・テーマはお好み焼き。
・登場人物は自由。形式も自由。世界観も自由。
・食事シーンは必須。「自分の好きなお好み焼き」を登場人物に美味しく食べさせること。
・文字数制限は無し。好きなだけ書くと良い。
・短編で1話のみ。後で続けても良いし、続けなくても良い。
・タグに『お好み焼き杯』といれること
また杯が出たので書いてみました。
自分の作品投稿しろって怒られそう。
これを書いている時にすでにギリギリだったので少し展開に無理があるかもしれません(現在10/31 22:44)
ちゃんと考えないと難しいなって
前回の企画で書いたメリーさん物とは特に関係はありません。
「……お腹……空いたのだわ」
少女が倒れている。青年は今の状況を簡潔に表した。
今晩は何を食べようかとスーパーで適当に物を買い帰宅していると倒れている少女に合った。
見た目は12~4歳ほど、西洋人形を思わせる綺麗な金髪が見える。顔は見えないが恐らく可愛いのだろうと言うことがわかる。服もそこそこいいものだしもしかしたらどこかのお嬢様なのかもしれない。
「だ、大丈夫?」
とりあえず駆け寄って声をかけてみた。
やばいのだわ……まさか完全受肉による欲求がここまでひどいと思わなかった……
私はメリーさんの電話と呼ばれる都市伝説の一つであり、発生条件が結構緩いためかなりの数がこの世に存在する。そんな私はつい先ほどかなり人間として近くなる完全受肉を遂げたのだが、その瞬間激しい空腹感を得てそのまま地面に倒れてしまった。私は娯楽としてもあんまり食事はとらない方で受肉した期間を含めると約X4年ほど、胃が空っぽになっていた状態で完全受肉したのなら流石にこうなってもおかしくないのかもしれない。
「……お腹……空いたのだわ」
そういえば見習いの時に「完全受肉が近い時にはちゃんと食事をしましょう」とか言われていた気がする……8割ぐらい聞き逃していたのがあだとなってしまった。やばい、意識すら朦朧としてきたのだわ。
「だ、大丈夫?」
すると声がかけられた、顔を上げると中々カッコいい青年がいた。16歳ぐらいだろうか……不安そうにこちらを見ている。お腹が空いたことを伝えるとポケットを探りビスケットを差し出してくれた。やさしい
ビスケットを受け取って食べるととても美味しく感じられた。これが満たされるってことなのだろうか…
「ありがとうございます、何も食べてなくて……」
「それはいいんだけど…えっと、親御さんとかは…?」
親はいないというかいるわけないので何とも言えない……黙っていると何かを察したのか、優しそうな笑みでこちらに声をかけてくれた。
「良ければだけど……うちに来る?」
……え? 早速お持ち帰りコースですか?
数々のお持ち帰りや恋人になった先輩メリーさんを思い出しつつまともに歩けない私を背負ってくれた。買い物袋も持っているのに優しい……。
しばらく歩くとアパートに付いたので下ろしてもらって家の中に入った、少しこじんまりとしてるけど一人で暮らすならちょうどいいぐらいだろう。
「ごめんね狭くて」
「いえ、いいお部屋だと思います」
いて心地のいい部屋だ、少し雑多ではあるが座っているクッションも気持ちいいし。異臭もしないしゴミだらけな訳でもないし。うむ、私が住むとしても別に手狭になるわけではないだろうっ!
出された紅茶も暖かくて少し渋みを感じるけど安心する味、というのだろうか。しばらくするとお腹からくぅ…という音がなった。これが空腹、何とも言えない感覚…正直何度も陥りたくないものだわ。次からはちゃんと何か胃に入れるようにしよう……。
「ふふっ、お腹空いているみたいだし早速夕飯にしようか」
青年は私に座っててというと台所に向かった、ここからでも何をしているかはわかるので覗いてみると若緑色の植物の玉を切っていた。確か……キャベツ、だったかな。そして小麦粉? と卵を混ぜたとろとろした薄黄色の液体を作っていた。あれは...昔食べたパンケーキというものの材料だったかしら? でもキャベツ? パンケーキって甘いからはちみつとかをかけていたと思うのだけど…?
首をひねっていると先ほどのキャベツと液体、それと色々な物を混ぜてある液体とお肉を持ってきた。ま、混ぜてあるのだわ!? いったい何なのこれ!?
