詰みゲーみたいな島(四国)に人類を滅ぼす敵として転生した百合厨はどうすりゃいいんですか?   作:百男合

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 あらすじ
 ノーマルルートでラスボスがレオ・スタークラスターだといったな…あれは嘘だ。
 天の神、まさかの四国の守護神に変身。どうなる人型⁉
(+皿+)「やばいやばい! マリバロンとシャドームーン連れてこなくちゃ」
丹羽「一時的に勝ったり追い詰めただけで最終的に負けるだろ、それ」
(+皿+)「中身がてつ〇じゃない他の映画の客演ライダーであることにかけて戦うか? いや、それでも」
丹羽「RXだけじゃなくてロボライダー、バイオライダーに勝てるのか? バーテックスの能力で。レオの火球もスコーピオンの毒も多分無力化するぞ」
(+皿+)「だよなー。しかもフォームチェンジすると全快するし、そもそも生まれた経緯が変身能力奪って宇宙空間に放り出したらパワーアップして帰って来たっていう敵泣かせの設定だぞ」
丹羽「しかも過去に戻って倒そうとしたらなぜか増えるし」
(+皿+)「そう考えるとジオウのクォーツの奴らすごいな。よくライドウォッチ作れたわ。不思議なことが起こる前に」
丹羽「それはほら、中身がて〇をじゃなかったから」
(+皿+)「てつ〇ってすげぇよなぁ…」


【グッドエンドルート】漆黒の太陽

 それは丹羽がわすゆ組とテラフォーミングされた中国地方を訪ねた時のこと。

 身体の精密検査が終わり完全回復した丹羽に、人型のバーテックスは何かが入った小瓶を投げ渡してきた。

「これは?」

『俺の細胞の塊だ。1つ星屑1万匹くらいの質量を持つ』

 その言葉に丹羽は瓶の中を見る。中には飴玉状の丸い玉が5つ入っている。

『もしこの先お前が満開して戦わなくてはならないほどやばい状況になったら、これを使え。1つで1回は耐えられると思う。ただ…』

 表情がない星屑丸出しの顔で言葉を濁し、人型のバーテックスは言う。

『使うなら3つまでだ。それ以上はオススメできない。それ以上飲むと、多分お前は人間の姿を保てない』

 丹羽のような強化版人間型星屑はある基準値を超える星屑の質量を持つと弱い人型のバーテックスとなる。

 まあ、人型として弱いだけで人間型よりははるかに強いのだが。

『だから、これからも彼女たちと共にありたいと思うなら絶対それを使うな。もしそれを使うときが来たら、それは』

「わかってる。そうならないように努力するよ」

 自分の創造主の心配に手を振り、何でもないように答える。思ったよりもう1人の自分は自分のことが心配らしい。

「それより、なんでいつもの装置じゃなくてヒーリングウォーターの方で治療したんだよ。あっちの方が早いのに」

 この時、丹羽は知らなかった。セッカをかばい自分の存在する力を彼女に与えたことで身体がボロボロで、今までのようには治せないことを。

 そのためやむを得ず人型のバーテックスがヒーリングウォーターで治したことも。

『あー、それはいざというときのために、お前の身体のスペアボディを作ってやろうと思ってな。ここにいるのは女性型ばかりだし』

 だから人型のバーテックスはごまかすためにそんなことを口にした。だが、それを聞いた丹羽は目を輝かせる。

「え、マジか!? よかったー。もし俺が死んだら女性型の肉体に精神入れてTSするのかと思ってたから、安心したよ」

『なるほど、そんな手もあったのか』

 丹羽の言葉にその手があったか! と驚愕する人型のバーテックス。現にノーマルルートでは女性の身体に精神を移し、汀のんとして勇者の皆と楽しく百合イチャしていたりする。

「やらないからな! ぜーったいやらないからな!」

『ちょっとくらい考えてみてもいいじゃないか、俺。お前も自分が百合の間に挟まる男になってて困ってるって言ってたじゃないか。女の子になれば全部解決だぞ?』

「ふーざーけーるーなー! 俺は男として百合イチャを見守りたいんだよ! 断じて女の子になって百合イチャの間に入りたいんじゃない!」

 

 

 

