竈門炭治郎になったけど妹まで同類だった   作:シスコン軍曹

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そろそろサブタイもネタ切れ……募集出来ないのが辛い……!


為すべき事

「ア”―――――‼」

「何叫んでんだお前気持ち悪ぃ」

「あ、はは……」

 

 善逸の絶叫を聞いた伊之助が気味悪そうにタンポポ頭を見やる。

 その隣では、手拭で額の汗を拭う炭治郎が曖昧に笑っている。

 そんな二人に対し、納得がいかないとばかりに善逸は突っかかった。

 

「いやお前ら……お前ら! ホントお前ら……お前ら!」

「何回お前らって言うんだよお前」

「うるせえよ! これが叫ばずにやってられっか! 煉獄さんの継子になって早二か月……もうキツイ! しんどい! 泣きそう! てか泣く‼」

 

 迫真だった。

 頭を抱える善逸に、炭治郎は同情しながらこれまでの鍛錬内容を振り返る。

 

「……屋敷の外周百五十週、素振り五千回、本気の禰豆子との試合……確かに、ちょっとキツイな」

「ちょっとどころじゃねーよ何言ってんだよお前。……なんで柱って継子あんまり取らないんだろって思ってたけど、なんか分かった気がする」

「大変……だもんなぁ。二年前の修行を思い出すよ」

「お前こんなこと二年もしてたの?」

 

 善逸が人外を見る目で炭治郎を見つめる。

 

「ん? 流石にここまではキツくないぞ? 精々空気の薄い山を重りを背負って何十往復したり、素振り千五百回やったり、滝修行したり……」

「いや十分だよ。むしろ十分すぎるよ感覚狂ってるだろお前」

「そうか?」

「そうだよ! ……はぁ、禰豆子ちゃんが応援してくれなかったら俺も逃げ出してたぞホントに……」

「禰豆子は渡さん」

「お願いしますお義兄様俺に妹さんをください!」

 

 全世界土下座選手権で満点を取れそうな美しい土下座が、炭治郎の前に繰り出された。

 

「君にお義兄様と呼ばれる筋合いはない! 柱になって出直して来い!」

「自分は柱になってない癖に‼」

「条件の一つは満たしてるから大丈夫でーす」

「ぐがー」

 

 炭治郎がいやらしい笑みを浮かべ善逸を挑発する。

 二人の諍いに興味がないのか、伊之助は疲れを癒す為にいびきをかいて眠ってしまった。

 

「ちょっと何言い合いしてるのよ二人とも」

「何かありましたか?」

「あ、いや大丈夫だよ千寿郎君」

 

 禰豆子と一緒に、丁度煉獄杏寿郎が小さくなったような姿をした少年も顔を出した。

 煉獄千寿郎。

 杏寿郎の実の弟であり、彼らの世話をしている少年だ。

 因みに、最初に彼を見た時、伊之助は「おっ? ギョロギョロ目ん玉が小さくなったぞ? ケツ子と同じか?」と言って炭治郎に叩かれたのは余談である。

 

「もうすぐ夕食です。伊之助さんを起こして居間でお待ちください」

「いつもありがとう、千寿郎君」

「いえ、お安い御用です。それに、前まではここまで忙しいことはなかったですから」

 

 過去を憂い、僅かに表情を曇らせた千寿郎だが、直ぐに明るさを取り戻し台所へ向かった。

 炭治郎と善逸も、伊之助を引っ張りながら居間へと向かう。禰豆子は普通の食事はできないので、既に就寝している。

 

「にしても、もう二か月か。随分と経ったなぁ。無限列車での戦いが昨日のことみたいだ」

「むしろその時に戻ってやり直したいくらいなんだけど」

 

 来る日も来る日も鍛錬鍛錬、たまに鴉が任務を持ってきて出発、この繰り返しだ。

 

「あ、槇寿郎さん」

「む、竈門君か」

 

 煉獄槇寿郎。

 杏寿郎と千寿郎の父にして、元炎柱。

 最近までは鬼殺隊としての活動意欲を無くし、杏寿郎に席を譲ってからは毎日のように酒に入り浸る日々を過ごしていた。

 が、炭治郎達が来てから彼は変わった。

 尤も、出会いは最悪であったが。

 

「そうだ、日の呼吸について何か分かりましたか?」

「……すまん、進展はない」

「そうですか……まあ、槇寿郎さんが資料をゴミのように破きましたしね」

「ぐはっ⁉」

 

 槇寿郎、吐血。

 炭治郎の言葉の刃が、槇寿郎の心に昇り炎天(アッパーカット)を放った。

 

「お待たせしました、今夜は鍋です……あれ? どうかなさったのですか父上?」

「い、いや……なんでもない、何でもないんだ……うん」

 

