職業:元巫女の少女へ、艦隊を指揮する気はありませんか?   作:月見ノ猫

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今回駄文気味注意。



#3 夜になると本当に海は真っ黒という言葉がふさわしいので明かりが必要です

「退役済み…?」

そう書かれた幾重もの資料には不審な点しかない。

 

就役日と退役日以外、実績や履歴が何一つ書かれていないまっさらな資料。

 

指揮官とか言う、イラストリアスの上司…というよりは外道がいない部屋の中をかき回す勢いでいろいろと調べていると幾重にも厳重な鍵がかかった金庫や隠し戸を開くと。

やれ金やら、人目に付いたらまずそうな資料等が、これでもかと言わんばかりに溢れ出てきた。

 

その中でも先日付で退役し、日付が変わった瞬間に旅立ったKAN-SENの少女たちのデータがいくつも出てきた。総数は10人。

その中にはイラストリアスの妹もいるらしい。

 

「退役…扱いか。どう考えてもきな臭いな」

 

どうやら何かいろいろと黒いものを私は見ている。その自覚はあったが、その中で一つ気になるものがあった。退役KAN-SENの輸送船の航路だ。

 

「えっと。若松…此処の事か。そこから海洋上に出てから…佐世保?しかも、人目をつかない様に夜中の間に佐世保についてから今度は鹿児島、呉、そして横須賀…?しかも全部夜中の間に移動してる…」

 

しかも、佐世保、鹿児島、呉、横須賀への輸送物はすべて資源となっている。

資源輸送船に退役したKAN-SEN達を乗せる?

海の事には全く知識の無い私でさえ、これは異常だと気が付く。

まるで人目を忍んでいるような移動の仕方。

船の目的はあくまで資源輸送。人員の輸送ではない。

つまり資源輸送はあくまで体裁上。実態は恐らく。

 

「人身売買…」

 

「…はい、身を捧げ…【奉仕】するために…」

 

イラストリアスもどうやら知っていたようで、膝を付いて、しゃがれた声で話した。

 

「助けてほしいって言われても無理だぞ…」

 

最後の希望にすがるようなイラストリアスが膝を付いて呆然とする。

 

…冷たいようだが、事実地図でわかっていても。実地の場所は分からない。それに、これ以上手を出したら、この組織から目を付けられるのは必至だ。後者は…まぁ、雲の上に隠れて生きていければいいから、場合によっては折れない事は無いが…前者に関してはどうしようもない。いくら強靭な力を持っていたとしても、見ず知らずの相手の探知は私にはできない…。

顔面蒼白になるイラストリアスには申し訳ないが…私だって全知全能の神様じゃないんだ。

 

「…地図で場所がわかっても…私は土地勘皆無だからな。探せと言われても…私には」

―無理だ

 

そう言おうとした時だった…

 

「正確な場所が、分かればいいんですよね…そこまで送り届けれれば…」

 

何か決意したようにイラストリアスが呟く

 

「え、あ、まぁ…探知や捜索と言った類の技はあまり得意じゃないし…そもそも、出来ても範囲が狭い「私が捜します…それでは、ダメですか」…え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けてほしいっていわれても無理だぞ…」

 

その言葉にはつかみかけた大切な光が崩れ去るような、そんな絶対的な虚無感と悔しさを私に刻むには十分な力がありました。

せっかくつかみかけた希望が。嗚呼、今消えてしまいます。消えないでと願っても、無力な祈りは闇に吸い込まれ光を引き留めることが出来ません。

どうして、この世界はこうも残酷で意地悪なのでしょう。まるで人を弄ぶように、つかみかけた希望を一瞬にして奪っていきます。

 

「…地図で場所がわかっても…私は土地勘皆無だからな」

 

場所がわからない。なら、もう仕方ない…。

...場所がわからない?…なら、【探せばいい】。

その力が、たとえ脆弱な私であってもある…。

 

