漆黒の契約者 〜魔法が使えない少年は『死』の運命に立ち向かう〜 作:早見 綿飴
「さーて。依頼も済んだことだし、次の町に行くわよ!」
「えー!?やだよ。オレもう疲れたよ。今日はゆっくりしまーす。この町の女の子とも、まだ遊んでないし。」
「最後のが本音でしょ。全く、いやらしい。」
依頼を終え、アンナとキリマルがそんな会話をしていた。
こいつらとも、もうお別れか。賑やかな奴らだったな。
ユナンがそう思い、寂しそうな顔をした時だった。
グォォォォォ。
竜の鳴き声に匹敵するほど、とてつもない轟音が辺りに響き渡る。
「ちょっとキリマル!こんな町中でオナラとか、ほんとデリカシー無いわね!」
「いや、オレじゃねーよ!オレは紳士だぞ。オナラなんかするもんか!ユナンだろ?」
「なんで俺を疑うんだよ!キリマルの中の俺のイメージはどうなってんだ!?」
「…なら、新手の魔獣か?」
4人が爆音に驚き、慌てふためく。
魔獣の声?でもそれにしてはなんか、少し間抜けというか、緊迫感の無い音だった気がする。だいたい、こんな真昼の時間に、堂々と魔獣が町に姿を現すか?町の衛兵に叩きのめされて、終わりな気もするが…
ユナンがそんな事を考えていると、
「あ…あの…」
セーナが、顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうにぷるぷると手をあげた。何か言いたそうな顔をしている。
「どうかしたか?セーナ。」
ユナンは首を傾げてそう質問し、彼女に次の言葉を促す。
「え、えっとね…ちょっとお腹が空いちゃって。今の音はね、わたしのお腹の音っていうか、なんていうか…」
セーナは、両手の人差し指の先同士をくっつけて、どぎまぎしながら、そう答えた。
そのセーナの言葉を聞いて、この場にいる全員が固まる。
――マジかよ。あれ、お腹が鳴る音かよ。
「み、みんなどうしたの?な、何か言ってよ!ねぇ!」
両腕をパタパタさせて、慌てふためきながら、必死に4人にそう叫ぶ、セーナの姿がそこにはあった。
そういうわけで、ユナン達は町のレストランで食事をすることになった。
「まあそういえばアタシ達、魔獣ネコマタ討伐のお祝いとかしてなかったわね。みんなの健闘に、かんぱーい!」
「かんぱーい!」
アンナに続けて、他の4人もそう言ってグラスを掲げる。
場所は町の大通り沿いにあるレストランの中。端にある、大きな木のテーブルを5人で囲って座っている。
昨日の夜からまともに食事をとっていない。みんな、美味しそうな料理を前にして、気分が盛り上がっている。…ただ1人を除いては。
「お腹の音は生理現象。不可抗力だわ。」
「まあまあ、せーナ。そんな落ち込んでないで、食べようぜ。セーナのおかげで、みんなとこうやって楽しく食事をする機会に恵まれたわけだし。」
セーナがずっと、頬を膨らまして拗ねているのを見兼ねて、ユナンがそうフォローする。
だが、セーナがこちらを可愛い目で睨めかえしてきたた。
…どうやら、ひどくご機嫌ななめらしい。
流石は大きな町にあるレストラン。メニューも豊富だ。
ジークはパスタ。アンナはカレーライス。キリマルはうどん。そして、俺はラーメン。みんなの好みはバラバラだ。
セーナは…オムライスにチャーハンに牛丼まで!
