書記長が行く第四次聖杯戦争   作:ガチタン愛好者

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第8話~蹂躙~

ウォォォォォォォォ!!!

 

イスカンダルの叫びに呼応する兵士達。そしてイスカンダルに歩み寄る一頭の馬。

 

「おお、久しいな、我が相棒」

 

イスカンダルの愛馬、ブケファラスである。ブケファラスに跨がったイスカンダルは

 

「王とはっ!誰よりも鮮烈に生き、諸人を見せる姿を指す言葉!」

 

「「「然り!然り!然り!」」」

 

「全ての勇者の羨望を束ね、その道標として立つ者こそが、王。故に!王とは孤高にあらず。その偉志は、すべての臣民の志の総算たるが故に!」

 

「「「然り!然り!然り!」」」

 

イスカンダルの言葉に然り!と答える兵士。然りと思えるからこそ彼らはイスカンダルの呼び掛けに応じるのだ。

 

「さぁて、では始めるかアサシンよ。見ての通り我らが具象化した戦場は平野。生憎だが数で勝るこちらに地の利はあるぞ」

 

その言葉にあるアサシンは後退りし、あるアサシンは天を仰いだ。そして

 

「蹂躙せよ!」

 

ウォォォォォォォォ!!!

 

イスカンダルのその言葉に一斉に突撃する兵士達。先頭を行くのは剣を掲げたイスカンダルである。

 

「Alalalalalalalalalalalalalaaaaaaaaai!」

 

前衛が槍を構え、後衛は槍を投げる。イスカンダルはすれ違い様に剣でもってアサシンを両断し、彼が駆け抜けた後を無数の兵士が蹂躙する。彼ら一人一人は弱く、一対一であればアサシンの勝利だったであろう。しかし圧倒的な数とそれによる戦意喪失。アサシンが全滅するのにそう時間は掛からなかった。

 

 

 

「幕切れは興醒めだったな」

 

蹂躙を終え、固有結界が解かれるとそこは再び城の中庭だった。先程の蹂躙が嘘のように辺りは静まり返っている。

 

「なんだ。邪魔が入ったが今日はここいらでお開きとしよう。では坊主、帰るぞ」

 

ウェイバーの首根っこを掴み戦車に乗せるイスカンダル。するとギルガメッシュが

 

「貴様の覇道、とくと見せてもらったぞ。征服王。貴様は我が全力を振るうに相応しい相手だ。誇るが良い」

 

「ほほう、かのウルクの王にそう言われるとはな。認めてもらった、という認識で良いな?」

 

「そう言っている」

 

ギルガメッシュが雑種ではなく名前で呼ぶということはつまりそういうことである。

 

「これは光栄だ!では諸君。次は戦場で会おう!」

 

バチバチバチ!

 

閃光を響かせながら走り去る戦車。それを見送ったギルガメッシュは

 

「では我も帰る。ああ、そうだ」

 

おもむろにスターリンの方を向き

 

「今のところ問答だけで貴様の戦いぶりを詳しく見ておらぬ。一応貴様のその精神は認めてやろう。ハッ、理性があるとはいえバーサーカー相手に面白い話だがな。次は戦いで我を認めさせてみよ」

 

そう言い残し金色の粒子を残して消えるギルガメッシュ。残されたのはスターリンと俯いたままのアルトリア。

 

「では私もここいらでお暇させてもらおう。ではまた」

 

門から小さな戦車を出し、乗り込むスターリン。颯爽と走り去るそれをアルトリアは淀んだ目で見送った。

 

 

 

ガリガリガリ!

 

「ああ、ご苦労。帰ったぞ、同志(マスター)

 

屋敷の前でアスファルトを削りながら停車した戦車から降り、門にしまうスターリン。因みに彼が乗って帰ったのはBT快速戦車だ。狭い日本で素早く移動するにはもってこいである。幸い夜だったため目撃者はいなかったがもしミリオタが見かけていれば狂喜乱舞の大騒ぎだっただろう。

 

「ああ、お帰りなさい同志書記長。どうでした?」

 

「アーチャーとライダーとセイバーの真名が分かった。そして歴史の書物が信用ならんことも分かった。なんなのだ!アーサー王が女性、しかも少女とは!」

 

「まあまあそういうこともあるさ。無事ならそれでいい。他には?」

 

「ライダーの宝具が判明した。固有結界とやらに軍勢を召喚していた。私と相性は悪くなさそうだ」

 

「ふむふむ、というかまだ同志書記長の宝具を拝見したことがないな。気になるが…………」

 

「そう焦るな。まだキャスターの討伐が終わっておらん。ことと次第によっては見られるかもしれんぞ、我が宝具がな。一応言っておくと私の宝具も一部世界を塗り替える、いわば固有結界型だ」

 

「固有結界ってすっごい貴重なはずなんだが………宝具って凄いな。同志書記長、楽しみにしておきます」

 

「そうしてくれたまえ、ああ、そうだ。言い忘れていたことがある。これだけは伝えねばならん」

 

「?」

 

「次の戦いまでに氷点下20℃においても活動できるような防寒着を用意しておいてくれ。下手すると巻き込んで殺しかねん」

 

「あ、ああ、分かった」

 

雁夜はその言葉にスターリンの誇る宝具の性質を少しだけ察した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦車について
イスカンダルの戦車:牛に引かせるいわば馬車、いや牛車?引く牛が伝説の牛なため空も飛べる。台車には刃がついており、これと走った際に出る稲妻が攻撃手段。めっちゃ強い。

スターリンが出した小型戦車:BT快速戦車。火力は乏しく紙装甲だがとにかく足が速い。キャタピラを外して走れるクリスティー式サスペンションを搭載し、キャタピラを外せば乗用車並の速度が出る。ジャンプもお手のもの。今回はもっぱら移動用に酷使されている。
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