リスタートで世界最強   作:ダマカッス

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おかしい……今回の話はそんなに長くするつもり無かったのに、気づけば前話数とほとんど変わらない文字数になっていた。これがポルナレフ状態か(違

それと書き忘れてましたが、ハジメ=ボクっ娘、恵里=僕っ娘です。
南雲家のおにゃのこは二人共一人称が“ぼく”なので一応念のため。

10/25 誤字修正しました。
教えてくださった方、ありがとうございます!

10/27 コナタがリリアーナの質問に答える部分に違和感を覚えたため内容微修正しました。


コナタ君サイテー!ですよ

 戦争参加が決定した後、聖教教会の本山である神山から、麓に位置するハイリヒ王国の王城に移動することになった。

 王国では既に受け入れ態勢が整っており、コナタ達は滞りなく王宮に歓迎された。

 王宮内に入り、そのまま玉座の間に案内される。途中、騎士っぽい装備をした者や文官らしき者、使用人などから期待と畏敬の念を向けられる。“神の使途”の話は、ある程度彼等の耳にも届いているらしい。

 

 彼等から向けられる眼差しに、コナタがうざったそうに顔を顰める。

 

(嫌な目だ……。俺達を見てるようで見てない。更に先を見てるような、どこか遠くを見てるような……。これは……俺達(使徒)を通して神を御拝謁してるってか?)

 

 玉座の間に着き扉を潜ると、真っ直ぐ延びたレッドカーペットの先、意匠を凝らした玉座の前で国王が立って待っていた。隣には王妃と思しき女性、彼等の子供で姉弟であろう金髪の美少女と美少年が。更には国の重鎮であろう人物など、数にして三十人以上が並んで佇んでいる。

 イシュタルが国王の元に悠然と歩いていく。次の瞬間コナタは、予想はしてはいたが当たってほしくはなかった事実を確認した。国王がイシュタルの手にキスをする儀礼をとったのだ。これで国を動かしているのが“教会”ひいては“神”であることが確定。面倒なことになりそうだと、隣のハジメと恵里と共に内心で溜息を吐いた。

 そこからはただの自己紹介だ。国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。

 後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。途中、王子の目が香織に吸い寄せられるようにチラチラ見ていた。どうやら異性に対する認識は異世界でも変わりないようだ。

 

 

 

 

 

 その後、晩餐会と称し異世界の料理が振舞われた。見た目は地球の洋食と大差なかった。たまにピンク色のソースや虹色に輝く飲み物など珍妙な食べ物も出てきたりしたが、味は思いの外美味しかったのが意外だった。

 

 ランデル殿下がしきりに香織に話しかけていたのをクラスの男子がやきもきしながら見ているという状況もあった。当の香織は、小さな殿下が自らに寄せる想いなどまるで気付いていなかったが。

 

 コナタ、ハジメ、恵里の三人は現在テラスで夜風に当たっていた。

 コナタがテラスに出たところを二人が追ってきた形である。

 

「別に俺に付き合わないでもいいんだぞ?」

 

「ボク達も休憩しようと思ってたところだから」

 

「それにあそこにいたんじゃ、色々話しかけられてめんどくさいしねぇ~」

 

 そう言って中の様子を覗く恵里にコナタとハジメも続く。

 中では同じく晩餐会に参加している貴族等が、生徒達に積極的に話しかけていた。褒められ、おだてられて調子に乗っていたり、美男美女に話しかけられ顔を赤くしている生徒達は、皆一様に悪い気はしてないのが見て取れる。

 

「なるほど」

 

 さもありなんと苦笑するコナタ。

 

 グラスを呷り、ふとテラスから外へ広がる世界に意識が向いた。視界の先には日本とはまるで違う、ゲームで見るような景色が広がっている。

 

「ッ……!」

 

 否応なくここが地球ではないのだと実感させられる。厄介事に巻き込まれたことを思い知らされ、ギリッと歯噛みした。

 

「「コナタ/お兄ちゃん……」」

 