「なんて、言ってたんだけどな」

 白い勇者服からバーテックスの肉塊が入った小瓶を取り出し、丹羽はレオ・スタークラスターを倒した喜びに沸いている勇者たちを見る。

 皆健闘を称え、最強の敵を倒したことを喜んでいた。

 誰も満開せず、何も失っていない。まさに理想的な物語の終焉(しゅうえん)

 あとは四国へ帰るだけ。そう思った丹羽の頭の片隅に、何かが引っかかった。

 なぜ人型のバーテックスはこちらへ援軍に来なかったのか。

 自分たちだけで充分倒せると信頼した? それにしては変だ。

 ゆゆゆいバーテックスの1体もこちらに差し向けなかった。いや、差し向けられなかったのか?

 嫌な予感がする。気のせいだと思うが、丹羽は勇者部の皆に声をかけた。

「じゃあ、皆さんは四国へ先に帰ってください。俺は精霊たちを人型に看てもらって帰るので」

「あ、じゃあわたしもいっしょに」

 ついてこようとする園子が声を上げると、続いて私も私もと手が上がる。それに丹羽は首を振った。

「いえいえ、みなさんは先に帰って防人の皆と祝勝会の準備をしててください。というわけで、精霊は預かりますね。みんなー、戻って来てください」

 丹羽の声にそれぞれ精霊が勇者たちの胸の中から飛び出し丹羽の元へ戻っていく。ただ1体、スミだけは銀の元から離れようとしない。

「スーミー、お前も来るんだよ。人型さんに異常がないか診察してもらわなくっちゃ」

『やーだー! アタシも祝勝会行きたーい!』

「なあ、丹羽。こいつもこう言ってるんだし、検査は後にして先にみんなと一緒に祝勝会に行こうぜ。みんなお前を待ってる」

 銀の言葉にそれはできないんですよ、と内心でつぶやく。場合によっては帰ってこれないかもしれないからだ。

「今度人型さんに頼んで中国地方にいるKカップの女の子のお山にビバークさせてやるから」

『まぁじでぇ! 行く行く!』

 おっぱいで釣ると簡単に手のひらを返してきた。チョロい。

「え、そんな女の子いるのか! あたしも行くから今度連れてってくれよ!」

「はいはい、ミノさんはこっち」

「銀、いいかげんにしなさいよ」

 ついでに食いついた銀を引きずって園子と東郷が銀を連れていく。

 よかった。あとは確かめに行くだけ。

 なにもなければそれでいい。だがもしもここに来られない理由があるのだとしたら…。

「にわみん!」

 思考にふけっていた丹羽を連れ戻したのは園子の言葉だった。

「なんですか、そのっち先輩?」

「ちゃんと、祝勝会までに帰って来てくれるよね? 来てくれないと…嫌だよ?」

 見抜かれているのだろうか? さすが最強の勇者。勘が鋭い。

 だから丹羽は安心させるように「はい!」と大きくうなずいた。

 きっとこの胸騒ぎは、ただの気のせいだという希望的な観測を抱いて。

 

 

 