「正確な場所が、分かればいいんですよね…そこまで送り届けれれば…」

 

「え、あ、まぁ…探知や捜索と言った類の技はあまり得意じゃないし…そもそも、出来ても範囲が狭い…」

 

「私が捜します…それでは、ダメですか」

 

「…え?」

 

驚きに満ち満ちた目を丸めて、霊禍さんは私の提案を聞いた後。暫く考え込むように目を鋭くして、痣に満ちた右手の親指と人差し指を当てて。

数分の時間がたった後に…

 

「分かった…その案に乗ろう。日が傾いたら出るぞ」

 

ただそう言い、指揮官室の探索をまた始めました。

 

誰もいない母港のドッグに入り、その中でそれなりに戦力になりそうな艦装、そしてソナーを装備します。

 

煤や埃に満ち、ろくに整備されていないドッグでしたが。それでもここから見る景色は空母として、KAN-SENとして何か奮い立たせるものを持っています。

日はゆっくりと傾いてはいますが、まだ西の空が赤くなるほどには傾いていません。

久しぶりに水の上に立つ感触を感じ取りました。最初はバランスを崩したらどうしようか、もし動けなかったらどうしようか不安もありました。けど体はしっかりとKAN-SENとして大事な感覚は忘れていなかったようです。

 

やがて、西の空が茜色に染まり始めたころ。ドッグにある方がやってきました。

 

「驚いた。水の上で平然と立っていられるなんて…」

 

少々興味深そうに、私が水面に立っている姿を見る霊禍さんでした。どちらかというと私からしたら、超能力のような力を扱える霊禍さんの方が驚かれるはずなのですが。幸か不幸か今この母港の中には私と彼女の二人しかいません。

 

「さてと、いくか…」

 

そう言った彼女はそのまま私の方に歩いてきます。そのまま突然、背から私の身体に手を回して抱きしめるような体制に…

 

「れ、霊禍、さん…!?」

 

あまりにも突然の事に驚愕し、息を詰まらせたような声で彼女に声を掛けます。

ですが、そんな声に対して霊禍さんは。

 

「舌噛まないように、しっかり掴まって」

 

唯それだけ言うと、次の瞬間、奇妙な感覚と共に足が水面から離れていきます。

 

「いくぞ。探索は任せた…!」

 

そう言うと、勢いよく水を切り裂くような水しぶきを背後に揚げながら、勢いよくドッグから、水面の上を滑空しながら私たちは飛び立ちました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「れ、れれれれ、霊禍さんっ!?」

 

素っ頓狂な声を上げながらイラストリアスが驚きに満ち満ちた目で私を見てくる。

 

「…何だ?方向逆だった?」

 

「そうではなくて…っ!これは、一体…っ!?」

 

一体も何も無いだろう。海の上を走るのと飛ぶのでは、明らかに速さに関しては跳ぶ方に軍配が上がる。私としては早めについてどう攻めるのか決めたほうがいいのだが…

 

「怖いか…?無理だったり、嫌なら離すが」

 

と、試しに聞いてみた。同時に着水出来るように、速度を落としながらゆっくりと水面に近づく。

だが、イラストリアスは…

 

「い、いえ。大丈夫、ですっ!」

 

…大丈夫なはずがない。そう悟ったのは私の腕を必死につかみその腕が震えているのを見て、感じ取ったからだ。よくよく考えれば、急ぐにしても相手は夜中に移動を開始するなら。まだ多少なりとも猶予はあるのだ。

自然と着水する体制になり、音を立てず静かに水面の上にとまる。

 

「…霊禍、さん?」

 

不思議そうに私を見るイラストリアスに…

 

「ゆっくり行こう。その間にどうやって奪還するか決めておかないと」

 

そう告げて、水面擦れ擦れを浮きながら、佐世保へと向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊禍さんに水面に着水された後。改めて移動しながら、私達はその間にどのような手筈でユニコーン達を助けるのか考えていました。

