fate/stellaris 【完結】 作:宇宙きのこ
アッティラさんが暴れだして抑えるのに苦労しました。
【アッティラ・ザ・フン】
閉じていた瞳を開ける。
音も何もありはしないのに、肌を突き刺すような寒気と圧を彼は感じていた。
ここは野営地の中、司令官たるルキウスは今、出陣の時を控えていた。
旧サーサン朝領の東。
ヘラートという都市の外れに彼は陣を築いていた。
既に数度アッティラの軍とは事を交えているが、未だ決定的な勝利を彼は得られていない。
アッティラ率いるフン族との闘いはゲルマンを軽々と蹴散らした彼をして手ごわいと断ずるほかはない。
騎射を中心とした機動力の高い弓兵たち。
ゲルマン人さえ子供に思えてしまうほどの高い身体能力を持った一般兵。
滅ぼした様々な種族を加えて形成された連合軍は士気という意味ではとても低いが、そんなこと彼らには関係ないのだろう。
なぜならばフン族の軍団は生きているとは言えないからだ。
誰も彼もが無表情であり、死ぬときでさえ叫び声一つ上げない。
全てが死兵である上に何らかの高度な魔術的な要素が含まれているのか彼らは一瞬の間に全ての指揮官と兵士との間に情報伝達を行い、縦横無尽に戦術を即座に修正してくる。
地には巨人。
空にはワイバーン。
兵士は全て死兵であり、一人一人の身体能力はガンヴィウスが数世代をかけて品種改良したローマ人にも匹敵する。
まるで軍団という大勢というよりは無数の手を持った個人を相手にしているに近い。
しかしそんな難敵を前にしてルキウスの頭はかつてない程に冴えわたっていた。
軍としての手ごわさもそうだが、彼の興味を引き付けるのはアッティラである。
アッティラ大王とは戦場で一度遠目から眺めた程度の存在であるが、正にその力は彼を以てしても圧倒的という他ならない。
死人の様な肌と顔、真っ赤な瞳、全ての色素が抜け落ちた髪をした中性的な男。
奇妙な形状の光輝く剣を一振りするごとに鍛え抜かれたはずのローマ軍が文字通り消し飛んでいく光景はルキウスからみても異常と言えた。
幾ら兵士をぶつけてもアッティラは倒せないとルキウスは理解している。
自分以外の全軍をぶつけても、恐らくアレは問題なく殲滅するだろうと。
ならば、当初からそのつもりではあるが、自分が片を付ける必要がある。
ローマの全軍はアッティラから護衛を引きはがすために使う。
フンの軍団が全て大王の手足というならば頭を切り落とせば総崩れになると彼は直感していた。
そしてそれが一番難しいことも。
極論、アッティラ一人殺す難易度はフン族の戦闘員全てを殺しつくすことよりも難しい。
いや、そもそも大前提として自分はアレよりも強いと確信さえ抱けない。
ふと見れば、ルキウスは自分の腕が震えていることに気づいた。
歯が噛み合わず、背筋は少しばかり寒い。
気づいて。その瞬間に彼は感情を噛み締めた。
「そうか。そうか、そうか……」
燃えるように熱いのに寒い。
今まで必ず勝てる戦いしかやっていなかった彼が初めて敗北という二文字を認識して抱いた感情の名前は「喜悦」であった。
沸き上がる高揚が胸を突き破ってしまいそうな程に激しく暴れている。
剣の柄を砕けそうな程に強く握りしめ、ルキウスは深く笑うのであった。
ローマとフン族の戦闘は朝早くより始まっていた。
なだからな平原において向き合った両軍は最初から出し惜しみなどせず総力を以てぶつかりあっている。
フン族は巨人の上に巨大なやぐらを背負わせ、そこに配備した弓兵から延々と矢の雨を降り注がせながらじわじわとローマの前線をこじ開けていく。
好き放題に走りまわる遊牧騎兵は通常の馬の倍を超える機動力があった。
彼らはどうやったかは知らないが馬を品種改良して魔術回路を付与させたようで、馬たちは生存本能に突き動かされて自らに強化魔術を駆使しているのだ。
普通ならば足が折れてしまうほどの無茶な軌道を平然とこなしながら的確にローマの重装兵の鎧の隙間を射抜き続ける彼らにローマは多大なる苦戦を強いられた。
空にもフン族はワイバーンを配備していた。
恐ろしいことに彼らは邪竜の子を養殖し支配する術を手に入れているらしく、トカゲたちは洗練された動きで空より火の雨を降り注がせていた。
しかしローマの弓兵も負けてはいない。
魔術師たちは選抜されたスナイパーたちに様々な加護を与え、空高く舞うワイバーンたちを叩き落す力を彼らに与える。
空へと突き出された槍は的確にワイバーンの頭や心臓を打ち抜き、小賢しい空の王気取りを地面へと引きずり落す。
