職業:元巫女の少女へ、艦隊を指揮する気はありませんか?   作:月見ノ猫

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μ兵装、ボルチモアさんとダイドーさんだけしかでましぇん(泣)


#4 とりあえず船の中っていうのは案外滑るから小さな子は親御さんに連れられて歩いて船内を動くべし

「これはまた…大層なもんだな…」

 

小さな鳥のような機械が、何機も空へと舞い鉄の雨と爆弾らしきものを幾つも落としている。護衛の船も襲撃に気が回り、その反対側に陣取った私の事なんか気にもかけていない。

腐っても…という言い方は失礼だが、さすが元艦船だな…と、この時は素直に感心した。

さてこれ以上油を売っている必要はなくなった。遠慮なく水面を蹴り、水面擦れ擦れを滑空する。

 

地面が割れたかのような水しぶきを背後に放ちながら、狙いの輸送艦に一気に近づく。

 

だが、いきなり、眩い光が私に当てられた次の瞬間、けたたましい炸裂音が響き渡り、音を耳でとらえたと同時、私はまっすぐ飛んでいた体を左右に揺さぶるように水平移動しながら輸送艦へと近づく。

 

私が数瞬前にいた場所に弾丸の雨が降り注ぐ。

どうやら輸送艦にもそれなりの自衛能力があるらしい。

 

「聞いてないぞ…、機銃を積んでいるなんて…!」

 

そうぼやく間にも、機銃から放たれる鋼鉄の雨は、私を貫かんと執拗なほどに狙いを定めてくる。

だが、その雨を掠める様に体を捩じって回転、そして。

 

「闇よ、轟け…!」

 

六道拳・修羅道を海面に放つ。たちまち、衝撃と共にけたたましい音と共に水しぶきが船の傍で上がり、機銃の撃ち手の視覚、聴覚を一瞬だけだが奪う。

その隙をついて、水しぶきの中を突っ切り、船の側面寸前まで近づけば、すかさず急上昇。急激な移動で大気の圧力が体にかかるのが良くわかる。 

 

水面に引っ張られる、と言うよりかは、引き戻されるかの様な感覚に抗いながら、船の一番高い、恐らく操舵室と思われる区域の上に取り付けられたアンテナの上に降り立つ。

 

どうやら機銃は船のデッキの横に備え付けられていて、男がたった一人、機銃を用いて応戦していたようだ。

慌てて、機銃から離れて、腰から拳銃を引き抜いて、私に向けて引き金を引くが。あまりにも動作が遅い。

 

男が引き金を引き終わった後にはもう既に、放たれた弾丸は私の横顔を掠める様に飛んで行ってしまい。さらにもう一発引き金を引こうと指に力を入れかけた時には、銃を構えるために伸ばした右腕の下に潜り込み、隙だらけの胴を遠慮なしに肘撃ちで吹き飛ばす。

デッキ先端に背中から突っ込んだ男の身体はそのまま、デッキ端のフェンスから転げ落ちるように落下して、海の藻屑になる。

 

大幣を右手に携えて、デッキから堂々と船内に入り込む

すると出迎えの様に、銃を構えた雑兵達が何一つ言葉も話さず、一斉に引き金を引く。

…一斉に私を射抜かんと言わんばかりに、鉛玉たちが私の身体を襲い掛かりに来た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…突然、外でたくさんの爆発が起こって、驚いて耳をふさいだ。

突然の事に、怖い大人たちもユニコーンの事たちを置いてどこかに行っちゃった。

KAN-SENの皆しかいない

…イラストリアスお姉ちゃんが、これ以上ひどい目に合わないためには、ユニコーンが売られれば良い。

そう、指揮官から聞いたときは、一瞬怖かった。ひどい大人にたくさんいじめられるんじゃないのかなって…でも、イラストリアスお姉ちゃんが、ひどい目に合わないのなら…そう思ったから。ここにいる皆と、売られることになったの。

 

ふと、私たちが乗ってる船のすぐ傍で、大きな水しぶきが…

 

「きゃ…っ!!」

 

揺れに驚いて、とっさにバランスをとるように壁にもたれた時..