 それを見つけたのは偶然だった。

 自分の命令を聞かない星屑。それがたまたま四国の近くで1体生まれる。

 そのことに天の神は大して気にもしなかった。億どころか兆を超える数の星屑になどいちいち構っていられない。

 それにそれだけ数がいれば1体ぐらい不具合を抱えるものもあらわれるだろう。そう大して気にしていなかった。

 あの時までは。

 2年前、自分の命令を受けた12体の星座級の巨大バーテックスを次々と倒し、食らっていったその不具合を抱えた星屑の進化に、天の神は目を見張った。

 明らかにただの星屑とは違う能力。人間のような手足と身体。そして自分も知らないバーテックスを自ら作り出している創造力。

 すべてが新鮮だった。それは天の神の知的探求心を刺激するには充分な出来事だ。

 それからずっと天の神は端末を通してこの個体を観察していた。人間のようなバーテックスを作ったことも。精霊を作り出したことも。

 さらに不可能だと思われていた土地の再生まで果たし、そこに人間のようなバーテックスの村を作っていることも。

 天の神は思った。こいつは危険だ。

 そのうちに自分へと牙をむく。自分に反旗を(ひるがえ)す存在になると。

 そしてついにそいつは神樹と邂逅(かいこう)し、バーテックスの本能に抗い神樹を切り倒すことなく逆に和睦したのだ。

 これは天の神にとって許しがたい裏切りだった。

 だが同時に興味を持つ。この個体は果たして何者なのかと。

 ひょっとすると将来自分に比肩するほどの力を持つ個体になるやもしれない。

 そこで天の神は一計を案じた。

 四国のそばにいた端末を使い、その力を試そうと。

 もしこちらにひざまずき、天の神に忠誠を誓うのならば優秀な手駒となるが期待外れ。ただの星屑ということになる。

 だがもし、もしも自分と敵対し、打ち勝つのならば…。

 期待を込めて、天の神は端末に命令した。その星屑が最も強いと思う存在になれと。

 端末は天の神の分身である。星屑の思考を読みその意図を検査しどこに不具合が発生しているか調べるのは簡単であった。

 だが、端末を通して得られた情報に、天の神は面食らった。

 戦いに関する記憶がまるでないのだ。あるのは人間の少女たちがキャッキャウフフしている場面の映像や文章、絵だけ。それで逆に汚染されそうになるのを慌てて止める。

 危険だ。こいつは危険だ。

 改めて、今度は戦いに関する記憶だけを取り出す。

 すると出るわ出るわ。天の神ですら思いつかないようなバーテックスの情報や武器や勇者の情報。

 それはいわゆるサブカル知識で、唯一百合知識とゆゆゆ関連以外で人型が持っていた知識だったが、天の神は知らない。

 そしてそこで見つけた。その星屑が絶対に倒せないと思っている最強の戦士の情報を。

 天の神はそれを再現する。端末と5体のレオスタークラスターを消費してその星屑が思い描く最強の存在を顕現させたのだ。

 さあ、勝ってみせろと天の神は心の中で望む。

 勝って我と同じ場所に立ち、この長き間自分を乾かしている退屈を埋めて(うるお)してくれと。

 

 

 

 無理無理無理、勝てるわけがない!

 人型のバーテックスは今すぐ回れ右して逃げたくなる気持ちを必死に押し殺し、目の前の天の神が変身した仮面ラ〇ダーBlack RXを見る。

 圧倒的プレッシャー。これがヒーローを前にした怪人の気持ちか。

 確かに言われてみれば自分って見た目も怪人っぽいし、こりゃ絶対勝てないわー!

 アハハハハハと現実逃避して笑いたい。というか泣いて逃げたいのにそれもできない。

 なぜなら自分はここで負けるわけにはいかないから。

 だがどうしたものか、と人型のバーテックスは自分の知識を総動員して目の前の敵の情報を改めて確認する。

 仮面ラ〇ダーBlack RX。仮面ライ〇ーBlackが暗黒結社ゴルゴムを壊滅させた後、クライシス帝国と戦うべく変身した新たな力を宿した正義のヒーロー。

 変身するための能力を奪われ宇宙空間に放り出されるというこれ以上ない絶体絶命のピンチに「その時、不思議なことが起こった」が起こりパワーアップして帰って来たという変身経緯からこいつの規格外さを知ることができるだろう。

 しかもこのラ〇ダー、まだ変身を2つ残している。それもチート級のものを。

 じゃあRX自体はそんなに強くないの? と思った方。とんでもない!

 まず仮面ライダーBlack自体が別名「ブラック・サン」という名を持つ。細かい設定は割愛するが、このヒーローは太陽の下では自動回復する。

 つまりこいつを倒すには夜か太陽の光が差さない場所に追い詰めるしかないのだ。

 だがここは壁の外、無論そんな場所は存在しない。これだけでどれだけこの敵に勝つのが無理ゲーなのかわかっていただけるだろう。

 それだけでチート級の設定なのだが、なんといっても強力なのがこのラ〇ダーの持っているキングストーンというキーアイテムの存在。

 これこそが「その時不思議なことが起こった」を引き起こす公式チートアイテムであり、どんな逆境やピンチに陥っても逆転する元凶なのだ。

 こいつはそれを持っているんだろうか? 持っていないでほしい。でもRXに変身した時点で持ってるんだろうなぁ。

 人型のバーテックスはとりあえずあいさつ代わりに自分の周囲に浮いているカデンツァ・アルタに攻撃準備をするよう命令する。続いてアタッカ・アルタ4体に天の神(RX)に突撃するよう命令した。

【ぬ゛ん゛!】

 最初のアタッカ・アルタの突進を天の神は受け止めた。さらに続いて自分に襲い掛かってくるアタッカ・アルタ3体に向け受け止めたアタッカ・アルタの向きを変え拳で殴りつけて飛ばす。

 ライダーパンチ!

