性)を放り込んだらどうなるか。
(まずいわよね、このままじゃ)
芽吹と目の前の3人も含め防人隊32人が丹羽に惚れるという事態が起こらないとも限らない。
通常ならあり得ないだろうが防人隊の女の子たちは男に免疫がなく、優しくされただけで勘違いしかねない初心な少女たちだ。
百合イチャを見るためなら無償の愛を注ぐ百合厨に心を奪われる娘が1人や2人出てこないとも限らない。
そしてそれが原因で最悪刃傷沙汰となり防人隊の絆がズタズタになるようなことがあれば……目も当てられないのだ。
(
夏休みに樹に風と丹羽がくっつけるように協力を頼まれ、夏合宿で東郷の丹羽に対する想いを聞いていた夏凜である。
丹羽の無償の愛が防人隊にまで及ぶと絶対厄介なことになる。その確信があった。
こうして新天地での無自覚な丹羽の無償の愛から防人隊の女の子を助けるために、夏凜の孤独な戦いは調査が完了する1週間ほど続いた。
「ただいま~。あ゛あ゛あ゛~疲れたー」
マンションの自室に帰って来た夏凛は帰ってくるや否や自室のベッドに倒れ込むように寝転がる。
「なんなのよ丹羽のやつ。優しくするなとは言わないけど女の子に勘違いさせるような行動とるんじゃないわよ。おかげでこっちがどんだけ苦労したことか。ああ~もうヤダ!」
新天地での夏凜の働きは予想以上にオーバーワークだったらしい。相当疲れているようだ。
「こんなことになるのもあいつがフリーだからよ。もういっそ風とか東郷とか園子と付き合いなさいよ!」
丹羽に恋人でもいれば好意を寄せる相手にそれとなく伝えて諦めさせることもできるのだが、そうもいかない。
そのせいで自分に苦労のしわ寄せが来るのは理不尽だ。絶対仕返ししてやる!
翌日の早朝。いつぞやはセッカにお説教をされた海岸には木刀を持った夏凜と丹羽の姿があった。
「てぇい! たぁ! おりゃおりゃおりゃぁあああ!」
「っと、うわっ!? 三好先輩、今日なんだか荒れてません?」
夏凛による二振りの木刀をさばきながら、丹羽はいつにも増して攻撃が激しいことに目を白黒させる。
もう勇者として戦うことはないのだから戦闘訓練は意味はないのだが、夏凜は夏休みが終わってからも暇さえあれば丹羽と朝練を続けていた。
戦闘の勘を鈍らせたくないというのもあるが単純に身体を動かすことが好きなのだ。あと今回はストレス発散という大きな目的がある。
「チェストー!」
「あぶねっ!? 今思いっきり頭かち割るつもりだったでしょ⁉」
「あんたバーテックスなんだからちょっとくらい割れても平気でしょ? いいからあたしの気が済むまで思いっきり受けなさい!」
ストレスの原因へ向け情け容赦なく攻撃を繰り出す夏凜。戸惑いながらもさばいていく丹羽。
いつの間にかこうやって2人で訓練するのは新天地の調査が終わった後のルーティーンになっていた。
「はぁ、はぁ、ちょっと休憩」
「お疲れ様です、三好先輩。タオルとスポーツドリンクです」
夏凜は全力で動いて汗だくだというのに丹羽は涼しい顔をしている。
それが面白くなくて夏凜はつい「別にいいわよ」と意地を張ってしまう。そう言いながらも結局最後は受け取るのに。
運動後の心地よい疲労感が身体を包む。昨日までの荒れていた心も驚くほど穏やかになっていた。
やっぱり体を動かすのはいい。特に丹羽とこうやって打ち合いするのはストレス解消にはもってこいだ。
「ねえ、丹羽。あんた勇者部の誰かと付き合う予定とかないの?」
唐突な夏凜の質問に、丹羽は飲みかけていた自分の分のスポーツドリンクを吹き出した。
「なんですか急に?」
「あたしとしては誰ともくっついていない今の現状の方が不思議なんだけど。風とかどうよ? 料理もうまいし世話焼きだし。姐さん女房でいいんじゃない?」
夏凛の言葉に丹羽は首を振る。
「俺にとって勇者部の皆は大切な存在で、そういう邪な感情で見たことはありません。そりゃ、犬吠埼先輩にはご飯を作ってくれたりしてるので感謝してますけど」
「じゃあ東郷は? あの胸、男ならたまらないんじゃない?」
「人の話聞いてました? それに俺は胸の大きさで女性を判断しませんよ」
その言葉に夏凜は「ふーん」と少し上機嫌になった。なぜかはわからないが。
「じゃあ友奈は? あの娘いい子だし」
