戦姫と奏でる竜魂の音色 作:骨っ子ドラゴン
戦姫絶唱シンフォギアと個人的に好きだったゲームであるドラゴンテイマーサウンドスピリットのクロスオーバー小説です。
完全に自己満足の趣味小説です。その上不定期更新なので、次がいつ更新できるかは現状断言できない状態です。
三人称で書いてますが、結構難しいですね。
あまりにも書きにくかったら途中で一人称になるかもしれません。
あとがきの部分には主人公設定とゲームからのキャラや用語説明など、新しく追加されたものをその都度書いていこうと思います。
ギラギラと照りつける太陽の下。
夏の風物詩であるセミの鳴き声が響く中、スコップが土を抉る音が混ざる。
そこには1人の男がいた。
彼は汗を流しながら一心不乱に地面を掘っていた。
「・・・・・・で、あとどれくらい掘ればいいんだ?」
1人でいるはずの彼は、そう呟いた。独り言にも見えるが、その視線は自身の背後に置いてあるカバンに向いており、明らかに語りかけていた。
他人に見られたら病院に電話でもされそうな光景ではあるが、そのカバンがモゾモゾと動くと、チャックの間から茶色の毛を生やした生物が顔を出した。
この奇妙な生物はトント。ウサギとクマが合わさったような見た目をしているとしか例えることができないその生物は口を開いた。
「うーん、この辺りなのは確かなんジャが~」
「確かなんジャが じゃねぇよ!! これで何日目だと思ってんだ!? 何が悲しくてわざわざ貴重な休日を使ってこんな山中に来て、汗かきながら穴掘りしなきゃいけないんだよ!?」
見た目と裏腹に年寄りのような口調で話すトントだが、その言い分に葵云は怒鳴った。
ちなみに正確な日数だと本日で13日目である。
「しょうがないジャろ。スピリットはそこら中から出とるから、ピンポイントでの特定が難しいんジャ。幸い、今探してる物の影響でこの辺りのスピリットが他より濃くなっとる。だからこの近くにあることは確実なんジャ。諦めて続きを掘れ」
「・・・・・・前から聴いてたが、結局その探し物はなんなんだよ? それくらいはいい加減教えてくれないか、トント」
ある日突然一緒に来てほしいところがあると言われ、着いてみればひたすら「探し物があるんジャ。とりあえず此処ら辺の地面を掘れ」としか言われず、詳細も話さないのはかなり不親切だろう。それでも余程大事な物かと思い、実際に掘る辺り結構甘いところがある。
「・・・・・・まあ、ここまで頑張ったのジャ。話しても構わんか。先に言っておくが、探し物が何か言わなかったのはおぬしのやる気を削ぐと思ったからでノ」
「心配するな。確かに最初ならいざしらず、今更止めねぇよ。これまで苦労した分は取り戻さねぇとな」
実はかれこれ長い付き合いになる一人と一匹。その信頼関係は中々厚いものとなっている。
「・・・・・・そうか、では話すかノ。おぬしが探してる物は 」
そこで一息置き 否、一息どころかクイズ番組で答え合わせを渋る進行役の如く無駄に溜め、ようやく口を開いた。
「 卵ジャ」
「さて、埋め直すか」
答えを聞いた瞬間、葵云は先程まで積み上げていた土砂の小山へと歩いていく。その態度の変わりように驚きつつ、トントは慌てて止めにかかる。
「意思変わるの早すぎジャろ!? 苦労した分は取り戻すのではなかったのか!?」
「わかってるって。ちゃんと取り戻すから」
そう言いながらも歩みをまったく止めない葵云。
そして目的と思われる砂山をそのまま通り過ぎ、トントの入っているカバンを無言で持ち上げた。
目的が見えないトントが「なんジャ?」と呟くが、葵云は返事もせずに穴の方へ戻り、穴に収まるようにカバンを置く。
「チッ、浅いか」
「今不穏なこと呟いたジャろ!? 浅いってなんジャ!? ワシごと埋め直す気か!?」
「いやいや、そんな身構えるなよ。ほら、あれだ。ここまで俺を付き合わせた埋め合わせだと思って」
「物理的な埋め合わせとか物騒過ぎジャろ!? ワシらは運命共同体のはずジャ! それにこの苦労は必ず報われる! だから多少のことは目を瞑ってジャな!」
「わかったわかった。お望み通りもう少しだけ掘ってやるから待ってろって」
聴いているようで聴く耳を持たない態度の葵云。
