【完結】サイコロステーキ先輩に転生したので全力で生き残る   作:延暦寺

39 / 49
最終巻良かったです
ただ、この作品ではそこに主人公が混じるかと思うと笑いしか出ないです、訴訟


風雲!無限城ー童磨篇 弐ー

「あれぇ? 猗窩座殿、生きてたの?」

 

 俺の攻撃をあっさりと避けた童磨は、狛治の方を見ながら驚いた表情で尋ねる。

 くそ、流石に上弦の弐ともなると真正面の攻撃はあっさり避けるか。

 

「俺が生きていては不都合でもあるのか?」

 

 俺を庇うようにして前に進み出て童磨と対峙した狛治は心底嫌そうな顔をしながら答える。

 

「まさか! 生きていてくれて嬉しいよ! ほら、半天狗たちと鬼狩りの隠れ里に行ってから行方不明だっただろ? あの方も猗窩座殿は死んだって言ってたし、悲しかったんだよ! でも一番の友人である君が生きていてくれて、俺はとても嬉しいよ!」

 

 そう言うと、童磨は両眼から涙を流して嬉し泣きするフリ(・・)をする。

 以前に会った時もそうだが、こいつの言葉は全てがわざとらしい。

 薄っぺらく、そういう演技をしているとしか思えない。

 

「何が友人だ。俺は貴様を友人などと思った事はない」

「んもー、猗窩座殿は相変わらずつれないなぁ。……ま、いいや。何でそっちに居るか分からないけど俺と一緒に鬼狩りと戦おうよ」

 

 狛治の言葉を意に介さず、童磨は手を差し伸べそう言う。

 

「断る。今の俺は猗窩座ではない。貴様らクソ鬼共を屠る鬼殺隊の狛治だ!」

 

 狛治はそう言うと、血鬼術を発動するための構えを取る。

 

「その意気や良し! 見直したぞ、狛治!」

 

 狛治の啖呵が聞こえていたのか、伊之助が空けたであろう天井の穴から煉獄さんが降り立つと元気よくそう叫ぶ。

 

「先ほどのお前の魂の叫び、しかと聞き届けた! なれば、俺もその言葉に応え一緒に戦おうではないか!」

 

 これは予想外の援軍である。

 実質最強の悲鳴嶼さんに次いで実力を持つ煉獄さんまでもが参加してくれるなら、これほどまでに心強い事はない。

 勝ったなガハハ、風呂入ってくる。

 

「もー、次から次へと騒がしいなぁ。俺、あんまり男は食べたくないんだけどなぁ。やっぱり、女が良いよね。女は腹の中で赤ん坊を育てられるぐらい栄養分を持ってるんだからさ! 柔らかくて美味しいしね!」

「おぞましいわね」

 

 童磨のセリフに嫌悪感を隠そうとせず、しのぶとカナヲちゃんが嫌そうな表情を浮かべている。

 ちなみに、2人は俺が童磨対策に作ったガスマスクを付けている。

 童磨が厄介なのは血鬼術によって発生する氷である。

 そのまま呼吸してしまえばすぐに肺が凍り付き、戦闘不能になってしまうので鍛冶師達に頼んで、俺の記憶を元に作ってもらったのだ。

 勿論、現代の様なクオリティはないが童磨の血鬼術対策くらいにはなる。

 ちなみに、最初は顔全体を覆うものを作ろうと思ったのだが、それだと視界が悪くなり戦えなくなるというので鼻から下を覆うタイプのものだ。

 実際に防げるかどうか不安であったが、2人が無事なのを見ると大丈夫そうであった。

 

「しのぶ、カナヲちゃん、伊之助、準備は良いか?」

「ええ」

「はい!」

「おう! あいつの話を聞いてちょっとほうけちまったが、問題ねぇ! ぶった切ってやるぜ!」

 

 俺が声をかけると、3人は気合十分といった感じに答える。

 あ、ちなみに伊之助はガスマスクを着けていない。

 ガスマスクをつけると息苦しいという事で拒否られたのだ。

 まぁ、伊之助は猪のマスクがあるからね……。

 

「ふ、杏寿郎。お前と共に戦う時が来るとはな」

「それはこちらの台詞だ! 俺とて予想だにしていなかったぞ! だが、先ほどの台詞は胸に響いた! 今のお前なら全力で力を貸そう!」

 

 そして、俺達は互いに頷くと童磨へと向かうのだった。

 狛治が前に出て童磨の血鬼術を受け、その横から煉獄さん達が斬りかかる。

 さらに、その隙をついて俺が童磨の行動を邪魔していく。

 

「もー、1人相手に寄ってたかってイジメるなんてひどいなぁ! そっちがその気ならこっちにも考えがあるよ」

 