ルキウスが前線でフン族の兵士を薙ぎ払えば、我々には次期皇帝がついていると鼓舞された兵士たちの士気は跳ね上がり、空より降り注ぐ火の玉など恐れもせず両軍は入り乱れて殺し合った。
巨人が無数の鎖をひっかけられ引き倒される。
ワイバーンが何匹も撃ち落され、轟音と共に落下してくる。
一部では騎射兵たちがローマの兵士たちを引きずり回しながら矢を放ち続け、そのたびに死者の河を作り出していた。
朝早くより始まった戦いは昼にかけて更に熱気を増していく。
もはや敵味方という区別さえ曖昧になるのではと思えるほどの純粋な戦場、殺意と殺意の衝突がここにはあった。
しかし。
空より突如として光が降り注ぎ、ローマ、フン族関わらず消し飛ばしたことによって一気に熱ははじけ飛んだ。
最初ルキウスはその光をガンヴィウスが行ったものかと思った。
カルタゴの将をアルプスの数割と共に消し飛ばした天からの裁きに非常に近いモノがあったからだ。
更に二回、戦場に光が降り注ぐ。
より多くの命を巻き込む位置に的確に叩き込まれた光弾は両軍の4割近い命を無造作に蒸発させるに至った。
凄まじい熱波が地表を駆け巡り、その脅威に晒された者たちは自分が死んだことにさえ気づかない内に消えてしまった。
この時代にはありえない爆撃という概念。
それも無差別な終末爆撃を受けた結果、両軍に齎された被害は絶大なものである。
命に一片の価値も見出していないどころか、積極的に浄化を推し進める殺戮者の行為。
大勢の黒焦げのかつて人であった残骸が転がる爆心地を一人の人間が歩いている。
真っ白な髪。死人の様に血の気のない肌と顔。無機質な宝石の様な赤い瞳。
四肢は細く、少し力を籠めれば折れてしまいそうだが実際はこの世の誰よりも屈強な性能を有する肉体。
一見すれば長髪にも見える白いヴェールを被った姿はさながら花嫁衣裳にも似た様であった。
全身に淡く輝く青い紋章を刻んだ怪物。
これこそ文明の破壊者・アッティラ大王その人であった。
アッティラは自らの行った大虐殺にさえ何の関心も抱いていない。
彼は無数の黒い塵を踏みにじりながら堂々と歩く。
視線は方々をさまよい一点に収束することはなく、手にした奇妙な形状と色彩の剣を引きずりつつ、ふと思い立ったかの様にその剣を軽く振るった。
アッティラの剣はまるでムチのように撓り、延長され、暴風の如き斬撃を飛ばす。
生き残り地面にはいつくばっていた兵士たちが衝撃で弾き散らされ、多くの黒い点が空に浮かび上がる。
数秒後、ボトボトという音と共に黒い雨が地面に悲鳴と一緒に降り注ぎ、やがては何も聞こえなくなった。
何の感慨もない攻撃でさえ対軍規模と化す怪物を前に、ルキウスは臆すことなく真っ向から歩み寄り、ちょうど10歩分ほど距離を置いて向かい合った。
アッティラの赤い瞳が眼前の障害に対して視点を合わせる。ルキウスもまた“眼”でアッティラを見た。
女か。
いや、もう性別などこの化け物に対しては無意味かとルキウスは悟る。
外見こそ人であるが彼女の内部構造は人のそれとはかけ離れている。
弱点となる臓器は存在しない。
全身の細胞一つ一つが全ての臓器の役割を果たすことができる。
あのスパルタクスさえも超えた超大な生命力の塊であった。
そもそもアッティラに心臓や脳といった重要な器官はなく、女としての象徴である子宮もない。
生物として子孫を残す必要がない完成され、行き詰った存在がアッティラであった。
彼女を殺すには物理的に全身を生存不可能なほどに粉々にするより他ない。
大変結構。ならば実行するだけだ。
内部で燃え上がる熱をひたすら言葉に再変換し、彼は濃厚な殺意と歓喜に満ちた破壊を以て彼女に叩きつける。
「ローマだ。ローマがお前を殺し、俺は更なる高みへと至る。此処で死ね、アッティラ大王」
何も写そうとしない虚無の瞳がルキウスに向けられる。
水晶玉染みた無機質な目の中では彼女だけの理論が構築され、直ぐに結論は下される。
「強い命……文明を導く者……お前はここで破壊する。
お前の文明も破壊する。お前たちの存在を全て破壊する。この世に命などいらない」
彼女の握りしめる剣が不気味に発光し、それが開戦を告げる号令となった。
【皇帝と大王】
ルキウスは初手より最大出力でアッティラに切りかかった。
強化は肉体だけではなく頭にも回し、時間に対する感覚を操作。
彼の魔術回路はエーテルを貪欲に吸収消化し莫大な活力を供給する。
2倍、3倍まで彼の時間は引き延ばされ、彼の極まった剣術が通常の3倍の速度でアッティラに襲い掛かった。
限界まで強化されている長剣が悲鳴を上げる。