信頼関係が厚いのは確かではあるが、それと同じくらいに容赦がない。
「ワシを埋めれるようにジャろ!? 本当にすまなかった! 誠心誠意謝るから許し ん?」
目から伝わる怒り具合からトントは土下座して謝ろうとする。しかし、顔を下げた直後、大きな両耳をカバン越しに地面に当てたまま動かなくなった。
土下座というには些か不格好な状態でしばらくいると、彼は突然跳ね起きる。
「おぉ! おおお!! 此処ジャ、此処!! 葵云、此処を掘るんジャ!」
「謝ると思ったらそれとは、喧嘩売ってるな?」
「ウム、はしゃぎ過ぎたのは謝るからスコップを構えるのはやめるんジャ」
誠心誠意謝るなら許してやろうと考えていた直後に突然はしゃいで穴掘り再開を催促されたら頭にくるだろう。
我慢の限界がきたのか、葵云は目元をヒクつかせながらトントの脳天をカチ割ると言わんばかりに上段でスコップを構える。
だが、しばらくすると葵云はため息を出してスコップをゆっくり下ろす。そしてトントの入ったカバンをどかして穴掘りを再開した。今ここで怒るよりも、早く終わらせて帰りたい気持ちの方が強いようだ。
半分ほど死んだ目で黙々と掘り進めることおよそ1分。
スコップが何か硬いものとぶつかる。石にしても硬すぎる気がする感触を葵云は疑問に思いながらも、ぶつかった周辺の土を手で払う。すると、少し土色になっているが、地面の中にあるには目立つ白い物体が見えた。
それを確認したトントが興奮して続きを掘るように急かす。
「間違いなく卵ジャ! 早く掘り起こすんジャ! あ、下手な石より遥かに頑丈だから雑で構わんぞ!」
「まあ、早く帰りたいしその点は心配するな。逆に慎重にやれって言われたらどうしようかと思ったから安心した」
精神的にも肉体的にも疲労してる現状だと、繊細な作業をしろと言われたらできる自信が彼にはなかった。
(どうせ慎重にやれと言ったらキレてたんジャろうな・・・・・・)
絶対怒鳴られる内容を考えていたトントだが、幸い口にすることはなかったので葵云は穴掘り作業を続ける。
そこからおよそ十数分経ち、ようやく地面から卵を掘り出すことができた。
「・・・・・・やっぱりデカいな。それに土汚れだと思ったが・・・・・・これ模様か?」
全容を見れるようになった卵を改めて見ると、土色のシミのような模様が数カ所あり、何よりかなり大きかった。
現存する卵で最大のダチョウの卵が15cm程度だが、葵云の目の前にあるそれは更に1回り程大きい物だった。
「その模様はフラトの卵ジャ。まあ、産まれる物が物ジャから卵もそれなりにデカいんジャよ」
そんな横からトントが当たり前のように信じられないことを口にした。
「・・・・・・産まれるのかこれ? 卵の化石と言われた方がまだ信じられるぞ」
「産まれるぞ。まあ、何が産まれるかはその時のお楽しみというやつにしておくかノ」
茶化すような答えにイラッとする葵云。
しかし、一々怒るのも面倒だと思ったようで、彼は穴埋め作業を優先した。
「とりあえず穴を埋めるか。ほら、持ってろトント」
「おぉい!? 急に投げるでない!」
無造作に卵をパスされ、慌てて受け止める。「確かに雑で構わないと言ったが急に放り投げるか」と抗議の視線を向けるトント。
しかし、集中してる葵云にはなんの効果もなく、諦めて卵を大切に抱いてカバンから頭だけ出した状態でおとなしくすることにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
待つことしばらく。
卵がなくなった分の土を周囲の地面から少しずつ移動させ、なるべく平らな状態に戻した地面を固め終え、葵云は一息着く。
長い作業を終え、ようやく帰れると晴々した気分と笑顔で振り返り、カバンの中で呑気に寝ているトントを見てそのまま固まる。この苦労の元凶とも言える相手の熟睡姿はこの上なく腹立たしいようで、容赦なく蹴りを入れて叩き起こした。
「うごっ!? あ、頭が・・・・・・!」
「さっさと起きろ。もう帰るから、体隠してチャック閉めろ」
文句を言いたそうにしてるトントだが、作業を任せておいて居眠りした自分も悪いと思ってるためおとなしくカバンに体を収納してチャックを閉めた。
それを確認して、葵云はカバンを持ち上げて帰路につく。
