俺と僕と私と儂   作:haru970

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第19話 「The Beginning Always Suddenly...」

「凄いですね」

 

 (ケイコ)は見慣れない展示品などを見渡しながら歩く。

 

「そう? こんな古い物余程の事が無い限り来ないわよ。 まあ、稀に物資の不足が在った場合旧式の装備や武器を使わなきゃいけない時とかの“座学”の授業とか? あ、でもアナタにしてみたら未知の物が多いわよね。多分」

 

 隣にラケールが言い足す。

 

「…」

 

「ん? どったの?」

 

 彼女は(ケイコ)の視線に気づきこっちを向く。

 

「今日は何時もの服では無いんですね?」

 

「うぇ?! ナナナナナニイッテルノカナー?」

 

「いえ、何時もの動きやすく、活発な服装も良いのですがそういった()()()()も似合うと思いまして」

 

「そ、そう…かな?」

 

 そう、私が今日まで見たラケールは……そうですね、私から見れば男装に近い“らふ”な服装に対し、今日は心なしかもう少しおとなしい“ふぁっしょん”に“あれんじ”されている気がする。

 

「あ、アンタに言われるのはちょっと複雑だけど」

 

「? どういう意味ですか?」

 

「へ? いや、だって、その……」

 

「?」

 

「ア、アンタはアイツと相思相愛なんでしょ?!」

 

「???」

 

 …はい?

 

 _________________________________________

 

 い、言っちゃったよ(ラケール)ぃぃぃぃぃ!

 ああああハズイ! めっちゃハズイ!

 

 顔に血が充満し、冷汗を掻き始めるのが分かる。

 

 それに対しこの子(ケイコ)は何キョトンとした顔してるのよ?!

 余裕の表情? 図星? 図星の顔よね?!

 

「……えっと、仰っている意味がよく分からないのですが?」

 

 くっ! まだこの“大人の余裕”の顔! 

 

「そもそも“相思相愛”と言うのは誰と誰の事でしょうか?」

 

「んなっ?!」

 

 な、何よこいつ?! ムッキー!!! 私に言わせる気ね! 気に食わない!

 

「だ・か・ら! アンタとアイツよ!」

 

「…?」

 

 ケイコちゃんがキョロキョロと辺りを見た後自分に指さし私は頷く。

 

「私が?」

 

「う、うん」

 

「誰と?」

 

「ア、アイツと」

 

「“アイツ”とは誰ですか?」

 

 うぐ……こ、この子は!

 いや、これは好機よ(ラケール)! この際ハッキリさせようじゃないの!

 

「だ、だからマイケルの事よ」

 

 って、何ボソボソ声で言ってんのよ(ラケール)ぃぃぃぃぃ?!

 ああああああ駄目! み、耳まで熱くなってきてるのが分かるぅぅぅぅ!!!

 塹壕があったら飛び込みたい!

 

「はあ……私とマイケルさんが相思相愛……ですか?」

 

 ん? 何この反応?

 

「え? 違うの?」

 

「違うと言いますか、ええと」

 

 え? 何? 何何何?

 

「私はてっきりラケールがマイケルさんをお慕いしている思ったのですが?」

 

「え?」

 

「違うのですか?」

 

 ナニコレ? どゆこと?

 

「じゃ、じゃあアンタは? 他所のとこの彼女じゃないの?」

 

「え? マイケルさんがお説明した通り私は他の星から来たのですが」

 

 え? じゃあ何、あの話はマジって事?

 ………え? え?! え"?!

 

「で、でもアンタ達一緒に住んでいたじゃない!」

 

「あの日はマイケルさんがテラに帰って来た初日だったのですが」

 

「エプロンもしてたし!」

 

「夕餉の準備をしていましたので」

 

「そ、それに……アンタの方が大人っぽいおっとり系のボインの上に料理の腕が良いしで勝てる要素が何一つ見当たらないんだけど……」

 

 う。 自分で言ってて泣けてくるんですけど。

 つか暗い気持ちなドヨ~ンなんですけど。

 

「はあ…分からない単語等があったのですが、ラケールは私がマイケルさんの伴侶になる事を恐れていたと」

 

 “伴侶”ってどれだけ古臭いんねん?!

 いや、ツッコんでる場合じゃなくてさっきこの子の出身話が本当の事だと信じるなら本当に中世当たりの所から来たって事よね。

 

「う、うん? そうなる…かな?」

 

「それでしたら何も心配はいりません」

 

「はぇ?」

 

「私はただマイケルさん……いえ、彼と彼の周りに者達の心が安らげる事が……他者を思い遣る事の出来る状況にさえ出来れば良いと思っていますので」

 

 この子何言ってんの?

 

「えーと…イマイチ言ってる事がよく分からないんだけど?」

 

「いえ、いいんです。 それに…」

 

「それに?」

 

「私には、彼の傍に立つ事は出来ません────」

 

 と、突然ケイコが天井を見る

 

「??? それってどう────?」

 

 ────言う事? っと聞ける前にビル全体が激しく揺れ、天井から旧式の戦車が落ちてきた。

 

 あー懐かしい型ね。 確かあれって旧世界の九二式重装甲車じゃなかったっけ?

