詰みゲーみたいな島(四国)に人類を滅ぼす敵として転生した百合厨はどうすりゃいいんですか? 作:百男合
天の神(RX)を攻撃するもそのすべてをほぼ無効化されてしまう。まさに「死角はありません、無敵です」AAを体現したような姿に戦意喪失気味の人型のバーテックス。
一撃一撃が必殺の攻撃に追い込まれ、これどうやって倒したらいいのと困惑中。
追い詰められ疲弊した心は危険な領域へと突入し、ついに人型のバーテックスに最終手段をとらせてしまう。
(+皿+)「これが俺のフルパワー。100%中の100%」(造反神モード)
丹羽「なんか後々すごいパワーインフレが起きて強キャラだったのにB級扱いされそう」
(+皿+)「かつてないこの緊迫感! これこそがオレの望む戦い!!」(ガクブル)
丹羽「膝(ないけど)震えてんぞ。無理すんな」
(+皿+)「誰かのために120%の力を出せる…それがお前たちの強さ…」
丹羽「遺言になってんじゃねーか!」
天の神は驚愕した。
目の前の星屑の…いや、星屑だったはずの存在の姿に。
あれは間違いなく自分と同じ天の神。それも自分と同じような強大な力を持つ存在に他ならない。
端末を通して感じるプレッシャーからも間違いようがなかった。あれは我が同胞に他ならないと。
なんということだ。
自分と比肩しうる存在かもしれないと感じていたが、よもや本当にただの星屑がここまで成長するとは。
望外の喜びに天の神は打ち震えた。今すぐ自分もあの場所に向かい新しく生まれた同胞とこの喜びを分かち合いたい。
だが、それは叶わないだろう。なぜなら新しく生まれた同胞はこちらに向かい明確な敵意を持っているのだから。
ならば屈服させ、我が陣営に引き入れるのみ。
決して地の神の集合体、神樹と共にあることなど許さぬ!
天の神の喜びは今や執着へと変わっていた。そしてより深くこの新しき同胞のことを理解しようと四国にいる端末とのシンクロ率を上昇させていく。
さあ、お前をもっと見せてくれ。もっと深く理解させてくれと。
造反神。
アプリゲーム結城友奈は勇者である花結いのきらめきでメインストーリーのラスボスとして勇者と防人と巫女、計24名の前に立ち塞がった最後の試練。
体力ゲージを10本持ち、12星座はもちろん他の巨大バーテックスの能力も使える、ある意味最強の存在だ。
詳しく説明するとネタバレになるので割愛するが、このバーテックスの能力は団体戦でこそ真価を発揮する。
攻撃がほぼ勇者への防御低下や行動禁止などのデバフ効果を持つこと。フルスピードなど味方バーテックスの移動速度を上げたり遠距離攻撃態勢を与える多彩なバフ効果を与えるサポートスキル。
さらには仲間の体力を40%も回復するウォーターヒールと隙がない。攻撃、補助、回復もいける万能型のボスなのだ。
しかも会話の内容から察するに勇者たちと戦った時は本気を出していない。あくまで試練として勇者の力と心の強さを確かめるために戦ったということだろう。
そんな造反神の姿に、人型のバーテックスはなっていた。
この姿になった以上、もう後には引けないと人型のバーテックスは思う。
12星座を吸収し、星屑を億匹食らったからこそなることができたこの形態。もしこれが負けるようなことがあればこの世界にあの天の神を倒せる存在はいない。
巨大バーテックス達のデバフ攻撃により動きを封じられている天の神(Rx)に意識を向けて人型のバーテックスは思う。
さあ、ここからはゆゆゆいのルールで思う存分戦ってやると。
移動禁止デバフが解けたロボライダー形態の天の神に向かい必殺の一撃を見舞う。
アブソリュート・エンド。
移動速度を減少させ、敵全員の体力の8割を削るゆゆゆいプレイヤーを恐怖させた攻撃に、さしもの天の神も膝をつく。
畳みかけろ! と脳内で命令し、双子座のスキル、フルスピードを使い巨大バーテックス達の移動速度を上げ攻撃するように命令した。
ポイズンファングを放とうとグラーヴェ・ティランノが天の神に迫る。獲った! と確かな手ごたえを感じた瞬間、巨大なムカデのような体躯は内側から滅多切りにされてしまう。
バイオライダーのバイオブレードによる斬撃だ。天の神はロボライダーからすぐさまバイオライダーへとフォームチェンジし、ミクロ化してグラーヴェ・ティランノにわざと呑み込まれたのだ。
それからバイオブレードで内側からグラーヴェ・ティランノの体躯を滅多切りにし、無傷で出てきた。
しかもロボライダーからバイオライダーにフォームチェンジしたことで8割も削ったはずの体力が全快している。どんだけチートなんだよと人型のバーテックスは知っていたとはいえ呆れる。
だが、そんなことは織り込み済みだ。今こそが敵を倒す最大のチャンス。
グラウンド・ゼロ。
範囲内の敵にダメージを与え、10秒間移動禁止のデバフ効果を与える技。
中心部にいれば大ダメージは免れない攻撃を、天の神はもろに受けた。
10秒、それだけの時間があれば充分だ。
人型のバーテックスはノーモ―ションでレオの巨大な火球を天の神に向かって放つ。バイオライダーは熱攻撃に弱い。さらに動きを封じた今の状態ならいける!
