デートアルケミスト   作:+無音+

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【なんだかんだでやってなかった前回の三行あらすじ】
・エクス……カリバー!!!(偽)
・グフフ、オマエノ兄は預かった!(招待)
・実は、俺男なんだ……(ナ、ナンダッテー !!)






第十七話 交渉【後編】

琴里に言われた事に、表には出さずに内心では驚いている。

錬成したものが、解析不明?いったい何を錬成して解析不明になったのだろうか。

今までの錬成してきたものは、小物から武器、食品等も数えきれない程のものを錬成してきた。

それの中に、解析不明……もし食品だったらヤバい。

このケミストの食品はほぼ全てが錬成によって造られている。ウチは自分と羊の顔をした店員しかいない為、外に買いに行くなど変な噂が立つに決まってる。

 

 

 

……既に、羊の被り物をした変な店と密かに噂されてることは灯夜にはわからないことだ。

 

 

 

 

因みに、珈琲豆などは取り寄せ。黒執事の拘りのようで錬成すれば早いのだがそこだけは頑として譲らず仕方なく業者の方に配達して貰ったりとしている。

 

話がズレタ。兎も角、ワケわからんものを摂取して、体調でも崩して訴えられたらこの店が潰れてしまう……!

 

「因みに、何を解析したんだ?」

 

「そうね、士道から聞いた話でこの店の食品は錬成したものだと聞いたから此方のクルーでこの店の食品を採取したり、最初に現れたときに造ったガラス張りのビルとか。あとはASTを攻撃したときの剣とかも」

 

「どれが解析不明だったんだ?」

 

「貴方がASTを攻撃したときの剣よ。材質は普通の物だっと判明していたけれどその殆どが不明よ」

 

「食品は?」

 

「特に問題なかったわ」

 

あー、良かった。気付かない内にこの世に存在しない素粒子を生み出して客に食べさせていたかと思ったよ。

 

「……貴方、まさか自分でも解らないものを出して食べさせてたわけじゃないわよね?」

 

ギクゥ!?

 

「さてさて、なんのことだ?俺がそんなミスをすることなんてあり得ない」

 

「ふぅん?まぁいいわ」

 

ふぅー、何とか誤魔化せた。もしバレたらさっき飲んだ飲み物も錬成して出した物ってバレちまうところだったぜ。

 

「あの羊の被り物をした店員が教えてくれたけどこれはちゃんと買ってきたものを出してくれたみたいだし」

 

……なんですと?

 

黒執事に視線を向けるとこの前まで無かったプラカードを手に持っていた。

 

『丁度、近くでセールがあった次いでに』

 

え、待って。ちょっと待って。いつの間にそんな事してるの?いやそれ以前に何で外に出てるの?もしかしてその格好で?そんなこと無いよね?

 

黒執事は新たなプラカードを出しこちらに向けてくる。

 

『ちゃんと外出用の羊ヘッドにして出掛けました』

 

違うそうじゃない。あとナチュラルに心を読むな。

てか、なんで外出用の頭があるの?取り替え可能なのってどこの愛と勇気だけが友達のヒーローだよ。

そんな機能、付けた覚えないんですが。

……そんな怪しい姿で出たら客足が遠退くじゃん。

 

『いえ、逆に増えました。外出次いでに宣伝もしておきましたし。特に学生の方がよくいらっしゃいます』

 

まあ、値段も安いし量も多いからな。所持金が少ない学生達にはこの店の値段は懐には優しいんだろうな。

全部、上手いし。

どれだけ増えてるかわからないけど客が多くなってるなら人手足りなくならないの?

 

『今のところは余裕をもってこなせてます』

 

「ねえ、話してる?、ところ悪いけどそろそろ話を戻したいんだけど」

 

琴里が待ちきれないみたいだし、一旦この件はあとで話し会おうか、黒執事よ。

プラカードで、了承し奥へと戻っていく黒執事の背を見送り話し合いへと戻る。

 

「それでどこまで話したかな。あぁ、士道が男に興味があるだったか」

 

「それはもう終わった話よ」

 

「ん?そうだったか。ああ、解析不明の件だったか」

 

これについては推測でしかないけど。元ネタである汚れた杯欲しさで殺し会うアニメでのサーヴァントが使っていた技をイメージして錬成したせいではないかと言うこと。

イメージ元の正義の味方であるあの人が使っていたのは魔術。

魔術である投影を錬成に置き換えて使っていたために解析不明になった。

そうなると、一時的に魔力を錬成しそれを剣として形造った。解析不明を示しているのは、魔力なのか?

いや、この世界でも顕現装置、CRユニットを使い魔力を精製している。解析不明になるのは可笑しい。

もしかしたらあの世界とこちらの世界の魔力は別物?

別物だったとしてもなんで錬成できるの?

まったくわからん。

と、兎も角なにか、なにか言い訳ゲフンゲフン、言わないとな。

 

「……解析不明なのは、それがかの伝説の物質だからさ」

 

うおおお、なに言ってんだ俺!

