書記長が行く第四次聖杯戦争   作:ガチタン愛好者

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第10話~決着~

「まずはその化け物を引き剥がしてやろう。Огонь!(アゴーニ!)(撃て!)」

 

化け物に降り注ぐ数えるのも馬鹿馬鹿しい程の弾丸。空から、地上から放たれるそれによって空が埋め尽くされる。そして

 

ズゴゴゴゴゴゴゴ…………

 

始まったのは絶え間ない着弾。鉄の雨と呼ぶにふさわしいその飽和攻撃に晒された化け物は

 

バリン!カチカチ!

 

叩き割られ、再生する前に凍り付く。いかに優れた再生能力があろうと凍り付いてしまってはどうしようもない。みるみるうちに小さくなり、化け物に包み込まれていたキャスターが露出する。

 

「おのれ………おのれおのれおのれオノレオノレオノレオノレェェェェェェェェ!!!!!」

 

叫ぶキャスター。彼自身にはキャスターの知識は無く、手に持った禍々しい一冊の本のみが彼の戦う術である。もしも、彼がセイバーのクラスで召喚されていれば話は別だったのかもしれない。

 

「フハハ、無様だなキャスター。そろそろ…………たしかこの国の諺でこう言うのだったかな?年貢の納め時だ!」

 

化け物が封じられた今キャスターに残された道はただ一つ。死である。

 

「おのれ、こんなところでェェェェェェェェ!!!ああ!ジャンn」

 

聖女の名を言いきる前に、キャスターに無数の爆弾が着弾した。

 

 

 

シュン

 

スターリンが宝具を納め、再び舞台は冬木の川岸に戻る。固有結界で繰り広げられた戦闘は現実世界に影響を及ぼさない。そこにはいつもの静かな流れが存在する。

 

「あれ?さっきのは?」

 

ざわ……ざわ……

 

野次馬が混乱する。見たこともない化け物がいたと思ったら次の瞬間には光と共に消え失せたのである。

 

「これで一件落着、か?」

 

「ああ、しかも報酬もいただきだ。目撃者もいる」

 

雁夜はスターリンの強さを再認識すると共に貴重な、貴重な切り札を手に入れたことに喜びを隠せなかった。目撃者としてギルガメッシュにイスカンダル、アルトリアもいる。確実に報酬は頂けるだろう。するとスターリンの元に歩み寄る人影が一つ

 

「存分に見せてもらったぞ、書記長。なるほど雑種、しかも神秘が失われて久しい現代の雑種にしては中々のものだった。恐怖による支配、全員の平等、目指す形はどうあれ、過程、手段はどうあれその信念、生きざまは称賛に値する。故に貴様も勇者と認めよう」

 

「お褒めに預かり恐悦至極」

 

「ふん、此度の戦い、つまらぬ茶番だと思っていたが来てみた価値はあったようだ。まさか我が認めてもいいと思える勇者が二人もいようとはな。貴様らは我がこの手で始末する。くれぐれも我以外の雑種に敗北するでないぞ?」

 

そう言い残し金色の粒子を残して消えるギルガメッシュ。

 

「では我らも帰るとしよう。来い!」

 

BT戦車を呼び出し乗り込む二人。家に向かう道のりはとても心地よいものだった。

 

「心地よいものだな。同志書記長」

 

「そうだな、これをな、凱旋と言うのだ。勝利のな」

 

「勝利、か」

 

雁夜は落ち着いていた。ギルガメッシュは以前時臣と言っていた。つまりギルガメッシュは時臣のサーヴァントということ。生き残るためにはギルガメッシュを倒さねばならず、それは時臣への勝利を意味する。まっとうな魔術師でない雁夜に敗北する苦しみは相当だろう。蟲爺は消え去り桜は救われた。雁夜が聖杯戦争に参加した意義の大半は達成されており、それ故雁夜は落ち着くことが出来ている。

 

「誰が言ったか一番重要なのは冷静さってな」

 

別のあったかもしれない物語、そこでは彼は時臣に執着し、冷静さを失い、見事に敗北した。何事においても重要なのは冷静沈着であること。

 

「この戦い。勝ちに行くぞ!」

 

「当然だ」

 

改めて宣言する雁夜、その言葉には空元気ではない力強さが籠っていた。

 

 

 

「何故です!王よ!」

 

ところ変わって遠坂邸。時臣はギルガメッシュにそう問い掛けた。

 

「何故キャスター討伐をただ傍観したのです!?王の偉業を知らしめる絶好の機会を………」

 

「黙れ時臣。何故そこまで憤慨する?結果としてキャスターは討伐されたではないか。どこに問題がある?しかもたかが令呪一画ではないか」

 

「それは………」

 

言えるはずがない。何せ今回のキャスター討伐は教会とグルなのだから。聖杯を悪用されたくない教会と悪用しないことが確定している遠坂陣営。所謂利害の一致で裏で繋がっているのだ。キャスター討伐によって失った令呪一画を取り戻す。そのはずだったのだ。

 

「あまり我を嘗めるでない。我としては今ここで貴様を殺し、新たなマスターを見つけても良いのだぞ?」

 

「……………分かりました。王よ」

 

ギルガメッシュのクラスはアーチャー。単独行動スキルによってある程度は魔力供給無しに動ける。そしてギルガメッシュの能力である千里眼。これらを活用すれば時臣を殺し、新たなマスターを見つけることなど造作もない。

 

「普通はどうか知らんが貴様は我に仕えているということを忘れるな」

 

強すぎるサーヴァントを召喚することによる弊害がここにあった。

 

 

 

 




ギルガメッシュに認められちゃった書記長。つまりイスカンダルの時と同じく慢心してもらえないということでして………認められるのは凄い名誉なことですが勝率がガクッと落ちますね。
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