グラーヴェ・ティランノの死体を焼き尽くすほどの高温の火球が降り注ぐ。グラヴェ・ティランノは防御力が高くしぶといゆゆゆいバーテックスなのでその体躯を数秒で燃やし尽くすほどの熱量攻撃といえばその威力の程を知ることができるだろう。
だがそれでも人型は安心せず次の攻撃に備える。複数の必殺技を同時に展開させ、天の神に向かって最善手を放つ為の準備を怠らない。
『っく!?』
次の瞬間、人型に向かって光線銃が撃たれた。天の神は生きていたのだ。
巨大な火球が身体に着弾する瞬間再びロボライダーへとフォームチェンジし、そのエネルギーを自分の物としてパワーアップしていた。それをお返しとばかりに人型のバーテックスに向かってパワーアップした光線銃を放つ。
これはたまらんと慌ててグランディオーソの背後に回り盾になってもらう。
城門のような形をしたグランディオーソが防いでくれるが、遠距離攻撃を無効化するはずの体躯には確実にダメージが蓄積している。どうやらあの光線銃の威力は勇者の必殺技と同等、あるいはそれ以上の威力を持つらしい。
人型のバーテックスはグランディオーソが壊される前に宙に浮き、天の神に向かって用意していた必殺技を放った。
ハウリングノイズ。
攻撃スピードを減少させ、防御力を下げさせるデバフ攻撃を受け天の神は動きを止めた。
やはりか。と人型のバーテックスは自分の推測が当たったことに内心で喝采を上げる。
ロボライダーとバイオライダー。この2つのフォームの共通の弱点は、音だ。
ロボライダーはRxの時よりセンサーが強化された分、耳から入ってくる情報が多い。
それこそペガサスフォームに初変身したクウガ並みに。常人なら発狂して情報処理どころではないだろう。それを扱えているのは歴戦の戦士ゆえか。
そしてバイオライダー。こちらも音に弱い。いや、音というよりは振動に弱いのだ。
物理攻撃をすべて無効化するゲル状の身体は通常の身体よりも振動を感じやすい。それこそ潜水艦に爆雷攻撃がよく効くように。
つまりこの2つの互いが互いを補い合う完璧な2つの形態は、音波攻撃という共通の弱点があったのだ。
現に今の天の神はハウリングノイズを食らって前後不覚になっている。高感度すぎるセンサーが大音響の音波をキャッチしてしまい脳の処理が追い付かず身動きが取れないのだろう。
だったらすることは1つだ。
アリエスとタウラスとリブラ。この能力を使い超音波攻撃を敵にぶつける。そして動けなくなりフォームチェンジできないまで追い詰められたところに必殺技を放つ。
『喰らえ! 超ハウリングノイズ! 感度3000倍バージョン!』
鋭敏になった天の神の感覚を狂わす高感度センサーをさらに破壊すべく強力になった音波攻撃を放った。
灼熱の炎が噴き出す地面に膝をついた天の神に向け、人型のバーテックスは天の神に近づくと必殺の一撃を繰り出す。
ドゥームブレイブキラー。
範囲内の敵に即死級のダメージを与える必殺技。
これで天の神は虫の息だ。あと1撃で倒せる。
そう信じて次の必殺技を放とうとする人型の燃えるような炎の体躯が、拳によって吹っ飛ばされた。
『かはっ⁉』
忘れていた。ロボライダーは近接格闘も強いのだ。
攻撃をまともに受けた人型のバーテックスはグランディオーソの元まで吹っ飛ばされる。それを守るように巨大バーテックス達が天の神に襲い掛かるが、次々と光線銃にやられていく。
(なんでだ? 俺は確実に奴を追い詰めていたはず……そうか!)