 

人が、顔に痣がある女の人が、水しぶきを貫いて、船の側面に沿うように飛んで行ったのを見た。

 

…夢、なのかな。

 

「大丈夫ですか…!?」

 

シェフィールドさんが、ふとユニコーンの身体を支えるように手をつないでいてくれていた。

 

「セイレーンがこんな近くに…?あの基地の杜撰さよく解りますね。せめてあの害虫共々この船を沈めてくれればありがたいのですが…」

 

…冗談、だよね。いくらシェフィールドさんでも、さすがに自分を身代わりにする事なんて、ない…よね?

そんなことを考えていた直後、上の方から機銃の音が重なって聞こえてきた。

たぶん、襲ってきた人に。この船にいる人全員で、ライフルとかで応戦しているんだと思う。

…このまま、皆。怖い大人の人たちみんな…いなくなっちゃえば良いのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やったか?」

 

「こんなガキが母港を襲った張本人?」

 

「母港のアイツらはこんなガキ一人に全員やられたのか?へっ、指揮官に選ばれた俺たちエリートに比べたら、あいつ等はただの雑魚ってことが改めて証明された…」

 

「誰が死んだって?」

 

…全身が痛い。いや、死ぬほどではないんだが。注射を一気に複数の場所に刺された感じみたいに痛い。

体の内側に振動を送るように、腹部に一回拳を叩き込む。

すると、玩具みたいに面白おかしく、体から噴き出すように肉にめり込むように貫通しなかった銃弾をが飛び出てくる。

その後に続いて、体に垂れるようにどす黒い赤い血が出てくる。

 

兵士たちは皆、一様に信じられないものを見るかのように青ざめた顔で私の事を見てくる。

まぁ、常人なら死んでいてもおかしくないから、仕方はないと私も割り切ってはいるのだが。

 

「なんだ?私は見せ物じゃないぞ?それとも、お前たちの母港にいたイラストリアスが反乱を起こしたから驚いているのか?」

 

「イ、イラストリアスが、反乱!?」

 

…エリートだなんだ言っていた割には、そんな可能性も考えられないほどお粗末な頭でよく勝ち組みたいな顔をしていられるものだ。一周回って感心してしまう。その神経の図太さを。

 

まぁ、取り合えず。

 

「話は終わりか?あいつの義理の妹を此処から出してくれって言われてる。悪いとは微塵とも思ってないけど、邪魔する…」

 

と、そのまま兵士たちの脇を通り抜けて、そのまま探しに行こうとしたのだが

 

「行かせるものかぁ!!」

 

と、兵士の一人が銃を構えて後ろから撃ち抜かんとしていた。

…だから、私は。その兵士に向かって勢いよく。跳びつく様に襲い掛かる。

そしてそのまま、兵士の頭に手で触れて、そのまま支えの様にして、頭の真上で倒立するかのような体勢になれば、一気に体を捩じり、その回転を使って兵士の頭を文字通り【ねじ切った】。

ひょうきんな真顔のまま息絶えた兵士の頭部は私の右手に、そして銃を構えたまま不動の胴体からは、遅れて勢いよく血が、首から噴水の様に噴き出す。

その様子にある者は粟食らったように、ある者は奥歯を鳴らすように顔を恐怖に引きつらせたり、と。

死と言うものを目の当たりにして、各々、恐怖心をその身から溢れ出している。

 

「おい、先までの威勢はどうした。まさか、今更助けてくれなんて希うなんてふざけたこと言うんじゃないだろうな?」

 

「…ひっ!」

 

言葉を放ちながら一歩進むだけで、面白いくらい兵士共は、雪崩でも起きたかのように後退する。

その雪崩の中に、鳥に餌でもまくような感覚で手に持っていた生首を投げ入れてみれば。たちまち、「ひぃっ!?」…だの、情けない声を上げながら、投げ入れられた首に場所を譲るかのように、首を中心に人だかりができる。

―コツン。靴を鳴らしてまた一歩近づけば、引き腰、泣き顔で銃を構える兵士たち。

そのまま、血でぬれた右手で大幣を握り、空いた左手で札を握り体の前でX字に構える。

そして一気に兵士の束に向かって突撃する。それと同時、兵士の持つ銃が火を噴き。鉛玉の雨が吹き荒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っ!っっ!!」

