【本編完結】サイコロステーキ先輩に転生したので全力で生き残る   作:延暦寺

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お気に入りや早速の感想ありがとうございます。
サイコロステーキ先輩は設定が謎だらけの為オリジナル設定ばかりになると思いますが、よろしくお願いします、。


俺の同期がこんなに可愛いはずがある

 着々と近づいてくる死亡フラグに備えて修行を始めてから数年が経過した。

 13歳となった俺は、鬼殺隊の最終選別に挑戦し無傷で突破した。

 毎年、突破する者のほとんどは何かしらの怪我をしている中で無傷というのは珍しく、流石は我が息子だと父に褒められた。

 が、俺が無傷な理由は単純で、7日間ずっと鬼から隠れていたからである。

 最終選別の突破条件は、7日間生き残る事。

 別に鬼を倒せとも何とも言っていないので、俺のやり方は反則でも何でもない。

 もちろん俺なりに修行はしていたので、そこら辺の鬼ならば容易く屠れるだろう。

 だが、戦いを避けられるのなら避けるに越したことはない。

 俺はおのれの護身の為に強くなった。

 よく護身術などで戦い方を教えているが、本当の護身というのは危険な場所に近づかないことなのである。

 体を鍛えたり戦い方を学ぶのは、あくまでサブであってメインではない。

 要は、俺は戦いを避けるために強くなったのだ。

 実際、最終選別中は一度も鬼に捕まることなく悠々自適に山の中でサバイバルをしていた。

 たまに、自分の近くを怪我した隊士候補などが通りかかったりしたので助けたりはしたがそれ以外では一切表に出ていない。

 過程や方法など関係ない。どんな手をつかおうが…………最終的に合格すればよかろうなのだ。

 そんなわけで無事に最終選別を突破した俺は日輪刀を授かり、正式な鬼殺隊の隊士となった。

 あとは、最大の死亡フラグに備えひっそりと目立たず隊士として活動すればいい。

 ちなみに、その最大の死亡フラグまでの期間はおよそ5年。

 何故そう言い切れるかと言うと、柱にしのぶさんの姉である胡蝶カナエさんが居たからだ。

 カナエさんは主人公である炭治郎が入隊する4年前に亡くなっており享年17歳だ。

 そして現在は16歳との事なので4年+1で5年と言うわけだ。

 それにしても、漫画を読んでいた時も思ったが美人である。

 しのぶさんも美人だし、この2人が亡くなってしまうのは世界の損失だと思っている。

 

「賽、何ニヤニヤしてるんですか」

 

 俺が目の保養の為にカナエさんを眺めていると、横から声がかかる。

 そちらを見れば、そこには原作よりも幼い……回想で見かけたことのある姿のしのぶさんがジト目でこちらを見ていた。

 驚くことなかれ、なんと俺としのぶさんは同時期の入隊であったのだ。

 しかも年齢を聞けば同い年。

 これは完全に予想していなかったので少々驚いたものだ。

 同い年でお互いに試験を突破したという状況もあり、しのぶさん……いや、同い年だししのぶでいいだろう。

 俺としのぶは話すようになり、今では気の置けない友人だ。

 その流れでカナエさんとも親しくさせてもらっている。

 故に、1年後には死んでしまうというのが非常に悲しい。

 かといって、カナエさんは1年後に上弦の鬼に殺されますとも言えないし、辛いところだ。

 

「いや、別にニヤニヤしてないよ。ただ、カナエさんは相変わらず美人だなって」

「ふん! これだから男って嫌ですね。美人となればすーぐ鼻の下を伸ばすんですから」

 

 俺の言葉を聞いて、しのぶは眉をつりあげながらぶつくさと文句を垂れる。

 炭治郎が入隊した時期は、既にカナエさんは亡くなっており、またカナエさんになりきろうと柔らかい表情を浮かべ優し気(?)な雰囲気をまとっていたしのぶだったが、現在は本来の性格であろう強気な面が表に出ている。

 未来しのぶもいいが、こういう素のしのぶも中々に魅力的だ。

 美人、美少女と言うのはどういう性格でもよっぽどのクソでなければ全てが魅力になるのでずるい。

 

「いや、しのぶも充分に美人だと思うよ。仮にもカナエさんの妹なんだし」

「仮にもってなんですか仮にもって。そんな見え透いたお世辞で好感度を稼ごうとしたって無駄ですからね」

「いやいやお世辞じゃないって! 俺、嘘つかない。しのぶ、美人」

「何でカタコトなんですか……はぁ、良いです。姉さんが美人なのは事実ですし、私の尊敬する人なので羨望の眼差しを向けられるのはむしろ誇らしいです」

 

 俺の言葉にため息を吐きながらもしのぶはそう言う。

 

「あら、賽くんにしのぶ。相変わらず仲がいいんですね」

 

 俺としのぶが話していると、カナエさんがニコニコしながらこちらへとやってくる。

 うーん、花柱だけあってふわりと良い匂いが漂ってくる。

 言葉にすると少々変態チックではあるが、良い匂いなので仕方がない。

 

「こんにちは、カナエさん。ええ、妹のしのぶさんとはいつも仲良くさせてもらっています」

「ちょっと! そんな誤解されるような言い回しをしないでくれますか?」

 

 カナエさんに挨拶を返すと、若干顔を赤くしたしのぶが反論してくる。

 

「え……俺達、友人だと思ってたんだけど……勘違いだったのか?」

「え? あ、いやそうではなくてですね……」

「はは、そっか……そうだよな。俺なんかとは仲良くできないよな。ごめんな、勘違いしちゃって」

「賽くん、うちのしのぶがごめんなさいね? 彼女も悪い子ではないのよ」

「大丈夫ですよ、カナエさん……分かってます。しのぶは誤解されやすいですが彼女自身はとてもやさしいって信じてますから」

「二人とも……もしかして、からかってますね?」

 

 俺とカナエさんが手を取り合い茶番を繰り広げていると、額に血管を浮かべひくひくとひきつった表情をしているしのぶが震えた声で話しかけてくる。

 

「「あ、バレた(ました)?」」

「いい度胸です。2人とも、そこに正座してください」

 

 その後、般若の表情を浮かべたしのぶに、俺とカナエさんが2人そろって小一時間説教されたのは言うまでもなかった。




しのぶさんは入隊時期などは明言されていなかったと思うので、この作品では主人公と同時期となっているしのぶさんもいい……

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