 

輸送船と言っても、実態は人身売買のための船。その為にKAN-SENを護衛のために就かせれば、どこかで足が付いて、大本営からのチェックが入るかもしれない。

故に、護衛は緩くなっているはずです。

ですが、私単騎で強襲するのは無謀。そもそも私は空母なのでバックアップや支援が主で白兵戦向いていません。

なので…

 

「イラストリアスがひきつけている間に私が護衛を避けて、直接本体にカチコミに行くと。なるほど、単純だが良いんじゃないか?強襲にはピッタリだ」

 

「ええ、ですがそこまで時間を稼げるとは思えません…。私一人が囮になったとしても護衛艦は四,五隻いるのが定石ですから…」

 

「つまり、どれだけ早く強襲を済ませるのかが、一番重要だという事か」

 

「はい。でも、もし仮に私がそのあと逃げ切れなかった場合は、構わず皆さんと一緒に逃げてください」

 

そういうと、何故か突然、機嫌悪そうに霊禍さんは表情を曇らせました。そして一言

 

「だれが、特攻しろ、って言った?妹だけ助けて死ぬような愚かな姉になろうとするな」

 

「お、愚か…!?」

 

「ああ、愚かだ。自分のために死んだなんて、死者からしたら綺麗話に聞こえるかもしれないが、残された本人からしたら、後悔やら自責の念を押し付けられるようなものだ。だから死ぬなんて簡単に言うな」

 

…禍々しいその姿に反して、突き付けられた言葉はまるで賢者の様で、尚且つ、的を射た発言でした。

 

ユニコーンは…あの子はまだ甘えたがる小さな少女に過ぎないのです。

自分で何かしようと自立しつつありますが…やはり人に甘えてしまう弱さを持ち合わせた子なのです。その止まり木になっていたのは私。もし私がいなくなったら、あの子はきっと…

 

「…すみません」

 

そう、小さな声で自分の失念していたことを気づかせてもらったことに感謝しながら霊禍さんに謝ると。

 

「…謝るなら、妹に言え。私は、ただ協力してる身に過ぎないから」

 

そう呟いていつの間にかとっぷり暮れた空を眺めながら、何かに思い耽るように水面を飛んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あの」

 

佐世保まであと少しと言ったところで、不意にイラストリアスが声をかけてきた。

作戦の変更だろうか。そう思い少しだけ気を張りながら私は言葉を返した。

 

「なんだ…?」

 

「霊禍さんは、本当に、何者なのですか?」

 

…それを聞いてきたか。私の悪行を述べることよりも…いや、生きることが悪行に近い私にとって避けたい質問だった。

自分が何者なのか、自分が一番理解していて一番理解していないもの。それが私という存在なのだから。

どう言ったものか…少し考えた後…

 

「…人の身に数多の思いを混ぜ込んだもの…なのかもな」

 

そうはぐらかすように小さく呟いた。

嘘はついていない…思い、それは正負関わらず存在するもので私の中には負のものが凝縮されているだけ。

だが、誰かを騙したかのような罪悪感が、心のどこかに重箱の隅をつつくかのように潜んでいた。

 

「思いを…ですか」

 

「…ああ、そう思ってくれればいい」

 

そう言うと、自然と体を宙に浮かせ、まるで嫌なものを聞きたくないような子供の様に、イラストリアスと距離を取ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく聞き出せた答えは人の身体を骨子に様々な思いを入れ込まされたもの…という何とも不思議な答えでした。

 

その答えを聞いたのち目で見えるけど声は届かない、そんな高さに霊禍さんは高く飛んでしまいました。まるでそれ以上の追及を恐れるような、逃れるような様子で。

 

…彼女の事をもっと知りたい。理解したい…。自然と、何故か心の奥底の片隅で思うようになっているのに、この時はまだ気が付いていませんでした。

追い求めるものが遠くに飛んでそれでも見えているものを求める様に、自然と手が上に伸びていました。やがてつま先立ちまでしそうなくらい、無意識に彼女の姿を手で触れようとするかの様な体勢になった時でした。