灼熱の大地。これこそがロボライダー形態である天の神にとって太陽以上のエネルギータンク。
現在四国以外の大地はマグマが吹き出し、炎の川が流れる大地だ。それは熱エネルギーを吸収して力にするロボライダーにとってほぼ無敵状態で戦えるまさに
この地上で戦う限りこちらに勝つ可能性はないだろう。
なんということだ、こんな簡単なことを見落としていたなんて。
自分の考えの足らなさに歯噛みする。これではどんなに相手を追い詰めても勝てるわけがない。
急いでウォーターヒールを仲間全員にかけるが時すでに遅し。グラヴェ・ティランノ2体を除きほぼすべての巨大バーテックスが天の神の光線銃や鉄拳によってやられていた。
こうなったら天の神を上空まで吊り上げて地上から離し、音波攻撃で動きを止め再びドゥームブレイブキラーを放たなくては。
いや、1度見た技を相手が見逃すとは思えない。警戒しているだろうし、そうやすやすとは攻撃を受けてくれないだろう。
どうしたものか。状況は確実にこちらの詰みの状況に近づいてきている。
「悪い予感がして来てみれば、やっぱりな」
その時、城門のような姿のグランディオーソの上に何者かが立ち、造反神と化した人型のバーテックスと天の神(ロボライダー)を見下ろしていた。
誰だ? と首をかしげる天の神。人型のバーテックスはその登場を嬉しく思うと同時にどうしようもなく腹が立ち、思わず叫ぶ。
『なぜ来た丹羽明吾! お前は勇者の皆のところにいないとダメだろうが!』
「そんなの、俺がお前だからに決まってるだろ!」
何をわかり切ったことを、と言うような丹羽の言葉に、人型のバーテックスは心の中で叫ぶ。
馬鹿野郎が! お前が俺なら、ここに来てほしくないことぐらいわかるだろうと。
「手こずっているみたいだな。手伝わせろ」
『馬鹿! 相手は天の神だぞ! しかも絶対無敵のチートライダー…とにかく、お前が勝てる相手じゃ』
「やってみなくちゃわかんないだろ! 行きますよ、みなさん」
丹羽の言葉と共に8体の精霊が現れ白い勇者服の丹羽に向かってうなずく。
「偽神満開!
