が、書きたいものが多くて迷う始末。
高度な文明を誇り、栄華を極めていた我が母星は私が観測したところによると滅亡の危機にあるらしい。
なんでも、我がクリプトン星を包み込む鉱石のクリプトナイトが滅亡の原因だという。
私は高名な学者であると自負しているが、元老院に惑星の危機を伝えても冗談だといわれて取り合ってくれない。
彼らはこの星を支え、統治してきた者達で母なるクリプトン星における我らの繁栄の礎を築いてくれたと言ってもおかしくはない。
おっと、諸君への自己紹介が遅れていた。
私の名前はジョー・エル。
我が妻ララの夫で、この惑星ではすっかり珍しくなってしまった自然出産による誕生をした息子カル=エルの父親である。
この映写レターが諸君らの目に届いている時は私や妻、そしてクリプトン星は滅亡しているだろう。
だが、私にとって大切な事は例え、この命を喪ってでも我らの息子カル=エルだけは救って幸せになってもらいたいのだ。
「貴方、映写レターをしているの?」
「ああ。我が息子に私の顔を忘れてもらいたくないのでね、君もなにか伝言を残すといい」
ララが私が息子を乗せるポッドに共に積むと決めた、映写機に向かって記録を残している際に私の元へやってくる。
彼女もまた自分の末路を分かっているからだろう、愛しいわが子を腕に抱いて最初で最後の抱擁を行っている。
他の者のように私の観測結果を笑わず、私の提案にこうして賛成してくれているララには私は感謝しているのと同時に申し訳なく思う、謝罪の気持ちがある。
クリプトン星では、今現在は生まれる前から“
他の種族はかつての我々の祖先たちのように自然出産で子を為しているというし、我らは進化しすぎたが為に神の領分を犯し、その過ちを受けているのだろう。
すっかり珍しくなった自然出産による誕生は珍しいものとなり、機械による“役割”の選択ではなく、無限の可能性を秘めて生まれてくる我が息子。
私にとっても最初で最後となるだろう、カルとこうして面と向かうのは。
彼が成長し、大人の男となる時は私たちは彼の成長を見ることはできないだろうから。
「……はじめまして、というのもおかしな話ね。はじめまして、愛しい息子よ。貴方の母親のララよ。こちらはお父さんのジョー。これをみている時は既に貴方は成長しているのだと思います。何方に拾われたかは分からないけれど、私たちの星は……」
この滅亡しようとしているクリプトン星から何光年かかかる先にあるだろう、カルが漂流する惑星。
肉体的にも能力的にも発達している、クリプトン人として息子は生まれてきた。
その惑星の住人にとっては恐らく、彼は超人的存在に思われるかもしれない、神のように見えるかもしれない。
だが、ララがお前に説明しているようにお前は私たちの息子であり、私たちの最後の希望だ。
悩むこともあるだろう、苦しむこともあるだろう、悲しむこともあるだろう、周囲と歯車があわないこともあるだろう。
しかし、お前は決して一人ではない。
「ジョー=エル!勝手な行動はしないで貰おう!いるのならば我がクリプトン星に住まう、誇り高き一族の一人として来い!俺の前に姿を現せ!」
戸締りを行なって密閉状態にある部屋の扉を軍事担当で私の友人であった、ゾッドが扉を叩く。
ララはゾッドの仲間が扉を叩く前に我らの種族の能力のレクチャーをしていたようで、息子をこの部屋からポッドに映写レターとともに入れて出発させると、私の元へとやってきて臨戦態勢をとる。
「ララ、君はそこにいろ。私の後ろを離れるな」
「で、でも貴方が……」
そう、ゾッドは軍事担当だ。将軍と言う地位からして相応の実力を秘め、元老院にクーデターを仕掛けようとしていると聞いた。鉱石の採掘によって惑星が滅亡しようとしている所で、昔からタイミングが悪い男だと分かっていても彼の素行について会議で弁護を行なってきた私だが、今回ばかりは弁護のしようがない。