 

ふと探知ソナーが激しく反応を示すように一定の長い間隔で電子音を鳴らし始めました。

探知ソナーを黙視すると、反応のあった方向は11時の方向。

 

「霊禍さんっ!!」

 

声を張って上空にいた彼女を引き戻します。すぐさま、音を立てず静かに霊禍さんは水面の上にやってきました。

 

「見つかった…?」

 

「はい!ここから11時の方向に、艦隊の反応が…恐らく」

 

そういうと、-借りるぞ、と言い、霊禍さんはソナーを手に取りそのまま眺めようとしましたが…

 

「…何もないぞ?故障か?」

 

と言いながら、上下左右にソナーを振ったり。パチンッ!と、指を弾くようにしてソナーに当てたりと…摩訶不思議な行動をしていたので…

 

「あ、あの…そのソナー、KAN-SENじゃないと、見れませんよ…?」

 

と、伝えます。

 

「え…マジか。なら返す、場所の割り出しとかは全部任せる」

 

そう言いながら―ぽいっ、とソナーを投げて、返してきました。そして私の後に続くように位置取りながら移動を続けます。

慌ててキャッチすると、ソナーは先ほどよりも沖合…ちょうど12時の方向に進むように移動していました。恐らく、輸送船らしく振舞うために多少危険であっても沖合に行かなければならないのでしょう。街の近くを航行すると、人の目が付くため足が付く…そのためでしょうね。

 

やがてソナーの端に合った反応はゆっくりと、画面の中心に向かうように移動していきます。

 

「船って言うくらいだから。もっと、こう…光が漏れ出てるものだから目視できるものだと思ってたけど…。案外そうでもないか…」

 

冗談なのか、はたまた本気なのか。少し残念そうに霊禍さんがつぶやくその間にも確実に、ソナーから発せられる音は短い感覚になり、私たちが輸送艦隊に近づいていることをおしえてくれます。

 

「…心配か?妹の事…」

 

ふと、未だに目視で船を探すように遠くを眺めながら、霊禍さんが声をかけてきました。

 

「…ええ、妹…って言っても、お姉ちゃん呼ばわりされて、それで姉の様に振舞っていただけにすぎませんけど…」

 

ユニコーンと私は実際は姉妹艦ではありません。実妹はいますが、けれどあの子にいつの間にか姉の様に懐かれてしまい、私もいつの間にか姉のように接していた。本当は赤の他人なのですけれども…

 

「妹だろ、それでも」

 

不意にそんなことを霊禍さんは呟きます。

 

「…血の繋がりがあっても、無くても、心を覆うように思ってなるなら。妹のようなモノだろ。だから、あの時とっさに妹だ、なんて言った。本心では、本当の妹のように思っている。そうじゃないの?自分の心くらいせめて信用して」

 

そう呟くと、またひたすらに、遠目で輸送艦を見つけ出すかのようにじっと、ただ暗く闇に覆われた海を眺めていました。

 

…本当にそうなのでしょうか。自分の事で精一杯で、ユニコーンの事を守ってあげられなくて…。挙句、人身売買に気が付かずに助けて、なんて、他人に請い願った私が。

…それに、

 

「…私、本当の妹達が売られた時も、気づかなかったんです」

 

「…」

 

ただ、静かに何もしゃべらずに、滑空する霊禍さんに、懺悔するように話していきます。

 

「その日も私は、慰安に明け暮れて。妹たちをどこかへ逃がすこともせず…唯々、この苦痛が一刻も早く過ぎ去るように…そう思ってたんです。そしたら、次の日、妹たちがいなくなって、指揮官もいなくなってたんです。暫くして…指揮官が言ったんです。【金だけはお前の妹達は出してくれたぞ、それ以外は最悪だったがな】って。その時に初めて気が付いたんです、妹たちは売られたんだって。…守れなかった、妹達を、本当の妹さえ守れなかった私が…あの子の姉のようにふるまうなんて、それは…っ!」