 それだけで最初に突撃したアタッカ・アルタは吹っ飛び続いてきていた3体のアタッカ・アルタたちを巻き込もうとする。

 だが3体のアタッカ・アルタたちはその飛んできたアタッカ・アルタを躱して天の神に向かう。それを見て天の神はベルトから光るサーベルのようなものを取り出し構えた。

 リボルケイン(絶対必殺の光の杖)(相手は死ぬ)

 幾多の怪人を葬って来た光の杖がアタッカ・アルタを突き刺し爆発四散させる。

 これこそが仮面ライダーBlack RXを最強と言わしめるもう1つの理由。抜けば確実に相手を倒す絶対必殺の武器だ。

 剣というよりはビームソードや交通整理に使う光る棒のような形をしており、この攻撃を受けたものは例外なく死ぬ。

 この必殺技はリボルクラッシュと呼ばれ、公式設定では威力が無限大だとされている。

 攻撃の原理もリボルケインが相手に触れた瞬間相手を体内から破壊しつくすという無茶苦茶なもので、防ぎようがない。

 そう思って見ているとアタッカ・アルタ3体の突撃を天の神は最小限の動きで捌き、すれ違いざまにリボルケインを突き刺しアタッカ・アルタたちを爆散させていた。

 背後でアタッカ・アルタが爆発する中、決めポーズである一欠をするのも忘れない。

 目の前で爆発するライダーパンチされた最初のアタッカ・アルタを見ながら、人型のバーテックスは内心でブルブル震える。

(か、勝てるわけない)

 ゆ゛る゛さ゛ん゛! もうあいつだけでいいんじゃないかな? その時不思議なことが起こった。死角はありません、無敵です!

 ネタ要素しかないことで忘れがちだが、その強さは本物だ。特撮スレで倒す方法募集スレが定期的に立つが有効な手段がいつも出ないのは伊達じゃないらしい。

 その時カデンツァ・アルタの攻撃準備が済み天の神に向かって光線を放つ。

 アタッカ・アルタの爆発に紛れて不意打ちは成功したが、黒と灼熱の赤のボディから煙が出るだけで致命傷には至らない。しかも傷がもう治り始めている。

 前述した自動回復能力だ。厄介だな、と人型のバーテックスは内心で舌打ちしながら水のワイヤーを放ち天の神を拘束する。

 回復するならそれを上回るダメージを与えるまで。レオの熱光線を食らえと先ほど喰らったレオ・スタークラスターのすべてを焼き尽くす熱光線を放とうとする。

 その時、不思議なことが起こった。

 天の神がその姿を変え、真っ黒な身体にオレンジのラインが走り、頭部は兜のような銀色の額当てが十字に走っている。

 これがRXが最強と呼ばれるゆえんであるもう1つの理由。フォームチェンジとその規格外の強さだ。

 今変身したのは物理攻撃特化ロボライダー。またの名を悲しみ(炎)の王子。

 物理特化の形態で、RXの時よりパワーと装甲が強化されている。パンチの威力も上がりこの形態が放つダブルパンチは必殺技だ。

 つまるところ、RXを拘束していた水のワイヤーもこの形態だと簡単に引きちぎることができる。

 さらにこの形態の主武器は光線銃だ。威力はリボルケインにも負けず劣らず、初使用時に怪人の腕をもぎ落としたという逸話からその威力を知ることができるだろう。

 しかもこの形態は高熱にも強く炎を吸収し自らのエネルギーとする。設定上では6000度以上のエネルギーにも耐えられるらしい。

(こんなん想定しとらんよ…)

 集中させていた熱エネルギーを放棄し、慌てて回避行動をとる。その瞬間熱光線のために集めていたエネルギーが霧散し、人型のバーテックスがいた場所を放たれた光線銃の光が容赦なく襲い掛かった。

 その銃弾で浮遊していたカデンツァ・アルタがやられる。無論、一撃でだ。

 やはりゆゆゆいバーテックスとはいえ、ボス敵以外は相手にならないか。

 逃げる人型のバーテックスを【逃さん!】と叫びながら追いかける姿に本編の怪人、ネックスティッカーもこんな怖さだったのかなぁと思う。

 そりゃ逃げるよ。こんだけ力の差を見せられたら…怖いもん!