物理法則という本来地表を覆うはずのテクスチャを無視した動きに世界が捩じれる。
高密度のエーテルを纏った剣が大気に存在する様々な物資や、一分一秒ごとに修正をかけようとする世界とせめぎ合い、白熱化して舞った。
手足に頭、胴体、両目。
どこが弱点か判らないアッティラの身体を粉々に粉砕すべく剣撃が迫るがアッティラは片手でそれを防ぐ。
秒間に何百という暴風の様な攻撃を彼女は全く苦もなく、何の感慨も見せずに捌き切った。
無機質な瞳は普通ならば目視さえ叶わぬテクスチャに設定された速度を上回る剣速を完全に捉え切っていた。
数秒後、完全にルキウスの剣技を上回ったアッティラの剣がルキウスの首元に迫る。
しかしルキウスはあろうことか魔力を集中し強化を施した片手でアッティラの刀身をつかみ取った。
その程度ではアッティラの剣を完全に停止などさせられず、切断された指が宙を舞った。
剣が止まったのは半秒にも満たない時間だ。しかしルキウスにはそれで充分である。
一瞬とはいえルキウスの予想外の行動にアッティラの意識に隙が生まれる、この行動に何の意味があると些細ながらも考えてしまった空白。
アッティラの腹部に強烈な蹴りが深々と叩き込まれた。
「く」の字に体を折れ曲がらせた上に自らの骨が砕けていく音を聞きながら彼女は吹き飛び、何度も平原を跳ねていく。
ルキウスは自らの切り落とされた指を見た。
紫色の霧の様なものが収束し、瞬く間に再生していく。
何度か開閉して調子を確かめた後にルキウスは肩に剣を担ぎ吹き飛んだアッティラの元に進む。
「準備運動はこれくらいでいいだろう大王よ。
見えるぞ。まだ貴様は暴れたりていない、殺したりていない」
堪えきれずルキウスは笑う。
生まれて初めて味わう戦いに彼は酔っていた。
「俺もだ! あぁ、俺は今、猛烈にお前を殺したくてたまらない!! ハハハハハっ!」
アッティラが立ち上がる。全く痛打を感じていない様子で。
ゴキリという音が何度も鳴り渡り、骨折が瞬く間に修復されていく。
全身が青く輝き、エーテルが彼女を中心に渦を巻く。
さながら暗黒天体の様にそれらを大王は貪りだす。
進化が始まる。
敵対的な存在、自分を壊しえる存在を見つけた彼女の身体は最適化と更新を行うのだ。
何の感慨もみせず大王は冷たく澄んだ殺意を口にした。
「繁栄は許されない。私は貴様たちの全てを殺しつくす。
お前を殺し、ローマを殺し、この世界から全ての命を消し去ることが私の願い」
人間を殺す。
幻想を殺す。
神秘を殺す。
文明を殺す。
過去を殺す。
未来を殺す。
現在を殺す。
命を全て殺す。
そしてこの星を殺す。
最期は自分も殺す。何も残らなくていい、この世の何もかも消し去ってやる。
朗々とアッティラは森羅万象への殺意を露わにしていく。
彼女が“使命”を語るたびにありえざる力が発露する。
刻まれた紋章が輝く。
それは遠い外宇宙からの悪意。
本来ならば欠けていたはずのそれは、完全なる形でここにある。
エーテルを一定量取り込むたびに彼女の力は数乗され、ルキウスと交戦した僅かな時間で大王はもはや先とは比べ物にならない域へと変貌していた。
大王が進むたびに草花が枯れ落ちる。
息も絶え絶えだった兵士たちが文字通り息の根を止められる。
存在するだけであらゆる命を崩壊へと追いやり、けた違いの規模で魂喰らいを行使してしまうのが彼女だ。
アッティラが剣先をルキウスへと向ける。
それだけで男は自らの首がずれ落ちる光景を幻視した。
もしもここに立っているのが彼でなければ、大王に敵意を向けられたという事実だけで因果がねじ曲がり死絶していたかもしれない。
男は頭の中で幾筋もの仮想の戦いを繰り広げ未来を予測する。
数百という戦いの未来を試行したが、どれも敗北しかない。
首を跳ねられた。
身体を砕かれた。
欠片も残さず吹き飛ばされた。
手足を引きちぎられ放り投げられた。
なまじ可能性を垣間見ることが出来るせいで、ルキウスは己の死にざまを数百と幻視した。
どうあっても勝てない。
明確な格上の存在、それがアッティラ大王だ。
ガンヴィウスはこれを試練と称した。
今までの自分では難題だと判った上で彼はアッティラ討伐を下した。
ならば計算を超えるしかない。でなければ彼からローマを解放するなど夢にも語れない。
己の穏やかな心音を聞きながらルキウスは熟考する。
この生涯において得難い難敵をどうやって殺したものかと。
ふと、何者かの声をルキウスは聞いた。
瞳を閉じ、意識を収束させよと。