 童磨は俺達の攻撃を避けながら、小さな氷の分身を作り出す。

 

「ハハハ! 何だそのショボいちび……」

「気を付けろ! そいつは、童磨と同様の血鬼術を使うぞ!」

 

 氷の分身の見た目を馬鹿にする伊之助だったが、狛治がすぐに怒鳴って警告する。

 その瞬間、童磨の分身から花弁を象った無数の氷の刃が放たれる。

 

「ヌアアアアア⁉」

 

 すっかり油断していた伊之助だが、狛治の言葉を聞いてすぐに気を引き締めると、両手の刀を振り回して防ぐ。

 

「あ、猗窩座殿! ずるいよ友人の能力をバラすなんて!」

「だから、貴様は友人ではないと言っているだろうが!」

 

 そう叫びながら童磨のどてっ腹を貫く狛治だったが、鬼同士の攻撃ゆえに童磨はけろっとしていた。

 だが、そうして余裕こいてられるのも今のうちだ。

 姿を消し、気配を消し、霧のように、影のように忍び寄り、俺は童磨の背後から頸を狙う。

 

「おっと、その手はもう喰わないよ!」

 

 だが、それでも童磨に避けられてしまう。

 

「何年か前に君と戦って、君の動きは理解したからね。気配は読めなくても予想は出来る。情報は有益だ。実際、君の厄介な攻撃も避けることができたしね」

 

 そう言いながら扇子を振り被り俺を吹き飛ばそうとし……その腕が焼き斬られる(・・・・・・)

 

「……おいおい、何なんだいその刀。燃えてるじゃないか。流石にそれは予想外だなぁ」

 

 童磨は、自身の斬られた腕と俺の刀を交互に見ながらそう呟く。

 そんな俺の刀はと言うと、まるで禰豆子ちゃんの血鬼術を受けた炭治郎くんの刀のように燃え盛っていた。

 日輪刀は、とある条件を満たすことで刀身が赤くなり鬼に致命的ダメージを与えることができる『赫刀』となる。

 その条件とは、一定以上の温度にすること。

 痣持ちであれば発現しやすいとの事であったが、当然俺は痣を出す気がない。

 だが、赫刀を発現できなければ鬼には勝てない。

 ならばどうするかと考えたのが、赤燐や硫黄を使用……つまり、マッチのような仕組みで燃え上がる刀である。

 俺の蛇腹刀のワイヤー部分を燃えにくい素材に変え、特定の方法で刀を鞘から抜くことで燃え上がるようにしたのだ。

 あくまで仕組みはマッチに近いというだけで、マッチと同じではないので注意してほしい。

 ちなみに、贖罪をしたいという藻武鉄さんにお願いしたのがこのインスタント赫刀の製作だ。

 日夜問わず、文字通り魂を削る勢いで最終決戦に間に合わせてくれたのだ。

 ……本当は無惨戦で使いたかったのだがそうも言っていられないので仕方あるまい。

 

「でも、そんな刀で斬られた所で……あれ?」

 

 余裕の笑みを浮かべながら腕を再生しようとする童磨だったが、何故か非常に再生しにくい事に首を傾げる。

 

「ちょ、ちょっと待ってちょっと待って! なんで、俺の腕が再生しないのさ! 何したんだい⁉」

「言う訳ないだろ、ばぁぁぁぁか。カナエさんの足の仇だ。何が起きたか分からないまま地獄に落ちろ」

 

 予想外の事態に焦る童磨だったが、それが間違いであった。

 俺の攻撃によりできた隙を煉獄さんが見逃すはずもなく……。

 

「よくやった、賽!」

 

 ――炎の呼吸 玖ノ型 煉獄。

 

 ドンという、轟音が聞こえたかと思うと童磨の頸がポロリと落ち切断面が燃えたように焦げていた。

 煉獄さんの、しのぶの、カナヲちゃんの伊之助の……その全ての刃が童磨の体を切り裂いた。

 

「ええぇ、うっそー。俺、こんなあっさりやられちゃ……」

 

 童磨は最後まで薄っぺらい表情を浮かべたまま、薄っぺらい言葉を吐き塵となって消滅した。

 それは、感情の無い童磨らしい最期であった。

 原作では、確かようやく愛を知った気がしたが、それすらなく何も残さず地獄に落ちていくだろう。

 だが、それこそが奴に相応しい。

 

 こうして、俺と胡蝶姉妹、童磨の長い因縁がようやく終わるのだった。

 




こっからさらにお兄様篇は(主人公の負担が)正直きついのでカットするかもです
原作よりも戦力多いからいけるいける(フラグ)

戦闘描写が……戦闘描写が難しいんです……っ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。