「とりあえず、これでしばらくはゆっくりできそうだな」
「む? 遠くではあるが他にもそれっぽい反応が「は?」ウム、たまにはのんびりするのもいいノ!」
暗にまだ作業が残ってると口したトントだが、葵云の圧力に慌てて休むことに同意を示した。
しばらくして帰路も町中に差し掛かろうとした段階で、突然警報が鳴り響いた。その警報は、人類の天敵であるノイズの発生を報せるものだった。
「こんな時にノイズかよ。こちとらもう疲れてんだけど」
「そういえば、ネット上で見かけたノ。幸福と不幸はバランスよく起きるようになっていると」
「俺にとって幸福か分からねぇもので不幸起こされるとか冗談じゃないんだが?」
あまりに理不尽な世の中の成り立ちを否定しつつ、葵云は端末を取り出しノイズの発生位置と近くの避難シェルターを確認する。幸いにもシェルターは比較的近くにあり、ノイズの発生位置とも真逆の方向だった。
その事実に自然と一息着いて、シェルターへ歩みを進める。
「 む!? 待つんジャ!」
しかし突然トントが叫び、次の瞬間にはチャックを開けて顔を出してきた。
「おいトント、カバンから出るな! もう町中なんだぞ! 誰かに見られたらどうすんだ!?」
驚きつつも葵云は周囲からトントが見えないように慌てて胸に抱き寄せる。
今更ではあるが、トントは他の生物とは全く違う。一般的にはUMAに該当するであろう生物であり、しかも言語を理解し会話できる知能がある。そんな生物がいることが一般人の目撃情報から動物愛護団体や国、あるいは表に発表できないような研究機関にバレれば確実に面倒になると考えていたため、彼はトントの存在をひた隠しにしてきた。
しかし、そんなことは知らんとばかりにトントはカバンから手を出してある方向を示す。
「あっちジャ! あっちに行くのジャ!」
「あっちって・・・・・・・・・おい、ノイズの発生源の方向じゃねぇか」
トントが指差した方向は、あろうことか先程端末で調べた際にノイズが発生してるという情報が出た場所だった。
「というか、お前ノイズの出すスピリット(?)とやらが苦手なんじゃなかったか?」
葵云は当然行くことを渋る。
「いいから向かうんジャ!! ノイズの醜悪なスピリットは確かに感じるが、それとは別の今までにない程上質なスピリットを感じるんジャ! あれを使えば卵もすぐ孵せる!」
しかし、トントは是が非でも行けと言わんばかりの勢いでまくしたてる。
「産まれた物は間違いなくおぬしの力になる! 何より ノイズを倒せる!!」
そして、決定的な一言を口にした。
それを聴いた瞬間、葵云の目の色が変わる。口を閉じ、ノイズがいるであろう方向を睨む。その目は、憎悪と怒りに満ちていた。
「なるほど。それなら、命を賭けてでも手に入れる価値があるな」
「そうジャろ? ジャが、一度落ち着け。目が血走っておるぞ」
トントにそう指摘され、彼は目を閉じ深呼吸をする。再び開かれた彼の目は、先程のような様子を感じさせない普段のものに戻っていた。
「よし、行くか!」
「ウム!」
覚悟を決めた葵云が走り出す。
既に向かっていたシェルターとは真反対の ノイズがいるであろう場所へ向けて。
この選択が彼の今後を大きく変えることとなる。
「あ、そういえば町中では顔を出すの禁止って約束破ったから、今日の晩飯は抜きな」
「待つのジャ葵云。話し合おうではないか」
ちなみに町中での会話も禁止なため、翌日の朝食も抜きになった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
二人が向かっている目的地には、案の定大量のノイズがいた。その数は実に100近い。
万が一この中に人が取り残されていれば、生き延びるのは絶望的な程の数。
「おりゃああぁぁぁあああ!!」
そんな絶望が形を成した塊の中心で、一人の少女が戦っていた。
彼女は立花響。数分前までごく普通の女子高生だった彼女だが、偶然助けた子どもと一緒にノイズから逃げ回り、しかしとうとう追い詰められてしまった。
そんな状況でも、彼女は二年前に遭遇してしまった事件の際にかけられた言葉を胸に宿し、諦めそうな子どもに声をかけた。
生きるのを諦めないで!!