 ハジメと恵里が心配そうに呟く。

 二人のいる位置からコナタの顔は窺えないが長年の付き合いだ。彼が今どんな表情をしているのかなんとなく察していた。

 

「晩餐会は楽しんでおられますか?」

 

「ッ!?」

 

「お、王女様?」

 

 不意に後ろから声を掛けられた。突然の第三者の声にハジメの肩が跳ね、恵里も多少驚いた様子で振り返る。

 そこには先程自己紹介されたリリアーナ王女がいた。人好きのする笑顔を湛え、金糸のごとき艶やかな髪を靡かせ歩み寄ってくる。彼女はなるほど王族らしい。歩く様一つとっても気品に満ち溢れている。初めて見る本物の気品は、同性であるハジメと恵里をして魅せられるには十分な威力を秘めていた。

 

「王女様が俺達に何か用かい?」

 

 ただ一人、コナタだけは意に介した素振りも見せずリリアーナに問いかける。

 むしろ能面のような無表情を張り付け、抑揚のない口調で質問をしてきたコナタに、逆にリリアーナの方が気後れし一瞬足が止まりかける。しかし、気を入れ直し再び歩みを進め気丈に答えてみせた。

 

「はい。あなた方とはまだお話できてませんでしたので、ぜひお話をしたいと思いまして」

 

 リリアーナは既に他の生徒達全員と会話をしてきた。彼女は非常に真面目で温和な人間だ。故に生徒達も、王族でありながら飾らず気さくに話しかけてくれたリリアーナにすぐに信頼を寄せていた。

 コナタはどうかというと?

 

「俺はあんたらと馴れ合う気はない。話すこともない。なんでお引き取り願おうか? ……ああ、二人は何か話したいことがあるなら話すといい」

 

 にべもなかった。

 召喚された者で、彼女の美しさに中てられなかった人物はこれで二人目である。一人目とは光輝の事だが、リリアーナはコナタと光輝の気風はまるで正反対の印象を受けた。

 

「だ、ダメだよお兄ちゃん!? 王女様に向かって!?」

 

「ちょっ、コナタ……今のは僕もどうかと思うけど……」

 

「よいのです、お二人共」

 

 王族の人間をすげなく追い返そうとする彼の言動に、流石にそれはまずいとハジメと恵里が待ったをかける。しかし二人に対しやんわりと言葉を返したのは、ぞんざいに扱われたリリアーナの方だった。まさかの方向からのまさかの返答に、ハジメと恵里は口をぽかんと開けて呆けてしまう。二人はまだ知らないから仕方ないことだが、リリアーナはあの程度で機嫌を損なう程狭量な器ではない。それに彼女自身、彼の態度はここに来る前から少なからず覚悟していたことでもある。彼女がテラスにやってきたのは、三人と話すことと別にコナタ個人にも用があったのだ。

 

「一つ、伺っても?」

 

 今がその時とリリアーナは笑顔をしまい、真剣に、誠実に、コナタへ質問の了承を問う。

 対するコナタは無反応。能面のまま是非の返答も無し。普通なら、次の行動をどうすればいいのか悩み委縮してしまうところだ。

 しかしリリアーナは違った。彼女はコナタの無言を是と受け取った。もし答える気がないなら、率直に否とだけ答え追い返すはずだ、と。彼女の推察は正解。大した気位の持ち主である。

 ならばと二の句を発するリリアーナ。

 

「……あなたは、私達のことが嫌いなのでしょうか?」

 

 これこそが、リリアーナの尋ねたかったこと。

 晩餐会が始まり生徒達にすり寄る貴族達だったが、実はコナタには一人も声をかけていない。なぜか──度胸がなかったからだ。

 見た目からして威圧感のあるコナタの風貌、それにプラスして彼が放つ“近寄るなオーラ”とも呼ぶべき苛烈な雰囲気に尻込みし、誰もコナタに近寄れずにいた。

 その光景を彼女は目撃していた。加えて先の応対だ。リリアーナがそう感じたのも必然と言えた。

 

