虹色に輝く世界で ~あなたは残された時間を何に使いますか?~ 作:トミザワ
キーンコーンカーンコーン
4限目の終わりを知らせるチャイムがなる。
(やっと終わった.....)
ここまで非常に長かった。と言ってもまだ昼休みと5、6限が残っている。ちなみにツインテールの女の子に連れられた後、もちろんのこと周りの女子から白い目で見られ自己紹介では緊張で何も言えず、確実に陰キャ認定され避けられてる状態です。まぁこうなるとはわかっていたんだけどね
「.....」
僕は机に突っ伏して寝たフリをする。これから約40分という長い昼休みが始まる。ほとんどの生徒は学食や購買などで友達とお昼を食べるのだろうが、残念ながら僕には友達も居場所もないので、お昼ごはんは諦めて寝たふりで過ごすことにした。
「あっ!いたいた!」
すると聞き覚えのある声がした。
間違いない。
ヤツだ.....。
幸い?にも彼女とは別のクラスになったのだが、なぜかやたらと僕に話しかけてくるのだ。
まぁ今回はお友達でも呼びに来たのだろう。てかそうであってくれ。
「おーい!一緒にお昼食べよ!」
『........』
高咲さんが呼びかけるも誰も返事をしない。
おいおい誰だよ........無視してる奴........。
「........寝てるのかな?」
その言葉が聞こえたと同時に足音が接近してきた。どうやら教室に入ってきたらしい。
そして足音は僕の目の前で止まった。
「おーい........起きて....」
僕は顔を上げることなく、寝たふりを決め込む。
「おきろ~」
彼女は僕の肩を叩く。
(僕と食べたって楽しくないぞ....)
何故こんなに親身になってくれるのかはわからないが、正直言って一人でかわいそうだからと無理して話かけてるのだったら止めてほしい。
「あっ!侑ちゃん!」
すると教室から彼女を呼ぶ声が聞こえた。この声.....聞き覚えがある。
たしか高咲さんの幼なじみの.....植木じゃなくて上野じゃなくて.....まぁいっかどうせ話さないし。
それにしてもナイスタイミングだ。この人がくれば高咲さんもさすがに帰るでしょ。
「あっ!歩夢!祐介君起こすから先に食堂に行ってて!」
「うん!わかった!」
そんなことはなかったですね。てか幼なじみの方もわかるなよ。『どうせ起きないんだからもう行こうよ』って言うのが普通だと思うんだが.....
「う~ん.....起きないな~.....あっ!そうだ!」
なんだろう...ものすごく嫌な予感がする....
「えいっ!」
すると突然彼女は僕のわき腹をつついてきた。
「っ!?」
突然の攻撃に対応できるはずもなく、僕はイスから転げ落ちる。
「だ、大丈夫!?ご、ごめん!まさかイスから落ちるとは思わなくて」
高咲さんは慌てて僕に謝罪をする。
「だ、大丈夫です....」
「本当に?怪我とかしてない?」
僕は高咲さんの言葉にコクッと頷く。
「よかった....。じゃあ行こっか!」
「へ?」
高咲さんは僕の手を握り、食堂へと向かう。
食堂に向かうのは良いんですが、手をつなぐ必要ありますかね?コイツあれでしょ。陰キャとかにも普通に話しかけて勘違いさせちゃうタイプでしょ。それで告白したら『ごめん!今は誰とも付き合いたくないんだ....。でも友達としてこれからも仲良くしよう』とか言っておいて実はサッカー部のイケメンとこっそり付き合ってるタイプだ!