 光線銃ということはアクエリアスの水球防御も効果は薄いだろう。せめて実弾だったら防げたものを。

 この形態相手にはレオの火球や熱光線、さらに近距離攻撃は無意味だ。しかもロボライダーはセンサーも強化されているのでクロックアップしたカブトに変身したディケイドを視認して銃撃を放っていたりする。

 勝てるビジョンが見つからない。仮に太陽の中に放り込んでも普通に生きて戻ってきそうだ。

 こうなったら打てる手はすべて打つ。射手座の無数の矢を放つ能力と一緒にチャージショットも放ち相手を矢襖(やぶすま)にしてやる!

(いや、駄目だ。それはバイオライダーで避けられる)

 バイオライダー。RXがもつロボライダーとは別のもう1つのフォームチェンジだ。

 怒りの王子とも呼ばれ、この形態には物理攻撃が一切通用しない。

 これはこの形態が身体をゲル状にできたりミクロ化できるためで、『弾が全部奴の身体を突き抜けてしまうぞ!?』という怪人の台詞は結構有名だ。

 ただ、この形態が原因でライバルであるシャドームーンにやられてしまう。

 理由は熱に弱いからだ。シャドームーンはゲル化しているバイオライダーにシャドービームを放ち大ダメージを与えることに成功したのだ。

 あと一歩というところで怪人が邪魔しなければ倒せていたのだが…結局そのシャドームーンも後にRXには倒されてしまう。

 つまり、倒すチャンスがあるとすればバイオライダーに変身した瞬間レオの火球で焼き尽くすしかない!

(よしっ、やるかぁ!)

 人型のバーテックスは天の神にカプリコンとヴァルゴ能力を組み合わせてスモークグレネードを放ち、無数の矢を放った後火球を放つ準備をする。

 勝負は一瞬。敵がバイオライダーに変身した瞬間だ。

(今っ!)

 自分と融合している精霊の能力により放たれた矢がゲル状になった天の神の身体を通過したのを感覚的に理解した瞬間、レオの能力である火球を放つ。

 もうもうとした煙の中、火球が煙の中に飛び込んだ。原作知識通りなら、これで大ダメージを与えられるはず。

 だが――無意味。

『っ、ちぃっ⁉』

 跳躍し、グランディオーソの背後に急いで飛び込んだ人型のバーテックスは、仕留めそこなったことに歯噛みした。

 敵は健在。しかもこちらに向かって必殺の攻撃を容赦なく繰り出してくる。

 今撃って来た光線銃から察するに、バイオライダーに変身して火球が近づいた瞬間またロボライダーにフォームチェンジしたのだろう。

 そういえばRXはノーモーションでフォームチェンジができる上にその前のフォームが受けたダメージはフォームチェンジした瞬間全回復するんだったっけ。

 今更思い出した最強である所以(ゆえん)に、打つ手なしと記憶の中にある全知識が結論を告げる。そこを何とかと頼み込むがサブカル知識は結論を覆さない。

 やばい、やばい、やばい。本気で勝てるビジョンが浮かばない。

 まず太陽による自動回復を無力化しなければ。

 いや、フォームチェンジさせずに一気に敵を葬るほどの攻撃を今すぐ生み出すべきか?

 バーテックスの能力を総動員して人工的に小型太陽を生み出せばどうだろう。だがこれでは普通に耐えそうだ。

 なぜなら敵は天の神であり、今の姿は太陽の子なのだから。

 ならば逆に液体窒素の中に放り込んで氷らせて破壊するという手は?

