書記長が行く第四次聖杯戦争   作:ガチタン愛好者

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第5話~キャスター討伐依頼~

「全員揃っておりますな?揃っている前提で話を始めます」

 

ある日のこと。聖杯戦争を運営する教会から呼び出しを受けた参戦者達。だがマスターが馬鹿正直に教会へ向かうはずがない。マスターの姿もバレてしまうからだ。実際に教会に入ってきた人影は一人だけ、後は不自然に静かな鳥といった小動物だけだ。その人影も

 

「……………」

 

軍服姿で終始無言だった。だが知識があるマスターにはその軍服がソヴィエトのもの。つまりヨシフ・スターリンの部下であることは明らかだった。そしてわざわざ参戦者全員を召集した理由とは…………

 

 

 

同志(マスター)よ。興味深い情報だ」

 

「どんな?」

 

「キャスターのサーヴァントが聖杯戦争を放棄し、好き勝手に暴れているらしい。そこで一旦聖杯戦争を休戦し全ての参加者がこのキャスターの討伐に中れとのことだ。キャスターを討伐したマスターには令呪が一画与えられるらしい。どうする?」

 

「令呪は喉から手が出るほど欲しい貴重な貴重なものだ。必ず手に入れたい」

 

「確かサーヴァントへの絶対命令権だったか。不可能も可能にするという」

 

「ああ、強く命じればなんだってできる。瞬間移動とか一時的なステータスの向上とかな」

 

「確かに強力だ。では早速キャスターの捜索と行きたいのだが………」

 

「どうした?」

 

「既にこの情報を手にしてからNKVDにキャスターを捜索させているのだがこの冬木市のどこにもそれらしき人物はいなかった」

 

「何処にもか?」

 

「ああ、山の中もしらみ潰しに探させたが何も無かった」

 

「………確か同志書記長は魔術の心得は無かったな?」

 

「ああ、魔術など死んで始めて出会った」

 

「じゃあこっからは俺の領分だな。得意ではないが齧ったことはある。これでも聖杯戦争に参加するために基礎知識は身に付けてある」

 

「心強い。期待しているぞ?同志(マスター)

 

 

 

「とはいったものの………」

 

雁夜は自室で頭を抱えていた。スターリンから期待されている以上何かしら成果を挙げないといけない。

 

「思い出せ!キャスターの特権、それから導き出させる居場所は………」

 

サーヴァントにはクラスごとに特権が与えられている。ライダーには騎乗スキル、バーサーカーには狂化スキルといった具合に。キャスターは

 

「確か陣地作成だったか?キャスターに欠かせないのは魔力。ならば魔力が集まりやすいところに………って冬木市中をあのNKVDが探し回って見つからなかったんだ。うーむ……………はっ!」

 

何かを思い付いた雁夜はスターリンのところへ行き

 

「同志書記長!もしかしてだがNKVDが探したのは地上だけか!?」

 

「ああ、ありとあらゆる建物、森を探し尽くしたが…………まさか」

 

「まだ残ってる。嫌かも知れないが………」

 

「どこだ?地下か?」

 

「地下は地下なんだが…………下水道だ。冬木市に地下鉄は無いしあり得るとしたらそこくらいだ」

 

「分かった。探させよう」

 

 

 

下水道は無数あれど人が入れて留まれそうな箇所はたかが知れている。キャスターが根城にしていた場所はあっさり見つかった。

 

「……………遅かったな」

 

「ああ」

 

何者かに蹂躙され壊された下水道が。NKVDからの報告に意気消沈する二人。するとスターリンは

 

「だがまだ終わってはいない。もし終わっていれば聖杯戦争再開の報告がある筈だ。大方どこかの陣営がキャスターの居場所を探しだし、攻撃を仕掛けて逃げられたのだろう」

 

「そうかもしれないな。そうならもしどこかに逃げたならまだ陣地も十分に構築されていない筈だ。探そう」

 

「既にNKVDに探させている」

 

「流石です。同志書記長」

 

ソヴィエトが誇る諜報機関NKVDによる捜索。キャスターが見つかるのも時間の問題だった。

 

 

 

それから数日後、流石に一度探した場所も探し直す以上時間がかかっていた。未だにキャスターは見つからず、しかし報酬である令呪はあればいいや程度だったため特にイライラすることもなく過ごしていた。その中でスターリンは

 

「ふむ、この体は食事を必要としないが日本の食べ物は旨いものだな」

 

日本の誇る美味しい食べ物を味わっていた。ということは

 

「まさかスターリンのために買い出しにいく日が来ようとは………」

 

雁夜や桜と平然と喋るため忘れがちだがスターリンは重度の人間不信である。日本の食べ物は食べたいが家からは出たくない。すると必然的に雁夜が買い出しに行く羽目になるのだ。幸いだったのは

 

「冷凍食品でも満足するとは、さぞソヴィエトの飯は不味かったのかな?」

 

雁夜は気がついていない。今も昔も日本人の食に対する執念はすさまじく、冷凍食品でも他国と比較するととても美味しいということに。そして雁夜は買い出しに行った先で見てしまった。

 

「うーむ、あのバーサーカーの居場所が分かればなぁ」

 

「おいライダー!外で堂々とそういうこと言うな!」

 

赤毛の筋骨粒々な大男が見慣れない外国人と共に聞く人が聞けば分かる会話をしていた。

 

「だがあいつの部下が教会に来ていたのだろう?であればゴニョゴニョ…………」

 

離れていったせいで聞き取れなくなったがここで追いかけてバレても不味いと判断した雁夜は買い物を済ませると大人しく帰宅したのだった。その後人気のない公園で

 

「翌日の夜!森の奥の城で問答を行う!スターリンとやら!貴様も一国を統べる王であったならば来るがいい!来なければ貴様はその程度の男、余の見込み違いだったということだ!」

 

大声で叫ぶイスカンダル。

 

「ほう、ここまで言われては行くしかあるまい」

 

その声はNKVDを通じてしっかりとスターリンに届いていた。

 

 

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