俺と僕と私と儂   作:haru970

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第10話 「“戦”」

 (ケイコ)は今空を大きな船らしき物に乗り、今マイケルさんにいろいろと教えてもらっていながら飛んでいる。

 

 空を飛ぶ船、“機械”という発明、今私が着ている服も聞く所によると人の手で作られたのではなく“機械”が作ったそうです。

 

 驚愕の連続で上手く言えないのですが、()()()()()()()()世界。

 代わりに別の技術、所謂“化学”という誰もが使える“力”。

 

 なんと良い事なのでしょう。 良い事のはずなのですが、あまりにも“戦い”に傾いているの何故でしょうか?

 

「え? 何故って……何故なんだろうな?」

 

 食堂で食事をとりながら(食事も“機械”が作っているとは……)私が問い、マイケルが腕を組み困った顔をしそう答える。

 

「考えた事ねえや」

 

 これは……何か変です。 違う種などにはある違う価値観なのでしょうか?

 

「ですがよく……その……滅びないですね」

 

 “滅び”は言うべき事ではない不吉な事ですが、素直にそう思えて仕方がない。

 

「まあな、人口維持の為にいろいろ開発したからな。“Docka(人口人形)”もその過程で作られたからな。 お? 丁度良いや、あそこに座ってる奴を見な?」

 

 マイケルが視線を送っている方向に私も見、他のテーブルに座っている三人組が話しながら笑い合っているの見える。

 

「はあ……男性二人に女性一人の彼らですか?」

 

「あいつら全員“Docka(人口人形)”だ」

 

「えええええええええ?! で、ですが彼らはどう見ても────」

 

 どう見ても人間じゃないですか! そう私が言う前にマイケルが答え、私が食べる前に祈りを捧げる時みたいに周りは一瞬ざわめく。

 

 が、やはりさっきの祈りや私の喋る言葉が違うのが分かったのかざわめきが収まる。

 

「────奴らのうなじ辺りをよ~く見な? 皮が薄くなっててそこに接続ポートがあるから」

 

 私が集中し彼の言うように見ると確かに皮膚の下に何か埋まっているような物が見えた。

 

「“せつぞくぽーと”?」

 

「えーと────」

 

 マイケルが言うには“あっぷでーと”や“ほぞん”などの役割を果たすそうだ。

 

「彼らが人口維持とどういうふうに繋がるのですか?」

 

「んぐ……そ、それは……その……アレだ。」

 

「“あれ”?って何ですか?」

 

 またまた知らない事が出ました。

 今度は私にマイケルが説明する番になりましたね。

 

 ですがなんで赤くなりウズウズしているのでしょうか?

 

 ……もしや“()()()”でしょうか?

 

 _________________________________________

 

 どない説明せえーちゅーうねん!

 

 (マイケル)はそう心の中で叫びケイコの質問にどう答えるか頭をいまフル回転中。

 

 とりあえず順番にシミュレートしてみよう。

 

 Docka(人口人形)とは“アレ”が出来る。『ですからアレとは何ですか?』

 駄目だ、堂々巡りになる。

 

 Docka(人口人形)と一緒にいるとコウノトリ(ていうかガイアにあるかコウノトリ?あると想定しよう)が子供を持ってくる。『そうなんですか? ですが一緒にいるだけでそんな事が……』

 これもイマイチだな。

 

 Docka(人口人形)とは○○○○が出来る。『きゃあああ!マイケルさんの変態! スケベ!』 バシン!

 何故か俺がモミジ形の跡が付いてる頬っぺたに憲兵に捕縛されるイメージが……

 

 う~ん……

 全然いい考えが思い浮かばん。 ここは────!

 

「あ、ちなみに甘いものは好きならクレープ食べるか、持ってこようか?」

 

 名付けて、“意識を甘いものに逸らせる”作戦だ!

 

「“くれーぷ”?」

 

「じゃあ、持ってくる────」

 

「あ、ですがさっきの人口維持────」

 

 無視無視無視無視無視無視無視!

 

 俺は食事レプリケーターに行き、チョコバナナアイスクレープ(激甘そう)を二人分持って帰る。

 

「これ────」

 

「あー!“チンチョ焼き”の事でしたか!」

 

 ちんちょやき? なにそれ。あ、くれーぷのことですか。

 

「ってガイアにもあるのかよ?!」

 

「はい! かなり高価な甘味ですが」

 

 ケイコがクレープを手に取り食べ始める。

 

「この冷たいのがいいですね~」

 

 ……なんか今のケイコの笑顔、いつもと違うな。

 

 こう、柔らかいというか何というか。

 

 いや頬っぺは柔らかいのは知ってるがそうじゃない。

 

「え~と……」

 

 ケイコがチラチラと俺のクレープを見る────

 って食べるの早いなオイ?!

