ごゆっくりどうぞ。
1 天職がぼっちって言ってる。
はっきり言おう。俺は転生した。
さっき転生したことに気付いた。なんか、現代で二度目の人生やってた。びっくり。
今世の名は
前世は…。もうあまり覚えていない。15年以上こっちの生活やってたし、転生したことについても知識として頭に入ってきたって感じがすごかった。正直、自分のことでいっぱいいっぱいで自分のことなのかすらわからん。
で、思い出したきっかけは。
クラス全員で異世界転移なんてしたからだ。うん、何言ってるかわからねえと思うが俺も何言ってるかわからねえ。普通に授業受けて…。いや俺4時限目は寝てたわ。前日、ゲームで3時ごろまで起きてた。MMOってどこで辞めればいいかわかんねえよなあ。
で、いつの間にか床の上にいた。違うな。頭が床にダイレクトアタックしたんだ。頭われるかと思った。
その衝撃なのか思い出せた。前世を。そこまで重要じゃねえな、この情報。
で、ただいま勇者が「たすけるぞ」って奮闘中。なんだこいつ。
神父みたいなやつが、「魔族と戦っているから人間を助けてくれ」ということで正義の心に火が付いたらしい。
勇者。すんげーカリスマの持ち主。美人を二人侍らせて…いや女神はオタク君にアタック中か。美人にアタックされるなんて羨ましいねえ。何の反応もないからオタク君には嫉妬の視線の雨。ちなみに俺も送るやつらの一人な。いかん、話がそれた。
勇者は、自分が正しいって態度を貫くやつだ。外から見てて思った。俺はあんまり好きじゃない。
女神は前述したとおり、オタク君にめっちゃアタックする子。かわいい。
オタク君、不憫なやつ。
あ、クラスの中心人物たちが戦うって決めた。周りのボルテージが上がる。ついでに俺のボルテージも上がる。
異世界なんてそうそうないしな。俺、転生もしたし。なんか万能感が心を満たす。エヒトって神がいないと帰れないらしいし。
でも、俺はわかっていなかった。
これは戦争なんだってこと。人を殺すということ。
これから俺に起こってしまうこと。
そのすべてが転移される前からつながっていることを。
俺に起こる最初の出来事は、アーティファクトを手にいれるまで先に送ろう。
―――
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
そう言って渡されたのは、銀色の12×12センチくらいのプレート。
血を垂らす。
そこにはこんなことが書いてあった。
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西舘 東 17歳 男 レベル:1
天職:ソロ
筋力:15
体力:5
耐性:5
敏捷:15
魔力:5
魔耐:5
技能:■■■■・言語理解
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いやソロってなんだよ。
「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に〝レベル〟があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」
騎士団長がそんなことを言う。
まるでゲームだ。得意分野、と言いたいが、生憎体を動かすのは少し苦手だ。
「次に〝天職〟ってのがあるだろう? それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」
天職は才能。
俺は、ソロの才能があるのか。なるほどなるほど。わかるわけがない。
いや、わかりたくない。職業にまでボッチって言われていることなんて。
ついでに言うと、平均は大体10程度らしい。少年よ。これが絶望だ。この場合の少年は俺なんだが。
軽く回りを見てみると能力がいいのか喜んでいるやつばかりだ。俺たちの世界はこの世界よりも上位で、それがステータスにも反映されるらしい。
その中で一人だけ青い顔をしたやつがいた。オタク君だ。
騎士団長が勇者のステータスを見る。
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天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
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なんつーチートの権化。チートや!チーターや!
俺その能力値の10分の1以下なんだけど。
技能なんて俺一個だけ、しかも塗りつぶされててわからないという。
俺、現実を知ったよ。
そんな、いいもんじゃねえって。
次々にステータスを見せていく。
なんかみんないい反応なんだが。
俺の番が来た。
やっぱいい反応しないよなあ。
騎士団長、わけのわからん天職に低いステータス、加えて技能がさっぱりわからないという三段構えに考えるのをやめたようだ。俺もやめてる。
からかうやつもいたがなんか怖いから離れておいた。
次、オタク君の番。青い顔してたからお仲間かなって思ったが案の定そうだった。
傷を…舐め合おうか…。
オタク君にそんな気持ちで近づいた。
違うやつも近づいて行った。
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛治職でどうやって戦うんだよ? メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
からかってきたやつだ。ここじゃ長いからいじめっ子にしよう。
「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」
「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」
ニヤニヤと聞くその態度にイラっとする。なんもしないけど。
「さぁ、やってみないと分からないかな」
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」
反応見るに低いってことはわかっているはずなんだが…
ステータスプレートをぶんどる。
バカにしたような笑いが響く。
肩をたたき、俺もいるぞ!と話しかけた。
ステータスを見せる。
めっっっっちゃ馬鹿にされた。
そこにみんなのアイドル、先生降臨。
先生のステータスを見せられて撃沈した。
三人称視点、主人公が使ってる呼び名より本名のほうが読みやすい?
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読みやすい
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読みにくい