俺は気が付くと
量産型人型兵器“
通り過ぎるアスファルトの転がっている空になり煙を発する薬莢。
朽ち果てたコンクリートの
相方や仲間の名前を叫ぶ者、腹に力が入らない霞む声。
爆発の響く音。
俺は前方にディダ帝国兵の動きをセンサーでキャッチし、支給装備されている重火器を撃つ。
敵兵が爆散している間に物陰に入り、無線機から聞こえてくる無数の情報、命令に援護射撃の要請。
物陰として使っていたビルの中から何かが動き、俺は半場反射神経で機動兵《モビルソルジャー》の足で“ソレ”を踏み潰した。
敵の伏兵なら俺がやられる。
足を動かし確認すると火器類や爆薬の類はモニターに感知されなかった。そこにあったのはただ熟しすぎたトマトがぶちまけられたような光景があった。
何だ、ただの
何も思わないのかって? 何で?
『確かに時々価値観などが違う者が合うと口論や喧嘩など発生しますが国全体の兵士を上げるのは無駄なのでは?』
彼女の声が響く。
無駄? 兵士が
『戦、と言うのは聞かないですね。』
戦争を
『それはもちろん人と人の価値観が少々違ったりしますが』
違う、そんな単純な話じゃ────
『それは、何ででしょうか?』
分からない。わからない。ワカラナイ。わからない。
だれか、おしえてくれ。 だれか────
周りが暗くなり、不思議な浮遊感と暖かさに俺は包まれた。
……暖かい。 あの時を思い出す。 宇宙空間の戦闘で俺の
広く、暗い宇宙の中での
俺は手を伸ばそうとし────
「ッハ?!」
俺は目が覚め、背中にはマットレスのような感覚に、頭の下に枕。 腕が重い。 そして────
「……見覚えのない天井だ。」
言っちまったよ。これで隣に可愛い子が添い寝してたら────
「うお?!」
隣を見たら美少女がすぐ傍で寝てた。
トナリヲミタラビショウジョガスグソバデネテタ。
となりをみたらびしょうじょがすくそばでねていた。
大事な事だから三回言ったぞ。
……
ナンデ?! ナンデビショウジョ?!
いいいいや落ち着け、落ち着くんだ軍曹! 記憶を整理し、周りを観測し、状況を把握しろ! 臨機応変のイロハだ!
出来なければ戦場は生き残れんぞ軍曹!
えーと。 まず俺は不時着して、ケイコと言う子に助けられて、メンレの街に来て、魔術騎士と町の人達に間違われて、誤解を解いて……って解いたっけ?
まあ今はいいや。 保留で。
んでケイコの家に招待されて上がって、お茶飲みながら情報を引き出して(逆に引き出された気も気がしないが)……
駄目だ。ここからが記憶が途切れてる。変だな、
そういや待てよ。俺がケイコと初めて会った時に見え張る為に疲労回復剤打ってたな、森で。
なるほど、理解した。うん。
これは疲労回復剤の効果が切れたせいで気を失っていたな!
いや~あれって凄い効き目なんだけど切れた時がヤバいのなんのって!
Ha, ha, ha, ha, ha。
え? 他に原因は無いかって?
んなもん無い無い。 多分。
……で“コレ”どうするよ?
そう“コレ”。 またの名をガイアという未開惑星現地人で俺の初めての知り合いナンバーワンのケイコだ。
隣で静かに寝息をしているケイコだ。
あ、良い匂いするなー。
双方の(主に俺の)為に離れよう。 俺の腕にしがみついているケイコの腕をそっと解き────
グッ。
そっと解き────
グググッ。
ググググー!
て、動かん! 腕が、全く動かんぞ! この細腕のどこにこのパワーが?!
俺は腕の方を見たが、二の腕の先から下が見えなかった。
……あ、ありのまま今見ている事を話すぜ!
下を見たら俺の腕が双璧に侵食されていた。
な、何を言っているのか分からないかもしれんが。
うん、現実逃避するのはやめよう。
俺の二の腕が挟まっているの双璧と言うケイコの胸部装甲だ。
てちょっと待て、今日(同じ日か分からないが)森で見た時は“ほどほどでイイ”位だった筈のに今は“デカくてイイ”、略して“デカイイ”。
俺の見間違いだったか? 距離があったから目視力が狂ったとか?
「スー……スー……」
それにしても……柔らかそうだな。
どれ、ちょっとだけ────
────プニ。
FUOOOOOO! 柔らけぇー!
プニプニプニプニプニプニプニプニ────
「ん、んぅ」
ケイコが僅かにモゾモゾする。
おっとっと。 危ない危ない。 いくら何でも“連続ホッペツンツン”は不味かったか。
え? 何で頬っぺたかって?
だって柔らかそうだったからに決まってるだろう?
で、振り出しに戻るけど────
「どうするよコレ、マジに」
離れようにもガッチリと
……する事が見事に何もねぇーよー! そうだ! こんな時こそスマホだ!