 駄目だ。バイオライダーの身体は水晶の液体細胞で作られていて冷気には強い。まさに八方塞がりだ。

『そうなんだよ、強いんだよRX。時間停止とか空間操作とか平成のチート級ライダー軒並み連れてきても勝てないし、ピンチになっても【その時、不思議なことが起こった】で逆転するし。勝てる気がしねぇ…あ、ディケイドが一応ファイズポインターで拘束してクルムゾンスマッシュで大ダメージを与えた戦績があったっけ。でも水のワイヤーで拘束してもロボライダーが…ロボライダーでも引きちぎれないほど強力なワイヤーを使えばあるいは』

 ぶつぶつ言いながら頭を整理している間も敵は迫ってくる。こうなったら出し惜しみは不要と人型のバーテックスは指示を飛ばす。

『グラーヴェ・ティランノは2体がキーンラステネールでダメージを与えつつ他の2体がヴェノムブレスで毒状態を付与! 残りの4体は敵が怯んだ隙にポイズンファングを連続で放ちこれ以上近づけさせないように移動禁止の状態異常付与! フローチェはグリップショットで移動禁止の延長を援護! レントはシャットアウトで敵の必殺技禁止を付与し仲間の攻撃力と移動速度をアップ!」

 指示を受け巨大なムカデのようなバーテックスを始めとしたボスバーテックスたちが天の神の進行を止めようと奮起する。

 移動禁止デバフを使い、さらに攻撃を容赦なく浴びせ体力を削ろうとするが、天の神はそれを受けてもぴんぴんしていた。

 何かしたのか? というように見返してくる天の神は移動禁止デバフによりまだ動けないが、脅威を感じさせ身をすくませるには充分な恐怖だ。

『そうだ、それでこそRX。それでこそ四国の守護神!』

 だから、人型のバーテックスはやめる。出し惜しみなど捨て、自分の限界を超えて敵に当たろうと。

 思い描くのはゆゆゆいにおける最強の敵。勇者たちに試練を与え、最後は自ら勇者たちの前に試練として立ち塞がった最強の存在。

 人型の質量が爆発し、巨大化した体躯はすべてを焼き尽くす炎のように揺らめく。

 造反神。その姿に体躯を変化させた人型のバーテックスは最強の敵に向かいその牙をむいたのだった。




 作中で小型太陽を生み出そうとしたけど、ロボライダーなら余裕で耐えられる件。
 自滅覚悟で太陽に一緒に飛び込んでも太陽の表面温度は4~6000度。中心温度は1600万度。ロボライダーは設定上6000度以上のエネルギーにも耐えられて自分のエネルギーにできるので中心部にたどり着く前に自滅しちゃう。
 仮に中心部へと一瞬でワープさせても不思議なことが起こって無傷で帰ってきそうで怖い。
 逆に凍らせて永久凍土に封印すればいいんじゃね? と思ったあなた。ロボライダーはそれで倒せるかもしれないけどバイオになった瞬間ゲル状になって余裕で抜け出せるんですよ。
 物量作戦で押し切ろうとしても太陽のある所では自動回復するし、後半になったら夜になっても普通に変身して戦うし、フォームチェンジしたら全快するし、過去に戻って消そうとしたら増えるし。
 こいつらを追い詰めたクライシス帝国って超有能組織だったんだなぁ。最初にBlackを仲間に引き入れようとした時点で詰んでたけど。
 そんな悪役泣かせの設定全部詰め込んだような仮面ラ〇ダーBlackとRxの動画はア〇ゾォン! プライムとH〇luなどの動画配信サイトで好評配信中。みんな、お友達に布教しよう!(媚を売る)

 天の神(RX)
 緑の部分が灼熱の赤という見た目以外はまんま仮面ラ〇ダーBlackRx。中身がて〇をではないのが唯一の救いか。
 武器はリボルケイン(相手は死ぬ)。本物と同じく太陽の下では自動回復する。
 フォームチェンジするとロボライダー、バイオライダーとなりセンサーアップ、防御力アップ。物理攻撃無効、液状化など様々なチート級能力を使う。
 無論元が天の神なので12正座の巨大バーテックスの能力も使える。ジェミニのスピードでリボルケイン突き刺しに来るなんて悪夢でしかない。
 アクロバッターやライドロンは付属していない模様。いたら本格的に勝てないもん。しょうがないね。
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