・士道とよしのんが現れた
・十香出現!
・修羅場突入......
更新がかなり遅れました。すいません。
あと三点リーダーを変えてみました。
「と、十香......?」
士道がその少女の名を呼ぶ。
十香と呼ばれた少女は、ゆらりと身体を揺らしながら近づいてくる。
今、士道の背には嫌な汗が流れているだろう。
「シドー?」
彼女に名を呼ばれ、思わず身体を震わす。
名前を呼ばれただけなのに身の危険を感じる。
「何を、していた?」
「な、何って......?」
「さっきのことじゃないか?」
灯夜の言葉でわかった。思わず唇に手を当てて思い出す。
十香は、その仕草を見てぐずる子供のような表情を作り、震える声を絞り出す。
「あれだけ・・・あれだけ心配させおいて―――」
十香から押さえつけられるようなプレッシャーを感じると、足元からびしりっと音と共に亀裂が入る。
「え......」
「女とイチャコラしているとは何事かぁぁぁっ!!」
ダンッ!
怒りの叫びを士道に向け、足を打ちつけた。瞬間、その位置から中心に床がベコンッ!と陥没し、さらに亀裂が入る。
「な、なななな」
「うおっ」
士道と灯夜は、十香の精神状態が不安定となり封印されている精霊の力が逆流した力に驚く。
士道は直ぐにインカムの向こうにいる琴里に問う。
その間に、こちらのもとに到着する。
鋭い視線が三人を交互に見たあと、唸るような声を出し唇を引き結んでから、士道にキッ!と視線をよしのんと俺にビッ!と指を向けた。
「......シドー。おまえの言っていた大事な用とは、この二人に会うことだったのか?」
「あ、いや、それは......」
十香の問いの答えは少し違うが、イエスだった。本当はよしのんだけだったが、何故か灯夜も来ていた。
だが、ここでイエスと言っても、此方の真意が十香に伝わることは難しい。
『......いやぁー、はやぁー......そぉーいうことねえ......』
今の今まで十香の登場でキョトンとしていたよしのんが、甲高い声を出した。
ウサギの顔を、いたずらっぽい笑顔にしているところを見ると嫌な予感しかない。
『おねーさん?ええと―――』
「......十香だ」
『十香ちゃんね。んでさ、十香ちゃんには悪いけど士道くん、君に飽きちゃったみたいなんだよねぇ』
「......はっ?」
「ちょ!?」
『いやさぁ、なんていうの?話を聞いていると、どうやら十香ちゃんとの約束すっぽかしてよしのん達のところに来ちゃったみたいじゃない?これってもう決定的じゃない?』
さり気無く俺を巻き込んでいるよしのん。発言を訂正させようと思うが、空気がおかしいことに気づく。肌にビリビリとくる嫌な感じ。
「お、おまえ、何言って――がぁっ!?」
士道は灯夜の代わりにパペットの発言に声をあげるが、十香に口元を掴まれ声が詰まる。
「シドー.....少し、黙れ」
有無を言わせぬ迫力を発しながら、万力のような力でギリギリと頬骨を締め付けてくる。
頬の痛みを訴える士道だが、口元を押さえられているため声を出せない。
よしのんはそんな様子が愉快で仕方ないというような調子で、言葉を続ける。
『やー、ねー、ごめんねぇ、これもよしのんが魅力的すぎるのがいけないのよねぇ』
「......れ」
『別に十香ちゃんが悪いって言ってるわけじゃぁないのよぅ?たぁだぁ、十香ちゃんを捨ててよしのん達の元に走っちゃった士道くんを責めることもできないっていうかぁ』
「黙れっ!」
士道の顔を掴みながら顔を伏せていた十香は、叫びと共に顔を上げる。
ようやく、士道の顔から手が離され、咳き込んでいる。
「黙れ黙れ黙れっ!駄目なのだ、それだけは駄目なのだ!」
『ええー、駄目って言われてもねぇ。ほらほらぁ、士道くんもはっきり言ってあげなよぅ、十香ちゃんはもういらない子、って』
「......っ!」
瞬間、十香はガバッとパペットの胸ぐらを掴み上げた。