「あれを見な」

 

 コナタが質問への回答代わりにある方向を指差す。示した先は晩餐会場。窓越しに分かり易く高ぶった生徒の様が窺える。さんざん持ち上げられてものの見事に舞い上がっていた。

 だが、今注目すべきは生徒ではなく貴族の方。貴族の表情を見ながらコナタは言葉を続けた。

 

「奴らの心境を当ててやる。“あぁ、これで私達も子供も戦争に参加せずに済む。死なずに済む”だ」

 

「………そ、それは」

 

「気づいてないとでも? 見縊んなよ。“人間族の希望”だの“我々は救済を望んでいる”だの聞こえのいいことを言ってるが、要は荒事全部俺達に丸投げして、自分達は安全圏に篭ってようってことだろ。せいぜいする事っつったら俺達のご機嫌取りぐらいか?」

 

 コナタの口から発せられる恨み節の数々。それを淡々と告げられるのは、ある意味不気味だ。

 

「も、申し訳ございません。……ですが、私達では魔人族には──」

 

「この子達もあいつらも本来戦う力なんて無えよ。当たり前だ。俺達は言わば民衆だ。平和な国で平和に過ごしてただけの一般人だった。それが急に何処とも知らねえ場所に呼び出されて“あなた方は力を得ました。だから最前線で戦ってください”ときた。そんな死刑宣告と変わらねえもんを、奴らは積極的に押し付けてきやがる。それで俺が好感を抱くと、お前はそう思ってんのか?」

 

 更なる恨み節が突き刺さり、リリアーナの体が強張る。

 

 口調はあくまで平淡。表情も変わらず能面。だがキレているのは明らかだった。言葉の途中、持っていたグラスを無意識に握り潰したのが何よりの証左だ。

 

「……いえ、思いません。心を汲まぬ失礼な問いでした。皆様には申し開きのしようもございません……。我々の勝手で関係の無いあなた方を巻き込み、戦場などという死地、に引っ張り出して、しまって…………ッ!」

 

 謝罪の言葉を紡ぐリリアーナの目に少しずつ涙が溜まってくる。

 ドレスを皺が出来るほど握りしめ、ついには嗚咽ばかりが漏れ言葉が出なくなってしまう。

 

「本当に、ごめんなさい……ごめん、なさい……っ!」

 

 それでもなんとか絞り出して出てきたのは、年相応な少女の心からの“ごめんなさい”だった。

 

 泣きながら頭を下げるリリアーナを見て、今まで口を挟めず黙っていた二人から「どうするの?」と視線を投げかけられる。

 やがて苛立ちからか頭をガシガシと乱暴に掻き、コナタは未だ頭を上げようとしないリリアーナを見据え口を開いた。

 

「頭を上げてくれ、王女様」

 

「……ですが」

 

「いいから」

 

 その言葉に漸く頭を上げるリリアーナ。

 そうして頭を上げたリリアーナは瞠目した。コナタの表情に確りと感情が乗っかっていたからだ。

 それだけでも面食らったというのに、次の瞬間さらに驚かされることになった。

 

「悪かった」

 

「あ、えっ……?」

 

 コナタが謝罪と共に頭を下げたのだ。綺麗な斜め45度。最敬礼というやつである。

 頭を下げられた理由が見当もつかないリリアーナは、流れる涙を拭うことすら忘れて困惑した。

 

「な、なぜ……。あ、頭を上げてください! あなたが私に頭を下げる理由などないはずです!」

 

「理由ならある」

 

 素直に頭を上げ、コナタはバツが悪そうに理由を述べる。

 

「俺がしたのは八つ当たりだ。それも相手が言い返せないのをいいことに醜い感情を一方的にぶつける、一番恥ずかしい類の」

 

「だ、だからって、そんな……」

 

 戸惑いは晴れない。理由は分かった。しかし仕方ないことだ。言われて当然なのだ。コナタがぶつけてきた言葉は、何もかも正論だったんだから。

 

「正論だったとしてもだ。……あんたが他の貴族とは違ってちゃんと俺達個人を見て、気を遣ってくれてんだってことはすぐに分かった。なのに俺は自分の感情を優先して拒んだ。向けられた優しさを蔑ろにして感情をぶつけた。謝る理由としちゃ十分だろ」

 

 絶句するリリアーナ。

 たとえそうだとして、こんな状況で自分の非を素直に認め謝ることができる人間など、果たして何人いるだろうか?

