デートアルケミスト   作:+無音+

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【三行あらすじ】
・士道の精神にダイレクトアタック
・ホモォ
・オリ主は禁忌を犯しました。


士道たちはオリ主のことを女性だと思っているようです。
顔が見えない上に声が高いせい。



四糸乃パペット編
第四話 お茶会


空間震によって破壊された街はいつの間にか元に戻った。

原因は不明で、街の住人は首を捻るばかりとテレビでそのことが朝から話題となっていた。

新聞では大きく書かれていた。

 

『街規模の集団パニックか!?』

 

死者は蘇り、生き返った本人たちも何が何やらと混乱しているようだ。

自分は確かに死んだはずだ、と皆口を揃えていっている。

偶然、災害から逃れた人が取った映像には確かに半壊した街や瓦礫で潰れている赤い何かが映っていた。

その映像は直ぐに、CGで作られたものと言われその人物は叩かれている。

 

そんなニュースを見ながら、士道は深いため息を付いた。

 

「あれは、現実だった・・・よな」

 

間近で見た士道でもそれは信じられなかった。

あの、目を塞ぎたくもなる光景が、泡のように消えていき全て元に戻っていった。

悪夢から覚めたかのような感じだ。

 

だが、アレは現実だ。

 

あの災害を引き起こしたのは・・・一人の精霊。

何故か、空間震の余波が観測さないまま空間震警報が鳴らず、空間震が起こった。

過去の〈南関東大空災〉並みの災害が起こったのだ。

災害の後を、いとも簡単に消したのが空間震を起こした精霊だった。

 

あの精霊は何故、そんなことを?

 

罪の意識から?それとも気まぐれ?

 

それはわからない。

 

 

あの時、全てが元に戻った街に驚いたが、直ぐに精霊に問おうとしたが既にその場から消えていた。

消失したのか?と思ったが、もしそうならまたこんなことが起きてしまうのか?

居てもたっても居られず走り出そうとすると、急に浮くような感覚が襲った。

〈フラクシナス〉の転送装置だ。

回収された俺は直ぐに琴里がいる船橋へ案内される。

船橋に入ると艦長席で渋い顔をしている琴里がいた。

 

「琴里・・・」

 

「言わなくても分かっているわ」

 

そういって、礼音に指示を出しメインモニタに映像を出す。

それは、先ほどの映像。

赤い稲妻があちらこちらで発生し、巻き戻すかのように戻っていく。

もう一度見ると、明らかに異常。

 

「こんなことができる精霊は、今まで居なかったわ。まさに〈アルケミスト〉の名が相応しいわね」

 

皮肉のように言う琴里。それも仕方ない。あんなものを見せられたら。

 

「一体、どうするんだ?あの精霊がまた現れたら同じように」

 

「それはないよ、シン」

 

隣に居た礼音が言う。クルーに一言声を掛けると、映像が切り替わる。

映し出されたのは士道がさっきまでいたデパートの屋上だった。

驚く俺と・・・〈アルケミスト〉。

映像を見ていると〈アルケミスト〉が建っていた床が消え、下へ落ちていき直ぐに床は元に戻る。直ぐに映像は切り替わり、今度はデパートの外を映っていた。

そこには、走る黒いローブの姿。だが、裏路地へ消えていくところまでは映っていたが破壊されたのか映像はそこで終わる。

 

「見ての通り〈アルケミスト〉は消失せず、その場を逃走。今は行方を眩ませているわ。一応、捜索しているけどなかなか見つからないのよ」

 

深いため息が琴里の口から漏れる。

 

「いや、直ぐに見つかるだろう」

 

「「え?」」

 

「先ほど、幾つかの観測機が破壊されるという報告があった。その場所を見てみると」

 

礼音が操作すると、モニタに地図が表示され赤い×が複数ついていた。

 

「最初はここ、そして最後に確認されたのがここ。そこから予測していくと・・・」

 

映し出されたのは、最近出来たということでニュースになっていたアミューズメントパークだった。

だが、今は誰もいない無人の遊園地となっていた。

 

「ここに〈アルケミスト〉がいるだろう。実際、その周囲を探索すると必ず破壊されている。間違いなくここだ。」

 

目の下に隈をつくって言い切った礼音がなんだがかっこいいと思ってしまった士道だった。

 

 

 

 

そして翌日の今。

勿論、学校は休校。精神的にダメージを受けた生徒が多いため、カウンセリングを受けているそうな。

街のほうも同じだろう。

しばらく休校との連絡がついさっきあった。

俺にとっては丁度いい。

これから〈アルケミスト〉がいるであろう遊園地へ行くのだから。

あれから、黒いローブ姿が目撃された。

あの精霊がいる確信が高まった。

 

「――う」

 

一体何の為に遊園地に。そもそも何故、消失しないのか。

 

「――う・・・・どう!」

 

また、あの精霊に会えばわかるのだろうか。

 