 

泣いてるんだと思う。この今の状態に対してじゃなくて。ユニコーン達の真上で起こってることに、驚いて、怖くなって泣いてるんだと思う。

けど、その声も上から響いて聞こえる、銃弾の音でかき消されてる。

 

隣にいたシェフィールドさんも、あまりの音の大きさに耳をふさぎ他の人も、あまりに突然な事に驚いて、耳を塞いでしゃがみこんだり。体育座りをする様に蹲ったりして。ただその音が鳴りやむのを待ってた。

 

…意外とすぐに、音は鳴りやんだけど、怖くてそのまま耳は塞いだまま。

 

「…害虫共が勝ったのか、それとも侵入者が駆除したのか…」

 

なんて呟きながら、そのままシェフィールドさんが重い鋼鉄の扉に近づいて聞き耳を立ててる。

重く、私たちKAN-SENでもビクともしない鋼鉄の扉は外から鍵とレバーを引かないと開かない仕組み。その中は小窓が2.3個ついて長く狭い椅子の様なでっぱりが腰の元にあるくらい…。

 

そんな暗くて寒いところに、ユーちゃんも取りあげられて。皆で静かに、売られるのを待ってた。

 

…しばらくして、足音が聞こえてきた。こつ、こつ…って。

シェフィールドさんが身構える。

ユニコーンは怖くて、その足音がまるで心臓をわし掴みされてるような感覚に思えてきて、ただただ、屈んで縮こまって足音が消えるのを待ってた。

 

ふと、足音が消えた。その時、どこかで、【ここに、きっと入ってくるんだよね…】…って思って、怖いものに目が釘付けになったように、重い鋼鉄の扉をずっと眺めてた。

 

でも、その時の扉の開き方は少し違ったの。

ズズ…、地面を削るような重い音と一緒に、ゆっくり、本当にゆっくりだけど扉が開き始めて。一度開閉するのを見たときみたいに滑らかじゃない動きで、開いて…ううん、違う…あれは、【こじ開けられてる】

 

ゆっくりと、本当にゆっくりと、左右の扉がこじ開けられて。やがて、少しだけのぞき込めるような隙間が出来た時。

隙間の左右の端から、力いっぱい扉をこじ開けている、赤い液体がついた手が見えて。

そして、一人か二人通れるくらいに、その手が隙間をこじ開けた時、あの人は現れた。

 

「ここで当たりか…と言うより、もう此処しか無かったんだけどな」

 

重桜の人たちが着てるものによく似た服を着たその人は、体のいろんなところから、血が垂れ出ていて、一番その人の近くにいた、いつも冷静沈着なシェフィールドさんさえも、

 

「あ、あなた、その傷は…!」

 

焦ったように全身を見渡すけど、その扉をこじ開けた人は

 

「気にするな、鉛玉がいろいろと掠っただけ」

 

…嘘、すぐに嘘だってわかった。肌がはみ出してるところは確かに掠ってる程度だけど、布に覆われたところは丸く弾けたような跡があるし、それにその奥からどす黒い赤い色で縁取られた穴が見えたから。さらにその穴からはどす黒く赤い液体…血が、滴り落ちてたから。

あんなに血を出してたら、普通だったら死んでる。私たちKAN-SENでも緊急処置が行われるくらい。

だけど、平然としてその人は立っていた。痛みすら顔に出さないで…。

そんな姿を見て、すごく怖かった。体の芯から凍らされるように。

一歩その人が歩くたびに、足音が―コツン、コツン、って、冷たい音が聞こえて、その度に体が震える。怖くて、怖くても、体が固められたかのように動かない。

 

ふと、足音が止んだ。そして…目をつむってて見えないけど、きっとそこにいる。

あの女の人が目の前に。

…何をされるんだろう。きっと怖くて、酷いことをされちゃう。

そう思ってた。

 

…ぽすっ、て、柔らかな温かい感触がユニコーンの腕に。

思ってもいなかった感触に驚いて、目を開けてみる。

 

「…ゆー、ちゃん?」

 

いつも胸元に抱えてた私の大切な友達、ユニコーンのゆーちゃんがそこにいて…

 