そして、彼女の胸の内から自然と歌が浮かび上がる。
不思議に思う暇もなくその歌を口にした瞬間、二年前の事件で負った怪我の原因であるノイズに対抗する兵器 シンフォギアの欠片が身体を造り替え、ガングニールの装者としての力を彼女は手に入れた。
最初こそ異常な力とノイズを殴り倒すというありえないことをしたことに困惑した彼女だが、少なくともこの力があれば子どもと一緒に生き残れることを理解した。
「数が多い・・・・・・!」
しかし、全部を倒して逃げるにはノイズの数が多過ぎた。
彼女一人だけならまだしも、今は幼い子どもが一緒にいる。ただでさえ戦い慣れていない彼女が、誰かを守りながらこの数を相手にするのは無謀であった。
仕方なく子どもを抱え走るが、ノイズたちは物量に物を言わせて他が追いていかれても他が先回りをするというやり方で徐々に追い込んでいた。
「 おぉ、やはりノ! 素晴らしいスピリットジャ!!」
どうにか突破口を探す彼女の耳に、第三者の声が聴こえてきた。逃げ遅れた人が他にもいたのかと焦り、彼女は声のした方に目を向ける。
「わざわざ声出すなよ! ほらこっち向いちまった!」
そこにいたのは当然というか、葵云だった。
彼は別に逃げ遅れたわけではなく、自分の意思で此処に来たのだが、そうとは知らない響は驚愕と共に絶望してしまった。
今の大声でノイズの大半が彼の方を向いた。
助けようにも距離があり、しかもノイズの群れが行く手を阻む。
彼女の脳裏に二年前の光景がフラッシュバックする。自分の目の前でまた人が死ぬ。物言わぬ炭素に変えられてしまう。
「 逃げてぇ!!」
そう叫ばずにはいられなかった。
しかし、それで彼の逃走が間に合うはずも、ノイズが怯んでくれるはずもなく、三体のノイズがその形状を槍のように鋭くし、彼に突撃した。
次の瞬間には彼の体にノイズが突き刺さり、少しの苦痛も炭素になると同時に彼という存在ごと消えてしまうだろう。
「おっと!」
しかし、それも当たればの話である。
彼は体を横に動かし、軽くノイズを避けてしまった。
ノイズの突進速度はかなりのもので、瞬間的には車より速いであろう。そんな突進をあっさり見切った彼を見て思わず響は「へ?」と声を出して呆ける。
ノイズも感情があれば同じく呆けたり驚いたりしたかもしれないが、残念ながら彼らは動くだけの物言わぬ兵器。殺せていないと分かったなら、殺せるまで攻撃するだけだ。
先程の三体以外のノイズも次々に彼へ突撃する。
一人の人間に向けるには明らかにオーバーキルな物量が彼へ押し寄せる。しかし、葵云は走りながら跳び、体を捻り、掠りもせずにノイズをかわしていた。
「で、トント! 肝心の孵す方法はなんだ!? スピリットがどうこう言ってたが!?」
とはいえ、あまり余裕があるわけではない。
数匹程度ならいくらでも時間を稼げる自信があるが、これだけ数がいると体力と集中力が保たないことがわかっている彼は、早く状況を打開する方法を実行しろと急かす。
「案ずるな、もう準備はできた! そこの娘、感謝するぞ!」
カバンからトントが顔を出し、響に対し礼を言う。肝心の彼女は「ぬいぐるみが喋った!?」と驚いている。
次の瞬間、トントの体が光に包まれその形を変えていく。二秒にも満たない時間でトントはギターに姿を変え、葵云の腕に収まった。
「こんなことできたんだな、お前」
『詳しい説明はあとジャ。とにかく弾け! 弾き終われば卵が孵り、お主の力となる!』
ギターの姿でも問題なく喋っているが、彼は今更驚かなかった。
それよりも、ギターどころか楽器関連はリコーダーや鍵盤ハーモニカくらいしか使ったことがない方が問題だった。
『安心せい。弾くべき音はさっきワシが覚えた。あとは自然と弾けるはずジャ』
彼の不安要素を察し、トントがそう口にした。
彼もこんな土壇場でトントが冗談を言うことはないと分かっているため、その言葉を信じた。
「OK、やってやる!」
そう叫び、彼は走った勢いのまま跳躍する。それだけで建物の三階と同じ高さに跳び、着地の一歩目で壁を蹴って更に跳躍。あっという間に五階建ての建物の屋上に着地する。