「三好先輩は俺に死ねと? 結城先輩には東郷先輩がいるでしょ」
またそれか。この百合厨め。
まあ、丹羽と友奈が付き合う場合東郷が最大の障害となるのはわかる気がする。
「樹は? 同じクラスだし、仲いいでしょ」
「仲がいい=付き合うのは違うでしょ。それに俺は犬吠埼姉妹がイチャイチャしてるところに挟まるつもりはありません」
「じゃあ園子と銀は? 特に園子とは話が合うし、いいんじゃない?」
「あの2人にはそういう感情を向けること自体が恐れ多いんですよ。特に三ノ輪先輩は…俺が助けられなかった人ですから」
なんか地雷踏んだみたいだ。沈む丹羽の顔を見て夏凜は慌てる。
「じょ、冗談よ! あんた最近防人の女の子たちと距離近いから」
特定の相手でもいれば自分が心配するように防人の女の子たちの間で刃傷沙汰が起こるのではないのか?
そんな夏凜の心配に、丹羽は笑って言う。
「心配しなくても三好先輩の思うようなことは起こりませんよ」
この時、両者の間で認識の齟齬が発生した。
夏凛は前述した防人の女の子たちの心配からの言葉だったが、丹羽はそれをにぼメブへと瞬時に変換する。
その上で自分がその間に挟まる男になるのはあり得ないと発言したのだ。
恐るべき百合厨の思考。微妙に認識が食い違ったまま会話は続く。
「あんたはそうでも向こうがそう思うかはわからないでしょう。前にも言ったけど、優しくするなとは言わない。でも優しくする以上責任をとる覚悟はしなさい」
「それは…うん、肝に銘じておきます。犬吠埼さんの例もあるので俺もあまり深くは関わらないようにしてるんですが…」
丹羽の言葉にわかっていないと夏凛は首を振る。
「アレで? 言っとくけど、あんたと防人の子たちとの距離は近いわよ? 気づいていないみたいだから言うけど気をつけなさい!」
「心配しなくても俺に好意を向けてくれるなんてありえないですって。俺もそういう男女のアレはないし。無性なので」
「あんたは自分を過小評価しすぎなのよ! 優しくされて悪い気になる女なんてそういないんだから。特に(防人隊の子は)周りが女ばっかりで男に免疫がないんだから」
夏凛の言葉にそう言えば楠芽吹は原作で母親と離婚して父親と2人暮らしのパパっ子だったなぁと思い出す。
「たしかにそうかもしれないですけど三好先輩のことが大好きだから俺が入る隙間なんてないでしょう(メブにぼ的に)」
「え、そ、そりゃ思ったより(防人隊の子たちに)好かれてて驚いたけど……って、今はそういう話じゃなくて! 最近あんた弥勒や加賀城雀と一緒にこそこそなんかやってるでしょ」
その言葉に丹羽はわかりやすく動揺し目を逸らす。
「エエー、ナンノコトダカワカンナイデスヨー」
「ごまかすの下手か! 弥勒とメールで何かやり取りしたり、加賀城雀とこそこそ取引したり。楠芽吹とも妙に距離が近い。あたしの知らないところで何やってんの?」
夏凛の言葉に言えるわけないと丹羽は押し黙る。
まさか加賀城雀と四国から中国地方へ移動する間護衛する代わりに芽吹ハーレムの映像や写真をもらっているなど。
夕海子の件は一応夏凜に了解をとっているが、話しているうちにその写真を兄の春信にも送っていることをうっかり話してしまうかもしれない。
ついでにいうと最近芽吹と仲がいいのは再生した土地の名城を作る計画を立てていたからだ。その計画を話した時の芽吹の目はゆゆゆいでも見たことないほど輝いていた。
「ぜひ姫路城は私に設計から築城まで任せて頂戴!」と両手を握られぶんぶんと握手する姿に本当にお城が好きなんだなぁと思ったものだ。
一方突如押し黙った丹羽に夏凛はまたイライラし始める。
(なんなのよ。あたしに言えないこと? またこいつは1人で抱え込んで)
友奈も1人で抱え込む傾向があるがこいつも大概だと夏凛は内心でため息をつく。
夏合宿の時そういうところを気を付けろと散々注意したのにこいつは治す気がないらしい。
とはいえそのまま伝えてものらりくらりと躱されることは今までの経験上わかっている。なので夏凛はからめ手で丹羽を説教することにした。
「ねえ、丹羽。これはあたしの友達の話なんだけど」
その言葉にえ? と丹羽は首をかしげる。
夏凜の友達といえば友奈と東郷くらいだ。あとは芽吹や防人組だろうか?