「…今度はしっかり持ってあげなさい」

 

ゆーちゃんを返してくれたその女の人は、血まみれの身体からは考えられないほど、穏やかで、優しい小さな微笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間を少しさかのぼる、たぶん15分くらい前に。

 

道を彩るように横たわった体たちが、私の後ろに幾つも転がっている。

 

「…痛ッ」

 

被弾覚悟で突っ込んだのだから、鉛玉が体を貫通したり、体中にめり込んだり、掠めたりと、ある程度は、傷を負ったが…まぁ、我慢すればどうという事はない、歩けるし、走れるし、空を飛ぶのも恐らくは問題ないだろう。

 

それにしても、薄暗く尚且つ狭い…。部屋の数が多いからなおの事狭く感じる。

すでにここまでで、幾つもの部屋の扉を開けている。ざっと10近く。

だが、どこを開いても、もぬけの殻、しかもこれで一つの階層。

恐らくだが下にまだ一つ、上にまだ一つ階層はあるだろう

そして、恐らく操舵室が上、輸送してるモノを配置させているのが下の階層だろう。

そう思いとりあえず上下をつなぐ階段や輸送機器を探すことにした。

 

…が、ぽすっ、と何か柔らかなものが足元に触れた。

何かと思い視線を下すと、そこには、一角獣をモチーフにしたぬいぐるみの様なモノが私の右足のすぐそばに横たわっていた。

 

「…誰のだ?」

 

まるで自分から歩いてやって来たかの様に、いつの間にか居たぬいぐるみに声をかけてみるが、もちろん返事なんか帰ってこない

だが、捨てるのも、このまま置いておくのもなんかもったいない気がした、だからとりあえず手持ち豚差にしていた左手でぬいぐるみを掴んで最下層へと向かうことにした。

 

狭く急な階段を見つけて下る。大幣を持つ右手で手すりを握りながら、狭く幅の無い踏み面をたどりながら、やがて最下層へとたどり着いた。

 

上層とは真逆で私の辿り着いた最下層は、広かった。上の狭さとは比べ物にならないくらい広かった。横幅は恐らく人が10人いてもなお、余りが出るくらいに、そして奥行きは先が見えないくらいに広かった、おまけに薄暗くなく明るい。

 

それ故か今更ながら、赤い液体が自らの手から垂れていることに気が付いた。自然と普段ならすぐに再生するのだが、如何せん細かいながらも怪我をした箇所が多すぎた。故に手先よりも心臓や内臓などに、細かく空いた穴の修復に治癒が優先されているのだろう。

 

…ふと、思った。いつも自分の身を守るために、拳を振るい、魔を放ち、立ちふさがった相手を容赦なく殺した。

何かをしたという点では、いつもと変わらない。けど、そうなるに至った理由が、いつもとは違った。自分の命のためではなく、誰かに頼まれたから。

そう、本来なら、イラストリアスを助けた時点で消えてしまえば仮初であっても安息は手に入れられたはずだったのだ。今みたいに、深堀しなければ、今私が作った屍の親族たちにどのような形であれ、恨まれ、憎まれ、危害を加えれるかもしれない、という事はなかったのではないか。そもそも、多少の音なれば、我慢すればここまでの事は起こらなかったのでは?

そう、自らの身の安息を私は求めていた。不快な音があったとしても、身の安息があれば多少耐えられたはずなのだ。なのに私は、なぜ今この場に立って凶刃を振るう?災禍を振るう?

…わからない。なぜ自分から、戦いを仕掛けたのか。安息とは真逆の位置にいるのか。

闘争こそが私の本質なのだろうか、災厄がふりまかれる場こそ私にふさわしいのか、私が求めていなくとも、世界はそうあるべきと求めているのだろうか?