「あとは私に任せてくれ。私とゾッドは知人だ、ヤツの弱点は把握している。運が良ければ私はヤツの足止めに成功し、君と共に星を脱出できるだろう」
「……必ず、帰って来てください」
「もちろんだ。ただでは命を落とすつもりはないのでね」
不安に震えるララは私の体を抱きとめ、彼女の温もりが体に伝わってくる。そうこうしているうちにゾッドの仲間は扉を突き破り、部屋内に侵入した。私のリストウォッチのような形状をしている装置にカルと記録を乗せたポッドが無事に出発したと知らせる通知を着信し、その機械音がなにかをだいたい分かっていた妻も一安心。
白衣の下に着ていた強化スーツを露にし、私はゾッドと向かい合う。
妻の前では強がって見せるものの、ゾッドは軍人、私は研究者。強化スーツでも着なければ私は軍人のゾッドと対等に戦える力を持たないし、逆にゾッドが強化スーツを着ていれば私に勝ち目はないだろう。
確率に身も運命を任せた状態でゾッドの仲間が脇によってヤツが来る道を空ける。
目を凝らしてヤツの服装を確認する。
ヤツの服装はーー
「ハロー、ジョー。気分はどうだ?」
「気分は最悪だ、ゾッド。お前はいつもタイミングが悪いやつだ」
強化スーツを纏い、妻や息子の後を負わせないように立ちはだかる父の前に立って笑う、かつての友人の軍人はタイミング悪く強化スーツを纏っていた。
世界は
Rout1:騎士の救済者
「……決めた」
秘めたる意思は鋼より固く。
「どうしたんだい?いきなり独り言を言って」
その心は“正義”で染まっていた。
「聖剣計画を、破綻させる」
爽やかで人当たりの良い、ある令嬢の騎士となる可能性を持っていた青年の大切な者を救うべく超人的な力を振るい、「聖なる物」を人為的に作り上げようとする計画を破綻させ、救済のルート。
Rout2:黒と白の姉妹
「……あんなに、あんなに拒絶したのに……っ!どうして……!?」
『正しい』ことを行い、己が何者かを探すため
「遠い昔、おぼろげながらも助けようとしてくれた人がいたんだ。そして、僕を希望と呼んだ」
一度は拒絶されようとも、
「だから、私たちを助けてくれたにゃん……?」
親切にしてくれた二人を救おうと思う
育ての親を殺されて浮浪者となっていた頃、はぐれ悪魔となった猫又の姉妹を救い、三人で逃亡者となる可能性。
Rout3:堕天使と人間の混血
「き、貴様ァ……!なにをしたのか分かっているのか!?化け物め!」
養子でありながらも息子同然に育ててくれる妻に被虐的な扱いを受けるのを喜びとする義父と夫に対して嗜虐的になる義母、
「化け物で結構。
そして彼ら二人の娘として生まれた混血の“いもうと”
「にーさま!?」
魔の力に弱くとも、生まれたばかりの自らに最初で最後の“贈り物”として与えられた“鎧”と自らを拾って養子となった堕天使と人間の夫妻からの“魔に対する耐性を持った贈り物”を纏い、義妹を護って神社の神主となって生きる“長男”としての人生
Rout4:魔王夫妻
「フム、よく似合うじゃないか、クラーク」
下僕に思慮深く、けれども、その赤い髪の男と灰色の髪の女は
「そうかな?これはサーゼクスさまの趣味なんじゃ……」
悪魔でももっとも強い存在
「クラーク、プライベートでは敬称付けは必要ありません。私たちを両親のように思ってよいのです。さあ、クラーク。このグレイフィアを母さんと呼んで飛び込んできなさい」
そんな彼らに恩返しをしたいと思い、
「……一番ノリノリじゃないか」
紅髪の魔王とその『女王』によって拾われ、育てられた魔王の“使用人”として生きる従者人生。
Rout5:聖女を救う者
「お名前を窺ってもいいですか?」
思慮深く、慈しみの心を持つ金髪シスターとの出会い
「そうだなぁ……、ジョージ?」
仮初のこの世界の“聖人”の名前から取った、その名称
