そして遂に去年『新 仮面ライダーSPIRITS』が連載終了。今『ロンリーライダー編』をやっていますが、物語の締めとなる台詞が三影の「大首領、仮面ライダーZX」だったのが個人的に実に良かったです。
今回のタイトルの元ネタは『ガヴ』の「俺はお菓子を信じてる」。ちなみに『ガヴ』本編における作者のお気に入りのエピソードは「酸いも甘いも焦す程」と「絆のチョコフラッペ!」です。
どれだけ気に入っているのかと言えば、荼毘がメインとなるエピソードのタイトルを「酸いも甘いも焦す炎」にしようと思っている位には気に入っています。
ビッグ3によるインターンの説明会が終わり、インターンに対する情熱も冷めやらぬまま教室に戻った俺達だが、雄英としてはそうも簡単にインターンへ向かわせるわけにはいかないようで……。
「ビック3からインターンの意義を教わったが、お前等がまだプロの現場に行けると決まったワケじゃない。職員会議で是非を決める必要があるし、やるならやるでマスコミ等への対策も考えなきゃならん。暫くは様子見だ」
「マスコミへの対応……?」
「ゴルショッカーは?」
「言いたい事は分かるが、アレでも一応俺達教師や警察で審査はしている。俺はその辺よく分からんからやってないが」
「審査してアレなんスか……」
「………」
確かにゴルショッカーに関しては、怪人要素を余りにも表に出し過ぎた所為で、明後日の方向へ有り得ない勢いで吹っ飛び過ぎた感はある。
この世界で『ヒーロー』と言う職業が産まれて以降、『ヒーロー飽和社会』と呼ばれる程にヒーローが蔓延る現代に至るまで、こんな方法を採用してデビューしたヒーローは果たして存在するのだろうか?
そんなこんなで俺以外の1年生の仮免取得者がインターンに参加できるかどうかすら分からない状況な訳だが、インターンへ参加する事が確定……と言うか、既に活動中と言って良い俺は、放課後『ゴルショッカー 雄英高校支部』にて作戦会議の真っ最中である。
「は? いんたぁん!? 誰だ君は!?」
『それであの……グラントリノは受け付けているのかなと』
「無視たあ、大物になったモンだ。小僧……!」
「行動が早い……」
「そうでなくては此方が困る」
会議に参加しているのは俺、グラントリノ、サー・ナイトアイ、塚内さん、デヴィッド・シールド博士の5人。オールマイトはインターンの落とし処を決める学校の会議に参加していて不参加である。
「悪ぃな。俺は別件で動いてて世話は無理だぜ。そうか! 体育祭では俺以外に指名のなかったヘッポコ継承者だったもんな!」
『うぐぐ……』
「火の玉ストレートは止めて差し上げて欲しい」
「正論ほど心を抉るモノは無いからね……」
『ヘッポコ継承者だから、№1ヒーローに近づけるなら何でもやりたいんです!』
「当然の事をかっこつけて言うんじゃねぇよ。そう言う話なら直接の師匠に相談してやれ。アレも教育に専念すると息巻いてんだぞ?」
『しかし、相澤先生は体育祭で得たコネを使えと……』
「ある奴はソレを使えって話だろ。オールマイトならそれこそ色々紹介してくれるんじゃねぇか? 元№1ヒーローなんだからよ」
「……失礼、グラントリノ。少し電話を変わって戴きたい」
「「「「?」」」」
「デク、サー・ナイトアイだ。インターンの件で迷っているのなら、私の元に来い」
「「「「!!」」」」
ナイトアイからのまさかの提案。恐らくは電話の向こう側にいる出久も、此方に負けず劣らずの驚きに襲われている所だろう。
『え!? い、良いんですか!?』
「何だ? 私では不服か?」
『いえいえいえいえ! 滅相もありません!』
「ならば良し。インターンの許可が出たなら、また私に連絡しろ。では失礼」
「……良いんですか? 正直、此方との同時進行はかなり厳しいと思いますが」
通話を切ってスマホをグラントリノに返すナイトアイに、ストイックと言うのも憚られる殺人的仕事量をこなす修羅の道に進もうとするのは流石に……と思って声を掛けたのだが、ナイトアイの表情は妙に余裕そうであった。
「問題ない。オール・フォー・ワンの言う事を鵜呑みにするつもりは無いが……私の予測が正しければ、『敵連合』も『異能解放軍』も暫く目立った動きは見せない。むしろ、デクを育てるチャンスは今しかない」
「確かに俺が思う様な展開にはなっていませんが、撒き餌は充分に撒いています。個人的には、奴等が何時釣り針に食いついても可笑しくないと思うのですが……」