 

「王女様に泣いて謝られて一気に頭が冷えたからな。したらやることは一つだ」

 

 悪いことをしたら謝る。良くしてもらったら礼を言う。人としての常識をちゃんと出来る人間でありたいんだと、コナタは笑顔で言った。

 

 能面とのギャップが凄すぎたからか、はたまた別の理由か定かではないが、コナタの笑顔からリリアーナは目が離せなくなる。

 

 と、横からハジメが苦笑混じりにリリアーナにハンカチを差し出した。

 

「驚かせてごめんなさい。お兄ちゃんって変に律儀なところがあって。あっ、良かったらこれでお顔拭いてください」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「あれはコナタが自己満足でやったことなんで、王女様は気にしないでいいですよ」

 

「事実だけど言い方ぁ……」

 

 どうやら一連の流れで彼女達のリリアーナへの緊張は吹っ飛んだようだ。さっきまでの張りつめた空気は何だったやら。何とも緩い空気が流れ始めていた。

 その空気に触れ、リリアーナも少しずつ余裕を取り戻していく。ハジメに渡されたハンカチで涙を拭い……ふと視界の端でキラリと何かが光った。コナタが握り潰したグラスの破片である。

 

 リリアーナの顔からサッと血の気が引いていく。ガラス片が刺さり大惨事になったコナタの手を想像したのだろう。

 

「大変! 急いで治療しないと!」

 

「治療?」

 

 突然の治療発言に訝しむコナタにリリアーナが慌てた様子で詰め寄り、彼の腕を取り手のひらを開かせる。

 

「…………あ、あれ?」

 

 直後に間の抜けた声が出た。無理もない。そこには想像とかけ離れた傷一つない手があったからだ。

 

 綺麗な碧眼がコナタの手とガラス片を行ったり来たり。目の前で起きている不思議体験に、リリアーナは頭の中で?を量産した。

 

「そういうことか」

 

 得心し苦笑を溢すコナタ。

 

「俺の体は普通より多少頑丈でな。このくらいじゃ傷一つつかねえさ」

 

「そ、そうだったのですね」

 

 にぎにぎ

 

「ああ、だから安心してくれ」

 

「は、はい……良かったです」

 

 こねこね

 

「「…………」」

 

 にぎにぎ

 

「………なあ、王女様」

 

「は、はい……なんでしょう?」

 

 こねこね

 

「手……くすぐってーんだけど……」

 

「…………へ?」

 

 手慰み感覚で手をにぎにぎこねこねしてくるリリアーナにコナタがそう言うと、リリアーナが再び間の抜けた声を発した。

 

「王女様ってば、意外と大胆なんだねぇ」

 

「あはは……」

 

 横では恵里が「むふふ」と小悪魔チックな笑みを浮かべ、ハジメが苦笑を浮かべながらリリアーナを見ている。

 視線を戻す。リリアーナの両手は未だコナタの手をにぎ(略)していた。

 

「~~~~~ッッ!!?」

 

 やっと自分が何をしているのか認識したリリアーナの顔が一瞬で茹蛸になり、熟練された戦士もかくやという勢いで後退る。完全に無意識だったようだ。

 

「ごごごごめんなさい! 私ったら何をして……っ!?」

 

「あー……うん。俺は気にしてねえから。だからそんな頭下げまくんないでくれ」

 

 さっき以上に猛烈に頭を下げてくるリリアーナにコナタが困った表情で静止を促す。王族の人間が頭下げ過ぎじゃね? と心配になるレベルだ。

 

