書記長が行く第四次聖杯戦争   作:ガチタン愛好者

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[第10話終了時の各陣営の現状]
セイバー陣営:生存。マスターとサーヴァントの関係は良くない。
アーチャー陣営:生存。マスターとサーヴァントの関係は壊滅的。
ランサー陣営:生存。
キャスター陣営:敗北。原作と違い龍之介は生存
ライダー陣営:生存。マスターはサーヴァントに振り回されている。
アサシン陣営:全滅
バーサーカー陣営:生存。マスターとサーヴァントの関係は良好。

いよいよここから本格的にオリジナル展開です。なので更新が遅れます。ご了承下さい。


第11話~作戦会議~

「さて、次はどのように動く?」

 

屋敷に戻ったスターリンと雁夜は再び作戦会議を開いた。

 

「まずライダーとアーチャーは無視しよう。アーチャーはこちらから挑むか、他が全滅するまで性格的に手出しはしてこなさそうだし、ライダーは………まぁあんなだし大丈夫かな?」

 

「不確かだな、取り敢えず保留ということにしよう。となると残ったのはセイバーとランサーか。どうする?」

 

「セイバーはかのアーサー王なんだろう?ランサーから落とすのが良くないか?」

 

「いや、ランサーも言わないだけで偉大な英雄かもしれん。この聖杯戦争に呼ばれる時点で皆歴史に名を残す英雄よ。油断は禁物だ」

 

「うーむ…………じゃあ取り敢えず今まで通り現状維持かな?ここに籠ってひたすら偵察。漁夫の利を狙おう。力を温存しておくに越したことはない」

 

「分かった。異議はないさ。同志(マスター)

 

「では偵察頼みます。同志書記長。それとそろそろここも他のマスターにバレているかもしれない。防衛はできるか?」

 

「狙撃手を配備しておこう。足止め位にはなるだろう。もしもマスターを仕留められればそれで事足りる」

 

「確かに、無理にサーヴァントを仕留める必要は無いからな」

 

マスター殺しは聖杯戦争において常套手段である。

 

「今のところ拠点が分かっているのは?」

 

「まずはライダーだ。ライダーはあの戦車で帰っていくからな。目立つ戦車だ、追尾は簡単だったぞ。セイバーは恐らくあの問答を行った城だろう」

 

「そっか、アーチャーはいつも金色の粒子を残して消えるからな。まあ時臣のサーヴァントならば拠点は遠坂邸だろう」

 

「となると不明なのはランサーか」

 

「ああ、マスターが優秀なのだろう。ところでランサー以外の拠点が分かっているわけだが………」

 

「手出しはしないよ。普通の戦争ならいざ知らず、聖杯戦争は戦争なんて言うけども生き残ればいいんだ。とどのつまり引きこもって潰し合うのを待って残った一人を潰せばいいのさ」

 

「まあ正論だな」

 

「普通の武勲を挙げた英雄なら反対しそうだけど………」

 

「私は賛成だ。どう思われているかは知らんが私はな、臆病なのだ。何故我がソヴィエトが世界を支配しようとしたと思う?全世界がソヴィエトとなれば私を殺そうとする者はいないだろう。皆が平等なら争いは起こらないだろう。争いを無くすための争いだったのだ」

 

「そうなのか………」

 

レーニンの世界革命論を転換したとはいえ多くの国を取り込んだソヴィエト社会主義共和国連邦。全世界がソヴィエトとなっていればこの世から戦争が無くなっていたのか、それは誰にも分からない。

 

「私は辛かった。偉大なる建国者レーニンのような、憎きナチスのヒトラーのようなカリスマは無かった。粛正し続けたのも恐怖心からだ。少なくとも粛正を続ければ皆は言うことを聞いた。反逆しなかった。粛正が唯一私に安心をもたらしたのだよ」

 

「なら………」

 

総じて独裁者とは人間不信に陥るものだ。その規模が大きければ大きいほどに

 

「何故戦うのか、か?確かに私が思うがままに生きるならば即刻この冬木から逃げ出してしまいたいさ。生前と違い逃げたからと滅ぶ祖国はない。逃げた弱いスターリンの姿を知るのは同志(マスター)だけだ。それでも私は戦う。あの問答で諭されたのもあるがな、見たのだよ。今の人々に少なからず私を称賛する意見がね」

 

今でもスターリンの評価は真っ二つ。残虐な独裁者と偉大なる指導者の二つだ。

 

「正直ソヴィエトが存在しないことには驚いた。辛かった。でもな、私がやったこと全てが全て間違っていた訳では無かったということが知れただけでも満足なのだよ」

 

スターリン様式の建築、工業重視の政策、独ソ戦の勝利、新たな領土の拡大、スターリンがもたらしたのは決して悪いものだけではなかった。

 

「ならばやってやろうと思ったのだ。せっかく手に入れたこの第二の仮初めの命、勝ち残って本物の命とし、再び偉大なるソヴィエトを目指そうとな。幸い私は生前行った政策の良し悪しを自分で、そして第三者の評価で判断できる。生前行った良い政策を行い、現代でも続いている社会主義国家、中華人民共和国を参考にすれば最強無敵の社会主義国家が作り上げられる。そうは思わないか?」

 

誰だって思い描くだろう。あのときああだったなら、サーヴァントと言う形でそれが可能なのだ。

 

「なるほど………」

 

雁夜はスターリンの決意を噛み締める。そこにいたのは自分の思い描いていた残虐非道なスターリンではなく、一人の野望に満ちた立派な男だった。そして世の中はそういった野望に満ちた人間が変えていく。

 

「ならば、俺もあなたのこれからの生きざまを見届けたい。いいですね?同志書記長」

 

「ああ、勿論だ。私の側の特等席で堪能するがいいさ!新たなる鋼鉄の男の誕生を!」

 

世の中生まれながらにしての英雄はほんの一握り、多くの英雄というものは生きていく中で生まれていくものだ。

 

「まあカッコいいこと言いましたけども勝利のために取る作戦はカッコよさの欠片もない引きこもりなんですがね」

 

「締まらないことを言うな同志(マスター)。まあ勝てば官軍というしな。さっきのは決意表明のようなものだ」

 

野望のためには兎に角勝たねばならない。英雄というものは必ずしもカッコいいばかりの人生ではないのだ。

 

 

 




スターリンが実際にどう考えていたかは知りません。筆者の独自の考えです。
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