「釣りが趣味の貴様らしい、ユーモラスな例えだ。しかし、その例えで言うなら奴等はお前を魚ではなく、自分と同じ釣り人だと考えている筈だ。特に『異能解放軍』はそうだろう。そうだな……仮に貴様が何処かの海に釣りに行ったとして、釣り場で泳いでいる魚全てを釣ろうとする訳ではあるまい?」
「そりゃ、クサフグなんかの食えない魚を釣っても意味ないですからね。当然、季節毎に狙いを絞って釣りに行きますよ。事前に何が釣れているのか調べてから」
「そうだ。“ある程度狙いを絞る”。そこがポイントだ。『敵連合』が起こした『雄英高校襲撃事件』から現在までの流れを釣りに例えるなら、始めに釣りをしていたのは『敵連合』だ。この時の奴等の目的は『数釣り』。つまり『雄英高校を襲撃する』と言う餌に食いついたならそれで良い。魚種を問わず出来るだけ多くの魚を釣りたかったのだ」
「煮ても焼いても食えない魚ばっかですけどね」
「フフッ、そうだな。その後、『保須事件』を経て『敵連合』は“ヒーロー殺しステイン”が掲げた『英雄回帰』と言う思想……と言うよりは『ステインの生き様』を餌に釣りを始めた。この時は魚の数ではなく、魚の質を重視している」
「釣り針から外すのに一苦労じゃすまない曲者ばかり釣れたみたいですけどね」
「フフフ……そして『神野事件』によりオール・フォー・ワンが逮捕され、オールマイトが引退した現在。世間と言う名の釣り場がどうなっているかと言うと、『異能解放軍』を含めた多くのヴィラン組織が次々と釣りを始めようとした最中、貴様等『ゴルショッカー』はこれ以上無く派手に、大胆に、前代未聞の釣り方で釣りを始めた……と言った感じになっている訳だ」
俺の返しにちょっとウケているのか、所々で笑いながらも今年の春から今に至るまでの経緯を釣りに例えて説明するナイトアイ。
確かに正義の味方である筈のヒーローが、世界征服を企む悪の秘密結社染みたCMを流して世の為人の為に社会貢献活動をするなど、一体誰が想像出来ようか。
「なるほど。確かにそれなら、勢力拡大を狙うヴィラン組織からすれば、俺は奴等と同じ釣り場で釣りをしている釣り人になりますね」
「そうだ。しかも自分達よりも後から釣り場にやって来て、特定の種類の魚が入れ食いの状態と言う風に見えている。さて、そんな奴が同じ釣り場にいたとしたら貴様はどうする?」
「……手持ちの仕掛けや餌が合っていれば同じ魚を狙いますが、無ければどうしようもないんで釣り場を変えますね。釣れている魚種によっては、その魚を追って別の魚が来るかも知れないんで、その時は“見”に回るのも有りですケド」
「うむ。しかし、奴等は貴様と同じ餌を用意する事は出来ん。『敵連合』はステインの主張である『英雄回帰』の思想を利用した為に。そして『異能解放軍』はその過去故に、この餌しか使う事は出来ない」
そう言いながらナイトアイは、一冊の本を取り出してテーブルの上に置いた。
タイトルは――『異能解放戦線』。『異能解放軍』の指導者であるデストロが逮捕された後、獄中で執筆したとされる自伝であり、自らの思想である「異能解放主義」を訴えるべく纏めたモノで、デストロはこの『異能解放戦線』を世間に出版した後に自決したと言われている。
「……まあ、中身が当時の『異能解放軍』と全くの別物だとしても、『異能解放軍』を名乗る以上、デストロの『異能解放主義』は絶対に避けては通れませんよね」
「そうだな。ステインもそうだが、明確な主義・主張を元に行動する思想犯は、その思想に行動を制限される。そして、この手のヴィランが最も嫌うのは何か? それは『自分達の主義・主張が否定される事』ではなく、『自分達の主義・主張を他人の手によって実現されてしまう事』だ。実際、社会が混乱状態にある今、奴等に動きがない理由の大手はソレだろう」
「……なるほど。今はまだオールマイトの引退と、オール・フォー・ワンの逮捕の印象が大き過ぎる。今動いて彼等の革命が成功したとしても、漁夫の利的な行動故に一笑に付される。特に『“個性”の強さが社会的地位に直結する社会』を謳うなら尚更に……と言う訳ですね」
「まぁ、説得力がねぇわな。『オールマイトやオール・フォー・ワンの持つ“個性”の方が自分達より強いから、共倒れになるまで隠れていた卑怯で臆病な軍団』なんて思われちゃ堪らんだろう」
「うむ。単純に『“個性”の強さが社会的地位に直結する社会』が創りたいなら、それこそ11万人の構成員を引き連れてオール・フォー・ワンの傘下に入るという選択肢だって有った。しかし、『異能解放軍』はソレをやらなかった。何故なら自分達の手で『“個性”の強さが社会的地位に直結する社会』を実現したいからだ」