彼の根底に作られた繋がりからの声、魔術的な要素ではない、もっと根源的な……起源ともいえる繋がり。
ルキウスは本能的に、まるでそうするのが当然の様に瞳を閉じた。
呼吸を整え、脱力し、項垂れるように頭を下げた。
ガンヴィウスが行う様に彼は大王を前にして瞑想を行う。
瞬間。彼の頭はこれまでにない程に冴えわたっていた。
時間が更に引き延ばされる。
暗闇の中、気配の外で大王が迫るのを彼は感じた。
先ほどとは次元の違う攻撃がもう間もなく放たれる。
あと数秒もすれば自分は死ぬと彼は悟った。
チリチリと肌を焼く殺意を感じながら、彼は“ナニカ”に手を伸ばし、薄い膜のようなソレを……ヴェールを拭い去った。
そして。
彼は。
■■した。
最も古い記憶である覗き込んできたガンヴィウスの顔が唐突に浮かんだ。
その顔が徐々に剥がれ落ちていく。
まるで張りぼてが風化して落ちていくように。
周囲の地形もすべてが崩れ落ちていく。
大地と空の境界線が消え去り、倒れていた亡骸が消えうせ、彼は紫色の霧に覆われた奇妙な世界に放り出された。
夜空には星のような光が煌めいているが、大地はなく自分が今どこに立っているか判らない。
時間は止まり。全ての流れは消え失せた。
そもそもここには時間という概念さえないのかもしれない。
多くの魔術師が語る「根源」とはこのような場所なのかもしれないと彼は思った。
周囲にはルキウスの亡骸が転がっている。
切り刻まれた者。
焼かれた者。
砕かれた者。
原型さえない者。
彼が数多く見てきたアッティラに敗北した己の姿がここにはある。
そしてこのまま戦えば恐らくそうなる未来の姿。
ふと視線を感じて上を向いて……ルキウスは思考を止めた。
これは───星空ではない。
あの無数の光は眼だ。
理解不能で巨大極まりない存在が自分を覗き込んでいる。
研究者がちっぽけな虫を観察し眺めるように、自分という矮小極まりない存在を理解不可能の何かが観察していた。
大陸よりも。月よりも。星よりも。
銀河よりも巨大な無限の広がりを持つモノに彼は見下ろされていた。
神とさえ表現することを憚れる極めて超大な存在であった。
ローマに存在するあらゆる芸術作品でもこのような存在は見たことがない。
まるで、まるで、と言い表す言葉を探すが何も出てこないし浮かばない。
あえて評するならば学者が提唱する人間の脳髄の中に存在するとされる超高度な情報伝達網を可視化したものか
はたまたはこうあると提唱されているジュピターの表面図であろう。
明確な物体としての形はないが、確かにそこにある「彼ら」は己たちの領域にまで侵入してきたルキウスに対して「彼ら」基準での見返りを与える。
ようこそシュラウドへ。歓迎する。息子よ、と。
『ここまで至ったか。大変結構。合格だ』
ルキウスは瞬間理解した。
これこそが己たちが神祖と崇める存在の正体なのだと。
人の前に見せる堂々とした姿と神祖としての名など偽りであると。
否。あれは慈悲なのかもしれない。
未だ星々の世界に手が届かぬ文明にとって、この存在は余りに理解の外にあるのだから。
【親心】
我らの息子にして創作物たるルキウス・ヒベリウスは素晴らしい快挙を成し遂げた。
我々の計算ではアッティラ大王に彼が勝利する可能性は■■■■回のシミュレートの結果、総合して10.24%であると判断されていたのだが
実際戦闘態勢に入ったアッティラ大王の戦闘能力を考慮した結果、限りなく0に近いという結果に修正されていた。
アッティラ大王の予想される正体はコレクターの用いていた巨人の残骸かもしくは複製、はたまた切断された無事なパーツが寄り集まって誕生したバックアップである。
単体で惑星を壊滅させる存在の残骸は当初予想していたよりも遥かに高い戦闘能力を未だ保持しているようだった。
0と1の間には無限の広がりがある。
勝率が1%であったならば我々もここまで積極的な介入はしなかったであろう。
そのままでは間違いなくルキウスは倒れると判断した我々は一か八か彼に囁きかけることにした。
もしもこの声を認識するならばよし、ダメならばアッティラに殺された後、死体を回収し我々の外部操作で動く端末へと作り替える予定であった。
ここまで育った上に大々的に民の前で次代の皇帝と宣言してしまった以上、彼の死は我々の計画を大幅に後退させる要因となる。
それは容認できない。
既に「剣」の所有者は現れ順調にブリテンを平定している。
ヴォーティガーンの記憶を読み取った結果、あの島には我々の予想以上のアノマリーの宝庫が存在することは発覚しており、そちらの計画も進み続けている。
