書記長が行く第四次聖杯戦争   作:ガチタン愛好者

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申し訳ありません。前編と後編の投稿順番間違えてました。いよいよ大詰めです。あと数話くらいですかねー


第15話~決戦 英雄王ギルガメッシュ 前編~

スターリンの提案から二日後。雁夜は再びスターリンの部屋を訪れた。

 

「大丈夫か?随分早い決断だが。まだ時間はあるぞ?」

 

「同志書記長。俺決めました」

 

「ふむ、ではどのような決断を下す?どのような決断であれ私はそれに付いていくだけだ」

 

雁夜は少しの間を置き

 

「同志書記長。確認です。桜の行き先は本当に信用が置ける相手なんですか?」

 

「ああ、君もよく知っている相手さ」

 

「では……………この戦争が終わったら桜をその人の元へ向かわせます」

 

「いいだろう。部下を向かわせ説得しておこう。まあ断られることは無いだろうがな。断ることなどさせん」

 

その強い言葉を聞いた雁夜は心の中であの少年に手を合わせた。

 

 

 

その会話の直後、まだ日が高いうちにスターリンは英雄王が住まう教会を訪れた。遠坂時臣が殺害されここの主、言峰神父のサーヴァントとなっていることは調査済み。雁夜に殺害されたことを伝えたときは動揺していたがすぐに冷静になっていた辺り、以前ほどの執着は無かったらしい。

「ほう、ようやく我と合間見える決意をしたか、書記長」

 

「ああ、さっさとこの戦いを終わらせねばならない理由ができたからな。その前に一ついいかな?」

 

「なんだ?」

 

「征服王イスカンダルは私が倒した。これについてなにか文句はあるかな?」

 

「無い。勇者同士がぶつかり合ったのだ。文句などあるはずがない。まああやつは我の手で直々に裁定を下そうと思っていた。残念と言えば残念だがそれまでよ」

 

「そうか、では心置きなく戦うことが出来るな」

 

「ああ、では今晩にまた会おう。どうせ固有結界で戦うのだろう?戦いの場はどこでも良いな」

 

「ああ、そうだな…………場所は……………美しい海の見えるあの赤い大橋でどうだ?」

 

「構わん。貴様に限ってそのようなことはあるまいが一応言っておこう。逃げるなよ?こうして我に宣戦布告したのだからな」

 

「逃げるように見えるか?」

 

「ハッ、愚問だったな」

 

 

 

その日の夜。スターリンは雁夜と共に冬木大橋に居た。人通りは無く静寂そのものである。そのスターリンの向かいの位置に

「………………」

 

黄金の鎧を身に纏った英雄王ギルガメッシュの姿があった。互いは静かに徒歩で近づき

「貴様らは魔術に疎いのだろう。この我が人避けの宝具を使っておいた。遠慮はいらぬ」

 

「感謝する。同志(マスター)共々人避けの魔術は使えんからな」

 

「気にするな。きちんとした戦場でなければ本気は出せん」

 

「そうか」

 

軽い会話を終え互いは背を向け離れる。

「既に言葉は不要だ。必要なのは戦いのみ。集え我が同志!

 

その言葉と共に視界が真っ白になった。

 

 

 

そこはだだっ広い雪原。しかし英雄王の姿は見えない。

「すまんな。英雄王。今回は使う兵器が兵器なせいで距離を取らせて貰った。どうせ聞こえているのだろう?」

 

返事はない。だが相手は名高い英雄王。聞こえているという確信があった。

 

「さて、超遠距離からの撃ち合いと洒落混むか。来い!」

 

やって来たのはいつものカチューシャ。しかしその数は数百にも昇る

 

「同志書記長はいつもカチューシャを使うよな」

 

「ああ、安価で、容易に絨毯爆撃に相当する火力が出せる。本来は長すぎる装填が難点だがこの世界では撃ちきったカチューシャを装填済みのカチューシャと交代させることでその難点も克服できている。使わないという選択肢は無いだろう」

 

カチューシャ。またの名をスターリンのオルガン。戦争とは無駄なものだというスターリンの鶴の一声で採用された兵器であり、独特の発射音と共にドイツ軍を恐怖のどん底へ突き落とした。爆撃機は撃墜される恐れがあるがカチューシャは大量のロケットを放つだけなので万が一迎撃されてもダメージは少ない。命中精度の悪さは数で補う。

 

「どうせ仕留められんだろうが様子見には最適だ。あれを使わずに済めば良いのだが…………」

 

「あれ?」

 

「ああ、万が一あれを使うことになった場合に備えてのこの交戦距離よ」

 

まもなくカチューシャのロケットが着弾する。

 

 

 

「ほう、なるほどな。臆病風に吹かれた訳では無いということか」

 

対するギルガメッシュは千里眼を使ってスターリンの様子を伺っていた。最も面白味が無くなるために視覚強化としてしか使っていない。何せギルガメッシュが本気で千里眼を使えば戦いにすらならない。全てを見通すが故に全力の使用を自粛していた。

 

「さて、我は貴様を勇者と認めている。であれば手加減慢心は不要。全力で潰させてもらおう」

 

普段ならばギルガメッシュの背後に大量の歪みが生じる。しかし今回は手の上に一つだけ歪みが生じた。そこから取り出されたのは鍵。どう見ても武器ではない。

 

「ふむ…………………これか」

 

鍵は切っ掛けである。鍵を読み取り無限に等しい宝物庫からギルガメッシュが誇る最大最強の武器を呼び出す。新しく生じた歪みから出てきたのは

 

オォォォォォォ

 

剣と呼ぶには刃が無く、槍と呼ぶには短い奇妙なモノ。

 

「さて、よもや貴様を振るうに相応しい相手と場所があるとはな。目覚めよ。エア」

 

エア。それはギルガメッシュのみが持つ唯一無二の武器。名前はなく、ギルガメッシュはエアと呼んでいる。星をも砕く乖離剣。抑止力によって全力は出せずともその火力は全英霊の中でもトップクラス。けた外れの火力を持つ。ギルガメッシュは余程追い込まれた時か相手を勇者と認めない限りこの剣を抜かない。初手から抜くということはつまりそういうことである。

 

ギュイィィィィィィン!

 

エアがドリルのように回転を始める。それに伴って凄まじい魔力が渦巻く。ギルガメッシュの視界にはジェットの煙を撒き散らすとんでもない数のロケット。

 

「貴様が数で攻めるならば我は究極の一で答えよう。知っていたか?どれ程数を揃えようとも、究極の一には叶わぬ」

 

エアを高々と掲げる。

 

「その理を我が示そう。いざ仰げ!天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)を!

 

その瞬間、世界が割れた。全力が出せぬとはいえギルガメッシュが誇る最強の矛は視界を多い尽くすほどのロケットを迎撃どころか全て蒸発させ、数キロの距離を物ともせずスターリンの元へと届いた。

 

 

 

「!?同志(マスター)口を閉じろ!舌を噛むぞ!クソッ!間に合え!」

 

ギルガメッシュの振るったエアの破壊が目の前まで届くかと思われた瞬間。雁夜の視界は真っ暗になった。

 




一話で終わらせようと思いましたが流石に無理があった。複数回に分けます。
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