俺達が支度をし終わった翌日の日、ケイコはメンレを離れる事を伝えに村長やその他の人に伝えに出かけた。
俺はと言うとケイコの家にある本を読んでいた。
正確には解読しながら読もうとしている。
今
しかも紙製の。
今時珍しい情報記入方法で最初は躊躇ったがケイコ曰く乱暴に扱わなければいいとの事で
「うーん、題名や初めのほうに出てくる図とかから察するに魔法や魔術関連だが、この最初の文章はちょっと……」
“原初の理、即ち万物万象のものは全にして個、個は全なり。”
……何がどうなれば全部が一個で一個が全部になるんだ?
分からん。 とりあえず読んで頭に叩きこむかスマホでメモっとこ、損はしないだろ。
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「本当に行くのか、
「はい」
私はそう心配するハイムさんに答え、隣のローレさんが話す。
「
「でもよう、聞く話によると“空の向こう側”に行くって話じゃねえか。大丈夫か?」
彼の疑問は分かる、
「……不安がないといえば嘘になります。 ですが私は帰ってくるつもりです。」
「いや、
「心配は無用です。 いざとなれば……覚悟は決まっています」
「……」
ハイムさんとローレさんが黙り込む。
「だが────」
「あなた、彼女を信じましょう?」
「け、けどよう────」
やはりこの二人は良い人達だ。 今の私にも懸命に接してくれている。
「ありがとうございます、ローレさん。」
「いいのよ。 私はただあなたがまた何かをやりたいと行動してるのがうれしいのよ。」
ローレさんが私に微笑み、ハイムさんが諦めたように溜息をする。
「それが嬢ちゃんの望みなら、反対はしない。 ササキ様と約束したしな。」
「ちょ、ちょっとあなた────」
腕を組みハイムさんに対してローレさんが珍しく慌てる。
そう言えば父上の名前を聞くのも久しい。
「大丈夫ですよローレさん。」
「で、でも」
私は二人を安心させる為に笑顔を作る。
「わかった、村長や領主様に送る文は俺たちが責任をもって送り届けよう。 説得は……まあ何とかさせるか」
「ありがとうございます、ハイムさん。」
私は礼をしながら腰を深く折り、頭を下げる。
「ケイコちゃん、私達だから良いけど他の事情の知っている人達にしたら────」
「お二人ですから」
この人たちには頭が上がらない、
「……ちょっと待ってろ。」
ハイムさんは席を立ち、奥へと消える。
「……ごめんなさいねケイコちゃん、あの人は反対しているんじゃなくて単に貴方の心配をしているだけなの。 失礼かもしれないけど、貴方は私達にとってもう一人の子供だから」
「失礼だなんて考えた事はないですよ」
「待たせたな。」
ハイムさんが戻り、テーブルの上に袋と共に────
「これは────」
「聞く話によると
「……ありがとうございますハイムさん。
そういい、私は袋と共に置かれ鞘に納められている“モノ
「やはり……
「“殺生の為だけに斬る”のは余程の事がない限りご法度だからな。その分重いさ」
「ありがとうございます。これは?」
私は袋の中を見、びっくりする程の金貨などが入っていた。
「こ、これは────」
「路銀代わりに使ってくれ。俺達は金に執着はないが
本当に、何から何まで……
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「お、よう。戻ったか」
扉が開き俺はケイコに声をかけた。
「すごい荷物だな、それに────」
俺はケイコの持っていた袋と
「珍しい剣だな。」
「ええ、もともと父上のものをハイムさんから────」
説明を続けるケイコに相槌をしながら刀を見る。 刀なんて高価な接近戦用武器なんて士官共が自分のお金を出してまで取り寄せる
実際の戦場ではすぐ刃こぼれはするわ、折れるわ、メンテナンスはめんどくさいわで色々と問題のある武器として聞いている。
その反面切れ味はピカイチで……
……まあ見た目がカッコいいのは不定しない。
「マイケルさん?」
「ああ、悪い。刀なんて久ぶりに見るもんだからさ」
「カタナ? モノ
何その名前。
「物騒な名前だな?」
「剣や包丁などの使い道では無く、ただ相手を“斬る”為にあるものですから」
なんだそりゃ?