 料理を持ってきた千寿郎が、部屋の片隅で項垂れる槇寿郎を不思議そうに見る。

 だが、そんな彼を見て、やはり変わったなと思い、無意識に口の端が吊り上がる。

 以前の父はこんな姿を見せなかった。だんまりか酒の二つで、いざ顔を合わせても会話すらなかった。口を開けば剣士になるのを諦めさせるようなことばかり言う。

 けど、今はどうだ? 酒をやめ、過去を悔い、今の自分に出来ることを精一杯やっている。

 戻ってきた。一体何度、その時を待っただろうか。

 

(本当に……炭治郎さんには感謝しかありません)

 

 二か月前のことだ。

 兄である杏寿郎が炭治郎たちを連れてきたとき、槇寿郎は炭治郎を見て妙なことを口走りながら彼に突っかかった。

 曰く、彼の花札のような耳飾りは、始まりの呼吸の剣士が身につけていたものと合致する。

 ならば、彼は始まりの呼吸……日の呼吸の使い手だ、と。

 しかし、炭治郎は日の呼吸など使わなかった。だが、炭治郎の言葉に耳を貸そうともしない父は、遂に彼の胸ぐらを掴み上げる。

 その口から勢い任せに、命懸けで戦い抜いた杏寿郎や努力し続ける千寿郎を侮辱する言葉が飛び出した時――。

 

 ――炭治郎が怒りを露わにし、槇寿郎を殴りつけた。

 

 事態はさらに混濁し、乱闘騒ぎとなった。

 杏寿郎は怪我が治っていないため止めるに止めれず、結果善逸と伊之助が二人を引き剥がし、無理やり落ち着かせる。

 外では何だということで屋敷の中で、冷静になった槇寿郎から話を聞いていく。

 日の呼吸。詳しくは分かっていないが、どうやら既存の呼吸はすべて、その呼吸の派生であり、鬼舞辻無惨を倒すにはその呼吸が必須らしい。

 槇寿郎がやる気を失ったのも、派生である自らの炎の呼吸では、直ぐに限界が来ることを知ってしまったからのようだ。

 そこへ追い打ちをかけるように、母である瑠火の死。……なるほど、理解はできる。これだけの不幸が重なって、荒むなというほうが酷だろう。

 

『分かったか! 貴様らが何をしようと、すべて無駄なんだ! 分かったらさっさと失せろ! 気分が悪い!』

 

 槇寿郎の言葉だ。

 本当に、かつての父とは思えないほど憎しみの籠った目付きで、炭治郎の耳飾りを睨みながら告げた。

 

『俺は鬼舞辻無惨を倒します』

 

 短く、断固たる意志で告げた炭治郎の言葉だ。

 

『日の呼吸がどうとか、そんなことは関係ない。日の呼吸じゃないとだめなら、人間はとっくの昔に鬼に負けている』

 

『できないから諦める……そうじゃない。みんな、自分に出来ないことがあるから諦めるんじゃなくて、自分に出来ることを全力でやった』

 

『それが、今日までの鬼殺隊を支えた。そして、これからもそうだ』

 

『例え日の呼吸が使えなくても、誰が何と言おうと……俺は必ず、鬼舞辻無惨を倒します』

 

 きっと、彼の言葉は、槇寿郎の心には届かなかったのかもしれない。

 それでも、間違いなく救われた者はいる。千寿郎もその一人だ。

 彼には呼吸の才能がない。どれだけ修練を重ねても、日輪刀の色を変えることが出来なかった。

 それでも、出来ることはあると。自分に出来ないことがあっても、やるべきことがあるのだと教わった。

 千寿郎は剣の道を捨てる。それは兄にも父にはも話した。剣士ではなく、自分にしか出来ないことで、支えになると誓った。

 

(ありがとうございます……炭治郎さん)

 

 ドンドン喧しくなっていく炭治郎たちを見ていた千寿郎は、朗らかに笑い、心の内で感謝を述べた。

 

 




槇寿郎さんと千寿郎くんのキャラってこんな感じだっけ?自分で書いてるとキャラ間違ってるように思えてくる……。
あと、正直もう皆さん分かっている……かは分かりませんが……日常というか、ギャグというか……とにかく、そう言う描写が苦手です。平和な描写が書けないとかいう日本人としてあるまじき存在なんです私。
戦闘描写が凄い好き。もうそれだけ書いていたい!……という本音があることをここでぶちまけます。
……どうやら色々と疲れてしまい……匿名だけど本垢でも投稿してるし、別名使って投稿してるし……とにかく忙しい!
多分また間隔が空きます……ちょっとぬきたしで心落ち着かせてきますね()
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