もう一つの腕で俺はポケット(今更だが上半身が裸だった事に気づいた)を漁り、スマホを出した。
「流石軍用。 頑丈さは折り紙付きだ。」
平凡な型だが一通りの機能が搭載されていて、体内電気を拾って自己充電するタイプだ。 “機能信頼性”をモットーに作られてこいつに紐を付けたケースを首からぶら下げる奴らもいたな。
稀に弾除けとして機能する頑丈さだからな。
片手で電源を入れ、久しぶりの人工的な光に目を細める。
電波はさすがに圏外か。 まあ期待していなかったけど。
「
お、あったあった。 スマホに搭載されているカメラを寝ているケイコに向け────
「て暗いから見えにくいな。」
俺は近くの窓の外を見る。
「うお。こりゃあなかなか。」
窓の外にある夜空の星がクッキリと見える。 俺は思わず写真を撮る。
「て何してんだか俺は」
だけど悪くないな。
こう、なんというか。
落ち着く……
……
……
……
「んあ?」
光が瞼に当たって俺は起き上がる。
「朝か。」
珍しく体が軽い。 こんなに良く寝たしたのは何時頃か。
欠伸をしながらベッドから出るとテーブルに羽織るシャツみたいなのが目に入った。
これって俺の為。だよな?
置いてあるシャツを手にし、肌触りを確認する。 これは────?!
「木綿か?!」
ス、スゲェ。 本物だ。
少しワクワクしながら俺はシャツを着、部屋を出る。
そういやバックパックの中身をもう一度確認するか。あと救命ポッドの確認だな。
「あ、お早う御座いますマイケルさん。寝心地はどうでしたか?」
ケイコは笑顔を浮かべながら俺へと振り返る。
「お、お早うケイコ。 良かったよ、うん。 シャツありがとうな。」
「いえいえ、お気に召したのなら例など────」
エプロン姿のケイコ、超アリだ。 親指を上げたグゥーよグゥー。Very good.
「はは。」
「? どうなさいましたか?」
「何か手伝える事は無いか?」
「そうですね……朝ごはんはもうすぐ出来ますので────あ! マイケルさん!」
「うお?! な、何だ?」
「苦手な物などありませんか?!」
「へ? い、いや別に無いぞ? ま、まあ非食用材を使うとかならまだしも……」
「“非食用材”? それは無いので……良かった、もしこれで食べれないとなると大変ですからね。」
良かった。
て久しぶりだな
ってヤメヤメ。 死んだ奴の事を思っても
「なら食材や香辛料など出来るだけ出してくれないか? とりあえずこの星の物が食えるかどうか試したい。」
「?」
「いや、こういう風に姿形が似ているとしてももしかすると生態系が違うかも知れないだろ?」
「???」
「えーと、とりあえず食材や香辛料などをお願いしたい。 実験として。」
「は、はあ。」
……
ウェップ。
「ゲフ」
「あ、あの……お茶を持ってきましょうか?」
「グプ……オネシヤス」
食べ過ぎた。 お腹がはち切れそうだ。 だがこれで少なくともガイアの食事は普通に食べれるみたいだ。
「はい、どうぞ」
置かれたお茶を俺は少し飲む。
は~、お茶ウマ~。
「ん?このお茶は昨日と違うぞ?」
「ええ、今回の様にお腹が不調な時などに効くお茶です。 お嫌い……ですか?」
ちょ、その上目遣いやめろやコラ。 罪悪感ッパネェ。
「いや、スッキリするからちょうど良い。 ありがとう。」
少し落ち着いた後、ケイコもテーブルの向かいに座る。
「では、昨日の続きから始めませんか?」
「昨日の? ああ、お互いの事の話だったな。」
そこからの話で俺はガイアの事をもう少し聞いた。 まず、この星の文明は俺が思った通り旧世界で言う中世当たりの文明で魔法や魔術、剣や弓などが普通に存在しそれを理解した上で人々が生きている。
完璧にファンタジーだな。
魔法と魔術は違いがあるのかと聞いたら、魔術は比較的誰でも微小な魔力だけでも術式や方式など分かれば使えるらしい。
それに対して、魔法は魔術と違って“これ”といった術式や方式が無く、逆に“
ナンジャソリャ。
その“
なんだか胸の辺りがチクチクするが話を続けた。
キョーゲ大陸には国と言う概念よりも“領地”みたいなのが強いらしく、様々な種族が生息しているらしい。
種族と言うのは“亜種”や“上位種族”なども大まかに部類分けすると“人族”、“エルフ族”、“獣人族”、“ドワーフ族”、“精霊族”、“
って多いな! まだまだ続くのかよ?! そもそも“
おっと
俺は適当に相槌をし話を聞く。
種族は違えど交流はあり、主に良好。 異種族同士手を取り合って適材適所の職業で補うらしい。
何ソレ、そんな絵空事みたいな事が
まあいいや、今は社会の階級や職業の話に移ったな。
お茶がお腹に効く~。
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しかし今のところガイアの話ばかりと思う方もいると思いますが、実はこれには訳が。。。
(;゜д゜)ゴクリ…