【本編完結】サイコロステーキ先輩に転生したので全力で生き残る 作:延暦寺
『僕は悪くない』
今回は幕間なので短めです。
それはそうと稲作楽しいですね()
「ぁぁあああああああああ!」
人里離れた遠い山の中、男の怒りのこもった叫び声と同時に轟音が響く。
地面がひび割れ、木々はへし折れ異様な光景を生み出している。
そして、その中心に居る男こそが十二鬼月の一人、上弦の参の猗窩座であった。
柱2人との戦闘中、賽の攻撃により毒に冒され、煉獄に頸を斬り落とされそうになった瞬間、鳴女の血鬼術により無惨の下へ召喚される。
命こそ助かった猗窩座であったが、待ち受けていたのは無惨によるパワハラ。
「猗窩座、私の望みは鬼殺隊の殲滅だ。それを何故たかが2人の柱に手こずっている? しかも、そのうちの1人は私が注意するように言っていた男ではないか。私の忠告が聞けないか? それとも私の言葉が戯言だと思っていたのか? なぁ猗窩座、答えろ猗窩座! 猗窩座‼」
理不尽なまでの責め苦が猗窩座を襲い、無惨の支配の力により体を締め付けられ、穴という穴からどろりと血が垂れる。
「貴様なら容易く柱2人程度屠れると思いあそこへと遣わせたのだが、大いに期待外れだ。だから新参である童磨などに取って代わられ参などに落ちるのだ」
その後も無惨のパワハラが続くが……それからしばらくしてようやく気が済んだのか「もういい、早く行け」と解放される。
その後、遠く離れた山の中で溜まりに溜まった鬱憤を晴らすのだった。
「栖笛賽! 貴様の顔、覚えたぞ……! 次に会った時は真っ先に殺してやる……っ」
コケにされたというのもあるが、賽の戦いを見て猗窩座は妙に苛立っていた。
単純に毒の攻撃ならば、十二鬼月の中にも得意なものが居る。
同時に2人の頸を落とさなければならないような特殊な鬼も居るし、理不尽な能力を持つ者ばかりなので猗窩座自身も他人の戦い方にケチをつけるような性格ではない。
なのに……。
(あいつの戦い方だけは見ていて腹が立つ……っ! 何故だ、何故こうまで俺はイラついている)
賽自身にも腹が立っていたが、自分の内に湧き上がる理解の出来ない感情に対しても猗窩座は困惑しイラついていた。
「っ!」
そして、突如脳裏に浮かぶ
(誰だ……?)
自問するが、当然答えは返ってこない。
だが、自分の脳裏に浮かぶその女の顔は酷く悲し気な表情を浮かべ、何かを訴えかけたがっているように見えた。
自身が昔食べたことのある女の顔かとも思ったが、そもそも猗窩座自身は決して女を食べなかったのでそれはあり得ないとすぐに自分の中で否定する。
その女の顔を見ていると、猗窩座は鬼になってから久しく感じていなかった感情が胸の中に湧き出るのを感じる。
「これは……懐かしい……? 何故だ、何故懐かしいと感じる……」
それに、どういうわけかひどく切ない気持ちにもなる。
「……クソ、鬱陶しい! 俺の頭から離れろ!」
自分の知らない感情に対し煩わしく感じた猗窩座は、頭を振り自身の脳内に浮かぶ謎の女の顔を振り払う。
そうすると、女の顔は幻のように消え失せ、先ほどまで浮かんでいた謎の感情も同時に消えるのを感じる。
「あの女が何なのかは気になるが今はどうでもいい。今はただ、強く……ひたすら強くなる……! そして賽を必ず捻りつぶす!」
握りこぶしを作り、怨敵である賽の顔を思い浮かべながら猗窩座は決意する。
――鬼殺隊の人間の運命を変えようと奮闘しているはずの賽が、とある鬼の運命にも影響を与えたことは誰も知る由がなかった。
無惨の各鬼に対する評価を見つけたんですが
鬼舞辻無惨の各評価
黒死牟:ビジネスパートナー
童磨:あんまり好きじゃない
猗窩座:お気に入り 忠実で真面目
半天狗:普通 たまにうざく感じるが許容範囲内
玉壺:割とお気に入り 壺が中々綺麗 高く売れる
妓夫太郎:お気に入り 境遇と貪欲な性格を高く評価
堕姫:頭悪い子供
鳴女:便利でお気に入り
童磨が嫌いで玉壺が割とお気に入りっていうのがなんかもうダメでした