【完結】サイコロステーキ先輩に転生したので全力で生き残る 作:延暦寺
玄弥くん達も救わないといけないので主人公はサービス残業です
なお、十二鬼月最難関の為、今まで以上に手段を選んでいないので注意してください。
全力で生き残るためだからね、仕方ないね
「賽、黒死牟相手に勝算はあるのか?」
童磨を無事に倒せた俺達は、何組かに別れ無限城の中を進んでいた。
しのぶ、カナヲちゃん、伊之助は煉獄さんと共に無惨捜索へ。そして可能であれば珠世様の救出だ。
確か、珠世様は無惨復活時はまだ生きていたはず。
到着に間に合いさえすれば助けられるかもしれない。
そして、俺と狛治は黒死牟の所へ向かっている。
超高耐久でタンクとして最大級の活躍をしてくれる狛治は必須であり、俺の戦いをサポートしてもらう必要があるのだ。
そして、俺も黒死牟用に色々用意しているので、先行組をフォローする為に向かう必要があった。
人数こそ原作より多いものの、何かしらの手を打たなければ玄弥くんと無一郎くんが死んでしまう可能性が高い。
まだまだ未来のある若者たちをここで死なせるわけにはいかないのだ。
鳴女は戦闘力自体は無いに等しいし心配はしていない。それに、そっちは愈史郎に任せている。
彼に任せれば、鳴女の方は問題ない。
「勝算? あるわけないだろ。上弦の壱だぞ? 正直、このまま知らんぷりして帰りたいくらいだ」
童磨の時は、正直まだ何とかなると楽観視はしていた。
確かに強いには強いが、本人の性格というか性質というか基本的に舐めプ体質で、相手の情報を少しでも引き出そうと手加減する癖がある(と、狛治から聞いた)。
なので、本気を出す前に一気に攻めてしまえば勝てるという確信はあった。
だが、黒死牟は違う。
鬼でありながら呼吸を使う非常に厄介な存在だ。
柱が複数人居たにもかかわらず死亡者を2名も出してしまう程に強力だ。
ぶっちゃけ、死ぬかもしれないという予感さえある。
でも、逃げない。逃げたくない。
ここまで来たら、どんな手を使ってでも勝利し全員ハッピーエンドを目指すのだ。
「だけど、勝たないといけないんだ。狛治、黒死牟の居場所を血鬼術で探れないか?」
童磨の時は、俺の愛の力でしのぶの気配を察知して偶然見つけることができたが、黒死牟は童磨のようにはいかない。
なので、闘気を感知することに長けた狛治に任せるのだ。
「俺の効果範囲内であれば何かしら引っ掛かるかもしれないが……いやまて、すぐ近くで大量の闘気を感じる。……居たぞ。あっちだ」
どうやら俺達は近くまで来ていたらしく、狛治が先頭に立つとそのまま走り出す。
そして段々と激しい戦闘の音が聞こえてきたかと思うと、目の前に空間が広がる。
そこでは悲鳴嶼さんと
無一郎くんは刀で串刺しにされてはいたが、まだ生きている。
玄弥くんも片手が斬り飛ばされていたが、玄/弥にはなっていなかった。
さらに……。
「雷の呼吸・参ノ型 聚蚊成雷!」
なんと、獪岳も共に戦っていた。
原作では黒死牟と相対し心が折れ、鬼と成り果てたあの獪岳が奮闘していたのだ。
「光るものは感じるが……それだけだ。それでは、まだ私には届かない」
しかし、獪岳の攻撃は黒死牟によって防がれそのまま肩を切り裂かれる。
「くそが……俺は最強になるんだ! てめぇなんぞに負けるわけには……」
怪我をしても心が折れず、獪岳は呼吸を荒くしながらも黒死牟を睨む。
俺は、その光景を見て少しばかり嬉しくなる。
元々救うつもりもなかった人間が、今みんなと共に戦っている姿は心打たれるものがある。
あの獪岳でさえ決死の覚悟で戦っているのだ。
ここで俺がビビるわけにもいかない。
俺は、懐から秘密兵器を取り出すと黒死牟に向かってぶん投げる。
「下がれ! 光るぞ!」
俺は鬼殺隊の中であらかじめ決めていた合言葉を叫ぶ。
瞬間、先ほどまで戦っていた面々はその言葉の意味を理解し目を閉じる。
当然、その意味の分からない黒死牟だけが目を開けたままであった。
そして、それが黒死牟にとって悪い選択となる。
あたりに眩い光が満ちる。
目も眩むような強烈な光を、間近で……しかも五感が発達し、よりにもよって目が6つもある黒死牟が見てしまったらどうなるか?
