鬼滅の刃 鬼滅の鬼武者   作:始まりの0

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今回は煉獄家との話です。


第8話 炎の母

 おっす! 俺は武、平成の世から大正時代にタイムスリップした高校生だ。

 

 今日も人を襲う鬼を狩ってる! と言うか! マジでなんなの!? 何で俺、こうも毎日出ないと行けないんだぁ!? 休みなしって何よ!? 今日で1ヶ月だよ! 休みはどこ行った!? 

 

 俺も耀哉さんに訴えたけど、あんなに申し訳なさそうな顔をされると怒るに怒れないじゃん! 

 

 確かに俺からすれば、厄介な鬼も瞬殺だけどさ! こうも毎日だと、俺も疲れるよ! まぁ、幻魔みたいに朝も昼も関係なしに襲ってこないのが救いだけどね! 

 

 

 

「どうしたの武君?」

 

 

「いや、ちょっと考え事……それで、今から何処に行くんだったかな?」

 

 カナエに話しかけられ、我に帰った武はそう尋ねる。

 

「代々炎柱をしておられる煉獄家を尋ねるのよ」

 

 

「なんで行くんだった?」

 

 

「現炎柱、煉獄槇寿郎さんを尋ねるようにとお館様に言われたじゃない」

 

 

「そうだったか……?」

 

 

「聞いてなかったの?」

 

 

「……座りながら寝てないよ?」

 

 

「寝てたのね」

 

 

「……ごめんなさい」

 

 

「まぁ、仕方ないわよね。武君、あっちにこっちに引っ張り凧だし。でもそのお陰で犠牲者が減ってるってお館様も言っておられたわよ」

 

 そう笑みを浮かべながら言うカナエ。

 

「ならいいんだけどな……それで、何でその煉獄家を尋ねるんだ?」

 

 

「現柱である、槇寿郎さんの奥方が病で臥せっておられるの。そこで未来の医学の知識を持っている武君に見てほしいとの事よ」

 

 と言うことらしい。

 

「成程ねぇ……」

 

 それから数分で煉獄家に到着した。

 

 

 

 

「……デカッ!?」

 

 到着した煉獄家は予想以上に大きく声を上げる武。

 

「カナエの屋敷も大きいけど、あれは医療所をかねてるから分かるけど……個人でこれか。俺の家の五倍の敷地はあるな」

 

 

「あらっそうなの?」

 

 そして2人は門を潜り抜け中へと入る。

 

「こんにちは」

 

 カナエが玄関でそう言うと奥から走ってくる音と共に10歳を越えたくらいの子供が現れた。と言ってもカナエより少し下と言うくらいだろう。

 

 その子供は炎の様な髪色をしていた。

 

「はい……貴女は花柱様! 今日はどういった御用でしょうか?」

 

 

「声……デカッ」

 

 

「お久しぶりです……槇寿郎さんはいらっしゃるかしら?」

 

 

「父上なら」

 

 ドタッドタッと大きな足音をたてながら男が現れる。

 

 子供と同じ炎の様な髪色の男は顔を赤くしており、片手には酒瓶を持っていた。

 

「杏寿郎、何をして……花柱か……それにお前は!?」

 

 

「この間も居たな……酒臭っ」

 

 煉獄槇寿郎、現炎柱である彼はカナエと武の姿を確認すると、武を睨む。

 

「……何の用だ?」

 

 ドスの効いた声で、そう尋ねる槇寿郎。

 

「奥様は如何ですか?」

 

 

「変わらずだ……それがどうした」

 

 

「実は武君……彼は医学の知識に長けているので、奥様を診ていただk「「なにっ!? それは本当か!?」」」

 

 槇寿郎と杏寿郎は武に詰め寄り、彼の肩を掴み揺さぶる。

 

「ちょ……ま……」

 

 

「本当に瑠火を治せるのか!?」

 

 

「槇寿郎さん、杏寿郎くん、そんなに揺さぶったら武君も答えられないですよ」

 

 槇寿郎と杏寿郎はそう言われ、我に帰り手を離し、2人を奥へと案内した。

 

 

 

 

「瑠火、入るぞ」

 