8つの精霊と丹羽が一体化し、光が身体を包み様々な種類の百合の花が咲き誇る。
光が収まるとそこには神道の神官風の服に青、桃色、銀色、水色、紫、黄色、緑の7色のラインが走り、中央に赤い円が宝玉のように輝いていた。
背中には様々な意匠を凝らした複数の種類の百合の花の金属が扇状に咲き乱れ、まるで咲き誇った花のようだ。
そして周囲を8つの光が絶え間なく飛び回り、真っ白で巨大な茅の輪のような円状の武器を握っていた。
それは、神樹の力とバーテックスの力を合わせた本来の世界ではありえなかった力。
神を偽り神の力をその身に宿し、人外の圧倒的な暴力を振るうための姿。
『お前…飲んだのか、小瓶の中身!』
8体の精霊を取り込み偽神満開を果たしたもう1人の自分に、念話で叫ぶように声を上げる。
なんてことだ。こんなことに使ってほしくて自分はあれを渡したわけでは…。
いや、後悔するのは後だ。それより今は差し迫った問題としてもう1人の自分と共闘して目の前の敵を倒さなければ。
『丹羽明吾! そいつを大地から離せ! そいつが灼熱の大地にいる限り、俺たちに勝ちはない!』
「了解!」
人型のバーテックスの指示を受け、天の神に向かって丹羽は跳んだ。
白い巨大な円環状の武器の内側に足を乗せ、まるで車輪を転がすように天の神に向かっていく。
突然乱入した勇者の存在に困惑している天の神をひき倒すと、再び天の神に向かって円環上の武器に乗り両手に持った斧を振るう。
天の神は巨大な車輪に乗っているような丹羽に向けて光線銃を撃ちまくる。だがどれも正確に捉えることができずに攻撃はすべて避けられてしまった。
「あんたみたいなのが敵として出てくるのは、仮面ラ〇ダーサモンライドみたいなゲームだけで充分なんだよ!」
黒い斧が天の神の上半身を切り裂く。傷口を押さえる天の神に向かってさらに虚空から無数の槍が降り注いだ。
丹羽は精霊と一体化することでその精霊の持つ武器を扱うことができる。それは満開しても同じであった。
つまり今の丹羽は巫女の2体を除くと6種類の武器を自在に扱うことができるのだ。
槍を受けても顔色1つ変えず天の神は丹羽に向かって光線銃を連射する。それを見て丹羽は白い円環状の武器を自分の目の前に浮遊させた。
次の瞬間光線銃の光は白い円環状の中心に空いた虚空に吸い込まれる。
丹羽が傷ついていないことに首をかしげる天の神に向け、丹羽は自身の右手についている腕輪を放り投げ、一言告げる。
「繋げ!」
それだけで丹羽の腕サイズだった輪は巨大化し、丹羽の持つ巨大な白い円環上の武器と同じくらいの大きさになった。
その真ん中の穴から先ほど天の神が放った光線銃の光が天の神自身へと放たれたのだ。
丹羽の持つ白い巨大な円環状の茅の輪のような武器と両腕の輪はリンクしていて、空間と空間をつなぐ能力がある。
左右の腕輪は対になっており、茅の輪のような白い円環を入り口としてもう片方の円環状の輪から攻撃を出して別の場所に出したりできるのだ。
これを利用すれば一瞬で遠く離れた地へとワープできたりもするのだが、満開の間だけしか使えないのであまり遠くへの移動には使えない。
だが先ほどのように工夫すれば放たれた攻撃をそのまま相手に返すこともできるのだ。
自分自身の攻撃にやられるとは思っていなかったのか、困惑する天の神に向けて丹羽は円環状の武器を放ち、命じた。
「締めろ!」
天の神の上空にたどり着くや否や丹羽が命じると円環状の武器は立ち上がろうとする天の神の腰回りまで浮き、いきなり縮んで腕ごと天の神を拘束してきつく締めあげたのだ。
そのまま丹羽が上へと腕を上げると天の神は宙へ浮いていった。それを見て人型のバーテックスは心の中で強くうなずく。
『よし、そのまま捕まえてろ! 超ハウリングノイズ!』
炎のような体躯を浮かせ、アリエス、タウラス、リブラの能力をくわえ強化した音波攻撃を天の神に見舞う。
満開の影響で飛行能力を得た丹羽は人型のバーテックスと並走して飛びながら、短く言葉で告げる。
「エボルト、東郷さん、電子レンジの中に入ったダイナマイト!」
『なるほど、了解!』