「――どうっ・・・・聞いておるのかっシドー!!」

 

「ごはっ!?」

 

ドゴッと音と共に腹部に鋭い痛みが走る。

そのまま後ろへ、座っていたソファーごと倒れ転がる。

 

「シドーっ!何故、無視するのだ!!」

 

腹部を押さえながら立ち上がると目の前に、膝まであろうかという黒髪に紫の瞳。

美しいという言葉でさえ足りないほど美しい少女。

彼女は、夜刀神 十香。

彼女もまた、精霊だ。

俺が初めて会った精霊で、初めて封印した精霊だ。

今は、人間と変わらない生活を送っている。

そんな十香は不機嫌そうにしている。

 

「す、すまん。ちょっと考え事をしていた」

 

「・・・それは他の精霊のことか?」

 

不安そうに尋ねてくる。既に十香にも話している。

精霊のこと、昨日何があったのか。そして、今日その精霊に会いに行くと。

 

「私も付いていくぞっシドー!」

 

「それは駄目だ。あの精霊は危険だし、琴里にも言われただろう?今の十香は精霊の力がないって」

 

「しかし・・・」

 

俯く十香。俺は安心させるために頭を撫でてあげた。

 

「心配するな。お前も知っているだろ?俺は簡単にやられないって」

 

「確かにそうだが・・・」

 

士道は一度、腹に穴を開けられている。確かにそのとき死んだはずだった。

だが、彼の中にある精霊を封印する力とは別の力で生き返ったのだ。

 

「だから、待っててくれないか?」

 

十香は、静かに首を縦に振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕暮れの遊園地。〈フラクシナス〉の転送装置で降り立った士道は直ぐに〈アルケミスト〉を探し始めた。

コーヒーカップ、メリーゴーランド、バイキング、ジェットコースター。

先の空間震の影響なのか、長期休館となっており全ての遊園地には誰もおらず、全てのアトラクションも電源が入っていなかった。

様々なアトラクションを見て回るが何処にもあの黒の姿はない。

やはり、既に消失してしまったのか。

 

『――シン。観覧車のほうで不審な人物がいる。直ぐに行ってくれ』

 

右耳のインカムから琴里の代わりに礼音の声が聞こえた。どうやら、琴里は事情があり、その場にはいないそうだ。

指示された場所へ急ぎ走り出す。

幾つかのアトラクションを通り過ぎ、目的の場所、観覧車へ辿り着く。

今は休館の為、動いていないはずの観覧車には明かりが灯っていた。

 

受付には誰か立っている。

その姿を見て思わず、この遊園地のスタッフかと思ったが、この場所は誰も居ない筈。〈アルケミスト〉を除いて。

そいつは黒い、羊の顔をした執事がいた。まるで本物のような羊の被り物で今にも動きそうな程、精巧な造りをしていた。

そいつは、観覧車に乗れといわんばかりに指をさしている。

その執事に驚き、正体が解らない執事に警戒をしつつ丁度止まっているゴンドラを見る。

ゴンドラの中に、誰かいる。

 

黒いローブに、フードで頭をすっぽりと覆い隠した・・・精霊、〈アルケミスト〉だ。

 

〈アルケミスト〉は優雅に紅茶を飲みながら席に座っていた。

俺は、ゴンドラの中に入っていく。中に入ると紅茶の良い香りが鼻の奥を通る。

先ほどまで無かった筈のテーブルにはカップのほかに数種類のケーキなどがあった。

それと同時に、扉が閉じられる。

どうやら執事に閉められたようだ。その事に焦ってしまうがゴゴゴッと音を立て観覧車は動き出してしまった。

 

立ち尽くす俺と目の前に座る〈アルケミスト〉。

二人の間に、沈黙が流れる。

 

「どうぞ」

 

先にそれを破ったのは〈アルケミスト〉だった。

立っている俺に席を勧めてくる。

俺は空いている前の席へおずおずと座る。

前に居る精霊は一口、紅茶を飲むとカップを置き話し始める。

 

「さて、何か私に聞きたいことがあって来たのだろう?五河士道」

 

「士道でいい」

 

「そうか、なら士道。まずは何が聞きたい?私のことか?それとも力のほうか?」

 

『――シン。まずは彼女のことを聞いてくれないか?出来るだけ情報が欲しい』

 

礼音の指示で答える。

 

「まずは、君の事を知りたいな」

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

街を元に戻した俺は、直ぐにその場を逃げた。精霊でもない俺は消失しない。このまま、立ち尽くしても厄介な事にしかならない。

とりあえず、その場から逃げるという選択をした。

だが、逃げても俺を見る視線は離れずその度にその視線を破壊していった。

そして、フラクシナスから逃れるうちにこの遊園地に来てしまった。ちょうど空間震のせいで誰もおらず丁度いい隠れ家となった。

だが、直ぐに見つかった。

 

これ以上、逃げ回るのも面倒。

彼方は、俺に接触したがっている。なら、その要望に答えよう。

よく考えれば、今の時期DEM社はまだ関わってこない。

しかも、ラタトスクの上層部はプリンセス、十香の霊力封印で士道への価値が高まっている。

ならば、その流れに乗るしかないだろう。

この時期を逃せば《ラタトスク》との関わりが困難になるだろう。

多少、自信の身を危険に晒すが問題ない。

 

取り敢えず士道をお茶会に誘うかな?