無論小さなパペットである。少女の手から容易く外れ、上空に持ち上げられてしまう。
「......!?」
と、パペットを取り上げられた四糸乃は目を丸くした。
次の瞬間には眼球がぐらぐらと揺れ、顔面が蒼白となり、顔中にびっしりと汗が浮かんだ。
ついでに目に見えて呼吸も荒くなり、指先がぷるぷると震え始める。
士道は彼女の急な変化に、怪訝そうな視線を送った。
だが、十香はそんな様子は気づいていない。両手で掴みあげたパペットに、刃物のような殺気を含んだ鋭い視線を向け、詰め寄る。
「私は・・・私は!いらない子ではない! シドーが...シドーが私に、ここにいていいと言ってくれたのだ。肯定してやると......言ったのだ!それ以上の愚弄は許さんぞ!」
その言葉は、追い詰められている子供のようなものが感じ取れた。
「おい、何とか言ったらどうなんだ!?」
パペットが声を発していたと思っているのだろうか、ウサギの首元を掴み上げながら、ぐらぐらと揺らす。
そんな様子に、少女が声にならない悲鳴を上げていた。
パペットの時の様子が嘘のように、全身をガクガクと震わせている。
そして、視線を避けるようにフードを目深にかぶり直してから、十香の服を引っ張った。
「なんだ?邪魔をするな。今私は、こやつと話しているのだ」
「か、えして......っ、くださ......っ」
十香の両手に持っているパペットを取ろうとしてか、少女がぴょんぴょんと飛び跳ねる。
インカムから指示を受けた士道は、頬を掻きながら、恐る恐る十香に声を掛ける。
「な、なあ、十香。その......それ、返してやってくれないか?」
「......っ!」
その言葉を聴いた十香は、愕然とした様子で目を見開いた。
話からして、士道が今、それを言うのはアウトだ。
原作を知っている俺はこの光景に違和感を感じていると、視界の端に十香の傍にいる少女、四糸乃がフードを深く被り直して震えているのが見えた。
「シドー、私よりも......私よりもこの娘の方が......っ」
「は、はぁ?いや、そういうことじゃなくて―――」
「そこまでにしてくれないかな?」
これ以上黙って見られない俺は二人の話に割って入る。士道は驚いた顔をし、十香は顔をしかめてこちらを見た。
そろそろいい加減にしてほしい。
「話を聞いていると、そこの士道が君の約束、もしくは用事をすっぽかしてここにいる。合っているかな?」
俺の問いに目を逸らす十香。それもそのはず、士道とは約束をしていないはず。学校では先にシェルターに行ってくれ、としか言われていない。
「ありゃ、違うの?なら何に対して怒っているのかな?あ、ちなみに士道とその子のキスは事故だから。君が思っているのとは違うと思うよ」
「何が君を怒らせているのかな。士道がその子と一緒にいたから?一緒にデートをしていたから?それともやっぱりキスかなぁ?」
「ああ、よしのんが君にいらない子って言ったのもあるね。でも、許してあげて欲しい。彼女はとっても悪戯好きだから。悪気があって言ったわけじゃない」
目の前に立ち、取り返そうとピョンピョンと跳ねている四糸乃を撫でながら、十香の顔をフードの中から覗くようにして見つめる。
「だから、さ。その子に人形を返してあげてくれないかな。その人形はとっても大切な物みたいだしさ」
「...う」
「う?」
「うるさいうるさいうるさい!!お前は一体なんだ!シドーの何だ!」
えー、急に癇癪起こしたと思えば......
まあいい。人形から意識をそらせれば。
「士道のなんでもないよ。だからそうかっかしなさんな。きっとお腹が空いてるから怒りっぽくなっているんだよ。だから、君が持っているきなこパンでも食べて落ち着こう」
「何を言ってる。私が持っているのは......っな?!」
十香が手に持っていたのは人形ではなく、きなこがたくさんついたパン。世間ではきなこパンという食べ物だ。
一体いつの間に摩り替わったのだろうかー?