こういう時相手が自分だと便利だ。わずかな言葉で通じ合うことができる。
人型は丹羽の告げた作戦の準備を始めた。一方天の神はロボライダーからバイオライダーへとフォームチェンジして拘束から逃れようとしている。
「読んでたぞ、その変身は!」
次の瞬間丹羽の指がパチン! と鳴らされ円状の武器から百合の花が咲き誇る。
自由落下するゲル状の天の神を百合の花の結界が包み、外へ逃げられないようにした。
この花の結界は四国をバーテックスの攻撃から守るものより強力だ。
さらにこの結界を作る百合は白ではなく様々な色を持つもので構成され、日光を遮断する効果もプラスしてある。太陽の光で自然回復する天の神にとっては牢獄だろう。
『人類の叡智、受けてみな。神様』
アクエリアスの能力から水素を、アリエスの分裂と振動能力、レオの熱、ヴァルゴの爆弾を作る能力を総動員して人型のバーテックスはそれを作り上げた。
原子爆弾。核兵器。たった1つで人類の日常を一瞬で奪う悪魔の発明。
それを円環の空いた穴に放り込み、丹羽が円環状の武器に結界を閉じるよう命令する。
次の瞬間轟音が壁の外の世界に響く。それは中国地方にいる人間型バーテックス達の耳にも届くほどの爆発音だった。
バーテックスの能力で極限まで強化された爆弾。破壊力は人間の作るものの数千倍だろう。
百合の花の結界の中にいるのがバイオライダーかロボライダーか。どっちにしろただではすまない。
バイオライダーの場合は爆弾の高熱で燃え尽きる。ロボライダーの場合は爆発によって逃げ場のない暴力的な威力に身体はバラバラになっているだろう。
それに最大の懸念である太陽の光も花の結界により塞いだ。これならば……っ⁉
勝ったと思った瞬間に、最大の隙は生まれる。
次の瞬間、袋状になっている百合の花の結界から光るサーベルが出現し、結界を切り裂く。
『危ねぇ!』
丹羽に迫る投擲されたリボルケイン。炎の体躯から腕を急遽作りだして突き飛ばす。
次の瞬間人型のバーテックスの腕にリボルケインが突き刺さり、内側から破壊しようと無限のエネルギーを放出した。
『くそっ! 遮断!』
エネルギーが本体に迫る前に人型のバーテックスは腕を自らの意思で切り落とす。爆散する腕。見ると袋状の百合の花の結界からはRxの姿の天の神が切れ目から身体を出し、こちらへ向かって敵意の視線を真っ赤な2つの瞳から向けていた。
『弱ったな、まさかここまでとは』
「ああ、本当に」
あれだけの攻撃を受けて無傷の天の神に、ごくりと固い唾を丹羽は飲む。
「まさか、ここまで予想通りだったとは」
次の瞬間、天の神が踏み出そうとした虚空が消失した。
足を滑らせたのではない。文字通り消失したのだ。
丹羽の手によって生み出されたブラックホールによって。
丹羽の精霊、ミトとシズカは巫女をモデルとした人型の精霊である。
よって能力も巫女の能力にそったものだ。
それは神託の感知であったり、勇者の全能力の向上であったり、結界を作ったり。
そして巫女といえばゆゆゆで切っても切り離せないのが奉火祭である。
これは巫女を犠牲に本編で東郷が破壊した結界を修繕した方法であるが、これを行うとブラックホールを作ってしまうという副作用がある。
これにより東郷は友奈ちゃんが好きなヤベー奴、国防思想のヤベー奴に続きブラックホールになるヤベー奴という称号を得たのだがそれは今関係なく。
もしミトとシズカの能力を使えば、ブラックホールを任意に作り出すことができるのではないか?
そう考えたのはゆゆゆ本編を知る丹羽からしたら当然だった。切り札状態では使えなかったが、満開状態の今ならばと。
その結果、見事にブラックホール作成は成功し、天の神はそれに引きずり込まれたのである。
『じゃあな、天の神様。太陽の光の届かない漆黒の世界で、せいぜいがんばってくれ』
「リボルケインも投げちゃったら、もう帰ってこれないよなぁ。最後の最後にあんたは選択を間違った」
にやにや笑う丹羽に、この時天の神は謀られたのだと気づいた。
だがもう遅い。片足はすでにブラックホールに飲み込まれている。身体全体が呑み込まれるのも時間の問題だろう。