答えは簡単。
一時的に視力を失くすのだ。
「何……っ?」
勿論、黒死牟であれば目が見えなくなっていても問題なく動けるだろう。
だが、見えていたものが突然見えなくなるというのは存外精神的ダメージがでかいのだ。
さらにそれが、自分の知らない攻撃によるものとなれば一瞬と言えども動揺するだろう。
先ほど投げたのはいわゆる閃光弾という奴だ。
といっても強烈な光を放つだけの粗末なものではあるが、鬼からすれば完全に未知のもの。
喰らえば、とりあえず一瞬でも怯むだろうと珠世様と狛治からお墨付き貰っている。
これが転生者の戦い方だ。
普通に戦えばまず鬼には勝てない。向こうが反則を使ってくるならこっちも反則を使えばいい。
俺は、黒死牟が回復する前に少しでもダメージを与えるべく、再び燃やしたインスタント赫刀を振り回し刀を持っている腕を斬り落とす。
インスタント赫刀でも再生が遅くなるのは童磨で確認済だ。
「いよっしゃ、ざまぁ! 腕をぶった切ってやったぜ!」
「でかした、賽ィ! つうか、来るのおせぇんだよ!」
俺が黒死牟の腕を斬り飛ばした事で実弥が嬉しそうに叫ぶ。
褒めるか怒るかどっちかにしてほしい。
「腕が再生しない……? なるほど、他の鬼達がやられるわけだ。私の知識を以てしても貴様が何をやったか不明だ……」
当たり前だ。こちとら現代知識、オタ知識をフル活用して鬼側が絶対知らないであろう戦い方をしているのだ。
これであっさり理解されたらこちらの立つ瀬がない。
「貴様の奇策は確かに脅威だが……それだけで私を倒せるほど甘くないぞ」
「はっ、何が私を倒せるほど甘くないだ。
俺のその言葉に、黒死牟は目を見開き「何故それを知っている」という顔でこちらを見る。
もうこれが最後なのだ。俺は後先考えず、煽る為にどんどん普通ならば到底知りえない情報を開示することにする。そもそも、そんな事を気にしている問題ではない。
あとで皆からツッコまれるだろうが、その時はその時だ。
精神攻撃は基本。
「ねぇどんな気持ち? タコの猿真似をしている無惨の甘言にまんまと乗って、そんな醜い姿になって、強くなるために大量に人を喰ってきたのに弟に負けて。それでもなお何百年も生き恥を晒してる気分は?」
「黙れ」
「痣を発現しても日の呼吸を使えず、弟を意識してるのか月の呼吸なんて使って恥ずかしくないんですか?」
「黙れと言っている。下賤な人間の分際で、それ以上私を侮辱することは許さん」
「あ、ちなみに俺は影の呼吸っていうのを使ってるんですよ。どっちもある意味日の呼吸の派生とも言えるんで俺達同類ですね。仲良くしましょうよ、下賤な人間と同じ発想を持っているんですから」
「き……さ、ま……っ」
俺の言葉を聞いていた黒死牟はビキビキと顔に血管を浮かび上がらせる。
だが、俺の奇策、奇襲に警戒しているのか迂闊にこちらに斬りかかっては来ない。
そこら辺は、流石に無惨のように己の怒りに任せて飛び込んでくるような馬鹿な真似はしないか。
飛び込んできたところを……って考えていたんだけどな。
まぁ、腕を再生中だからってのもあるのだろう。
……前から言っているが、俺はただ趣味で煽っているわけではない。
怒りというのは、冷静な判断力を失わせる。つまり罠にかけやすくなるのだ。
俺は正攻法で戦った場合、クソ雑魚なめくじなので徹底的に奇策で勝負するしかない。
決して、煽るのが楽しいとかそういう気持ちはない。ホントダヨ?
「あ、お近づきの印にこれ差し上げますね」
俺は一向に近づいてこない黒死牟に対し、先ほど投げたなんちゃって閃光弾と同じ形をしたものを投げる。
「貴様は私を舐めているのか? そんな光るだけのもの、予め目を閉じ対処すれ……っ⁉」
腕を再生させ、目を閉じながら伸ばした刀で俺の投げたものを斬り落とそうとしたが、その瞬間それは爆ぜ、破片が黒死牟に突き刺さる。
はい、残念。
今投げたのは、閃光弾じゃなくて手榴弾でした。
しかも爆発すると、中から日輪刀と同じ材質の破片が飛び出すおまけつきである。
案の定、日輪刀と同じダメージを受けた黒死牟は苦悶の表情を浮かべながら膝をつく。
先ほどのインスタント赫刀によるダメージも完全に回復していなかったのもあるだろう。
さぁ、肉体、精神共に弱ってきている黒死牟フルボッコタイムである。
やっておしまい、悲鳴嶼さん、実さん!
赫刀の条件は原作でも明確になってなかったはずなので、この作品では刀身を熱くすれば発動するって事にしてます。
ちなみに賽の煽りを聞いてる面々は、そのえげつなさにドン引きしていて情報源がどこだよとかはまったく気にしてません。
ちょっとお兄様に同情しているレベルです。
これが卑柱の実力