 

「伝説?」

 

「神が与え、最も固いとされ、非常に強く、それでいて伸縮性のある金属。様々な物語でも出てくるものだ。ここまで言えば解るかな?」

 

「お、おい。それって……まさかオリハルコンじゃ」

 

「さすが士道。正解だ。伊達に荒れた中学時代を送っているわけじゃないな」

 

「そんな誉められ方うれしくねぇーよ」

 

げんなりとした顔をする士道。

誰にでもそう言う中学時代あるから大丈夫。

 

畜生ォ、持って行かれた……!!

 

それは、豆粒錬金術師の人です

 

(誰が豆粒ドチビかーっ!!)

 

片腕脚オートメイルの人は彼方の扉からお帰りください。

 

「オリハルコンについては俺にもまだわかっていない部分がある。これ以上の説明はできない」

 

「オリハルコンの精製……規格外通り越してバグよバグ。その気になればエリクサーとかも造れるんじゃないのかしら?」

 

琴里は頭が痛いのか額に手を当て抱えている。

造れるには造れると思う。造ったことないから間違えて異形屍人にでもなったら大変。デアラの世界がバイオでハザードで祓魔師な世界になるね!

 

「ここまでの話を纏めておこう。四糸乃の保護、フラクシナスの協力。これにあと一つ、頼みたいことがある」

 

「まだあるの?もうお腹一杯よ」

 

「ははは、ウエスト回りが大きいのはきっとデラックスキッズプレートの食い過ぎにーーー」

 

最後まで言い終わる前に、またも物を投げつけられる。

投げつけたら犯人は、顔を恥ずかしさと怒りで真っ赤にしてこちらを睨み付けている。

 

「……因みに、片足で立ってたりしゃがんでも変わらないから」

 

その言葉にブルブルと身体を振るわしている琴里。

なんだ?マナーモードか?

 

「ああ、最近友達の早乙女加奈ちゃんが体重が増えたって言って落ち込んでいたけど、明らかにアップしていたお山を見て何故か自分が落ち込むことがあったらしいが……まあ、頑張れ」

 

今度は、グーが飛んできた。勿論、受け止めたけど、

ヤダこの子顔面ど真ん中狙ってきたよ。当たってたら確実に鼻折れて鼻血が止まらないだろう。

 

「次、言ったらフラクシナスの主砲を上から撃つわよ!!?」

 

怒りと羞恥心で顔を赤、紅くして怒鳴る。耳まで真っ赤。

士道の代わりに琴里を弄っていたが、これ以上のやるとマジで上から主砲が降ってきそうなのでそこで止めておいた。

 

「琴里相手によくやるな……」

 

「妹さんの尻に敷かれてる士道にはできないもんな」

 

「うっせ」

 

「まあ?そんなツンとした態度は、愛情の裏返しでーーー」

 

「もしもし神無月?今すぐにこいつにミストルティンを」

 

「待てわかった。わかったからそれはやめろ」

 

今の俺にミストルティンなんか撃たれたら一発蒸発だ。

 

「話がズレたな。頼みたいことは顕現装置を一つ、こちらに寄越してくれないか?」

 

「顕現装置?そんなものなんで欲しがるのよ」

 

「いや、自称最強のモヤシ対策として解析しときたいから」

 

「もやし?」

 

DEMの自称人類最強もやしっこー部長に対抗策が欲しいからな。

顕現装置さえなければ25mすら泳げない貧弱など赤子の手を捻るより簡単。

解析して、CRユニットを停止させてしまえば煮るも焼くものお好きなように。

 

「まあ、性能が低いやつなら渡せるけど。機能はそこまで期待しないで頂戴」

 

「貰えるだけ有難い」

 

案外簡単に貰えるみたい。流石フラクシナス。太っ腹!

琴里のお腹もふとーー

 

「何か言ったかしら?」

 

「いえ何も」

 

「ふん、まあいいわ。次は警告なしで撃つわ」

 

おおう、怖い怖い。琴里弄りはここまで。時間もそろそろいい頃合い。

時計を見ると6時辺りを指していた。

そろそろお開きかな。五河兄妹も夕食が有るだろうし。

ほぼ、空気だった士道もそれに気づいたのか夕食があると言って琴里に帰るように言っている。

 

「士道、今日はハンバーグがいいわ」

 

「あー、十香もそう言ってたから材料は用意してあるよ」

 

仲良さげな兄妹。その光景に、灯夜は静かに見ている。

もしフードを脱いでいたのなら懐かしそうに目を細め、過去の記憶に思い馳せている顔が見れただろう。

だが、フードで隠したその素顔は二人には見えない。

灯夜自身も自分がそんな顔をしているのに気づいていない。

 

「それじゃ、私達は帰るわ。顕現装置に関しては後日、連絡するわ」

 

「ああ、楽しみに待っているよ」

 

灯夜は、二人に手を降りながら見送り扉が閉まる。

途端に店内は、冷めたように静かになり静寂が広がる。

それに少しの寂しさを感じながら、黒執事に飲み物を頼み紛らわそうとするが、既に飲み物が置かれている。

灯夜は、苦笑しながら飲み物に口をつけ、息を吐き呟く。

 

「ダイエットしてるなら、ハンバーグは駄目だろ……」

 

それを呟いた瞬間、店の外から殺気が飛んできたのは気のせいだろう……

 

まあ、色々と頑張れ。

 

 










※2017/4/27
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