・次回を最終デート言ったな
・あれは嘘だ
・ウワァァァァァ
やっと書き終えたとおもったら気付けばもう11月。
ほんと、遅れてすいませんでしたぁ!
お詫びに今回は、五千文字を越えて更新させてもらいます。
四糸乃とデートを続けている灯夜は複数の視線がこちらに向けられていることに少し前から気付いていた。
最初は気のせいだと思っていたが、遠慮がないその視線は嫌でもわかる。
〈ラタトスク〉だけではない、敵意ある視線。ASTか、もしくは・・・有り得ないがDEMのどちらかだろう。
まあ、こんな格好をしてるし偶然通りかかったAST団員にでも見られたんだろう。
どう対処するか、考えているとよしのんが公園のブランコに乗ってはしゃいでいる。
『トウヤ君トウヤ君!こんなに高く漕げるのすごいでしょ!』
かなりの高さまで漕いでいるよしのんは、ブランコに捕まっているため表現は出来ていないが声からして笑っているのだろう。そんなよしのんは更に漕ぎ続けている。
四糸乃の方は、あれから表には出てきてはいない。
手を繋いだことが恥ずかしかったのか、顔を赤くしてよしのんに任せている。
「あまり調子に乗ると、放り投げだされるぞ」
俺の忠告を聞かずに更に高く漕ごうとするよしのん。
平気だと言った途端、手を滑らせブランコから放り出されその身体を宙に投げ出される。
驚き慌てるよしのんにため息を付きながら、俺は落下地点付近に錬成を施す。
青い雷光が迸ると、地面が盛り上がりトランポリンがその場に現れる。
トランポリンに落ちたよしのんは、ポーンと跳ねる新たな遊びにまたはしゃぐ。
「これは…デート、と言うよりは子守りか?」
灯夜はその事に苦笑しながら此方を見ている視線を横目で流しながら、危なげに遊ぶよしのんを見守っている。
今見られても特に問題はないが、何か仕掛けてくるならどう対処していくか。
幾つかの対策を頭で練っていく。
『トウヤ君ー、次の遊び道具出してくれないかしらー』
「…はぁ」
全く気付いていないよしのんにまたもため息が溢れる灯夜であった。
★☆★☆
「まさか、本当に〈ハーミット〉と〈アルケミスト〉が現界してるなんて」
燎子は、CRユニットを身に纏いながら目標である二人から離れた場所で監視していた。
彼女の廻りには、数人のAST団員が待機している。人数が少ないのは隠密に精霊を殲滅するためだ。
勿論、今回の作戦が失敗しても直ぐに対処できるようにさらに離れている場所にAST部隊を待機させている。
今作戦は、偶然精霊を見つけた折紙の報告で開始された。もし、折紙の報告がなければ気づけなかっただろう。
以前、〈プリンセス〉でも同じような作戦が行われ失敗に終わった。
だが、今回の作戦では試験中ではあるが前回の【CCC】の代わりとなる武器がAST本部に数日前に送られている。
その試運転として今回の作戦に使うよう上層部からの命令がきた。
その武器を持っている折紙は、具合を確かめるようにCRユニットとの接続を調整している。
その顔は無表情であるが、気合いが入った雰囲気が感じられた。
折紙が持っている武器を一言で現すなら、『砲』。
普段、鎧のように纏っている部位が使用する時は、CRユニットからパージされ、パージされた部位が腕部に連結、装着される形となっているが今回のは試作品の為、砲撃状態で待機されている。
本来、ある装備と対になっており、それらが合わさり初めてその力を発揮するらしいがそちらはまだ完成しておらず今はここにない。
それは兎も角、この武器は【CCC】と同じ対精霊用狙撃武器であるが、そのスペックを見た燎子は【CCC】の性能を凌駕する内容に目を疑ったものだった。
攻撃は、生成した魔力を内部にある弾丸に詰め、圧縮し放つ。ただそれだけだ。
だが、その圧縮された魔力は内部の増幅器によって膨れ上げてから対象に向けて放たれるが、その威力は一緒に送られてきた試験実験での映像を先に見てわかっている。
その映像を見た燎子は、戦争でも始めるのか?と思うほど衝撃的な光景が映っていた。
映像には何処かの実験施設の一部なのか広大な広場に武器を所持している魔術師が映っていた。魔術師は、装着しておらず地面に固定されており、制御部分から出るコードから自分のCRユニットに繋げ少し離れている場所で操作していた。
そこで、燎子は映像に出ている魔術師は、そこそこ有名な魔術師だったことを頭の隅で思いながら映像を見続けていた。
そして、研究員の指示で起動させていく。
甲高いモーター音が内部から聞こえ、それがさらに高くなっていく。
そして、カウントダウンが始まる。
30秒を切ると先ほどまであれこれと話していた研究員たちの声が止み、機動音のみが響く。
制御している魔術師は、指先を簡易の引き金に指を掛け、撃つ準備とその衝撃に備えテリトリーを強化する。
映像室で見ているASTメンバーも息をのみ、映像を見つめる。
残り後、十秒。
『3』
『2』
『1』
『0』
ガチンッと言う撃鉄の音が響くと共に画面が眩い光で塗りつぶされた。そして次に来たのは地鳴りのような大きな爆発音。
何が起きたのか、ASTメンバーは思わず防いだ目と耳から手を離し再び映像を見る。
銃口から真っ直ぐと抉られ、道のように出来ていた。砲撃が通った部分は砲撃の熱でゆらゆらと蒸気が出でいる。それが遥か先まで続いている。
今まで見て来た武器でこれ程の強力なモノは誰も見たことはなかった。
制御していた魔術師は、鼻から血を流し頭を押さえながらほかの魔術師に抱えられながら運ばれていっている。
あれほどの威力を放つ武器だ。使用者に多大なダメージがくるはず。
燎子は、映像に驚愕するがすぐにある疑問が頭に浮かぶ。
何故、こんな武器を此方に送ってきたのか?