―傲慢だ。

そう言おうとした時でした。

 

「気は済んだが、自分で自分の首絞めて。自分は姉だなんて振舞えるような奴じゃなくて、実の妹さえ守れなかった弱者だから、姉だなんていわれる資格だなんて無いだなんて、子供が泣きじゃくるように言って、それで満足したか?」

 

ただ、冷ややかに。霊禍さんは言葉を紡ぎ始めました。

 

「満足したならそれでいいし、満足してないなら、お前は今から向かうところで何をしたい」

 

…満足したか、ですって?

そんなもの…そんなもの…

「してる訳、無いじゃないですか…っ!」

 

「じゃあどうする、このまま向かえば、妹の輸送艦にたどり着く。そこでただ、私は姉だなんていわれる奴じゃなかった、って言うのか」

 

「言いません。そんな事の為に、ここに来たんじゃないんですから…っ!」

 

「…聞こう、お前は何を欲して、何をなすためにここに来た」

 

最初に合った時の様に、私に霊禍さんは問います。

…私が今為したい事、それは。

 

「あの子を、妹を、ユニコーンを…私は…救いたい…もう一度、お姉ちゃん、って笑顔で、呼んで欲しい。だから…」

 

「だから…?」

 

「戦います、もう皆が、指揮官のような方たちに無下に扱われないように…、ユニコーンを、助けるために…っ!」

 

「上出来。なら、私もそれが叶えられるように、努力は惜しみなくさせてもらうとするか…っ、と。あの光」

 

決意は決まりました。心の奥底では、そうでした。あの時の様に、後悔したくない。そう思って、もう二度と大切なものを失いたくなくて。そう願っていた。そして、チャンスが来た。今度は、戦える…それならば、戦わずして、如何するのでしょうか…!

 

そう、心を奮い立たせるように思っていた時でした。

 

小さく、か細い光ですが。光が突如海上に現れました。そしてソナーも、短い間隔で激しく点滅とビープ音を鳴らして、目と鼻の先に艦隊がいると知らせていました。

 

「…で、どうする。というよりどう攻める。前から襲うか、後ろから襲うか。それとも右か左か…」

 

「…私が前に艦隊をひきつけます。なので、霊禍さんは、後ろから…」

 

「任された…」

 

そう言うと、音もなく静かに、ゆっくりと、水面から霊禍さんの身体が飛び立ちます。

すると、霊禍さんが思い出したかのようにまた水面に近づき…私の方を見て

 

「…囮で死のうとするな、捕まって時間を稼ごうとするな。マズいと思ったら逃げろ。最初に聞いた願いはお前たち全員の救出だ、それを忘れるな」

 

と、告げて。空へと旅立ちました。

 

「死ぬな、捕まるな…ですか」

 

戦場において死や拘束は身近にあるもの。それなのにあろうことか、一切を許さないだなんて。不思議な人ですね、あの人は。

 

そう思いながら、艦隊の真正面へと回り込みます。

そして…

「…聖なる祈りよ、私に力をっ!」

―なんちゃって…

 

言葉を放つと同時に艦載機たちが勢いよく飛び出していきます。そして、護衛のボート、量産型駆逐艦を捕捉し。

戦闘機の銃口が火を噴き、同時に、爆撃機が、護衛の船に襲い掛かります。

 

―それを合図と受け取ったのか、同時に、遥か後方で勢いよく水しぶきを上げながら、勢いよく輸送艦へと近づく影が一人。

 

今度こそ、守れなかったと悔いを残さないように。守り切れるように、そして、彼女へ願った、私の願いが叶うように。

私は、今一度KAN-SENとして、戦います。

 




μ兵装のイラストリアスマジ可愛いんだが
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