「つまり、ある程度社会の混乱が収って安定するまで、『異能解放軍』は表立って活動しないと?」
「いや、確かに11万人の構成員による一斉蜂起と言った分かりやすいテロ活動についてはそうだが、その為の下地作り……つまりは、『“個性”の強さが社会的地位に直結する社会』を創る準備はする筈だ。実際にこの『異能解放戦線』だが、集瑛社からの再出版が決まったそうだ」
「……」
つまり、オール・フォー・ワンの言っていた『異能解放軍』の幹部クラスの仕業か。しかし、今回に関して件の人物を問い詰めたところで、「今の社会情勢なら売れると思ったから」と言われてお終いだろう。まったく、社会的地位を利用して悪事を働く輩は面倒極まりない。……いや、超人社会の混乱に乗じ、世間に怪人を解き放つ俺も人の事は言えないが。
「一方で『敵連合』だが、此方は『異能解放軍』と比べると行動が読み辛い。『異能解放軍』のメンバーはちゃんとした仕事を持っていて、その社会的な地位や権力を悪事に利用する。逆に言えばそれは“仕事を疎かに出来ない”と言う事でもある。『敵連合』に比べれば活動時間が大幅に限られている事も相俟って、行動の予測に関しては『異能解放軍』の方が容易とも言える」
「確か、『敵連合』って黒霧以外のメンバーは死柄木を筆頭にニートって話ですからね。その黒霧も今や我々に隠れ家的なバーを破壊されて無職に成り下がっていますが……いや、手に職を持っていると考えれば、似たような方法で再起する可能性もありますかね?」
「どうだろうね……彼等がアジトにしていたバーからは特にめぼしいモノは見つからなかった。それこそ店の売り上げを示す帳簿のようなまともなモノさえだ。正直バーとしてちゃんと経営が成り立っていたかどうかも怪しい」
「『財団』ってパトロンが居るんなら、別に赤字経営でも問題はないからな。あくまでも本拠地を繋ぐ中間的な拠点として使ってたんだろうよ」
「………」
オール・フォー・ワンは死柄木達の今後の動向について「潜伏するだろう」と言っていた。しかし、それは決して「何もしない」と言う訳ではない。むしろ何かしらの方法で力を蓄えると考えた方が妥当だろう。
「個人的には死柄木は『財団』のメンバーや改造技術者との接触を目的に動くと思うのですが……そっち方面から罠を張るのはやはり難しいですかね?」
「難しいね。改造技術者は勿論、『財団』のメンバーも“個性”『オール・フォー・ワン』を用いた肉体の乗っ取り……つまりはオール・フォー・ワンが君に成り代わる計画を事前に聞かされていたとすれば、彼等は死柄木よりも君を優先する筈だ。彼等が忠誠を誓っているのは死柄木ではなく、あくまでもオール・フォー・ワンだからね」
「むしろ、貴様とリカバリーガールのインターン中に接触してくる医師の中に、貴様をガイボーグに仕立て上げた改造技術者が居るかも知れん。貴様がオール・フォー・ワンになっていると認識して勝手に向こうから尻尾を出すか、オール・フォー・ワンの指示で逆に関わらない様にするかだな。もっとも、貴様の乗っ取りを証明する暗号なんかがあった場合、それが分からない次点で計画の失敗を悟り、即座に雲隠れする可能性も出てくるがな」
「………」
結局、現状では闇組織への警戒を緩める事なく、インターンに勤しむしかない訳か。逆に言えば、俺達が狙っている連中が準備期間に入っている上に、有象無象が群雄割拠しているヴィラン戦国時代と言える今は、見方を変えれば経験値の少ないヒーローを成長させる貴重な期間であるとも言える訳だ。
「……まあ、雄英側がインターンに関してどんな判断を下すかは兎も角として、仮にインターンが許可されたなら、出久の事をどうかお願いします」
「任せろ。その為に貴様は、囮として充分に目立つ事をしたのだろう?」
「まあ、その結果が俺を始末するか仲間に引き込むかの内ゲバってのはどうかと思いますがね」
「どちらにせよ、貴様の所行は少なからず『異能解放軍』の目に止まっていたとは思うぞ。異形系の“個性”を筆頭に、人の形で産まれなかったが為にヴィラン組織の構成員になったと言うケースは、その背景がその他の構成員と一線を画する。そうなった理由が根本的な部分で異なる。即ち、人ならざる者に対する迫害だ」
「………」
「こんな事を言うのも何だが、ヴィラン組織からすれば“異形系”の“個性”持ちはある意味狙い目の……安牌と言える存在だ。実際、貴様のこれまでの経歴を知れば、誰もがこう思うだろう。『何でコイツはヴィランになっていないんだ?』とな」