 

「……もう一つ食────?」

 

「はい、いただけるのなら!」

 

 うおっふ、スンゴイ食いつき。

 

「いいぞ、まだまだあるからな」

 

 俺はまたクレープを奢り、ケイコとの会話に戻った(人口維持の話題には戻らなかった)。

 

 でも面白いなケイコの物の取り方。 

 “馬無し馬車(自動車)”とか“燃える水(ガソリン)”とか“魂の鏡(写真)”とか。

 

 アイツ(ラケール)が好きだった旧世界の“時代劇”の人が現代に来たみたいだ。

 

 今度時代劇に連れて行って反応を見るのも面白そうだな。

 

「そう言えば機動兵(モビルソルジャー)をまだ見せていないな」

 

「“もびるそるじゃー”?」

 

「ま、見てのお楽しみって奴だ。」

 

 …………っと格納庫に来るまであんなに辺りをキョロキョロ見ていたのに何故か機動兵(モビルソルジャー)を見た瞬間石像みたいに固まってるケイコが隣にいる。

 

「お~い、大丈夫かー?」

 

「“天空人”……」

 

「え?」

 

 “てんくうびと”? 新しい単語だな。

 

「おいケイコ?」

 

「……はッ?! あ、す、すみませんマイケルさん」

 

「い、いや俺は良いんだが────」

 

 ケイコが整備されるHMS────106(通称“十六式”)を見上げる。

 

「……大きいですね」

 

「だな」

 

 さっき言ってた“てんくうびと”ってのが気になるが……

 

 まあ、いっか。って────

 

「ちょっと待った!」

 

 俺は格納庫に入りそうなケイコの腕を掴み彼女を止める。

 

「何そのまま入ろうとしてるんだよ?」

 

「え?ダメですか?」

 

「いや、ダメじゃないんだが中は整備しやすいように低重力区域になってるんだ」

 

「“ていじゅうりょくくいき”?」

 

 ハテナマークを出す()()()()姿のケイコを見る。

 

「あー、その服装のまま入るといろいろと大変な事になる」

 

「?」

 

 今に聞こえるぜ、ケイコの悲鳴と整備士+訓練生の声が。

 

「えーと、もっと近くで見たいか?」

 

「もし、迷惑でなければ」

 

「じゃあ着替えるぞ」

 

 俺達は近くにあったパイロットスーツ(ケイコのは訓練生用)を手に取り近くの着替え室に向か────

 

「あ、ちょいまち────!」

 

 やばい!

 

「へ────?」

 

 俺の静止の声が一足遅く、ケイコが振りかえながら着替え室に入り────

 

 ────身体と()が浮き始めた。

 

「ひゃああああああああ?!」

 

 忘れてた、今訓練生達に重力の変化に慣れさせる為に着替え室が多分無重力設定されていたと。

 

「マ、マイケルさ~ん!」

 

 ケイコが浮き始めた服を抑えながら必死に助けを呼ぶ。

 

 ……脚線美ゴチでした!

 っとふざけてる場合じゃないや。

 

 ……

 

「それじゃ、いくぞ」

 

「は、はい!」

 

 パイロットスーツに着替えて(着替え室内の重力を元の地球(テラ)基準に戻した)俺たちは格納庫の中に入る。

 

「や、やはり慣れないものですね」

 

「もうちょっとしたら慣れるさ」

 

 俺たちは“十六式”の整備をさせられている訓練生達の近くに着く。

 

 ちなみにケイコのフォローを俺はしている(ワタワタしているところが何とも言えない)。

 

「彼らは何をしているんですか?」

 

「この“十六式”の装甲が所々外されてるだろ? 整備の訓練さ。 こうすればパイロットが応急処置ができるっていう話さ」

 

「すごいですね。マイケルさんも出来るのですか?」

 

「自慢だがパイロットととして腕は良いほうだと思う」

 

「……この、えっと……“じゅうろくしき”は古いのですか?」

 

「古い? 量産型の中では結構新型のはずだが?」

 

「どのくらい前からあるんですか?」

 

「“十六式”の開発が五年前ぐらいかな?」

 

「この“もびるそるじゃー”はいつ作られたのですか?」

 

機動兵(モビルソルジャー)か? う~ん……」

 

 いつだろ? マジで考えた事無い。

 

 俺が考えている間に訓練生達が俺達に気付き何人か近づく。

 

「軍曹! お聞きしてもよろしいでしょうか?!」

 

 俺は敬礼を返しながら彼らがケイコの方を一瞬見るのに気が付く。

 

「オウ、何だ一等兵共?」

 

「隣の女性が噂の原始人でしょうか?」

 

「はあ?!」

 

 おいちょっと待て! なんだそりゃ?! 噂のってどんな“噂”だよ?!

 

「もうちょっとその“噂”を詳しく」

 

「いえ、軍曹が降り立った惑星から“お供”を連れ帰って来たと」

 

 ナンデスト?

 

「それは違うから。ぜんっぜん違うから」

 

「ですがそれ以外の理由が────」

 

 俺達の口論を見てケイコが見合わせる。

 

「えっと────」

 

 訓練生の上級生(上等兵)が来て鬼の形相で怒鳴る。

 

「おいお前ら!訓練中に何やってんだ!」

 

「「ヒィ!」」

 

 訓練生達が烏合の衆ごとく散らばる。

 

「上等兵、ご苦労なこった」

 

「いえ、軍曹に失礼があるとなると────」

 

「こんなんで体罰するほど短気じゃねえよ」

 

「さすがですね」

 

 ってお前もチラチラ見るんかい。

 

「あの、何ですか?」

 

 ケイコが上等兵の視線に気付く。

 

「いえ、“綺麗だな”っと」

 

「あら、ありがとうございます“じょうとうへい”さん」

 

「う」

 

 赤面する気持ちは俺も分かるぞ上等兵。

 

 途端に船が揺れ、耳に来るサイレンが鳴りだす。

 

「な、何ですか?!」

 

 ケイコさんや、しがみ付くのは良いがパイロットスーツにも装甲があるんだぞ?

 

「これは敵襲だな」

 

「敵襲?」

 

「大方ディダ帝国の偵察部隊だろ」

 

 周りが騒がしくなり、俺の胸が高鳴るのを感じる。

 

「……何だか嬉しそうですねマイケルさん」

 

「ん? そうだな。ひっさびさの戦闘だからかな?」

 

「……」

 

 だからその顔は何なんだ?

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