…多すぎだろ!?しかも全部米系。ってかオムライスは昨日食べただろ。
「セ、セーナはよく食べるなぁ。あはは。」
「魔法を使ったらお腹が空くのよ。ユナンこそ、そんなに少食だから、魔法が使えないのよ。」
「あっ!とうとう言ったな!人のコンプレックス、バカにしたな!?」
「ユナンだって!わたしのお腹の音を聞いた後、その場でのたうち回って、大笑いしてたじゃない!」
ユナンとセーナがギャーギャー騒ぎ立てながら、口喧嘩をしている。
そんな2人の様子を見て笑ったアンナがこう言った。
「アンタたち、本当に仲が良いわね。」
「どこが!?」
2人が口を揃えて、アンナに抗議する。
「ふふっ。そういうところよ。それはそれとして、2人はいつから一緒に旅をしてるの?」
「いや、俺たちが初めて会ったのはつい昨日の事だ。セーナが酒場で飯を奢ってくれてさ。その後、セーナが大切なものを失くしたって言うから、俺が恩返しも兼ねて探すのを手伝わせて欲しいって頼んだんだ。」
「へぇー。探しものね。それで、見つかったの?」
「いや、いくつか店は回ったんだが、その後、魔獣退治の流れになって…まだ見つかってないんだ。」
「じゃあ、アタシ達も手伝ってあげるわ。ユナン達にはお世話になったし、アンタたちもいいでしょ?」
「俺はアンナについて行くさ。」
「女の子が困っているなら、助けるのが紳士の務めさ。」
「じゃあ決まりね!それで落し物って具体的には、なんなの?」
アンナがそう言った時、セーナがユナンの服の袖を引っ張る。そして、小声でユナンにこう呼びかける。
「ちょ、ちょっと。どうするのよ。」
「もちろん、手伝ってもらっていいんじゃねーか?――あいつらはみんな良い奴だよ。大丈夫だ。」
ユナンが自信満々にそう答える。セーナは少し困った表情を浮かべたが、ユナンのそんな様子を見ると、ため息をつき、
「わかった。ユナンを信じるわ。」
そう呆れたように言ったのだった。
セーナは3人に、自分の正体について話す。3人はそれぞれ、最初は驚きこそしたものの、
「へぇ。まさか竜だったとわね。お腹の音が大きいのも納得ね。でもセーナは可愛いし、そんなの全然気にならないわ!寧ろ、アタシが守ってあげるんだから!」
「竜か。お腹の音もそれで…。だが頼りになるな。よかったらこれからも俺たちと一緒に旅をしないか。」
「お腹の音が大きい竜!?でもオレは可愛い女の子ならなんでもいけるよ。むしろ、属性がついた分、普通の女の子よりも興奮するね。」
「お、お腹の音は関係ないから!!」
4人の反応を見るに、ユナンの予想通り、何の心配も要らなかったようだ。
そうして食事を終えたユナン達は、みんなで輝石探しを再開することにした。
店をあらかた調べ尽くした後、ユナン達は酒場の前に到着する。
店の扉には、「OPEN」と書かれた看板がかかっている。まさか、昨日の今日でまたここに来ることになるとは。…おっちゃん、驚くだろうな。
「あのおじさん、今日もいるかな?」
「いるだろうな。おーい、おっちゃん。昨日の今日でまた来たぜ。今度はちゃんと金持ってるぞ!」
そうやって、扉を開け、ユナンとセーナが中に入ろうとした時だった。
「おい。ちょっと待て。」
ジークがそう言って、酒場に入ろうとする2人を止める。
「どうしたんだよ、ジーク。」
「中の様子がおかしい。少し警戒するべきだ。」
「その通りだ。優秀な仲間だな。兄ちゃん、もう3人もお友達を作ったのか?すげぇな。」
そう言って、酒場の中から昨日の店主が姿を現した。
橙色のバンダナに、白と青のボーダーの半袖のシャツ。下は焦げ茶色の短パンのズボンと、赤色のシャツの袖を腰で結んで、腰巻のようなものをしている。昨日と同じ服装だが、
――その男の右手には、ロングソードが握られていた。
「…どういうつもりだよ。おっちゃん。」