声に出しそうになったが、俺は立ち上がり窓の外を見る。
「そろそろ行くか?」
「ええ」
……
メンレの城壁を超えたあたりから俺とケイコの間に会話が弾み始める。
地球はどんな場所なのか、俺の事とか。
「ん~、ガイアみたいに他種族はいないかな? こっちで言う人族がメインで、後はサイボーグ化した奴らに“
「“さいぼおぐ”?“どっか”?」
「サイボーグは欠損した部分を機械で補っている人のことだ。 例えば亡くなった右腕や足を機械に変えてまた使えるようにするとか」
「それは……凄いですね」
「
「その“サイボーグ”と“ドッカ”はどう違うんですか?」
「サイボーグはもとは人間だからな、
「?」
「ええと、つまり
「は、はあ」
やっぱ伝わりにくいか。 まあ無理もないか、実物を見ればわかるだろ。
そう思いながら俺達は“大樹の森”の中に不時着した救命ポッド付近までついた。
「おし、準備はいいか?」
「あ、その前に────」
「ん?」
「私やガイアの事はどういう扱いになるのでしょうか?」
そういや
「あー、お前の事は現地の協力者で通せる。ガイアは多分だが大丈夫なんじゃね?」
「どういう事ですか?」
「言っちゃ悪いが、目ぼしい物が無い。直ぐに戦いに活用できる物が無い」
これで魔法がすぐ使えるってんなら話は別だが修行が必要だしな。
「……そうですか」
「“時間の無駄”と軍上層部にハンコを押されるだろ。 ま、何かするとしたら監視のために人工衛星か高軌道偵察機を配置するぐらいだろ」
「ならば良いのですが……」
「お、来た来た────」
お腹にグッとくる(もしくは響く)音がし上を見ると夜空をバックドロップに大きな影が徐々に大きくなり、風が強くなる。
埃や土煙を吸わないように俺は布を通してなるべき浅く息をする。 ケイコには前に宇宙服についていたフルフェイスヘルメットをかぶせた。
船が着陸し音が低音に切り替わり中から数名の兵士とら士官しきものが出てくる。
「マイケル軍曹だな?」
「ハッ、そうであります!」
「うむ、待たせたな。こんな辺境惑星でよく無事でいてくれて何よりだ。 して、そちらの者は?」
士官(階級ワッペンを見たら准尉)がフルフェイスヘルメットを脱いだケイコを見る。
うわ、髪がちょっとボサボサになってるな。 悪いことをしたな。
「この惑星の現地の協力者であります!」
「何?」
准尉がケイコを見、他の兵士の注目が彼女と俺たちの近くにある荷物に行く。
「何で彼女がここにいる?」
「彼女には恩があるので、出来ればそれを返したいと思ったからであります!」
「まさか一緒に
「そうであります!」
「……とにかく船に戻ろう、ここに長居は無用だ。あまりにも臭い────」
そういうと准尉は踵を返し船の中に戻り、俺も歩き始める。 他の兵士たちがケイコに近づくのを見て俺は止めた。
「待ってくれ、言語が通じない。俺に任せてくれないか?」
荷物をまとめ、俺たちと兵士達が船に入ると扉が閉まりまた響き音がする。
軽い検問を俺たちと持ってきた荷物がされる間ケイコは近くの窓の外を見た。
「……」
「どうした?」
俺がガイア語で話しかけるがケイコはまだ窓の外を見てガイアがみるみると遥か下のほうに動く。
「本当に
「なんだ、信じてなかったのか?」
「……な、何かあったら俺に言えよ? 一応俺が世話係の形になってるからな」
「は、はい」
う~む、これから忙しくなるぞ。 検問の後には体の検査、そのあとは報告。
……
。。
。
「凄いですマイケルさん! 外にガイアがあります!」
めっっっっちゃ興奮してますねお客さん。
現代風の服に着替えたケイコは通路の窓の外にあるガイアを指さして張り切っている。
さっきやっと報告が終わって解放された俺達だがケイコの調子はさっきからこんな感じだ。
見る物すべてが新しく、刺激が止まらないらしく他のやつらの注目を浴びる。
「────おい、あいつが噂の────」
「────案外かわいいな────」
「────写真撮らせてくれねえかな────」
「────あの太ももに埋もれたい────」
おい、最後のヤツ裏にツラ貸せやオラ。
だが同感だ。 ケイコが着替えたのは所謂、軍人学生風の服ですっごい似合っている(世事抜き)。
民族衣装もよかったが、これもなかなか────
「あ、見てくださいマイケルさん! キョーゲ大陸があんなに小さく!」
「おう、珍しいもんが見えて満足か?」
「もうどこから語り始めばいいのか、驚愕の嵐で────!」
俺は思わずウキウキしているケイコの頭を撫でた。 周りの視線が一気に厳しくなるが無視。
「あ────」
「ん? っとと、悪かった。ついアイツと被ってて────」
呆気にとられたようなケイコから目を逸らす。
「い、いえ……“アイツ”?」
「知ってたヤツさ────」
そう言い俺はスマホを弄りアドレス帳をケイコに見せる。
「これは?」
「俺の知人リスト」
「この赤色は────?」
「ああ、戦死か
「────え? で、ですがこれはほぼ赤────」
「ま、今時珍しくもないさ」
俺は赤色の名前の一つを見、ケイコに見せる。
「この子さ。ラケールって言って俺の……」
俺は“アイツ”のことを考え、言葉を無くす。
「……想い人だったのですか?」
俺は頭を横に振る。
「そんなんじゃないさ。 強いて言うなら……“腐れ縁”って奴だ」
俺はラケールの赤色の名前を見て、何とも言えないモヤモヤした感じが胸に広がるが────
「さて! 義務事業は今のところ無いし、
────俺は気持ちを切り替え、ケイコをこの船の
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