データでは、映像よりは威力を抑えたものを送って来ているようだ。
だが、試運転などは彼方で幾らでもできる上、精霊に使用するなら何もここで試さなくても良いだろうに。
それが燎子の頭の隅でこびりつくように残っている。
「…まあ、考えたところで上の考えなんて解らないし」
そう言って思考を切り替える。
今は目の先の精霊たちだ。これほどの武器だ、殲滅までとは言わず傷くらいは負わせてみたいものだ。
「折紙、わかっているでしょうけど今回の武器は【CCC】とは比にならないほどの負荷が貴女に掛かるわ。一応、彼女たちも補助するけど」
回りにいる魔術師たちもそれに頷く。
今回の武器は、余りにも使用者への負荷が掛かるため周囲の魔術師が補助出来るよう開発され直したが、それでも焼け石に水程度。
「大丈夫、必ず仕留める」
そう言い、止めていた手を再び動かし作業を再開させる。
燎子は、折紙の態度にため息をつく。
「まあ、今はまだ上の連中が話し合ってるだろうし。狙撃許可はもう少し先かしら」
まだ少し精霊の監視が続くことにゲンナリしている燎子に、連絡が入る。
「やっときたのね。それで狙撃許可は?そう、貰えたのね。わかってるわ、以前のようには……それはどういうこと?」
燎子は、狙撃許可が出たことにやっとこの長い監視が終わることに安堵していると、通信の向こうから狙撃するにあたっての条件に怪訝そうに顔をしかめる。
「狙撃目標を〈ハーミット〉だけに?〈アルケミスト〉には手を出すな?まあ、効くかどうかわからない相手だからいいけど。折紙」
「なに?」
「狙撃許可が降りたわ。でも狙撃対象は〈ハーミット〉だけだそうよ。〈アルケミスト〉には手を出すなって上からの命令」
「了解」
燎子たちは、移動し始める精霊に気付き、その後を追うようにいくつかの狙撃ポイントの中から最適な場所を選びながら移動していった。
★☆★☆
デートを続けている灯夜達を、監視している組織はASTだけではなかった。
「〈ハーミット〉の静粛現界に〈アルケミスト〉との接触、ね。士道の報告がなかったらわからなかったわ」
琴里は、目の前のモニターに映っている二人の姿をみてそう言う。彼らを見つけたのは偶然通りかかった士道からの報告だった。
「仲良くデートしているだけに見えるが」
「それでも、何時ASTの連中が彼女たちを見つけるかは解らないわ。直ぐにでも彼女たちに接触することが彼女たちの為よ」
隣でモニターを見ていた士道に、琴里はそう言いクルーたちに指示を出し始める。
「士道。この際だし、二人とも攻略してみたらどう?二人の好感度も悪くないわ」
「…行きなり、二人もか?」
急激にハードルが上がった士道は、顔をひきつらせる。
十香の時でさえ骨が折れたと言うのに(実際、腹に穴が開いたが)、次はダブルで攻略。
「あら、訓練ではやったはずよ?」
「二人を攻略してたら、片方がヤンデレ化してヤンデレルートに入ってバットエンドだったけどな…」
訓練であるギャルゲー、恋してマイ・リトル・シドー《魔法少女編》を、先日クリアしたばかりの士道だったがかなりハードな攻略だったことを思い出す。
内容は、魔法がある世界で魔法を学ぶための学校で恋愛というもの。
前作よりは攻略対象が少なく、これならすぐに終わると安堵した過去の自分を殴り飛ばしたいと何度思ったことか。
それは何故か。
とあるキャラの攻略条件が、彼女の親友との攻略を同時にしなければならないというものだった。
偶然、好感度を上げていたキャラに親友が現れ、それから彼女と会うとその親友が何時も付いてくるという現象が現れわかった。
気にせず目的であるキャラを攻略しようとすると、何故か正解の選択肢が、親友の好感度も上げてしまうことに士道は気づいた。
親友の好感度が上がるにつれ、積極的に攻略対象の会話内に入って来るようになり無愛想だった親友は、表情が、豊かになっていく。
「それだけならなぁ…」
攻略対象の好感度が十分に達したと判断した士道は、早速告白をしようと選択する。
場所も選び、そして彼女がきた瞬間、選択肢が現れる。
三つの選択肢を選びどうなるかを頭で予測し、正解を選択していく。
結果は、見事に受け入れてくれた。
真っ赤に染まった顔を隠しながら答を返してくれる彼女にホッとしながらコントローラーを机に置く。