「お嬢ちゃんが欲しいのは、この石だろ?」
そう言って男はポケットから、光る水色の石を取り出した。
「あっそれ!その石、わたしにとって大切なものなの。返して、おじさん。」
「そうだろう。この石は竜の輝石。竜人にとって、命の次に大事なものだ。だが、これは返せねぇ。なぜなら、俺は傭兵団〘ドラゴンスレイヤー〙団長、ダントラ。竜を狩る者だからだ。嬢ちゃんには悪いが、ここで死んでもらう。」
そう言ったダントラの周りには、数名の武器を所持した男たちが身構えている。…後ろにも!囲まれた。
竜を狩る者。そんなやつの所で、あの輝石を落としちまったのか!?マジでツイてないな、セーナ…
だが、ダントラが悪いやつには思えない。オムライスも美味しかった。説得をしてみれば、どうにかなるかもしれない。
「待ってくれ!ダントラ、セーナは人間に手を出したことが1度もないんだ。良いやつなんだ!今回はセーナを見逃してやってくれないか?」
「すまんが兄ちゃん。人には譲れねぇもんってのがある。俺らは決して竜を許さない。正義の名のもとに、全ての竜を殲滅する。てめぇら、やっちまえ!」
そうダントラが言った直後、周りにいた男たちが一斉に、こちらへ襲いかかってくる。だが、
「セーナを傷つける人は、アタシが許さないわ!」
アンナが両手剣を振るうと、熱風が巻き起こる。そして、その熱風によって、数名の男たちが吹き飛ばされた。
「悪いが、俺たちは契約者だ。大人が束になってかかって来ようが、負けはしない。」
ジークの放った矢が、三本の、先の丸い氷柱に分かれ、男たちを吹き飛ばす。
「こいつら、契約者ですかい!?ダントラ団長どうします?」
「…お友達が契約者とは驚きだ。よしてめぇら、流石に契約者相手はキツイだろ。下がっていろ。コイツらは、俺が片付ける。」
そう言ったダントラの雰囲気が一変する。辺りには熱風が巻き起こり、ダントラの持っていたロングソードが、炎に包まれる。
――ユナンは肌にチリチリと伝わってくる熱の感触に、息を飲んだ。
…ダントラ、契約者だったのか。見たところ「赤」の色だとは思うが、アンナより、強そうだ。全員でかかれば、どうにかなるか。
「これでも俺は昔、〘赤〙の王国騎士だったんだぜ。対人戦は久しぶりだが、甘く見るなよ。」
「ひぇぇ!あのダントラとか言うおっさん、超強そうだぞ!あんな炎に焼かれたら、オレの髪の毛、全部焼け焦げちゃうよ!ハゲは嫌だよ!ハゲは!」
キリマルがいつも通り、うるさく叫び散らかす。
…心配するの、命じゃなくて髪かよ。
「相手が契約者だろうと、関係ない。はぁ!」
ジークの放った氷の矢が、ダントラに飛んでいく。だが、
「ふん!」
ダントラの振るったロングソードから、燃えさかる熱風が放たれる。そして熱風は、氷の矢を吹き飛ばした。
「チッ。分が悪いな。」
ジークは悔しそうにそう呟いた。
俺はそこで、ある疑問を抱く。
「こんなに炎が巻き起こったら、家とか燃えるんじゃねぇのか?」
「契約者の魔法は対象を選ぶことが出来るのよ。その分、威力は少しだけ落ちるけど。燃やしたいものだけを燃やしたりすることが出来るの。」
ユナンの呟きに、アンナがそう言った。
なるほど。普通の炎とはちょっと違うのか。便利なもんだな。
「酒場が燃えちゃ困るんでな!こっちから行くぞ!オラァ!」
そう言ってダントラは、セーナに勢い良く斬りかかる。アンナはセーナを庇って、なんとか炎を纏った両手剣で、ダントラの一撃を受け止めたが、苦しそうだ。
ユナンもカタナでダントラに斬りかかって、加勢しようとする。だが、
「メーザ!」
そう唱えたダントラの周囲から、ボールくらいの大きさの火球が生まれる。そして、火球は勢い良く、ユナンに向かって飛んでいった。
ユナンは咄嗟に、カタナで火球をガードする。
――この火球、質量がある!