全てを手に入れる為にはルキウスの存在は非常に重要となってくる。
失うわけにはいかない、最悪肉体だけでも。
そして彼は我々の差し出したチャンスを見事につかみ取った。
物質的な制約にとらわれた者と我々が交信するためにシュラウドの一部に作り出した空間に彼は今いる。
ここまですんなりと事がうまくいったのは我々にとって嬉しい誤算である。
超能力者としてもルキウスは素晴らしい素質を秘めている。
そうなるように因子を埋め込んだのは我々だが、こうして開花させたのは間違いなく彼の今までの献身の成果だ。
故に我々は今までの彼の努力に対して相応の見返りを与えることにした。
『合格だ。お前はシュラウドを認識できた。
既にアッティラ大王の討伐など問題ではない。奴を片付ける為の力をお前にやろう』
シュラウド・リンクを開始。
今のアッティラと比してもなお圧倒的と称せるほどの力と大王を殺しえるであろう事象崩壊攻撃を始めとした幾つかの術をルキウスに与えようとするが
彼は我々をまっすぐに見つめ首を横に振り声を張り上げた。
「天上に座す偉大なる御方、どうかそのまま俺とアッティラの戦いをご覧になってください!
俺はいつか貴方からローマを巣立たせる事を夢とする者!
ここが分岐点なのです。
俺たちが貴方の愛玩存在で終わるか、または貴方の予想さえ超える可能性を生み出せるかの!」
ルキウスの力強い訴えに我々はマーリンの言葉を想起した。
我々のやり方では可能性を縮めてしまうという、納得のいく指摘を。
ルキウスとマーリンの両者にそう評されたということは、つまり事実なのだろう。
「そもそもこの試練を与えたのは貴方だ!
ならば───黙って俺の戦いを見ていろ! 一度任せたのならば口を挟むんじゃねえ!!」
なるほどその通りである。
そして時にはどうあっても養殖ではたどり着けない天然モノも存在する。
彼の精神の輝きは未だかつてない程に高まり続けている。
しかしルキウスを失うわけにはいかない。
だが興味もある。
ルキウスの可能性を観測できれば
より深いSOL3の知的生物の精神活動とそれに付随する可能性開花に対しての知見を得られるだろう。
この星の知的生命体の精神活動は時として奇跡さえ引き寄せることがある。
それは即ち、我々の提唱する論理の正しさの証明でもあった。
之を否定することは今までの我々の歴史の否定である。
逡巡は一瞬。
しかして天文学的な回数の計算を繰り返し結果は出た。
不合理。非効率。回り道。遠回り。これを表す言葉は幾つもある。
大変結構。最高効率だけを目指すのならば機械にでも演算を任せておけばいい。我々は違う。
『シュラウドとの接続は残しておく。
これはお前自身が勝ち取った新たな境地。だがそれだけだ。我々は手助けしない。
そして仮にお前が敗れて死んだ時はお前の肉体を好きにさせてもらう。お前の存在は我々の計画に必須だ』
『最後の確認である。────本当にいいのか?』
是非もなしとルキウスは答え、現実が追いついた。
【剣帝ルキウス・ヒベリウス】
「……?」
鞭のようにしなる剣がルキウスの立っていた個所を直撃し、新たなクレーターを作る。
だが確かに感じた手ごたえと、それに付随する違和感にアッティラ大王は顔を傾げた。
殺戮機構の如き存在である彼女の絡繰り染みた思考回路の中にあっても、湧いて出た違和は無視できるものではなかった。
巻き上がった粉塵が晴れれば、そこにはルキウスがいた。
彼は限界まで強化した長剣でアッティラの一撃を見事に防ぎきっている。
刀身を僅かに傾けて攻撃を受けることで、彼は大王の破壊を受け流し耐えたのだ。
くるくると回りながら折れた刀身が空を舞う。
しかしルキウスの身体からこぼれ出る不気味な青紫の霧が折れた剣にまとわりつき、半透明の脈打つ幻の如き剣を形成した。
大王の殺意を流し込まれた大地は隆起しあちらこちらに小規模な地割れが引き起こされてしまっている。
金属が巻き戻される不気味な音と共にアッティラの剣が元の長さに戻る。
彼は何でもないように足を踏み出す。
剣や体の調子を確かめるように腕や首を鳴らしながら進む。
アッティラも同じように進みだし、やがて両者の歩みは速足となり、最後は全力の疾走となった。
秒もかからずに剣と剣が激突し余波で更に大地が抉れた。
超速で剣同士がぶつかり合う。
一見すれば力任せの様に見えてその実計算された剣筋のルキウスと徹頭徹尾冷たく感情というものを見せない大王の戦いは真逆であった。
ルキウスの剣が大王の首を狙う。