「……あの、これはいったい何かしら?」
「あ、知らないのか。これはお好み焼きだよ」
「オコノミヤキ?」
聞いてみるとどうやら小麦粉と卵で出来た生地に野菜やお肉などを混ぜて焼いた後にソースとマヨネーズとアオノリをかけて食べるものらしい。パンケーキのように円に広げて片面が焼けたらひっくり返すらしい。
ふむ、甘いものではなさそうね...。ソース、前にチョコレートと思って舐めた時に驚いたような...
「それじゃ、今から作るよ」
目の前に置かれていたホットプレートという器具の上に油を塗ってその上にお肉を円の形になるように敷いて焼き始めた。お肉が焼けると生地をお肉より少し大きめの円の形に広げしばらくしてからそのオコノミヤキをひっくり返す、お肉が焼けるいい匂いと音が二つの器官を刺激して思わず涎が出そうになってしまった。その後に蓋をしてムシヤキというものをするらしい。その間に彼はソースとマヨネーズとカツオブシとアオノリを用意していた。
蓋を開けて再度ひっくり返すと温度を下げる、そしてその上にソースを一気にかけた。焼いた石に水をかけたような音とともに焼けたソースの匂いが一気に室内に広がった。
その瞬間私のお腹が早く食わせろと言うように大きく鳴る、恥ずかしくなってうつむくと彼はふふっと微笑ましそうに笑った。顔が熱を持っている、恐らくホットプレートの熱気に中てられたわけではないのだろう。
「さっ、完成だよ。熱いから気を付けてね」
とオコノミヤキをさっくりと切り分けて私のお皿に乗せてくれた。私は彼に視線を送るとどうぞという笑みを浮かべたのでフォークでさっくりと切って持ち上げてみる。ほくほくと湯気を立てていた、熱いと言うことなので息を吹きかけて冷ます。
「あ……むっ」
オコノミヤキを口に含んだ瞬間、口の中で弾けた。
いや、私の頭がそうなったのかもしれない。焼けたソースの香りとしょっぱさとすっぱさが口の中に広がり特に何も口にしてなかった舌に大きな衝撃を与えた。一度オコノミヤキが爆発したのかと思ったぐらいである。
「んぐむっ!?」
思わず吐き出そうとしたのを抑えて咀嚼した。今まで食べた物の何よりも濃い味、混ぜられた色々な野菜が混ざっており噛むたびに触感が変わる。食べているだけで面白い、どんどん食が進む。ずっと食べているといつの間にかなくなってしまった。
「あ、ご、ごめんなさい……全部食べてしまって……」
「いいよ、今もまた焼いているからまだ食べたいなら言ってね」
気が付いたら目の前のホットプレートがまたオコノミヤキを乗せていた。いつの間に、それとも私がオコノミヤキに夢中になり過ぎていただけだろうか。
断ろうとしたけど視線を抑えられず結局お腹いっぱいになるまで食べてしまった。
その後、彼と他愛もない話をしていた。彼がどんなことを普段しているのか、私は普段どうしているのか。まぁ話せないことが多いので学校に通っているって設定にしたけど。
すると私が所持している携帯が鳴った。疑問に思う彼の前でそれを耳に当てると少女の声が聞こえる。
『そろそろ時間ですよ』
…そう、もう帰らないといけないのね。
「ごめんなさい、もう迎えが来てしまったみたいなの」
「え…あ…そうなんだ…あまり詳しくは聞かないけど、家に帰れるんだよね?」
「…あなたといるのは楽しかったのだけど。悲しいわ」
「…また会えるかな?」
「えぇ、きっと」
彼女はそういうと去っていった、送ろうとも考えたが家の前まで迎えがもう来ているらしく。そのまま頭を下げて帰っていった。
「どこかのお嬢様だったのかな…」
お好み焼きも知らないみたいだったし外国からこっちに来たばかりだったのかな、でも日本語は上手だったしよく分からない子だったけど……
「可愛かったなぁ……」
正直一目ぼれと言ってもいいかもしれない、2~3歳下の女の子に何思ってるんだってなるかもだけど。
黄金の長い絹糸のような長い髪にまるで人形のように整った顔、ふわふわとしたドレスのような手から伸びる白い手足。正直おんぶしてる時ずっとドキドキしていた。
また……会えるかなぁ
そんなことを思いながら日々を過ごしていると自分の携帯が鳴っていることに気付く、画面を見ると非通知設定。いったい誰なのかと首を捻りながら電話に出た。
「もしもし?」
するとしばらく返答がなかった、もしかして無言電話か?
「…もしもし?」
「……私、メリーさん」
そして電話口から聞こえて声に聞き覚えがあることに気付く。この声は…もしかして
「今からあなたに会いに行くの」