カタナから伝わる感触は、本当に飛んできた玉のようだった。だが、火球はカタナで受け止められた途端に、熱を増して、光り出す。
――ヤバい!
ユナンは本能で危険を感じ取り、カタナを斜めに斬り上げるようにして、火球の方向を変え、頭上へ飛ばす。
次の瞬間、爆発音とともに、火球が弾け飛ぶ。その衝撃で、ユナンは後方へ吹き飛んだ。
衝撃で、身体が節々痛い。肌がヒリヒリする。少し、火傷をしたかもしれない。だが、まだ動ける。
「ユナン!」
「ユナン!?アンタ大丈夫?」
セーナとアンナが、ユナンの身を案じる声をあげる。
「…運が良い奴だ。だが嬢ちゃん、よそ見とはいけねぇな。他人の心配じゃなくて、自分の心配をしな!」
そう言ったダントラは、ロングソードで斬り上げ、アンナの両手剣を弾く。アンナの体幹が後ろへ崩れる。
そしてすぐにダントラは、アンナへ斬りかかった。
「あっ。」
アンナが大きく目を見開き、弱々しく声をあげる。
まずい!俺は火球によって、吹っ飛ばされたばかりだ。ジークとキリマルも少し距離が離れていて、追いつかない。アンナが危ない!!
ユナンがそう思い、手を伸ばした時だった。
辺りに雷鳴が轟くような轟音が鳴り響く。黄色の髪の少年は、稲妻そのものとなり、人智を超えた速度で移動する。その少年の通った後には、青い稲妻が走り、雷神が通ったのではないかと錯覚するほど、神々しかった。
黄色の髪の少年はいつの間にか、ダントラがアンナに向けて放った一撃を、その腰に差していたカタナで受け止めている。その刀身は、黄色い輝きを微かに放っていた。
その少年とは、キリマルのことであった。
「女性を傷つけるヤツを、オレは絶対に許さない。」
彼は普段は絶対に出さない、低く真剣な声でそう言った。その表情は冷たく、目には殺気だけが宿っていた。
彼には似合わない、恐ろしい顔だ。
――あ、あれがキリマル?まるで別人じゃねーか。
おそらく、ここにいた全員がそんな感想を抱いただろう。
「こ、これは驚いたな、黄色い髪の兄ちゃん。てめぇはただの臆病者だと思っていたが…すまねぇ、立派な男だったようだ。」
そう言って、ダントラが残忍な表情を浮かべる。手加減はしない。そう決心したように。
「えーと、オレの髪焼かないでね。」
「どうだかな!」
「ひぇぇ!許してぇ!!」
ダントラの振るったロングソードが、燃えさかる火炎を巻き起こす。しかし、その火炎がキリマルの髪を焼く前に、尋常ではない速さの逃げ足で、キリマルが後退する。
「チッ。すばしっこいやつだ。」
そう言ったダントラへ、ユナンがゆっくりと近づきながら、声をかける。
「なあダントラ。人にだって、良い奴、悪い奴がいる。竜だって、同じじゃないのか?セーナはさ、輝石を失くして自分が大変な状況になっているにも関わらず、何の躊躇もなく、困っている女の子に手を差し伸べるほど、良い奴なんだ…。俺はそんな奴が理由もなく、人を襲うとは到底思えない。それとも、お前らの正義ってやつは、竜だからって理由で、そんな良い奴らも見境なく殺す事だってのか?そんなの、ただ竜を怖がってるだけだろ!」
「お前に何が分かる。」
ユナンの必死の説得に、ダントラは、ぽつりとそう呟いた。
「お前に何が分かるってんだ!?お前は竜の怖さをこれっぽっちも知らない、ただのガキじゃねーか!!」
「ああ、これっぽっちも知らないね。…なら、これから少しずつ、知っていけばいいじゃねーか。俺は、セーナが良い奴だって信じてる。だからこそ、俺はセーナを守るぜ。」