当然の様にはじき返され、ルキウスの左腕を根本から切断する軌跡で剣が振り下ろされる。
しかして大王の剣はちっぽけな人間を真っ二つにすることは出来ず、虚空を切り裂くだけだった。
攻撃を回避された大王は左足を折りたたみ、右足を軸に身体を車輪の様に半回転させ猛烈な勢いの宿った蹴りを繰り出した。
それは寸分たがわずルキウスの腹部に命中し、彼は血反吐を吐く。
身体を突き抜けた衝撃だけで彼の背後にあった小高い丘が抉れる。
しかしルキウスは倒れも後退もしない。彼は笑っていた。
血反吐を吐き、臓器の幾つかを叩き潰されながらなお彼は今を楽しんでいた。
お返しとばかりに突き出された拳はアッティラの顔面に命中し彼女を仰け反らせるが、この程度は何の問題もないと言わんばかりに大王は沿った態勢からすぐに復帰する。
アッティラの額に浮かんだ傷が再生する。
ルキウスの臓器は瞬く間に超回復しより強力な機能を得て再起動する。
限りなく不死身に近い両者の戦いは果てが見えない消耗戦であった。
そして暖機運転は今を以て終わりである。
ルキウスは改めてアッティラの強さを実感し全身全霊を尽くして超えるべき壁だと理解した。
アッティラは目の前の男を完全に破壊することを最初に決めたまま何も変わらない。
二人とも何も発さず、黙々と構えなおす。
言葉はいらない。
既に目的は宣言し終えた。
後は殺し合って勝者を決めるだけ。
「ッッッ!」
最初に動いたのはルキウスである。
己の内側から溢れる力を更に細かく、狂う程に緻密に制御して先ほどは弾かれた技を更に練ってくりだす。
やはりというべきかアッティラ大王の身体に弱点はない。
臓器もなく、万能にして完璧なる細胞の集合体である。
だがそんなことは問題ではない。
現に今まで彼女を一度たりとも殺しえていないのだから、理屈を考えてもしょうがない。
何よりそういった小賢しい考えを抱きながら戦うのはルキウス・ヒベリウスという男には似合わない。
狙うはただ一点。頭部である。
おおよその生物の弱点であるそこを失った場合どうなるかをまだ確認していない。
何より、ルキウスはアッティラ大王の首を跳ね飛ばすか、その死人の様に整った顔を叩き割りたくてしょうがないのだ。
頭の中で何かが切り替わり、ルキウスの時間だけが周囲とズレる。
数値にして5倍の加速。
世界の全てが普段の2割の速さにまで落ちる中、アッティラだけはいつも通りの速度で動いていた。
彼女の赤い瞳。美しいソレを砕く意識でルキウスは殺意を紡ぐ。
これで終わりならば敗北。逆に殺しきれたならば勝利。実に容易い話だ。
ほぼ同時に放たれる9つの斬撃。
それらは多種多様な三次元の軌道を描きながら頭だけを狙っていた。
爆音が鳴り渡り迫るソレをアッティラはやはりというべきか片手で軽々としのぎ切る。
四方八方へ衝撃は拡散し世界を刻んでいく。
流れ弾と化した一撃が城塞都市の一部を粉々に吹き飛ばした。
まずは5倍。
そして、次に飛んできた9つの斬撃が彼女を襲う。
そしてそれも弾く。僅かに手がしびれる。
6。
更に飛ぶ9連。
弾く。腕に衝撃が走り大王は眉を潜めた。
7。
続く9発。
先よりも威力速度共に跳ね上がっていたソレを逸らしきれずに一撃が掠り大王の頬に傷が走った。
8。
「っ……!」
吹き荒れる9発。
遂にアッティラの口から呻きとも取れる吐息が漏れる。
二発、勢いを殺しきれなかった攻撃が体の各所に痛打を与えた。
9。
そうはさせるかとアッティラ大王の剣が青い残光を描きながらルキウスの攻撃を迎撃する。
見よう見まねで再現された9つの殺意がルキウスの殺意と衝突し大爆発を起こし、大陸の地殻へと影響を与えるほどの力によって局所的な地震が起きた。
10。
知った事かとルキウスは更に加速を続ける。
全身が悲鳴を上げ、骨が折れるが瞬時に超再生し強化される。
何度も弾かれる中学習したアッティラが迎撃を苦手とする角度を割り出し、ソレを基点として軌道を演算し描く。
何度迎撃しようと、何度弾かれようと、何度再生しようと、その全てを悉く上回り殺しつくしてやる覇気がここにはある。
縦横無尽に剣が暴れ回る。
ルキウスの剣とアッティラの剣は目視できない速度でぶつかり合い、周囲に壊滅的な余波を撒き散らしていた。
そんな中、アッティラ大王の剣が不気味に輝きだす。
鍔が大きく展開し2対6枚の不気味なカギ爪の様な異相を露わにした。
しかし───11。
暴風は続く。強化と加速、際限なく高まり続ける射殺す絶殺。
当初の11倍の速度で叩き込まれる攻撃はもはや切れ目さえ判らない。