「はぅ……皆様にはお恥ずかしいところを見せてばかりです……」

 

「でもそのおかげで僕達は親近感わきましたよ? ね?」

 

「うん、そうだね」

 

「そ、そうでしょうか?」

 

「ま、取っ付きにくいよかマシだろ。俺らとしちゃ救われた気分だし」

 

「え?」

 

「何でもない。気にしないでくれ」

 

「は、はい」

 

 沈黙が降りる。されど最初のような険悪な雰囲気はなく、穏やかそのものだ。

 

「さて、王女様はそろそろ戻った方がいいんじゃねえか?」

 

「ええ、そうします。その前に、皆様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

「南雲コナタだ」

 

「妹の南雲ハジメです」

 

「中村恵里っていいます」

 

「コナタ様、ハジメ様、恵里様ですね。今後、何かご相談などございましたら遠慮せず仰ってください。私が出来る事なら喜んで力をお貸ししますので」

 

「ああ、そうさせてもらう」

 

「それでは失礼致します」

 

 ふわりと柔らかな笑みを湛え優雅に一礼し、リリアーナは戻っていった。

 リリアーナの姿が見えなくなるまで見送ると、ハジメと恵里がほぅっと息を吐く。

 

「コナタ、あんま無茶なことしないでよ。あんな王女様に喧嘩売るような……」

 

「ホントだよ! もう心臓止まるかと思ったじゃない!」

 

「悪かったよ。俺もまさか泣き出すとは思わなかったぜ」

 

「「そこじゃない!」」

 

 揃ってツッコミを入れる。リリアーナが寛容な性格だったから良かったものの、コナタの発言は下手すれば不敬罪と捉えられるものだった。

 

「それは問題ないだろ」

 

「なんで?」

 

「俺達が神の使徒だからだ」

 

「……あ」

 

「どういうこと?」

 

 簡潔に述べたコナタの言葉の意図を恵里が察する。ハジメは理解に及ばなかったようで首を傾げた。

 

「国を動かしてるのは神で、俺達は神が遣わした存在。それを当てはめれば、立場は国の人間より俺達の方が上だ。目に余る行動が続いたり、神の意思を踏み躙るような発言をすれば教会から異端認定されるだろうが、俺のは大きく見れば貴族達に対する小言。なら不敬罪に問われる謂れもねえ」

 

 説明を受けハジメも「なるほど~」と頷いた。

 

「しかし彼女と話せたのは、結果的に良い収穫だったな」

 

 コナタの言葉に二人も頷いてみせる。

 収穫とは、先ほどコナタが言った救われた気分というのに繋がる。

 トータスに召喚され数時間、三人はある懸念を抱いていた。それは信徒全員が狂信者である可能性だ。

 何をバカなと思う話だが、説明を聞き、この世界の歪さに危機感を抱いたコナタ達は可能性を捨てきれずにいた。

 

 それを覆してくれたのがリリアーナだ。

 彼女が泣いたのは決してコナタが恐かったからじゃない。本気で罪悪感を覚えていたのだ。コナタ達を巻き込んだことに本心から心を痛め、申し訳なさから涙を流し頭を下げた。

 そんなリリアーナの存在が、トータスにも神の意思や信仰に囚われ過ぎず、確りとした個としての意思を持った人間もいるのだと教えてくれた。それで少しではあるが、精神的に余裕を得ることが出来た。

 三人にとってリリアーナは、確かな救いになったのだ。

 

 晩餐が終わり解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。豪奢な部屋に天蓋付きのベッドを見てコナタの顔が一瞬引きつるが、「まあ城なんだしこんなもんか」と深く考えるのはやめることにした。

 ベッドに入る直前、部屋が豪華すぎて落ち着かないと、ハジメと恵里がコナタの部屋に押しかけてきたのは完全な余談である。




ちょっと男子ー、なにリリィちゃん泣かしてんの?女の子泣かすとか、コナタ君サイテー!
↑がこの話数の正式なサブタイです。
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