 

 など思いながらスローモーション風にで上から落ちてきた物体を見ていたのを覚えている。

 その後はよく覚えていないけど何か見上げているが私の胴体を正面から衝突した最後に目の前が真っ暗になった。

 

 _________________________________________

 

 時は少し遡り、(マイケル)が走っていた頃に戻る。

 

 (マイケル)は焦りながら人込みの中を走っていた。

 

「ま、待ってくれ!」

 

 俺の声に気付いたのか、一瞬追っていた金髪の子が俺の方に振り向きながら人込みの中をスイスイと歩く。

 

 これで()()()()。 あの子は()()()()()()()()()()()()()()だと。

 

 ようやく人込みを抜けたと思えば少し開けた場所に出て俺は周りを見る。

 旧式の戦車や車両が展示されている階に出たようだ。

 

 息と汗を整えながら見失った金髪の子を────

 

「────ハア、ハア、ハア…ってなんで俺はこんなに焦ってんだ?」

 

 てかそもそも何で俺は“追わなきゃいけない”って思ったんだ?

 

「…うーん」

 

 (マイケル)は腕を組み頭を傾けると後ろから声がした。

 

「どうしたのオニイサン?」

 

「ぬお?!」

 

 俺はびっくりしながら後ろを振り変える。

 

「ぷ!“ぬお?!”だって! カッワイイ!」

 

 俺は声の方を見る為下を向くとさっきとは違うヒラヒラドレス風(“ゴスロリ”ってラケールが前に言ったっけ?)を着た小柄の金髪の子が俺を見上げていた。

 

「……」

 

 似ているが、違うな。

 

「でどうなのだサンバン?」

 

「ぬお?!」

 

 又もやびっくりし、横を見る。

 てかどこから湧いてきたんだこいつら?

 お、今回は追っていたヤツだな。

 “サンバン”と呼ばれたゴスロリ風の子が俺の顔をマジマジと見る。

 

「うーん」

 

「ちょ、近い近い近い!」

 

 俺は急接近したゴスロリ風の子から顔を逸らす。

 ったく、なんなんだよ────

 

「ん?」

 

 ────そういえばコイツ俺より背が低かったような?

 そう思い俺がもう一度見るとゴスロリ風の子が()()()()()()()()()()

 

 いやもう本当に文字通り()()()()()としか────

 

「えーと、何かな君達?」

 

「残念だけど()()()()“ルーちゃん”」

 

「そう」

 

 おい、俺を無視して話を進め────

 

「じゃあ次に期待するわ」

 

「ほいほーい」

 

「おい、だから何────」

 

 ────の事だと問う前に()()()()が“サンバン”と呼ばれたゴスロリ風の子の後ろから舞い上がった。

 

「という訳でバイバイ!」

 

「え────」

 

 ()()()()が旧式の軍用車両だと認識した頃には俺の方に落ちて来ていた。

 

 ヤバイ。

 

 ヒラヒラと手を振りながら呑気に笑っているゴスロリ風の子より落ちて来ている旧式の軍用車両がヤバイ。 

 

 かわせるか? このタイミングで?

 ……無理だろ。

 ま、ここでぺしゃんこになるなら痛みは一瞬だろ?

 死に方としては────

 

『私が貴方にして欲しい事とは、生きる事です。』

 

 ────この声と言葉は────

 

『私からは、あなたはまるで自分の命に執着心がないように見えて、それが悲しいのです。』

 

 ────俺は────

 

 ケイコの笑っている顔が頭をよぎる。

 

 ────かわせるのかって? いや、かわすんだ!

 俺にはまだ、()()()()()()()()

 

【マイケル軍曹ノ緊急フィジカルリミッター(物理強化の制限装置)限定解除オヨビリフレックス限定強化(反応速度強化)を承諾。】

 

 脳内に機械的な声が響くと同時に周りがスローモーションに動く中俺は泥沼の中に埋まってる感覚の体を無理やり動かす反動で鼻血が吹き出す事や筋肉が悲鳴を上げるのを無視しながら落ちてくる車両をかわした。

 

 車両がそのまま床を打ち抜き、下の階へと落ちる。

 

「ぐはぁ?!」

 

 俺は落ちそうになり、頭を床に打ちながらも残っている床にしがみつき、穴から登る。

 

「フ、フゥ、フゥ、フゥ────」

 

 俺は息を切らしながら悲鳴を上げる体に鞭を打ち()()()()()ゴスロリ風の子ともう一人の“ルーちゃん”と呼ばれた二人を睨む。

 

「へぇー? 意外ね。 あ、でも考えたらそうでもないか」

 

「後を頼むぞ“サンバン”」

 

「は~い!」

 

 何が何だか分からないがいきなり襲ってきたコイツらは敵だなコンチクショウ!




今まで書いた物を読み返しているんですけど日本語がこれであっているかどうかちょーっと心配になっていたり……

日本語独学者なので訂正すべき所などがあれば是非とも感想、レビュー、フィードバック等々をお願いします!
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