必死に百合の花の結界にしがみつき何とかとどまろうとする天の神。だが無情にも丹羽が腕を伸ばして招くように自分の方に引くと結界は砕け散り、円環状の白い武器は丹羽の元へ戻っていく。
それと同時に天の神は結界ごとブラックホールに飲み込まれ、最後の手の指1本が虚空に開いた穴に消えるまで1人と1体はその姿を眺めていた。
造反神形態から元の人型に戻った人型のバーテックスは、満開が解けた丹羽に向かって思い切りグーで顔を殴りつける。
「うわっ、何するんだよ⁉」
攻撃を受けたはずの丹羽は大して痛そうな顔をしていない。むしろ殴った人型のバーテックスの方がダメージを受けていた。
これは丹羽の中にいる8体の人型の精霊の影響で、丹羽の身体を覆う精霊バリアがかなり強力なせいだ。それこそ人型のバーテックスの攻撃を跳ね返すくらい。
だがそれでも気が済まないのか、人型のバーテックスは何度も丹羽の顔の部分を殴りつけ、もう1人の自分に叫んだ。
『なんて無茶しやがる! 馬鹿かお前は!』
「な、馬鹿はお前だろうが! 俺がいなかったら多分やられてたぞ!」
『それでもよかったんだよ! 最悪俺の意識を持つスペアは中国地方にもう1体残してあるんだから! でもお前はそうじゃないだろう⁉』
この時丹羽は初めて目の前にいるもう1人の自分が何を怒っているのか理解し、ため息をつく。それをお前が言うのかと。
「あのなぁ、俺もお前が作ってくれたスペアボディーに意識を残してるから状況は同じだぞ。そりゃ、精霊8体失うかもしれなかったけど、そうじゃなかったらあいつを倒せなかった」
『そうじゃない! 勇者部の皆にはお前しかいないだろうが! 俺じゃお前の代わりに…丹羽明吾として勇者の皆とは一緒にいられないだろ』
「そんなこと言ったら俺だってお前の代わりに土地の再生なんかできないだろうが! お前の役割の方が大切だろ!」
いやお前が、いやいやお前がとこの不毛なやり取りは結構長く続いた。2人ともバーテックスなので疲れるということがない。
やがてこれ以上の言い争いは無意味だと気づいた1人と1体はグランディオーソにもたれかかり、天を仰いだ。
赤一色の空。四国ではありえない空の色。
ここで自分たちは生まれ、勇者たちを救うために手を尽くしてきた。
だが、それも今日で終わりだ。
「――勝ったんだな、俺たち」
ぽつりとつぶやいた丹羽の言葉に、隣に座った人型のバーテックスは無言で拳を突き出す。
『ああ、俺たちの勝ちだ。これで、勇者の女の子たちに待ち受ける救いようのない物語は、完全に破綻した』
丹羽は真っ白な拳に自分の拳を打ち付ける。いわゆるグータッチというやつだ。
「これで、勇者部の皆は勇者の章に突入することなく、普通の女の子として暮らしていけるはず…だよな?」
『その通りだ。そのために俺は…いや、俺たちは協力を惜しまない。これで終わりじゃないぞ。お前には俺がいけない四国の中で彼女たちが幸せに暮らせるように働いてもらうからな』
「まだ働かせる気かよ。自分遣いが荒い奴だ」
言葉とは裏腹に笑顔で嬉しそうに言う丹羽。その姿に人型のバーテックスは羨ましいと思う。
勇者たちと言葉を交わし、共に生きていけるその身体が。
『さて、それじゃあ俺は中国地方に帰るか。お前もそろそろ帰れよ。そのっちたちがいらん心配する前に』
「あー。そうだな。多分そのっち先輩にはバレてる。帰ったら謝らないとなぁ」
頭を抱えるもう1人の自分にいい気味だと心の中で人型のバーテックスは笑う。
自分がどれほど幸せな環境にいるのかそろそろ自覚すべきだ。百合の間に挟まる男になりかけて悩んでいるなんて、人型のバーテックスからすれば過ぎた悩みで爆発しろと思う。
せいぜい勇者部の皆に怒られ、心配させたことを謝るといい。
『途中まで送ろう。フェルマータを今呼んでる』
「ありがとうよ。じゃあ、今回はここでお別れだな」
にっこりと笑うもう1人の自分。人型のバーテックスはその頭の上に手を置き、撫でるように白い髪を梳いた。
『じゃあな、丹羽明吾。四国で強く生きろよ。勇者部の皆と』
その時、不思議なことが起こった!