 

そして、場はゴンドラの中へと戻る。

 

右耳に視線を一瞬向けたということは今〈フラクシナス〉にサポートしてもらっているようだ。

 

「まずは、君の事を知りたいな」

 

「私の事か・・・年齢NG、身長NG、体重NGだ」

 

「いや、まったく答えになってないけど」

 

「次は何が聞きたい?」

 

俺は無視して次へいく。

 

「え、っと。確か、錬成だったけ?それって・・・」

 

「ああ、これのことかい?」

 

俺は、テーブルに置いてあるカップを小突くとカップは陶器から金へと変わった。

それを見た士道は慣れたのかあまり驚きはしなかった。

反応がつまらんな。

 

「これは私の力、見ての通り、金でも何でも錬成できる」

 

「・・・人の命も?」

 

士道は深刻そうな顔をしている。

命を平然と作れるというのだからそうなるだろう。

ぶっちゃけアレって、肉体に残った魂の記憶とか欠片を復元したというのか。

ようはザオリクです。MPは、勿論地殻変動のエネルギーです。

あと、なんか昨日のおかげでレベルアップした。

どうレベルが上がったというと・・・・

 

 

ホムンクルスを作れるようになりました。

 

 

あの受付に立ってた黒執事。コンドラを閉めてくれた黒執事。そしてこの紅茶を入れてくれた黒ひつ・・・執事。

その他いろいろ。いやぁ、ホムンクルス便利だなぁ。

 

「・・・まぁ、そんな感じだ。あの黒執事もそうだよ。彼は人工で作り上げた生命、ホムンクルスだ」

 

「ホムン・・・クルス?」

 

「そ、三秒で作ってみた」

 

「もう、なんか・・・」

 

やつれた顔をしている士道君。若いのに苦労しているのだろうな。

初めて作るものは数十秒、時間がかかるらしくホムンクルスを作るのに数秒かかった。

もう一体作ったら一瞬で作れましたけど。こう...楽しみが無いね!

出来るだけ、バリバリやりながら作っていこうと思う。なぜかって?錬成してるって感じがするから。

 

「この私に作れないものはあんまり無いね」

 

「あんまり無いのかよ・・・てか何が作れないんだ?」

 

何が作れないか、と聞かれると反応に困るな。

んー、目には見えないものとか、見たこと無いものとか?

賢者の石なんか生命エネルギー集めて固めて作ればいいし。今のところ賢者の石の必要性は皆無。

 

「・・・見たこと無い物、とか?」

 

「へぇ」

 

「まあ、どんなものか分かればある程度?」

 

「いや、俺に聞かれても分からないから」

 

と、そこで天気が変わる。

いつの間にか空は曇り空へと、ポツポツと雨が降り始め、次第にざあざあと音を出して降り出した。

 

「あれ、天気予報では晴れ続きだって言ってたのに。最近外れているなぁ」

 

「おや・・・」

 

雨がガラスに当たり景色を悪くする外を見ながら残った紅茶を飲み干し、立ち上がる。

丁度、ゴンドラは一周周り帰りを待っている黒い執事が見えた。

 

「雨も降ってきたようだし。今日のところは帰ったらどうだ士道?お茶会はまた、今度ということで」

 

「え?いや。まだ聞きたいことが」

 

「私にも用事があるから。聞きたいことはまた今度にしてほしい。どうせ私は消失などしないからな」

 

士道は、インカムに視線を移す。何か指示があったのか?

 

「そうだな、また今度会おうな」

 

士道の答えを聞き、俺は扉を開け放ち外へ出る。雨の為か外は冷え、寒さで身体がブルッと震える。

隣に居た黒執事は、何処からか持ってきた傘を自分が濡れるのを構わず俺に差して雨を防いでくれる。

それを見て苦笑しながら、歩き始める。

 

士道が見送りをするとか言ってきたが断っておいた。

何が悲しくて男と帰らにゃーいかんのだ。彼が何か言ってくる前にさっさと歩いていく。

 

さて、この場所は暫くしたら人が増えるだろう。

あー、早く今日の寝床を探さないとな。

 

 




今回、第一の精霊 十香が出ました。
こんなんでいいのか迷ったけどまあいいかと思った。気にしたら負け。
少しグダッタ感じがしましたが、どうでしょう?もうちっと簡単に書いたほうがいいかな。

さて、次回はどうしようかな。

※2017/4/25
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