そして彼はノイズたちへ振り向き、ギターに手を添える。
すると、トントが先程聴いて覚えた響の歌が頭の中に伝わり、自然と手が動き演奏を始めた。
すると、ノイズたちに異変が起きた。意気揚々と殺しにかかっていたはずだが、目に見えて動きが鈍く弱々しくなった。先程のように突撃すれば、十分届く距離にいるはずの彼に攻撃できない程に。
その隙を見逃さず、響は行く手を阻むノイズを倒しながら彼の元に走る。とんでもない立ち回りをしていたが、それでも彼が今も危険なことに変わりはない。そう判断し、彼女は彼を助けようとする。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
時を同じくして此処は、特異災害対策機動部二課。
ノイズ関連の対策をする国公認の組織であり、ノイズに対抗する兵装シンフォギアや聖遺物を管理している。
「ノイズの中心で新たなエネルギー反応を確認!」
「なんだと!? まさか、ガングニール以外にもシンフォギアが!?」
オペレーターの一人のその報告に司令 風鳴弦十郎は思わずそう聞き返す。
ノイズ発生源近くで発生した、二年前の事件で失われたはずのシンフォギアであるガングニールの反応があったことも信じ難いというのに、更に別のエネルギー反応となれば、新たなシンフォギアを連想しても不思議ではない。
「いいえ、違います! フォニックゲインではありません!」
「過去の聖遺物にも類似したデータがないか調べてますが・・・・・・該当なし!! 未知のエネルギーとしか言えません!」
しかし、その考えをオペレーターである友里あおいが否定し、藤尭朔也がそれに補足する。
「一体何が起きてるの?」
シンフォギアや聖遺物に大きく関わってきた櫻井了子ですら、そのエネルギーに見当がつかず首を傾げていた。
『司令、こちら緒川です。現場近くに到着しました』
そこへ、避難が遅れた者が万が一いれば助けるために現場に向かっていた緒川慎次からの通信が入った。
「緒川か! 確か端末を持っていたな!? すまないが、現場の正確な状況が知りたい! 映像を繋いでくれ!」
『わかりました』
巨大なモニターに現場の映像が映る。
そこには大量のノイズとそれを建物から見下ろ市ギターを弾く男と、そこへ向けてノイズの群れの中から駆ける少女がいた。
「あの娘が纏っているのがガングニールか?」
「未知のエネルギー反応の発生源は、あそこでギター弾いてる男のようね」
「待て! あの少女、子どもを抱えてるぞ!」
皆が葵云と響のみに注視してる中、弦十郎は響が腕に子どもを抱えてることにいち早く気づいた。
「緒川! シンフォギア装者の娘が子どもを抱えてる! 全員を連れて避難するんだ!」
『了解です! なんとかタイミングを見計らって 』
「エネルギー反応、急上昇!」
その時、異変が起きた。
異なる色をした光の粒子のようなものが周囲に漂い始めたのだ。赤:黄:茶=3:4:3の割合で色が別れている。
その事態に驚いたのも束の間、男のカバンから空中へ何かが飛び出した。
「あれは・・・・・・?」
「卵か?」
空中へ飛び出したのは確かに卵だった。しかし、彼らが知る卵より遥かに大きい。それが何の卵か考える暇もなく、周囲に漂っていた粒子が卵へと集まり吸収される。
そして、その殻に徐々にヒビが入っていく。そのヒビから先程吸収された粒子が溢れ、再び卵に吸収される。これを二回程繰り返し、一層強い輝きを放ち赤色の粒子と共に殻が弾け飛んだ。
そうして卵から産まれた物を見て、誰もが言葉を失った。
その生物を誰もが聴いたことくらいはあるだろう。
しかし、同時に実際に本物を見た者はいないと断言できるような存在だった。
人よりも明らかに大きい橙色の体。
額から生えている刃のような三本の角。
腕の代わりについている巨大な両翼。
鋭い鉤爪を持つ両足。
胴体と同じくらい長い尻尾。
「 ドラゴン、だとぉ!? 」
産声と呼ぶには逞し過ぎる咆哮を上げ、伝説上の生物がその姿を現代に現した。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