あぁ、これで終わった。達成感と疲労が入り交じる感覚を覚えながら椅子の背もたれに寄り掛かる。
「後は、エンディングを見てセーブして琴里に報告かな」
そろそろ時間も夕食近くなり、外も夕焼けに染まった空が薄暗くなってきたころだ。丁度、ゲームの告白の場所も夕焼けが綺麗に見えることで評判の良い屋上にしたことをゲームのBGMを聞きながら思い出す。
外を見ていた士道は、ふと可笑しいことに気づいた。
何時までたってもエンディングが始まらないことに。
進めるのを、忘れたのか?と思った士道は机の上に置いたコントローラーのボタンを押した。
瞬間、なにか刺さるような音が聞こえた。
勿論、士道に刺さったわけでもなくゲームからだ。
さっきまでも軽快なBGMは消え、静か過ぎるほどの静寂が部屋に走る。
雰囲気が変わったことに士道は戸惑うがまだ続くということは理解し、進める為のボタンを押す。
バシャッと画面が紅く染まる。それがなんなのか、士道は理解する前に驚きでコントローラーを落としてしまう。
画面に染まったのは、
主人公の吐血した血が彼女にかかり景色を赤に染めていた。
理由は、背中に刺さっている刃物だろう。
そして、その柄を握っているのは先ほど告白した彼女の親友。
彼女は何が起こったのか、目の前でたった今告白してくれた男性が刺されたことが理解できず、目を開き驚く。
対して、親友はどんよりと光がない瞳で主人公を刺している。その表情は、最初にあったとき、いやそれ以上に冷たい顔だった。
ズブリと抜かれる刃には赤黒く輝く血が付いていた。
それと同時に、急激に暗くなる意識。
何故こうなったのか、主人公の考えのスクロールが流れ、そして最後に声が聞こえる。
『ごめん、なさい』
フィードアウトする画面。
口を開けて暗くなった画面を見つめる士道に、理解させるかのように『Bad End』と言う文字が現れる。
衝撃的な最後を見た士道は、ショックのあまりその文字を見ていることしかできなかった。
復活した士道は、琴里に抗議しに言ったが。
士道の恥ずかしい過去がまた世間に流れたとだけいっておこう。
「もう二度と御免だ…」
「流石にヤンデレは、駄目だったかしら。」
げんなりとする士道に琴里は、自分の兄には早すぎたかと思い、次は少し軽めにしておこうと決めた。
次回作が琴里の頭の中で決定した瞬間、何とも言えない寒気が士道に襲う。
「士道、転送準備が出来たから早速行って貰うわよ。今回は、どちらも面識があるから攻略しやすいと思うのだけど、前みたいなことはやらないでよ」
デパートのことを言っているのだろう。
「いや、あれは俺のせいじゃないだろ」
「あら、なら十香のせいかしら?」
「そう言うことじゃなくてだな…」
「なら、あの精霊のせいかしら?家の兄は女の子のせいにする最低な男だったのねぇ」
「…俺が悪かったです」
なにも言えなくなった士道は、さっさと琴里に行けと言われ妹の言葉に潤む瞳を閉じ、とぼとぼ転送装置がある部屋まで歩いていった。
そんな兄の後ろ姿を見送った琴里は、艦長席の背もたれ体重をのせてから正面にある机に向き直る。
「番外の精霊〈アルケミスト〉…」
机の上にあるのは、〈アルケミスト〉についての報告が纏められた紙が置かれている。
報告書には、以前ASTの戦闘で精霊が出した剣の分析結果やフラクナシスの精霊観測データが書かれている。
それすべてに、解析不能や不明が書かれるものが多くあった。
「この世のモノではないものを創る精霊。面倒なことになったわねぇ」
そう愚痴りながらクルーたちに指示を出していく琴里であった。
次、次こそが最終デートや。
新しい武器も出したしASTの戦力強化、やったね灯夜君!この先苦労するよ!
でも、新しい武器は出したのはいいけど名前を考えてないなんて言えない…
誰かつけてくれないかなぁー(チラッチラッ
感想で、他の転生者いらないとかオリ主魔改造しろとありましたが……
確かにそうですよね、他の転生者いても動かせるか自信ないし、この先強い精霊出てくるかもしれないし。
的なことを考えておりますので今後ともよろしくお願いします!
あ、オリ精霊出すことも考えてます。
じ、次回は今月?中に・・・
※2017/4/25