「………」
「しかし、貴様はヴィランにならず、むしろヒーローになる道を選んだ。その生き様はある意味ではヒーロー社会の否定だ。しかも、真っ当な方法且つ、驚くべきスピードでそれを行っている」
「………」
「人は精神的に追い詰められると、自分でも気付かぬうちに視野が狭くなる。それしかないと思い込むようになる。そこから抜け出すには、その思い込みを打破する強烈な価値観が……これまで思いもしなかった新しい視点が必要となる。つまりは、貴様の生き様の様な。もしかしたら『異能解放軍』の中に、伊口の様な狂信者が既に居るかも知れん。と言うか居ても可笑しくない」
「正直、全然嬉しくはないのですが?」
「それだけの魅力が君にはあるのさ。特に人の形で産まれてくる事が出来なかった人達にとってはね」
「まあ、コレも一種のカリスマってヤツだ。オールマイトとはチト毛色が違うがな」
「………」
実際問題、11万人もの人間の意志を統率する労力は並大抵のモノではない筈だ。構成員には共通して現在の“個性”に対する社会制度に不満はあるとしても、テロと言う手段に積極的な者も居れば、当然消極的な者も居るだろう。
今回の場合、元々ヴィラン組織のメンバーだったヤツが悪事を働くのを止め、ヒーロー側に寝返ると言うパターンになるので、秀一の時と違い何の罪もない一般人がスパイとしてヴィラン組織に加入すると言った展開は無い……と思いたい。
「ま、兎に角少しは時間がある。今のうちにやれる事はやっておいた方が良い」
「ふむ……ならば此方から一つ提案がある。ゴルショッカーの一員である貴様等にも是非協力して欲しい!」
「うん?」
「………」
そして会議が纏まった所で乱入するイナゴ怪人1号。どうせまた禄でも無い事を企んでいるに違いない。
○○○
「――と言う訳で! 明日の放課後! この雄英高校で! 我ら『暗黒組織ゴルショッカー』による『夏休みのロスタイム作戦』が実行されるッ!!」
「いや、何だよ『夏休みのロスタイム作戦』って」
「決まっておろう! 今年の夏休みはヴィランの所為で余りにもアレな事が有り過ぎて、貴重な夏休みに謹慎と言う名の空費を強いられた貴様等に、この夏にやり残した事を全てヤリきる機会を与えようと言う、我々のお情けを享受する名誉をくれてやるのだ! 我が君を楽しませるついでになッ!!」
「つまりエリちゃんを楽しませる建前って事ね。理解したわ」
「確かに色々と濃い夏休みだったケド、もっと青春したかったのは確かだよね~。サンセットビーチで人生を振り返ったり、星を見ながら夢を語ったりしたかった!」
「素晴らしい! 実に素晴らしいぞ、ピンキーよ! 故に、明日その熱い思いを完全燃焼する禊ぎを行う事で、貴様等は何の憂いもなく二学期と言う次のステージに進めると言う訳だ!!」
「ホホウ……なんか、ノリ気になってきたぜ」
「つーか、『夏休みのロスタイム作戦』って具体的に何やんのよ?」
「愚問ッ!! 夏休みのロスタイムを消化するに相応しい催しなど一つしかあるまい! それは……ッ!!」
「「「「「「「「「「それは?」」」」」」」」」」
「祭りだッッ!!!」
●●●
イナゴ怪人1号が発案した『夏休みのロスタイム作戦』は驚くべきスピードで実行に移された。人員に関してはゴルショッカー怪人軍団で何とかなるが、その他の部分……特に費用面をどうするのかと言えば、雄英高校の職員やOBであるプロヒーロー。つまりはエンデヴァーやベストジーニスト等、『神野事件』でお世話になった面々から徴収された。
「ヌハハハハハ!! ボンバー・ファッキューが起こした施設破壊の前例は、雄英教師陣の説得に実に有効だった! それに加えて我が王がもたらした“個性”の復活と言う多大な恩!! 最後に貴重な夏休みをヴィランによって台無しにされたと言う悲劇を我々が涙ながらに語れば、人間共からカンパを募るなど造作も無いッ!!」
「お前等が涙ながらに語る様は想像出来んが、カンパされた分は働いてくれな」
「心配ご無用!! カンパと言ったがどちらかと言えば給料の前払いと言った方が正しい!!」
俺が仮免試験に受かって以降、怪人共は雄英高校の警備の他に、エンデヴァーヒーロー事務所に派遣される形で各々が働いている。
ベストジーニスト等、神野区の戦闘に参加した他のプロヒーロー達の所にもその内行く事になるのだろうが、そっちはそっちで“個性”復活の恩よりも、ヴィラン襲撃で夏休みが台無しになった事の方がよっぽど心動かされたと思うのは気のせいだろうか?