ダントラの怒声に、ユナンがそう答える。
もう迷いはしない。次は本気で斬る。セーナを守るために。
ユナンの言葉を聞いて、セーナは大きく目を見開き、そして、目から涙を零した。
「キャーー!竜人よ!あっちへ行って!」
――たくさんの悲鳴の声を聞いた。
「竜人だと!?うちはお断りだ!」
――たくさんの怒りの声を聞いた。
「うーん。可哀想だけど、竜人はちょっと。」
――たくさんの哀れみの声を聞いた。
「うちの家族を返せ!竜人め、死ね!」
――たくさんの怨嗟の声を聞いた。
どうしてわたしは、何もしていないのに、みんなから嫌われるんだろう。わたしはただ、みんなと仲良くなりたかっただけなのに、近づけば近づくほど、人々はわたしから遠ざかろうとする。
いつしか、わたしは自分から人々を遠ざけるようになってしまった。諦めてしまったのだ。人間と仲良くなることを。
でも、彼は違った。おかしな子だ。自分から竜人に近づこうとする。今までにも、お金目的で近づこうとする人間は何人かいた。最初は彼もそっちの人間かと思ったが、何故か違う気がして、彼を遠ざけられなかった。
――その理由が彼の言葉を聞いて、ようやくわかった。
彼は「わたし自身」を「見」てくれている。「見た目」や「種族」なんかじゃない。「わたしの中身」を。
わたしは本当はずっと、みんなに「見」て欲しかったのだ。「見た目」ではなく、「わたし」を。
竜人に同情してくれた人々と一緒に生活をしたこともあった。だがそんな生活の中でも、わたしは変わらず孤独感を抱いていたのは、彼らも、わたしの「見た目」しか見ていなかったからだ。「わたし」を見ていない。
…だが彼となら、種族を超えて分かり合えるのかもしれない。
「うぉりゃぁぁぁ!」
ユナンはカタナを構え、ダントラに向かって斬りかかる。予想外のユナンの速さに、ダントラは一瞬崩れかけた。だが、
「相手が予想外の動きをするなんて、これまでの死線の数々の中で、何度もあった事なんだよ!」
そう叫んだダントラは、地面に即席で作った小さな火球を放ち、その衝撃で後ろに飛んで、ユナンの攻撃を躱す。ユナンは勢い余って、身体が前に倒れる。空中で、ダントラが火球をユナンに向かって放とうとする。火球が当たれば、ユナンはひとたまりもない。絶体絶命の状況だ。
――だが、ユナンは1人ではない。仲間がいる。
「ユナンに集中しすぎだ。馬鹿め。」
ジークの放った氷の柱の一撃が、ダントラの腕に直撃する。そのまま火球はあさっての方向へと、飛んでいった。
「おっさんに興味は無いんだよ!」
「ぐぁぁぁ!」
キリマルの放った青色の電撃波がダントラに直撃する。だが、手足が少し痺れながらもダントラは、キリマルへ、ロングソードを振るって、熱風を放つ。
「あちぃぃぃ!髪が!オレの髪が!!」
…キリマルの髪が、熱風によって燃えている。どんまい。
「空中で武器も振るった。魔法も使った。もうおしまいよ!さっきのお返しだわ!」
ダントラの背後に、アンナが両手剣を縦に構えて、待っていた。彼女はそのまま炎による勢いをそのまま乗せて、ダントラを吹き飛ばした。
「くそがぁぁぁ!」
ダントラはそう言いながら、吹き飛ばされ、酒場の建物へ、勢い良くぶつかった。
あぁ。なんでこんな状況で、あの日の事を思い出しちまうんだ。
――視界が暗転する。
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