「なっ⁉ 嘘…だろ?」
丹羽の声に振り向いた人型のバーテックスは、仰天する。
空間にひびが走り、そこから4体の人影が現れたのだ。
そこにいたのはRx、ロボライダー、バイオライダー、Blackの4体の姿をした天の神。
『戻って来たって、いうのか?』
天の神(Rx)の持つ光るサーベルを見て1人と1体は驚愕する。
「なんでリボルケイン2つ目があるんだよ!」
『そんなこと俺が知るか! その時不思議なことが起こったんじゃないか? それとも天の神だから無限に出せるとか? 太陽の子じゃなくて太陽神そのものだしぃ!』
ぎゃいぎゃいと言い争う1人と1体に向かって4体の天の神はゆっくりと歩調を合わせこちらに向かってきていた。
『言い争いしてる場合じゃねえ! もう1回満開して戦え丹羽明吾!』
「おまえさっきまで俺が満開したこと怒ってたくせにこんな時だけ…ああっ! もうわかったよ!」
小瓶から飴玉状の丸まった肉塊を口にいれ、噛み砕いて唱える。
「偽神満開! 天津甕星!」
『造反神モード! やってやるぜぇえええ!』
光が丹羽を包み、多種多様な百合の花が咲き乱れた。
同時に人型のバーテックスも質量を爆発させ紫色の巨大な炎のような体躯へと再び変貌する。
こうして絶対勝てっこない敵×4との再決戦が始まった。
絶望がお前のゴールだ!
消すと増える(絶望)のは原作通りだから、しょうがないね。
ぶっちゃけRxを倒す1つの方法としてブラックホールにぶち込んで太陽の光が届かない世界へ追放するというのはいい手だと思うんですが…どうなんでしょう?
どうあっても帰ってきそうなんですよねぇ…不思議なことが起こりそうで。
ビルドのラスボスのエボルトもうっかりとケアレスミスみたいなことが重ならなければビルド完封できたわけだし…。
ミラーワールドに置いてけぼりにしても自力で帰ってきそうで敵側からしたら何こいつ…な存在であることには変わりない昭和最後のチートライダー。
果たして人型のバーテックスと丹羽君は勝てるのか?
「偽神満開・天津甕星」
丹羽が8体の勇者の記憶を持つ人型の精霊と融合して満開した姿。
アマツミカボシというのは日本書紀に出てくる星の神様。女神転生シリーズで知った人も多いんじゃないでしょうか。ちなみに私はSDガンダムのプラモで知りました。
星屑から転生した勇者だから星に関わる神様と絡めようとしたら有力な候補がこの神様しかいなかった…。ツクヨミお兄ちゃんはゆゆゆい本編のきらめきの章で今後出てきそうだからなぁ。
あと天津神でありながら荒魂を持ち天津神側に従属していないという点も主人公の境遇に似ていてにぴったりだと思いました。まる。
勇者服に7色のラインが入るのはノーマルルートと同じ。グッドエンドルートの完全体では胸の中心に燃えるような赤い宝玉が輝く。
武器は白い円環状の儀式に使う茅の輪のようなもの。ガンダムスターゲイザーで検索してプラモの写真を見るとイメージしやすいと思います。
円環状の武器は大きさを自由自在に変更可能。非常に丈夫でレオ・スタークラスターのビームでも簡単に壊すことはできない。
空間をつなぐ能力を持ち、両腕についた腕輪の2つと合わせ3つを使い攻撃や物質を空間を捻じ曲げてもう片方の輪の中から出すという能力も持つ。作中ではこの能力で作中で天の神(ロボライダー)の光線銃をそのまま相手に返した。
いわゆる特撮の敵幹部にありがちな斬撃で空間に穴をあけて必殺技をヒーローたちにそのまま返すアレ。リリカルな〇はAsのシャマルさんの能力、「旅の扉」と近いものだと思っていただければわかりやすいかもしれない。
これは威力や大きさは関係なく、例えば友奈に腕輪を1つ預けて丹羽の武器からゼロ距離勇者パンチを離れた空間にいる敵に放つことも可能。
さらに巫女の精霊が2体がいることで強力な結界を作ることが可能であり、ノーマルルートでは東郷が破壊した壁と四国を守る結界を百合の花の結界で覆い修復した。
勇者自身も非常に頑丈となり常に精霊が周囲を飛び回り精霊ガードを発生させている。
ただしバーテックスなので勇者や神樹の武器の攻撃には滅法弱い。