ついさっきですね。
「出来立てほやほやだから今すぐ食べればいいさ」
これで十香の機嫌は良くなるはず。次は四糸乃を。
「ほら、これをやるから泣かないでね~」
撫でながら初めて会った時の様に四糸乃の左手にハンカチを被せ、そこから人形が姿を現す。ちなみに服装は四糸乃が着ている服だ。
「あ、よし...のんっ!!」
嬉しそうに左手のよしのんを抱きしめる四糸乃。
『あれぇ?いつの間に戻ってたのかな?』
ポカンとしたような声で喋るよしのん。
◆
目の前の
シドーにしぇるたーに先に行ってくれと言われ、タマちゃん先生と一緒に待ってたが、何か嫌な予感を感じ、心配でここまで来た。
そしたらシドーが他の女と...キスをしている所を見て...。
それを見たら、嫌な......とても嫌な感じがしたのだ。思わず私は二人に怒鳴ってしまい、シドーに詰め寄った。
用事があの女と会うことで、私よりもあの女と会うことが―――
シドーがそんなことをするはずがない、頭ではわかっている。でも、心がそれを否定する。
そして、あのよしのんとか言う人形の言葉で私の何かが軋んだ。
『十香ちゃんはもういらない子』
私はいらない子ではない。世界から否定されていた私を肯定してくれたシドーが私を否定するはずがない。
思わず私はそいつを掴み上げ、さきほど言ったことを取り消すようにした。だが、急に何も言わなくなったそいつにさらに怒りが沸く
そんな私にシドーが話しかけてきた。こいつを返してやってくれと。
裏切られたような気分だった。私よりこの女が、この女のほうが大切だなんて。
私は許せなかった。よしのんも、それを庇うシドーも.....
「そこまでにしてくれないかな?」
急にシドーの近くにいた真っ黒黒助が私に話しかけてきた。
私は今、このよしのんというやつと話しているというのに、一体なんだコイツは。私は顔をしかめてしまう。
「話を聞いていると、そこの士道が君の約束、もしくは用事をすっぽかしてここにいる。合っているかな?」
それは違う。シドーは先にシェルターへと行ってくれとしか言っていない。約束も用事もない。
黒いのから目をそらす。
「ありゃ、違うの?ならなんで怒っているのかな?あ、ちなみに士道とその子のキスは事故だから。君が思っているのとは違うと思うよ」
黒いのは私に近づいてくる。ゆっくりと。
「何が君を怒らせているのかな。士道がその子と一緒にいたから?一緒にデートをしていたから?それともやっぱりキスかなぁ?」
話しかけてくるのがとても嫌だった。今すぐ離れたい。でも、動けない。
「ああ、よしのんが君にいらない子って言ったのもあるね。でも、許してあげて欲しい。彼女はとっても悪戯好きだから。悪気があっていったわけじゃない」
気持ち悪い。気持ち悪い。
「だから、さ。その子に人形を返してあげてくれないかな。その人形はとっても大切な物みたいだしさ」
「...う」
「う?」
「うるさいうるさいうるさい!!お前は一体なんだ!シドーの何だ!」
私は、耐え切れずに声を上げてしまった。一体こいつは何の目的でここにいるんだ!私はシドーのことが心配で来ただけだと言うのに。
何故、シドーがこの女と一緒にいるを見ていると胸が痛くなるのだ。
私が声を上げているのを目の前で見ている気持ち悪いのは困ったような仕草している。
「士道のなんでもないよ。だからそうかっかしなさんな。きっとお腹が空いてるから怒りっぽくなっているんだよ。だから、君が持っているきなこパンでも食べて落ち着こう」
「何を言ってる。私が持っているのは......っな?!」
私が持っていたのは人形ではなくきなこパンだった。出来立てなのか湯気が立っている。
思わず胃袋がきなこパンを欲しがる。そうだな、この気持ち悪いのも言っているとおり、私はお腹が減っていて機嫌が悪いんだ。
なら、さっさとこのきなこパンを食べてしまおう。
私はそう思い、あつあつのきなこパンに齧り付く。
うん、やっぱりきなこパンは美味しいな!
十香はやっぱり十香だった回。
とりあえず、四糸乃の離界をとめてみました。
さて、この後の展開がわかる人はいるかな?
1、四糸乃をお持ち帰り。
2、ASTとバトル
3、お茶会
どれにしようかと迷い中