9人の英雄が同時に最高の効率で連携を行うが如き死の嵐がここにはある。
右から。
左から。
上から。
下から。
斜めから。
後方から。
未来から。
過去から。
現在から。
一つ一つの剣筋が生き物のように空間でのたうちまわり、たった一つの命中地点である頭部を狙って迫り続ける。
もう少し、もう少しでルキウスの剣は秩序というつまらない物理法則を破壊する域へと迫っている。
だがアッティラはそのようなモノを待つ気はない。
既に9つの内半数程度しかはたき落とせていない彼女の身体は見る見る削れては戻るを繰り返し続ける有様だ。
しかし身体性能は欠片も衰えていない。
痛みも感じず、恐怖もなく、感慨もなく彼女はルキウスを破壊するために動く。
「強い命よ、壊れろ」
滔々と無機質な声で呟けば、彼女の剣は更に強く輝く。
禍々しい瞳を焼く虹色の光である。
刀身が螺旋を描くように回転し、膨大なエーテルを循環させながら回転を強めていく。
彼女を中心に大渦が作り出される。
それは戦場を飲み込み、ローマを貪し、大陸全土での異常気象を引き起こす。
惑星を殺しうる規模の力の発露、かつての巨人が振るったアンチ・テラフォーミングシステムの一端である。
大気がかき混ぜられ、原子が混ざり合い、原初の混沌の海が再現される。
ここから何も生まれない、生み出させない、永遠にこのまま放置されて後は絶えるだけの世界。
天地即致す劫末の輝きである。
監視していた「彼ら」さえ想定外であるとし危機の脅威度を数段跳ね上げる規模のエネルギーをアッティラは支配する。
地球の命を丸ごと吸い上げながらアッティラ大王は全て剣へと束ねた上で力任せにルキウスへと叩き込んだ。
「──────。」
瞬間、ルキウスは己の限界を無理やりこじ開ける。
眼球が破裂し光さえ失いながら彼は己の直感のみを頼りに撃つべき所に剣撃を撃ち込む。
20倍にまで加速された9つの攻撃が瞬間大王の光剣へと撃ち込まれ……遂に“重なった”
────此処にありえざる事が起き、世界はそのつじつま合わせを行った。
この星のあらゆるものを破壊する剣とこの世ではありえない事象の崩壊がぶつかり合う。
キィンという高い音がした。
氷を槌で叩き割った時の様な心地のいい音。
半ばより“消滅”した大王の剣の残骸が飛び散っていた。
剣に収束していたエーテルが制御を無くして吹き荒れ逆流する。
剣を通して大王の体内に途方もない熱量が送り込まれ彼女の身体を内側から隅々まで細胞単位で消し去っていく。
身体のあちこちから光を噴き出し血液を蒸発させながら、それでもアッティラは剣を振りかざそうとした。
半ばより消え去った剣を無理やり再起動させ、柄を展開し制御を無視して最後の機能を使用。
己を中心に発生する無差別終末攻撃。
天からの落涙によって全てを無へと返さんと彼女は動く。
しかしそれは叶わなかった。
今まで放っていた9つの剣筋に比べればあまりに稚拙だが、現状では最適ともいえる効果的な剣閃が彼女の身体を瞬時に切り刻んだ。
剣を握りしめていた右腕が空を飛び、そのまま遠くへと落ちていく。
それを彼女はどこか他人事のように見つめていた。
迫る今宵最高の威力を誇る9つの死を前にしても何も変わらず、救われず、大王は呟くだけだった。
「ここで終わりか。────私は何がしたかったんだろうな」
零れた言葉を拾ってくれる者は誰もいない。
誰も彼女を愛さない。誰も彼女を知りえない。少なくとも、この地では。
諦めを抱きながら大王は皇帝の攻撃に飲まれ跡形もなく全身を粉砕され、この世から今度こそ完全に消え失せた。
彼女がつい今までいた空間には無虚な穴が開いており、もう誰もそこにはいない。
大王のつけていた白いヴェールが風に流されて空へと消えていく。
「……欲のない王に何の価値があろうか。
アッティラよ、貴様は王などよりもそこいらの村娘の方が性にあっていだろうな」
口から零れるのは侮蔑ではなく純粋な感想だった。
あれだけの凄まじい力を持ちながらも根底は空虚で、何かの操り人形染みていた彼女への憐憫かもしれない。
いや、操り人形なのは自分も同じかもしれないと男は噛み締めた。
大王を下し勝者となったルキウスは一人佇む。
かつてない程の疲労を感じながらも彼は宙の先を見据え、次いで振り返る。
多くの兵士たちが彼を見ていた。
憧れ。恐怖。畏怖。崇拝。あらゆる感情が彼に向けられるがそれが皇帝というものである。
ルキウスはその全てを飲み干す程の熾烈な笑みを浮かべ、剣を高らかに翳して宣言した。
「アッティラ大王はこのルキウス・ヒベリウスが討ち取った!
