デートアルケミスト   作:+無音+

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第十八話 四糸乃の気持ち

よしのんは何時も私の側に居てくれた。

辛いときも悲しいときも寂しいときも、よしのんが居れば全部変えてくれた。

私は、痛いのも辛いのも嫌で。傷付けるのも嫌で。

目が覚めれば何時も攻撃してくる人たちも、よしのんが助けてくれる。

 

よしのんが居れば寂しくない、怖くない、痛くない、辛くない。

 

よしのんは、私の理想。憧れの自分。

私みたいに弱くなくて、私みたいにうじうじしない強くて格好いい。

 

よしのんは私の友達で、私のヒーロー。

 

でも、ある日私が転んでよしのんが飛んでちゃって、私が出てきちゃって……目を開けたら、黒い服を着た人が目の前にいた。

私が被ってるのと一緒ので顔を隠していたけど、不思議とその人の瞳が見えたような気がした。

綺麗な金色で、思わず呆けてしまったけど直ぐに私は離れた。

知らない人、私を傷付けるかもしれない。私が傷付けるかもしれない。

怯えていると、その人が手に持っていたのを見せてくる。

それは、私の友達のよしのんだった。

直ぐに取りに行こうとするけど、怖くて立ち止まってしまう。

どうしたらいいか解らなくて、オロオロしてる私にその人は、笑ったような感じがした。

 

その人は、よしのんを私に見せるように前に出した。

私は何がしたいのかわからず、首をかしげていた。

その様子を見て、また笑ったような気がしたけどよしのんがポンッと音と共に煙を上げたことに思わず悲鳴が出そうになった。

けど、煙が消えるとよしのんの姿が変わって驚いてしまう。

 

よしのんの姿が真っ黒な帽子に黒い服に変わっていた。

その人はどこからか出したハンカチでよしのんを包むと、三つ数えると今度は私と同じ服になっていた。

それだけで、私は驚いているのにこの人が指を鳴らしていくとどんどんよしのんの服が変わっていく。

格好いい服や、可愛い服、よく分からない服に変わっていくけど最後にまた、ハンカチを被せると今度はよしのんが消えていた。

呆然としていた私だったけど、いつの間にか私の前に立っていたその人は私の手にハンカチを掛けているのに気がついて驚いて思わず跳んで逃げてしまう。

 

よしのんが消えてしまったのに泣きそうになるけど、どうにかしてあの人から取り戻さないと、そう思っていた。

けど手に懐かしい感触があることに気がついた。

いつの間にかよしのんが私の所に戻ってきてた。

それが嬉しくて、安心する。

 

 

 

 

 

 

 

よしのんが、私の変わりにその人に話しかけてる。

私にはそれが見えている。何時もはよしのんが表に出てくれて、私は隠れているけど今日は何時もと違うような気がする。

よしのんはさっきのマジックを褒めているけど、よしのんがその人に私の身体を触ったことを―――

それに私は不思議と恥ずかしくて恥ずかしくて……

そのことに謝ってきたけど、転んだ私を助けてくれたからお礼、言わないと。

 

私の気持ちとは裏腹に、よしのんはその場を後にしようとする。

だけど、その人はお詫びにカフェに連れてってくれるみたい。よしのんは断ろうとしたけど、結局行くことにしたみたい。

 

 

 

 

 

 

私はよしのんが、その人と話しているのを聞いてその人の名前が【灯夜】さんと言うことがわかった。

今から行くのは、灯夜さんのお店のようで楽しそうに話している。

店には灯夜さんの他に黒い山羊さんがいるみたいで、その人について喋る灯夜さんは何だがお父さんみたい。

声が高くて顔が見えなくて男の人かも解らない。もしかしたら女の人かも。

でも、こんな人がお父さんやお母さんなら……

 

 

店についた私達は、色々な話をしてくれた。

最近合ったことや、灯夜さんことや、友人のこと。

士道さんと言う人について灯夜さんは面白そうに笑いながら話してくれる。

話を聞いていると、十香さんという人と付き合ってるみたいだけど、殿町さんという男の人と、その……そういう関係でも。

灯夜さんと話していると、誰かが店内に入ってきて灯夜さんに話しかけてきた。

灯夜さんがその人の事を士道という。この人が士道さん?

灯夜さんは、士道さんに冗談を言ってそれにツッコム士道さん。

灯夜さんがある程度の士道さんを弄り終わり、席についた士道さんはなんでここにいるかを聞いている。

灯夜さんはそれに、ここで私とデートをしていると……

それを聞いて思わず顔を赤くしてしまう。

灯夜さんとデート?私は全然そんな気じゃなかったけど、そう言われると意識してしまう。

で、でも灯夜さんみたいな優しい人なら……

 

そこで、身体が引っ張られるような感覚が。

もう戻る時間が来たみたい。よしのんもそれをわかったようで灯夜さんに別れをいって店を後にする。

 

暫く歩くと引っ張られる感覚が強まり、意識がゆっくりと沈んでいく。

それを感じながら私は、また灯夜さんと話せる事を楽しみにしながらそれに身を任せる。

 

 

 

今度は、私が灯夜さんと……

 

 

 

 

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