「そして、このチョットしたチルタイム的なイベントがゴルショッカーの手で実施された事により、雄英高校はもはや我らゴルショッカーの手に堕ちたも同然だ!!」
「実際は日本征服どころか、世界征服一歩手前まで来てるけどな……」
完全に悪党の台詞を宣うイナゴ怪人であるが、実情はそんな生温いモノではない。現時点で世界各地に平成イナゴ怪人が点在し、その肉体を構成する大量のミュータントバッタもまた今や世界中に生息している。
その気になればミュータントバッタの群れによる食糧危機を引き起こし、世界レベルの大飢饉をもたらす事も不可能では無い。勿論、そんな事をすれば俺自身も無事では済まないが。
「お化け大会ダヨ~。コワイヨ、コワイヨ~」
「マタンゴさん達、何やってるの?」
「お化け大会ノ宣伝デスヨ、我ガ君」
タイコを叩いたり「納涼お化け大会」と書かれたプラカードを持ったりして雄英高校を練り歩くマタンゴ達を見て、頭にハテナマークを浮かべるエリを見つつ、取り敢えず今はこの状況を楽しむかと割り切ることにする。
尚、この夏祭りの雰囲気を存分に楽しむべく、俺もエリも浴衣に着替えて屋台が並ぶ学生寮の前を手を繋ぎながらゆっくりと歩いている。
「まさか、コイツ等に感化されるとは……」
「浴衣サイコー!!」
「割とちゃんとした夏祭りになってるね!」
「店員さんが怪人な事を除けばね」
「いや、怪人じゃない店もあるぞ。例えば……」
「わ~た~が~し~機だッ!!」
「アレとか」
そして、同じ様に制服から浴衣に着替えたA組女子勢と遭遇し、並んでいる屋台の中でも数少ない人間がやっている綿菓子屋を指差すと、そこには甚平を着込んだ上に、額に捻り鉢巻きを巻いてノリノリで綿菓子を作るオールマイトの姿が。
ちなみにグラントリノもちょっと離れた所で鯛焼きを売っていて、師弟共々妙に屋台のおじさんスタイルが似合っている。そんな二人のレアな姿を目の当りにし、出久は一心不乱に一眼レフで激写している。
「つーか、この射的。景品がお菓子とかぬいぐるみとかショボくね? ゲーム機とかねーの?」
「仕方あるまい。予算の都合だ。それと店の儲けよりも客が景品を取る事を優先してお菓子が多めなのだ。ちなみに一番重いのは、そこのダイナマイトタイガーのぬいぐるみこと『ムガトラぬい』だ」
「あ~! もうちょっとなのに~!」
射的の景品に文句を垂れる上鳴に、何とも世知辛い理由を説明するイナゴ怪人が指差すのは、一分の一スケールのダイナマイトタイガーのぬいぐるみ。そして、空気銃片手に悔しがる浴衣姿の波動先輩だった。
「何であの人が此処に居るんだ?」
「三年生エリアの屋台に置いていたムガトラぬいが取られてしまい、残っている此方に来たらしい」
「……って、事はココでアレを取れれば一気にお近づきになれるな」
「じゃ、オイラから先にイクぜ。このミネタ13がなッ!!」
「あ! ズリッ!!」
「………」
下世話な欲望丸出しでグラサンを掛けた峰田が、ムガトラぬいと波動先輩の心を打ち抜くべく、無駄にかっこつけて射的に挑戦するも見事に失敗。
続いて上鳴が三発分の料金を払い、予め三発装填した状態での三連射で挑むも、肝心のムガトラぬいは大きく揺れはしたが倒れる事は無かった。
「あ~、チクショウ! 惜しかったな……」
「……仕方ないな。どけ、手本をみせてやる」
イナゴ怪人に一回分の料金を払い、上鳴が使った三丁の空気銃の中から一丁を選び、コルク玉を装填する。尚、俺の目的は波動先輩の好感度ではなく、景品が取れる瞬間を期待して見ていたエリに、兄としてちょっとカッコ良い所を見せたいだけである。
「おいおい、一回で良いのか? 三回連続で当ても倒れねーんだぞ?」
「玉が三発有ると、三回勝負できると勘違いする。一発だ。勝負は常に一発で決める。そんな腹積もりでなきゃ、獲物は取れない」
「お、おお……?」
「コツとしてはまず、他の人がやっているのを見て、バネの劣化が少ない威力が高い銃を選ぶ。次にコルク玉は面の大きい方を奥に詰める。こうすれば空気漏れを防ぐだけでなく、小さい面に力が集中して威力が高まる。ハイヒールと同じ理屈だな」
「「ほうほう……」」
「そして肘を台の上に乗せ、脇をしっかりと締め、肩・頬・利き手で銃をしっかりと固定し、狙いを定める」
「いや、メッチャガチ!」
「ヒグマでも撃つつもりか……」
「虎だけどね。ぬいぐるみの」
「(ドキドキ)」
「後は狙いがズレないように、軽く引き金を引く」
外野の耳郎・瀬呂・葉隠のツッコミが入り、エリが固唾を呑んで見守る中、コルクの弾丸はムガトラぬいの眉間に当たり、後ろに倒れる形で棚から落下した。
「……とまあ、こんなモンだ」
「「「「「おぉ~~!!」」」」」
「(キラキラ)」
「それで、エリ。コレどうする? そこの欲しがってるお姉ちゃんにあげる?」
「え? いいの?」
「うん。いいよ。エリはいつも抱っこしてるから」
「わぁ~! ありがとう!」
「「きぃいいいいいいいいいいいいいいッ!!!」」」