神祖クィリヌスよ! わが戦い、我らローマの勝利を祝福あれ!
─────ローマに、栄光あれ!!」
熱は瞬く間に響き渡りローマを称える絶唱が満ち満ちる。
剣帝ルキウスという男が誕生したのは、今この瞬間であった。
【計画】
戴冠式を無事終え、正式に皇帝となったルキウスと神祖は並んで眼下に広がるローマの市街地を見下ろしていた。
彼は腰にガリアの総督からの贈り物である新しい剣を携え、堂々とした佇まいに相応しい豪奢な鎧を着こんでいる。
正に支配者という他ならない姿は皇帝に相応しい覇気を彼に与えていた。
そんな彼にガンヴィウスはとても上機嫌そうに声をかけた。
「あの戦いのお前の勝率は限りなく0だった。机上の空論などお前には意味がないようだな」
「……勝敗を分けたのは“欲”です。
あの女には何もなかった。
何を以てしても勝利を掴もうとする意志がなければ栄光を手に入れる事など出来ません」
さて、とルキウスはガンヴィウスへと本題を切り出す。
「あえて問いましょう。
────貴方様は、真なる神祖クィリヌスではありませんね?」
「そうだ。その名前は我々の数多くあるモノの一つに過ぎん」
拍子抜けするほどあっさりとガンヴィウスは答えた。
さて、どうするか? と「彼ら」はルキウスを見つめる。
彼らが見る限りではこの若い皇帝の中身はとても穏やかであった。
「然様でございますか」
「俺たちを騙した、貴様の正体は何だ、等とは言わないのだな」
「何故俺がそのような事を?
貴方様は事実としてこのローマを千年に渡りお導き下さった御方なのは事実。
民を庇護し、国を栄えさせるが故に、貴方様はどう振舞おうと許されるのです」
力により齎される秩序。
ガンヴィウスの在り方はルキウスにとっては当然である。
悪政も圧制もなく、自らのやりたいように国を動かし、そして同時に自分の欲望も叶える姿は正に地上における神といえよう。
そうか、とだけガンヴィウスは返す。
彼にとって永遠帝国を繁栄させることなど当たり前の雑務にすぎない。
彼らは無情ではない、従うのならば相応の見返りを与えるのは当然だと考えている。
同時にスパルタクスの様に逆らう愚者には究極ともいえる残忍性を見せるのも必要であるが。
「お前の夢は先の通り変わらないな? 私からこのローマを巣立たせるという」
ルキウスの頷きを見てからガンヴィウスは大変結構と呟き、懐より数枚の書類を取り出して渡す。
円卓の騎士、宮廷魔術師、そしてアーサー王についてまとめられた資料の中身は若き皇帝の興味を十二分に惹くものであった。
「次の目標はブリテン王国及びアーサー王である。
かの地をローマへと併合し、アーサー王のもつ装備を手に入れるのが目的だ」
そしてと続く言葉にルキウスは眼を細めた。
「ブリテン王国を併合後、私は身を引こう。
望み通り、己たちの手でローマを星々の海に至るまで育ててみせるがいい」
「─────仰せのままに父上。赤き竜退治をご覧にいれましょう」
大変結構とガンヴィウスは頷き、これからの計画の最終的な見直しを始めるのだった。
アーサー王と円卓。
妖精。幻想。神秘。魔術と魔法。
「彼ら」は未知を求める。ヴォーティガーンの記憶の中にあった興味深いアノマリー調査に今彼は取り掛かっていた。
ルキウスには見せなかった資料の内の一枚にはこう書かれていた。
「霊墓アルビオン発掘調査計画及び調査拠点設営」と。
スペシャルプロジェクトが発生しました。
アノマリー「霊墓探索」を開始します。
状況推移
ルキウスが皇帝となりました。
ブリテン攻略に備えて軍の装備の見直しが進んでいます。
大王の支配領土を併合後、安定度の上昇と同時にブリテン王国との駆け引きを開始します。
またブリテン王国の一部に重要なアノマリーを発見しました。
王国に内密で現地の協力者と共に発掘作業を開始しています。
悪い癖が出てきたので何とか文字数を押さえました。
勢いのままに書くと数倍に膨らんで更新できない悪循環が出てくるのは悪い文明です。