そんな話をどうして急に自分にしだしたんだろうと頭に疑問符が浮かぶ。
「実は、その友達の仲のいい友達が…いや腐れ縁かしら。そいつがどうしようもない自己犠牲馬鹿で、手に負えないんだって。しかも自分の魅力がわかってなくて無意識に人に優しくするタラシで友達は気が気じゃないそうよ」
夏凛の言葉にあ、芽吹のことかと丹羽は納得する。一瞬友奈の話かと思ったが腐れ縁と言っていたから芽吹のほうだと確信した。
おそらく友達というのも建前で本当は夏凜のことなのだろう。そこは正解なのに肝心なところを間違えていた。
確かに夏凜とは腐れ縁で防人全員を生かすために自分を追い詰める自己犠牲精神もあり、持ち前のカリスマ性もあり性格も人たらしだ。
「友達はそいつが原因で毎日ストレスが溜まってるんだって。いつかそいつが原因で一緒に働く女の子の集団の中で刃傷沙汰が起こるんじゃないかって」
「いや、刃傷沙汰は起こらないでしょう。その友達の腐れ縁の人が起こさせないでしょうし三好先輩が気にしなくても」
その言葉に「あ゛あ゛ん?」と夏凜のまなじりが上がる。
夏凛は丹羽が「俺がそんなことするわけないじゃないですか」という今までお前何聞いてたんだという風に聞こえ、丹羽としては芽吹が隊長である以上そんなことは起こらないだろうという信頼からの言葉であった。
だがそんなすれ違いに気づかず、会話は続く。
「こほん。で、そいつが友達に内緒で他の女の子と隠し事というか内緒で会っていることにイライラするんだって。これをアンタどう思う?」
「恋ですね」
迷いのない言葉に思わず夏凛の思考はフリーズする。
え、鯉? 恋? 誰が? 誰と?
「きっとその友達(夏凜)は腐れ縁の人(芽吹)のことを憎からず思っているんですよ。なのに自分に素直になれずに自分の他に女の子が周りにいてイチャイチャしている姿に無意識に嫉妬している。そのことを認めたくなくてイライラしてるんです! 間違いありません!」
無論これはにぼメブ、メブにぼが見たいがための丹羽の虚言に近い推測だったが、夏凜はそう言えばと思い起こす。
確かに自分は丹羽のことを大切な仲間だと思っている。7つの御霊を持った水瓶座戦で自分を奮起させてくれたことは感謝してもしきれない。
それにストレスが溜るのは防人隊たちとの新天地での調査の時だけだ。勇者部の皆と一緒の時は特にそれを感じない。
それはひょっとしたら防人隊の誰かが丹羽に告白して受け入れられることを恐れているからではないのか?
