【完結】サイコロステーキ先輩に転生したので全力で生き残る 作:延暦寺
そういえば、人気投票ではサイコロステーキ先輩は35位でしたね
あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「俺は全力で生き残って楽をする為に安全に出世しようとしたら
柱に推薦されていた」
な……何を言っているのか、わからねーと思うが
おれも何をされたのか、わからなかった……。
頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ
もっと恐ろしいもの(原作改変)の片鱗を 味わったぜ……。
「皆、よく集まってくれたね」
俺が現実逃避をしていると、イケボが聞こえてくる。
俺達、鬼殺隊のボスであるお館様こと産屋敷 耀哉様だ。
ものすごい長い刀を振り回していそうな声だが、本人は病弱でまともに運動することもままならない。
こうして直接お館様に会うのは初めてだが、マジでいい声である。
ちなみに、俺の他にも悲鳴嶼さん、派手柱、カナエさんがお館様に向かって頭を垂れている。
カナエさんだけは両足が義足になっているので車椅子に座っていて痛ましい。
そして、少し離れた場所に冨岡さん。
まだ色々こじらせている頃なので色々面倒くさい冨岡さんである。
ちなみに他の柱は空席となっており、他の面子はこの後にどんどん加入してくるのだろう。
個人的には、早く蜜璃さんに会いたい。
あのまろび出そうな素晴らしいものを是非とも肉眼で拝みたいものだ。
ちなみに、なぜ俺が柱合会議に参加しているかというと、数日前に両足が義足となってしまったカナエさんから戦えなくなった自分の代わりに柱になってくれと熱く頼まれてしまったからである。
柱になるかどうかは別としてカナエさんの事などを報告しなければいけないので俺の参加は必須との事だった。
「皆に集まってもらったのは他でもない。既に聞き及んでいるとは思うけど、花柱であるカナエが十二鬼月の上弦と遭遇し戦った結果、両足の切断、義足となった。本人からの要望により柱は引退となる」
お館様の言葉を聞いた面々の間に、重苦しい空気が流れる。
柱は鬼殺隊の中でもトップクラスの戦闘力だ。
空席も目立つ貴重な柱の一人が欠けるとなれば、重苦しくもなるだろう。
「カナエ、両足の事は残念だったけど生きていてくれて本当に良かった」
「勿体なきお言葉にございます」
車椅子に座りながらぺこりと頭を下げるカナエさん。
その表情はとても悔しそうであった。
「さて、ここまでは報告で、ここからは相談となる。カナエ以外は、なぜ柱ではない隊士がこの場に居るのかさぞ不思議だっただろう」
お館様からその言葉を発せられた瞬間、俺に視線が集中するのが分かる。
やめて! こっちを見ないで! ただでさえストレスで死にそうなのに、柱から注目されるとなると緊張と恥ずかしさで千八百の肉片になってはじけ飛んでしまいそうになる。
「カナエから推薦を受けてね。カナエの代わりに彼……栖笛賽を柱にどうかと言われたんだ」
「お、お言葉ですがお館様! 直言よろしいでしょうか!」
瞬間、派手柱から「てめぇ、お館様が喋っているのに何割り込んでんだ」という無言の圧力を感じたが受け流す。
こればっかりは直接言わせてもらわないと非常にまずいのだ。
「いいよ。聞こうじゃないか」
「ありがとうございます。花柱である胡蝶カナエさんから、確かに推薦を受けましたが私にはまだ柱となる資格がありません」
そう、鬼殺隊の柱という地位は誰でもなれるわけではない。
いくつかの条件があり、まず最高位の「甲」という階級になるのが最低条件だ。
それに加えて「十二鬼月を倒す」または「鬼を50体以上倒す」というのが第二の条件となる。
俺の階級は戊であるため、最高位からは程遠い。
もちろん十二鬼月も倒していないし、鬼も50体も倒していない。
基本的に自分が確実に倒せると思った鬼だけを相手にしていたので、1年くらいでは倒した数もたかが知れている。
「私は柱となるための条件をどれも満たしておりません。そのような者が柱になった所で他の者に示しが付かないかと思われます」
と、いかにもそれっぽい事を並べているが本音は「誰が柱とかいう死亡フラグしかない地位につくかぼけぇ!」である。
俺の目標は第一に死なないこと。それに加えて俺が憑依する前の元のサイコロステーキ先輩も言っていた安全に出世し金を稼いで楽をすることだ。
柱になるのはどう考えても安全に出世とは言えない。
「ふむ、ならば賽の階級は今から『甲』にしよう。皆も異論はないね?」
「「「「はっ!」」」」
いや、「はっ!」じゃないよ。4階級特進とかどんだけやねん。
このお方、自分の立場を利用してめちゃくちゃやりよる……。
柱は柱で、お館様大好きなイエスマンしか居ないので味方が居ない。
この場に不死川兄が居たら、もしかしたら一緒に俺が柱になるのを否定してくれたかもしれないのに。
まぁ……この場に居ない人物についてとやかく言っても仕方あるまい……。
「もう一つの条件だけど、確かに十二鬼月を倒してはいないし数も足りていないね。だけど、それに匹敵するほどの実力を持っていると確信しているよ。何せ、上弦の鬼相手に無傷で立ち回ったんだからね」
「それは本当か! 俺らでさえ上弦相手に無傷でいられるかどうか微妙だってのに……面は地味なくせに派手にやるじゃねーか!」
お館様の言葉に派手柱が反応する。
どうやら、俺の功績がお気に召したらしく上機嫌だ。
離れた場所に立っていたポーカーフェイスの冨岡さんでさえ少し驚いた顔をしている。
違うんです。あれはマグレなんです。
うっかり、透き通る世界を発動した結果、たまたま無傷だっただけなんです。
もう二度と出来る自信はないです許してくださいなんでもしますから。
「もしそれが本当ならば、是非とも柱となってほしいものだな」
鬼殺隊最強と名高い悲鳴嶼さんまでもが数珠をじゃらじゃら鳴らしながらそう呟く。
俺が内心あたふたしていると、ぽんと肩に手を置かれる。
そちらを見れば、慈母の如き笑みを浮かべたカナエさんが居た。
「大丈夫です。賽くんは強いんですから、きっと立派な柱になれますよ!」
自信がないわけじゃないんです。
単純にやりたくないんです……なんてことは言えるわけがなかった。
いやだってさ、こんな自信満々のカナエさんの表情見ちゃったら何にも言えなくなっちゃうよ。
男ってのは美人に弱いものなんだ。
「それじゃ決まりだ。花柱・胡蝶カナエは引退。代わりに、影の呼吸の使い手である栖笛賽を影柱として起用する。皆、よろしく頼むよ」
「「「「御意」」」」
俺は淡々と進んでいく柱合会議の中、うつむいたまま夢であるようにと何度も願い悲しく繰り返す。
ところがどっこい現実であり、俺が柱となってしまったのは疑いようのない事実であった。
こうして、何の因果かあろうことか俺は柱となってしまった。
最大級の原作改変をやらかしてしまった俺の明日はどっちだろうか……。
皆が柱になった時期は公にされてなかったと思うので考察などを読んで
悲鳴嶼、宇髄、胡蝶カナエ、冨岡、主人公の順にしてます。
不死川は展開の都合上、もうちょっと遅く加入します。
原作開始前だから多少のズレはセーフセーフ