エリからムガトラぬいを手渡されてご機嫌の波動先輩を見て、阿鼻と叫喚の混声合唱を行う敗北者2名を無視し、エリと共に再び屋台をブラブラと散策する。
取り敢えず、オールマイトとグラントリノの屋台からそれぞれ綿菓子と鯛焼きを、エリのリクエストでリンゴ飴を買い、ヨーヨー釣りやくじ引きなどを楽しんだ。
ちなみに夏祭りの屋台の定番である金魚すくいは無い。何故なら金魚が可哀想だからだ。
「夏らしい食事と言えばコレッ!! そう! 竹を組んだ流しそうめんだッ!!」
「確かに夏いッ!!」
「今日のアンタ等、ホントどうした?」
「さあ、並べ貴様等!! そして女子供が優先だッ!! 但し、我が君の面倒を見なければならない、我が王を除くとするッ!!」
「ああ、そこはやっぱ呉島とエリちゃんが優先なのね……まあ、良いケド」
「では流すぞッ!! 各々、存分に喰らうが良いッ!! しかし自分より下流の連中も食える様に配慮せよッ!!」
「「「「「「「「「おおーーーーーーーッ!!」」」」」」」」」
最上流にエリ。その隣に俺を配置しつつ、何だかんだで他の連中にも気を配る無駄に人が出来ているイナゴ怪人の号令により、流しそうめんが開始された。
「わっ! わっ!」
「楽しい?」
「うん。むずかしいけど、食べるの楽しい」
「そっか」
「うん」
初めての流しそうめんに苦戦しつつも、エリは楽しそうだった。後方ではそんなエリを見つつ、満足げな表情で腕組みをしている怪人達が、しきりにウンウンと頷いていた。
「さあ、最後の仕上げだ!! 夏の思い出の締めと言えばやはり花火であろうッ!!」
「おお! ……って、線香花火だけかいッ!!」
「派手にやると火災報知器が反応するからな!! 学校側との相談の結果、学生寮の周りではコレが限界だった!!」
「そこは予算が理由じゃなかったんだ……」
「まあ、良いんじゃね? 夏らしいっちゃ夏らしいし」
「………」
最後の仕上げと言うには、線香花火オンリーはあまりにもショボい気がするが、学校のセキュリティとの都合上コレばっかりは仕方が無い。
尤も、線香花火の定番「誰のが一番長く保つのかレース」を楽しんでいる様子を見るに、クラスの皆もそれなりに楽しめている模様。
「ぱちぱちしてきれい……」
「綺麗だねぇ」
そして、花火初心者のエリにはこれ位が丁度良いだろう。これから寂しい時間が多くなる分、出来るだけ楽しい時間を一緒に作っていければと思う一夜であった。
○○○
「これまでの『敵連合』の動きや、逮捕した『敵連合』に与したヴィラン達の証言等から推測するに、『敵連合』の内通者が生徒の中に居る可能性が高い」
「その根拠は?」
「仮に教師陣から情報を得ていたのであれば、林間合宿襲撃の際、少なくとも装備の面でその場所に特化した物を一つや二つは用意していた筈だ。投入された脳無にしても、その“個性”が森林や山岳地帯での戦闘に特化した個体とは言い難い」
「……確かに、林間合宿の襲撃に参加したヴィランの装備を考えると、どちらかと言えば“個性”の補助や弱点の補強と言った『何処でも一定の戦果を上げられる仕様』と言った印象がありますし、脳無に関しても炎熱系等の森林や山岳地帯で有力な“個性”を持っていなかったのは奇妙ですね」
「しかし、USJの事件ではそれぞれの災害エリアに適した装備や“個性”持ちが配置されていた。脳無も対オールマイト用の個体を用意していた。そんな以前は出来ていた事をしなかったのは、今回は情報を取得した時点で特化したモノを用意出来ない程、奴等に準備する時間が無かったからではないかと私は思う」
「つまりは襲撃の直前……生徒が現地に到着する事で林間合宿の場所を知る手筈だったからそうしていたと?」
「そして、その内通者はオール・フォー・ワンが呉島新に成り代わる計画も、その後の動向についても聞かされている筈だ。忠実で強力な怪人が世に放たれ、堂々とヒーロー社会を支配していくと言う構図を」
「要するにオール・フォー・ワンの思惑通りに事が運んでいる状態な訳か……」
「しかし、その理屈で言うと……その生徒からすれば、自分の行動が原因でクラスメイトに成り代わったオール・フォー・ワンの近くで、知らず知らずのうちにヒーロー社会が支配されていく様を見せられている事になる。もしもその内通者が忠誠心ではなく、恐怖心からオール・フォー・ワンに従っていたのなら……そんな状態で、本当にまともでいられるものなのか?」
「言うな……博士。そんなもの……」
「――地獄に決まってる」
●●●
さて、ゴルショッカー主催の夏祭りが門限により終わりを告げ、ウキウキ状態のエリを寝かしつけても尚、俺の仕事は終わらない。今日俺がやるべき仕事はもう一つある。
「……と言う訳で、夏休みのロスタイムを楽しんでいたワケですが……皆さんも楽しんでますか?」
「おう坊主! お陰で楽しませてもらってるさ!」
ココは俺の精神世界。より正確には俺の“個性”『バッタ』の中の世界だ。