今回の件だって芽吹が自分以上に丹羽の役に立ったことに対する嫉妬ともとれるし、しずくや夕海子、雀が知らない間に丹羽と仲良くなっていた焦りとも考えられる。
それに今日のように丹羽と思いっきり身体を動かした後は嘘のようにそんなストレスなどなくなっていた。
あれ? おかしい。本当に丹羽の言った通りではないか。
「え、あれ? おかしい。そうじゃなくて…えぇ…?」
混乱する夏凜に、丹羽はダメ押しの言葉を告げる。
「三好先輩、(女同士の恋愛で)戸惑うのはわかります。でも、(メブにぼなら)きっと2人はお似合いです。あとは先輩が素直になれば」
夏凛にとっては告白ともとれる言葉が告げられ、パクパクと酸欠の金魚のように口を開けたり閉じたりする。
やがてこぶしを握り、うつむいた夏凜が絞り出すような声で言う。
「丹羽はあたし…じゃなくて友達がその腐れ縁のやつにどうするべきだと思う?」
そんなの決まっている。メブにぼが見たい一心で丹羽はその背中を押した。
「告白すべきです。あなたのことが好きだ。あなたのことで頭がいっぱいだ。責任をとれと。相手は最初混乱するでしょうが、きっと受け入れてくれるはずです!」
「うん。うん……そっか」
丹羽の言葉をかみしめた後、夏凜は丹羽の手を取り顔を上げて目をまっすぐに見た。
「丹羽、あたし……あんたが好き!」
突然の発言に丹羽はキョトンとする。それは芽吹に言うはずの言葉ではないかと。
「あんたの言う通り、あんたが防人の子たちと一緒にいるだけで心配なのよ。誰かがあんたのこと好きになって告白して受け入れるんじゃないかって」
「ちょ、ちょっと三好先輩?!」
「勇者部の誰かなら納得できた。でも、会って数日の子に取られるのは嫌! 恋愛は時間じゃないってわかってるけど、防人の子たちを選ぶくらいならあたしが…あたしのほうがあんたのことを大切に想ってるし、渡したくない!」
混乱する丹羽の手を引いて体勢が崩れたところに顔を近づけ、無理やり唇を奪った。
「これが、あたしの答えよ。あんたの言う通り、もうあんたのことで頭がいっぱいなの! だから責任取りなさい」
「ちょ、ちょっと待ってください三好先輩、三好先ぱーい⁉」
こうして勘違いから始まった三好夏凛の告白は最終的に受け入れられ晴れて2人は恋人同士となった。
ちなみに夕海子に送っていた写真を兄の春信に送っていたことがバレてしまい、夏凜はにっこりと笑った後丹羽とのキス写真を撮影し「あたしたちお付き合い始めました」という文面と共に春信に送った。
そのメールを受けた春信は人目もはばからず泣きじゃくり3週間大赦保有の保養施設で心の傷を癒したという。
夏凜ちゃんは恋人になった瞬間いっぱい甘えてきそう。(偏見)
付き合う前はツンツンしてるけど親愛度が高くなって線の内側に入ってきた瞬間「誰てめえ?」ていうくらいのキャラ変してきて甘えてくると思う。
それを見た春信お兄さんが今までの妹の態度との温度差でショック死するまでがテンプレ。
三好夏凛ルート確定条件
〇9月までに親愛度がmax。
〇夏休み中20回以上夏凛と戦闘訓練する。
〇夕海子とメル友になり「今日の三好先輩」を15回以上送る。選択肢「春信にも送る」に「はい」と選択する。
〇夏合宿で夏凜の水着をほめる。
〇夏祭りで夏凛の浴衣をほめる。
ゆゆゆのツンデレ代表夏凜ちゃん。何気に風先輩に次いで面倒見がいい性格なので困っているとサポートしてくれます。
基本的に常識人で勇者部のツッコミエース。加入時期が他の勇者たちよりも遅いので信頼度、親愛度を上げるために積極的に関わっていきましょう。
複雑な家庭環境で育って来たので家族愛に飢えています。犬吠埼姉妹と積極的に関わらせるように暗躍し、犬吠埼3姉妹を目指せば3人同時攻略も可能。
隠れブラコン。指摘すると親愛度が大幅に下がるので注意。
夏休み中の訓練は親愛度と信頼度と共に対人戦闘能力が上がる貴重な選択肢なのでぜひ選びたいところ。
プレゼントにはにぼしとサプリ。話題はトレーニングがなどが効果的。スケッチブックをプレゼントすると彼女の前衛的な芸術センスを垣間見ることができます。
サブクエスト「樹ちゃんのお願い」を達成すると信頼度、親愛度が爆上がりするヒロインの1人。やっぱり樹ちゃんのこと好きなんですねぇ…。
にぼいつはいいぞ!