 槇寿郎がそう言い、襖を開け部屋に入る。武は襖を開けた時、一瞬顔を歪めた。

 

(この匂い……)

 

 部屋に入ると、そこには痩せ細った女性が床に着いていた。武は彼女から漂ってくるある匂いに気付く。

 

「槇寿郎さん、杏寿郎、それに……確か貴女は花柱様」

 

 

「お久しぶりです、瑠火さん」

 

 

「そちらの方は……?」

 

 皆が部屋に入ってた中、武だけがその場に止まっていた。

 

「えっと……その彼は鬼殺隊の仲間で、医学の知識を持っているので、是非瑠火さんを診て貰おうと連れてきたんです」

 

 カナエがそう説明する。

 

「そうですか……お客様にお構いもできず、この様な格好で申し訳ありません」

 

 瑠火はそう言うと、咳き込み始めた。

 

 この女性は煉獄瑠火、槇寿郎の妻だ。彼女はこの時代の医療では治せない病にかかり臥せっている。それもかなり長い期間を。

 

「天宮 武と言う。それにしても……奥さん良く生きてるな、そんな身体で」

 

 武はそう言うと部屋に入り彼女の横に座る。

 

「貴女は今この瞬間に死んでもおかしくない様な状態だろうに……気力で持ってると言ってもいい状態か」

 

 そう言うと武は杏寿郎と瑠火の横に寝ている幼い子供を見た。と言うか煉獄家の遺伝子強いな。

 

「母は強し……か」

 

 武はそう言うと、瑠火の全身を見渡す。

 

(本当によくこの状態で生きてるな……既に半分、死んでる様な身体で……)

 

 武の頭にはある1人の女性が浮かぶ。自分をこの世に産み、愛し、護ってくれた女性……己の母親の事を。

 

 そんな母親と、目の前の夫の為、子供の為に1日でも長く生きようと懸命な瑠花の姿が重なった。

 

「えっと……瑠火さんだったか。

 

 普通の医学で治そうと思えば貴女の命がもたないだろうけど、幸いにも俺にはそれを補う方法がある。

 

 だけど治療事態、かなり苦しいし、辛い。それこそこのまま死を迎えた方が楽になるだろう。苦痛なく逝く方法も知ってる。

 

 それでも生きたいか?」

 

 武は瑠火に選択肢を2つ与えた。

 

 苦痛を伴う治療を行うか、それともこのまま苦痛なく最後を迎えるか。

 

「……私はもし可能性があるならば生きる方に賭けたいと思います。例え苦痛があったとしても、この子達や夫と生きる為ならば私は耐えてみせます」

 

 

「そうだよな…………貴女達(母親)はそう言うよな」

 

 武は何処か悲しそうな目をしている。

 

「貴方は優しいのですね……初めて会ったと言うのに貴方は私の事を案じてくれている。

 

 ですが、大丈夫です。母親というのは子供の為ならばどんな苦痛にも耐えれるのです」

 

 武はそれを聞くと諦めた様にため息を吐くと、カナエに何かを書いた紙を渡す。

 

「しのぶに頼んでこれを持ってきて貰って……俺はその間に生命力の補填をしとくから」

 

 そう言うと武は鬼の篭手を呼び出す。

 

「生命力の補填?」

 

 

「俺にはこれまで封じてきた幻魔……アンタ等で言う所の鬼の様な存在の魂をこの篭手に封じている。それを生命力に変換して貴女に注ぎ込む。

 

 取り敢えずアンタは水ても被ってその酒の匂いを消してこい、気が散る!」

 

 

「はっはい!」

 

 武に凄い剣幕で言われて、槇寿郎は直ぐに出ていった。

 

「申し訳ありません。あの人はあぁではなかったのですが、私が病に倒れてから……」

 

 

「気を落とし、酒に逃げるか……分からなくもないが……まぁ人それぞれか」

 

 

「ですがどうして、貴方は私のためにそこまで?」

 

 

「救える命は救いたいし、貴女は何処か俺の母に似ているから……助けたいと思ってしまう。例えこれが運命への反逆だとしてもね」

 

 武はそう言うと篭手を撫で、笑った。




と言う訳で瑠火生存ルートです。

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