USJの事件でオールマイトの血液を介して取り込んだ『ワン・フォー・オール』の“残り火”に、改造された際にオール・フォー・ワンから投与された60の“個性”。
これに神野区での決戦で与えられた“個性”『オール・フォー・ワン』を含めた複数の“個性”を取り込んだ結果、『ワン・フォー・オール』の“残り火”に内包された歴代継承者の意識はより鮮明な物になり、今ではこうしてコミュニケーションが取れるようになっている。
そんな世界で真っ先に声を掛けてきたのは、浴衣を着こなしたスキンヘッドのおっさん。テーブルの上には缶ビール・焼きイカ・焼きそば・焼き鳥が所狭しと置かれており、見るからにこの状況を存分に楽しんでいる。
「そうだね。生前はお祭りなんて体験した事無かったけど、とっても楽しいね」
次に話しかけてきたのは、白髪でとっても優しそうな印象のお兄さん。こちらも浴衣を着ており、手には食べかけの林檎飴が握られている。
「私としては色々と複雑なんだけど……まあ、空彦や俊典が屋台のおじさんやってる所はちょっと面白かったかな」
続いて声を掛けてきたのは、この面子の中で唯一の女性で黒髪の美人さん。此方も浴衣を着ており、テーブルには鯛焼きが、手には綿菓子が握られている。
「私はイキナリ浴衣やら屋台やら出てきてビックリした」
「まあ、細かい事は良いじゃねぇか! 折角の機会なんだし楽しまなきゃ損さ!」
「いや万縄先輩、この子高校生ですよ? 高校生からタダ酒とつまみ貰うって、もう大人として色々駄目なんじゃ……」
一方で浴衣は着ているが屋台の物には何も手を付けていないのは、ボサボサの髪に顔に大きな疵のある男性で、スキンヘッドのおっさんの豪遊ぶりに若干引いているのは、物静かな雰囲気で常識的な事を語る黒髪の青年。
尤も後者は「かと言って、せっかく出してくれた物に手を付けないのも、この子に何か悪いな」と言う雰囲気を醸し出しており、浴衣姿でラムネをちびちびやっている。
「……で、そっちのお二人は相変わらずと……」
「「………」」
そんな中で浴衣を着る事も、屋台の物に手を付けることもせず、此方に背を向けてガン無視を決め込んでいる二人の男性がいる。この二人に関してはコンタクトを取った時からこうなのだが、態度が軟化する兆候はこれまで一切見られない。
「ハハハ……で、坊主。お前、何が狙いさ?」
「いざという時、助けて欲しいんですよ。『“個性”の譲渡に伴う肉体の奪取』……コレがオール・フォー・ワンの狙いで、俺は“個性”に宿った二人の意志に助けられて、俺はオール・フォー・ワンに体を奪われずに済みました。一人は母。もう一人は『仮面ライダー』。しかし二人はもう居ません」
「『仮面ライダー』か……様々な人間の意識が混濁していたであろう『オール・フォー・ワン』の中で、魂だけで戦い続けた男。君と言う『仮面ライダー』の名を継承する者に出会い、その思いを託した……正に英雄だ」
スキンヘッドのおっさんの鋭い視線を受けつつ、俺はこの世界で夏の宴を開いた目的を素直に話した。その中で、白髪のお兄さんが『仮面ライダー』を英雄だと言ってくれた事を嬉しく思う。やはり彼としても、『仮面ライダー』の最期には思う所があったらしい。
「それで思ったんですが、多分オール・フォー・ワンは死柄木弔を器として育てていたと思うんですよ。“個性”『オール・フォー・ワン』を譲渡して、その体を乗っ取る為に。そうなった場合、死柄木との決戦で神野区の戦いと同様の事が起こる可能性があります」
「二つの器の内、勝った方が負けた方のエネルギーを吸収し、より強い器になる……だね?」
「ええ。勿論、死柄木をどの程度まで強くするかにもよるとは思いますが……最悪、ドラスよりも強い器に仕上げてくると自分は踏んでいます」
もう一つの『ガイボーグ:SEVEN』こと『ドラス』。改造技術者が拠点を俺の精神感応能力によりバレるのを恐れ、同じように俺の細胞を培養してドラスを再び作る事はないだろうが、それ以上の代物を作らない道理はない。
複製された『オール・フォー・ワン』にしても、下手するとその力がオリジナルを上回る可能性だってある。この世には本物を凌駕する偽物だってあるのだから。
「つまり、これから仮に死柄木に勝ったとしても、坊主の体が奪われるかも知れない。だからいざと言う時は俺達に助けて欲しいと」
「ええ。まあ、俺も黙って奪われるつもりはありませんが……正直、助けてくれるとありがたいです」
「そう言う事なら……やはり、我々全員の足並みを揃える必要がある。『ワン・フォー・オール』の原点は『オール・フォー・ワンに屈しない』と言う強い意志。そして兄さんの“個性”を、『オール・フォー・ワン』を譲渡されながらも兄さんに屈しなかった君は、ある意味では“オール・フォー・ワンを討つ”と言う『ワン・フォー・オール』の命題をやり遂げたと言える」
「君じゃなくて、君達ですよ。母や『仮面ライダー』だけでなく、出久やオールマイト達が助けてくれた。俺一人じゃどうしようもなかった」
「……うん。そうだね」