本当なら、音を聞かせるゲームなんだからシンフォギアの曲を実際にゲーム内で録ってそれから出るドラゴンに沿って進めようと考えたのですが、ゲームが実家にあってすぐ取りに帰れないのと、仮にできたとしても「そんな行き当たりばったりで文才のない自分が続けれるのか?」と思ったので断念しました。
似たような理由として、万が一属性が偏り過ぎたらまったく出番のない属性のドラゴンが出てくる可能性があったのもあります。
そのため、作品内では、
という流れがテンプレになると思いますが、装者の曲の属性は私の想像で決め、産まれるドラゴンの属性も私が決めるので、確率もクソもない最初から決められた選択肢を選ぶ感じになります。
そういうランダム要素を楽しみにしていた方がいたらごめんなさい。
私の文才では荷が重すぎました……。
あと今更ですが、トントやこれから出てくるドラゴンたちなんかは、ゲームのタイトルとそのキャラの名前で画像検索すれば出てくると思うので、詳しく知りたい方は手間ですが検索してください。
気がつけば後書きまでアホみたい長くなり、申し訳ありません。
次回以降は極力用語説明だけ書いて終われるようにします。
それでは、最後にキャラ設定と用語説明を書いて終わります。
また次回。
身長:181cm 体重:94kg
今作品の主人公。
黒髪のストレートで目つきが鋭く無精髭を生やしており、その見た目のせいでよく不良と勘違いされるが性格は普通であり、礼儀や交流も最低限以上は身についている。
18歳で高校を卒業したが大学には行かず、アルバイトに勤めるフリーター。
16歳の時に両親をノイズに殺され、強い憎悪と怒りを向けている。
だが、自分が立ち向かったところでどうしようもないことを理解しているため、ノイズと遭遇しても生き延びれるように体を鍛えてきた。
しかし、鍛えていたことを差し引いても身体能力が異様に高いが原因は不明。
トントとは長い付き合いであり、今となっては唯一の家族。
トントには遠慮も容赦もないが、一々気遣わなくていい程信頼しているという証でもある。
トント
身長:多分ピカチュウより少し大きめくらい(正式な数値がなく、ゲーム内の一枚絵で主人公の肩にピカチュウのように乗っているものがあり、その見た感じからの判断)
原作ゲームでも主人公の相棒的立ち位置だった生物。
その見た目や大きさとは裏腹に爺口調で喋る。
スピリットを探知することができるが、その範囲はスピリットの質や量に依存する。
聞いた音を覚えることができ、この時覚えた音はギターに変身した際、然るべき者が弾こうとした時にその弾き方を直接脳内に教えることで、覚えた音を再現できる。
原作ゲームと比べると、ネットやゲームなど娯楽に溢れている世界のため大分俗世に染まっている。
葵云からは雑な扱いをされることが多々あるが、自分がいらんことをしたことが原因の場合もあり、何より本当に危険なことは(脅しを除いて)しないと知ってるため大体はおとなしく受け入れる。
フラトの卵
ドラゴンが眠る卵。
大きさの割にそこまで重くない。
かなり頑丈で、仮に工事などに巻き込まれても無傷でいる。
孵すためには上質で大量のスピリットが必要なため、一般人が見つけても「卵に似た超デカい石」で終わってしまう。
卵自体はフラト以外にもいくつか種類があり、種類によって産まれるドラゴンの種類も決まっている。
スピリット
フォニックゲインとは違う別種類の力であり、音色や曲 所謂「音」が持つ創造の力。
普通だと発生するスピリットは極僅かであるため、スピリットその物を感知することはできない。ただし、シンフォギアを纏った装者の胸の歌は他と比べてとても上質なスピリットを発生させている。
スピリットを導き増幅させる生き物とそれを従える者がいて初めて意味を見い出し、確認することができる。
スピリットには属性があり、火(赤色)、水(青色)、風(緑色)、地(茶色)、光(黄色)、闇(紫色)の六つがある。粒子の色分けの割合はその属性を持つドラゴンが産まれる確率と直結している。