「この魔女!我らを欺いていたのか!悪魔に誑かされていた、その少女を捕らえよ!」
ただ、己が“助けたい”と思った周囲を助けたが為に
「アーシアに手を出すなぁッ!」
異端との判子を押された少女を護る為
「サムソンのごとき怪力を誇る、あの青年も捕らえよ!」
「ジョージさん、やめてください!」
豪腕と能力を振るう
Rout6:魔法少女せらふぉるーwith鋼鉄執事
「ねー、これさ、すっごい似合うと思うんだよー」
コスプレ好きな後の魔王となる女性の出の家に拾われ、
「……セラフォルー様、そのフリッフリな衣装はさておき、お手の物は何でしょうか?」
その女性に仕える執事兼下僕となる
「え?モチロン、貴方の分だよ?グレンバレル」
しかし、気苦労は絶えず
「……グレンバレル、いつも姉さんが迷惑をかけてすみません」
「いえ、それが僕の仕事ですから。ソーナ様、お気遣いありがとうございます」
「あっ、ソーナちゃんも着るー?ほらほら、グレンバレル!レヴィアたんの命令はー?」
「……セラフォルー様は恐縮ですが、頭をお冷やしになればどうかと私は提案いたします」
「……グレンバレル、よくやりました」
「えー、二人とも冷たいなぁ」
しかし、どうしても頭が上がらないこともあって完全には断れず、
「……仕方ありません、一度だけですよ?セラフォルー様」
結局は毒を吐きながらも甘やかしてしまうのだった
「やったー☆さすがはグレンバレル!」
コスプレイヤーな魔王の女主人とその妹に仕え、悪ふざけに激昂して渡されたプレゼントの“衣装”を纏って生き抜く人生。
魔王の元で生きる世界はこれともう一つあれど、此方の方は恐妻家である意味『最強の女王』がおらず、苦労が絶えないながらも主に互いに惹かれてゆく世界。
そして
Rout7:もしも、王な赤龍帝に超人な兄弟がいたら?(略してもしドラ)
「なぁ、イッセー兄ちゃん。僕さ、兄ちゃんがモテる理由を知りたいんだ」
それは、IFの可能性
「なんだよ、
死亡することもなく、赤龍帝の青年が悪魔の下僕にもならず、日本神話の荒れ荒ぶ神・スサノヲを上司にもって、
「イッセーさん、それは事実ですか……?」
様々な指令を下される“エージェント”となる可能性
「ええ、それは聞き捨てならないわ。私の全てを受け入れてくれる、って言ったじゃない!」
様々な勢力に勧誘はされるものの、宗教には寛容で曖昧な国風を表すように
「レイナーレ!?アーシア!?どうして此処に!」
血の繋がりはなくとも、己を救ってくれた
「さてと、スサノヲ様への報告書を作成しようか」
義兄の役に立とうと思い、生きようとする
『おう、こっちは相棒の責任だからな。俺は観戦させて貰うことにするぜ。がんばれよ、セイシロウ』
自らの神器や弟の力を狙い、やってきた襲撃者を前にして死んだ両親の代わりに自らを護ろうとした弟へいつしか平穏な生活を弟に与えられるように気ままな荒れ荒ぶ神からの仕事を引きうける
「ドライグも助けてくれよ!」
それは“普通の生活”を手に入れるため、血の繋がりはなくとも
世界はこれ以外にもたくさんの可能性が広がる。
生まれたばかりのこれからの成長が見守れない息子の為に、自分達の命を犠牲にしてまで息子の幸せを願った両親。
並外れた能力を備えて両親の愛に押され、“機械”に決められることなく、無限の可能性を無限の幸せを“選択”できる『人を超えた者』。
「神か!?」
「悪魔か!?」
「天使か!?」
「いや違う!」
人を超えた者、その名はーー。
「僕は様々な呼び名がある。君たちも僕を好きに呼ぶといい。本名はまたあるらしいけど、僕はありのままの僕を受け入れてくれた人たちから貰った名前をお前に明かす必要はないと思っている。だけど、名乗らないままなのは僕自身が後味悪いと思うし、君は眠れないだろう。僕の名はーー」
ーー