「まあ、それで俺が『オール・フォー・ワン』由来の能力を使って怪人を作ってるのは……そりゃオール・フォー・ワンの全盛期を知る人からすれば気にくわないってのも理解出来ます。それがキャパオーバーを防ぐ意味でもやっているとしても」
「「………」」
二人はひたすらに無言を貫き、此方を一瞥することもない。そんな気まずい静寂を破る様に、顔に大きな疵がある男性が俺に声をかけた。
「ずっと思っていた事なんだが、君はそこの二人に悪感情を持ってない様に見えるが、それは何故だ? 普通ならこんな露骨に拒絶の意を示されたら、そんな何度も話しかけよう何て思わないと思うんだが?」
「だって、助けてくれたじゃないですか」
「助けた?」
「USJで脳無と戦った時、意識が朦朧としていた時に、皆さんが声を掛けてくれたでしょう? 多分、オールマイトの意識と一緒に。『もう大丈夫! 私が来た!』って」
「……それだけか?」
「それで充分なんですよ。俺にとっては、ですが」
「……そうか」
顔に大きな疵のある男性は、俺の回答に呆気に取られたと言うか、毒気を抜かれたと言った様子だったが、それでも二人が信じるに値する人物である事を断言すると、納得の表情を浮かべていた。
「ま、気が向いたらまた来ます。次の宴は……学校の文化祭あたりですかね?」
「それじゃあ、今日は朝まで飲み放題で頼むさ!」
「あ、はい。好きにして下さい」
「悪いね、ウチの先輩が」
「済まんな、ウチの後輩が」
「いえいえ、お構いなく」
居酒屋の注文みたいな事を宣うスキンヘッドのおっさんのリクエストに答え、迷惑を掛けてゴメンと謝る二人を見て、この二人割とノリが良いタイプなのかもと思いつつ、俺はその場を去るのだった。
○○○
「そんなに彼が気に入らないかい? マイヒーロー」
「……俺達は最も苛烈な時代を生きた。オール・フォー・ワンの肉体的全盛。ひたすらに支配を広げていた時代。本当の支配は、支配される側が自分は支配されていると気付かない。だからこそ“リーダー”は未来を危惧し、オール・フォー・ワンの支配に打ち勝つため、仲間を率いて戦った」
「それはお前も一緒に見てきた筈だろ? 与一」
「ああ」
「あの小僧のやっている事は、確かにオール・フォー・ワンと同じだろう。犯罪者から“個性”を奪い、それを元に忠実な怪人を作製し世に放つ……しかし、俺達があの小僧に協力しない理由はソレではない」
「じゃあ、どうして……」
「あの小僧はそれなりに頭が回る。観察眼もある。だから可能性として、ソレに気付いている。しかし、『自身を受け入れた』と言う事実だけで、その先を考えるのを止めた。だったら後は……これ以上無く深い“絶望”を知るだけだ」
「「「「「………」」」」」」
「俺達はその“絶望”を以て、あの小僧を図らせてもらう。『大首領』……『仮面ライダー』呉島新を」
キャラクタァ~紹介&解説
大首領:呉島新
日本一のお人好し怪人。敵対勢力への対策は練っているが、現状では攻め手がなく「此方も戦力を蓄える期間だ」と割り切る。エリちゃんへの態度が兄と言うより父親のソレな所為で、精神世界に居る奈々さんは内心色々と複雑な事になっている。
ゴルショッカー大人組の皆さん
大首領を交えて今後の動きを会議しつつ、大首領の前では絶対に話せない事を裏で相談している面々。地味にオールマイトもハブられているのは、「生徒を疑うのは新米教師には荷が重い」と判断されたからだったりする。
雄英高校の生徒の皆さん
怪人軍団の手で夏休みのロスタイムを提供される。文化祭に先駆けて全寮制導入によるストレスの緩和剤が広く浅く散布され、誰もが皆それなりに祭りの夜を楽しんでいた。そして門限の9時で終わりなのが不満な生徒も多かった。
ワン・フォー・オール歴代継承者の皆さん
全員自分達の居る世界が突如、夏祭りの舞台と化した事にかなり驚いていた。与一さんは浴衣着て何かゲゲ郎みたいになった。そんで浴衣着た奈々さんはメッチャ色っぽいと思う。でもこの中で一番浴衣を着こなしていたのは誰だと思う? 万縄だ。
夏休みのロスタイム作戦
ゴルショッカーによる恐るべき雄英高校征服作戦。元ネタは『すまっしゅ!!』第5巻の夏休みの回。作中ではオールマイトとグラントリノがそれぞれ綿菓子屋と鯛焼き屋をやっていたが、他の学年やクラスにも教師陣がやっている屋台がある。
尚、この祭りの準備中に何処からか祭りの臭いを嗅ぎつけたらしい、筋骨隆々な男達が担ぐ珍妙な神輿に乗った何か桃太郎っぽい真っ赤なヒーローらしき人物が、天女を引き連れながら雄英高校に侵入しようとしたらしい。
???「大首領などおともにもならんッ!!」
怪人達「あ゛……?」
ムガトラぬい
怪人ダイナマイトタイガーを模したぬいぐるみ。サイズも相俟って見た目は殆ど本物。読者サービスの一巻としてねじれ先輩共々、今回登場する事が決定した。何? 名前がカナリィぬいみたいだって? 細かい事は気にするな。
後書き
改めまして、新年あけましておめでとうございます。今年もゆっくりボチボチと活動していきますので、今年もよろしくお願いします。