 

血濡れた手を見る、自らの身を守るため、この手は何度血を浴びただろうか。

安息の場を見つけれたのかもしれないのに、なぜ自分からこの手をまた染めなければならないのだろうか。

■■■■の受けた災厄が注がれる器として、私はそう世界に仕組まれているのだろうか。

 

そんなことを考えている内に、大きな隔壁の様な横開きの扉の前に辿り着く。

壊すことは簡単、だが中に仮にイラストリアスの義妹がいたとしたら、大惨事になりかねないだろう。

 

隔壁のわずかな、指が何とか引っ掛けられる程度の隙間に指を掛ける。

そのまま、左右に力を加えていく。

…が、私もそれなりの消耗しているのか、扉はゆっくりとしか開かれない。

その間、歯を食いしばり、ひたすらに左右の扉に力を加えていく。

やがて、見えた。驚く様な少女たちの姿が。

人力で開かれる扉を見て大層驚いているのだろう。

 

「ここで当たりか…と言うより、もう此処しか無かったんだけどな」

 

思わずそんなことを呟く。

 

「あ、あなた、その傷は…!」

 

一番近くにいた、どこぞの紅魔のメイドのような格好に似た服装の金髪に近い髪色の色白の少女が声をかけてくるが…

 

「気にするな、鉛玉がいろいろと掠っただけ」

 

と、とりあえず返しておく。実際はいまだに体内に鉛玉がめり込んでいたり、鉛玉が貫通して空洞になっている部分もあるが黙っておく。

 

ふと、怖がるように身を縮こませる少女がいることに気が付いた。

 

紫の髪で一見イラストリアスとは顔つきも似ていないが服装がイラストリアスのモノとよく似ていた。

恐らくこの少女が、イラストリアスの行っていた義妹。

そう確信した私は、とりあえずふと左手に持っていたぬいぐるみを、少女の手元に置いてやった。

柔らかなぬいぐるみの感触に気が付き、少女が顔を上げる

 

「…ゆー、ちゃん?」

 

「…今度はしっかり持ってあげなさい」

 

ぬいぐるみに付けていたのであろう、名前を口にする少女に。そう私は言った。

…何故だろうか、その時に口調がいつもと違った変なものになり、何より、口元の金が少しだけ緩んだような感覚があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで今に至る。

 

「貴女、いったい何者なのですか?あの害虫共を駆除してもらったのはありがたいですが。貴女は何のために此処に…」

 

「だから、イラストリアスの依頼だ。言ってなかったか?」

 

「初耳ですし、そもそもそのようなことを口にしていませんでしたが。一度記憶を探りなおしたほうがよろしいのでは?」

 

「そこまで喋れるのなら結構、とりあえず死ぬ程の怪我は受けてないようで」

 

「死にたいくらいの、恥辱は受けましたが」

 

メイド服の口悪い少女と今は話しているが、引っかかっていることが二つある。

1つは、KAN-SENの少女たちが身にまとっているものについて。

イラストリアスのような特別な何かみたいな機械的なものが一切ついておらず、着の身着のままの状態である。

この状態で果たして海に脱出することは可能なのだろうか。

…最悪半ば、と言うよりはほぼ完全に強奪状態のこの船を操舵して逃げるべきなのだろうか。

イラストリアスがうまくやったのか、周りの護衛艦は鳴りを静めて轟沈か沈黙している状態である。

操舵しようと思えばそのまま、帰ることも可能だが…。

 

そして2つめは…

 

「それで、あと一人はどこにいるんだ?」

 

そう、足りないのだ。退役として処理された人数は資料上、10人

だがここにいるのは9人だ。

…顔と名前が誰が誰だかわからないため誰がいないのかは分からないが。

 

「…ロドニー様は」

 

そう、苦渋をのむような表情でメイド少女がつぶやく

 

「…今は、指揮官の相手をされているのかと。恐らく特注薬を服用されて」

 

…なるほど、イラストリアスの言っていた奉仕というやつか。

何処にいるのかは大体予想が付く、指揮官室と言う名の部屋にでもいるのだろう

そう思い、腰を上げる

 

「…どちらへ」

 

「あと一人、足りないやつを探しに」

 

そう言ってその場を立ち去ろうとしたが。

 

「…何でついてくる」

 

メイド少女がいつの間にか、右後ろに立っていた。

 

「…指揮官に獲られているのは、ロドニー様だけではありませんから。艦装も、私たちが海に行くためのモノ、それも盗られていますから」

 

そう言うと今度は、メイド少女が私の前を歩いていく。どうやら、道案内のつもりのようだ。

 




ル・マランμ兵装も普段の姿もえっちっち
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