「あっ!歩夢!席取ってくれた?」
「うん!窓側の席が空いてたから」
そんなことを考えている内にあっという間に食堂に着いてしまった。
やはり校内唯一の男子生徒ということもあり、注目を浴びていた。それも悪い方で。
『ほら!あれだよ!編入してきた男の子』
『うわ~....なんか陰キャっぽい....』
『って言うか一緒にお昼食べてる子って高咲さんと上原さんじゃない?』
『まぁあの二人優しいしね』
しかも僕どころか上原さんや高咲さんまで注目されている。まだ彼女たち二人に関しては陰キャに話しかけてあげる優しい人と周りには思われてるが、下手をすれば、『好感度稼ぎ』『男たらし』など彼女たちにもヘイトが向きかねない。女子校なら尚更だ。
「あっ!それで考えてくれた?」
「....えっ?」
やっべー....考え事して聞いてなかったとか言えない。
「同好会のことだよ!」
彼女たち二人はスクールアイドル同好会に所属しているらしい。
「お願い!ぜひマネージャーとして同好会に入ってくれない?」
高咲さんに関しては、休み時間の度にこんな感じで勧誘をしてくる感じだ。
だが、答えは決まっている。もちろんNoだ。理由はめんどくさいし、早く家に帰って一人になりたいから。てかそもそもマネージャーなんて他の人でもできるでしょ。
「い、いや....あ、あの....」
しかし、コミュ障すぎて断る勇気が出ない。
「侑ちゃん、まだ祐介君は編入初日なんだよ?いきなり勧誘しても困っちゃうよ」
すると上原さんが助け船を出してくれた。とてもありがたい
「だから最初は仮入部でいいんじゃないかな?」
とか思ったけど、全然そんなことなかったですね。
「歩夢、ナイスアイデア!」
いや僕からしたら全然ナイスなアイデアじゃないよ。
「じゃあまず見学しないとね!放課後、迎えに行くから教室で待ってて」
まずい....非常にまずい....。勝手に話が進んでいる....。
「えっと....その....」
勇気を出すんだ佐竹祐介!断るんだ!
「....はい」
無理でした。
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昼休みが終わり、5限目の授業。お昼を食べた後もあり、きっと全国の高校生は睡魔に襲われてるだろう。
だが、僕は今それどころではなかった。
「........うっ....」
薬飲み忘れた........。ヤバい........頭痛い。吐きそう........。
「........うっ」
耐えろ........。ここで吐いたら一生の終わりだぞ....。
「おい、佐竹、大丈夫か?具合が悪いなら保健室へ行ってこい」
どうやら教師が気づいてくれたようだ....。
「は、はい」
僕はそう言って教室を出た。
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「んぐっ....」
僕は廊下の水道で薬を飲む。だが、薬もすぐに効くわけではない。おそらく30分はかかるだろう。
「それまで....保健室で休むか....」
しかし、危ないところだった。あそこで先生が気づいてくれなければ、僕は完全にリバースしており、周りから変なあだ名を付けられ、いじめられていただろう。
「失礼します....」
僕は保健室の扉をノックして入る。しかし返答はない。どうやら誰もいないようだ。
まぁ薬が効くまでベッドを借りようと思っただけだし、むしろ誰もいない方がありがたい。
そう思った矢先、僕はあるものを見つけてしまった。
「....?なんだこれ?」
下を見ると、何やらシミのような点が保健室の奥まで続いていた。
「....もしかして血?」
全身から血の気が引くのがわかった。血は苦手だ。ゲームならどんだけグロくても大丈夫なのだが、リアルでは自分の血ですら見ると震えが止まらない。
「....オエッ」
僕は吐くのを必死に抑える。危ない....危うくリバースするところだった。
ガタッ
「っ!?」
すると保険室の奥から物音が聞こえた。僕は恐る恐る物音の方向へ足を進める。
「........」
するとジャージを着た一人の女子生徒が必死に薬箱を漁っていた。ジャージの色をみる限り、どうやら一年生のようだ
「あ、あの........」
僕は恐る恐る声をかける。
「っ!?」
すると彼女はこちらを振り向く。
「ヒッ!?」
振り返った彼女は鼻から大量の血を流していた。
そして彼女は鼻を押さえながらこう言った。
「ティッシュくだひゃい........。」
「は、はい........」
血が苦手な僕はなるべく彼女の方を見ないように、ティッシュとハンカチ、そして保険室の冷蔵庫にあった保冷剤を渡す。
「ありがとうごさいましゅ....」
僕は彼女が受け取ったのを確認するとそそくさとベッドの方へ行き、ベッドに横になる。そしてしっかりとベッドカーテンを閉める。
かなりの出血だったが、彼女は大丈夫だろうか?というか何したらあんなに鼻血が出るのか不思議でならない。
........もしかしてケンカ?そんなことあるわけないか。
とりあえず薬が効くまで寝よう。
『う....うん?』
僕は目が覚め、ベッドから起き上がる。
『しまった!今何時だ!?』
寝すぎてしまったことに僕は慌ててスマホを見る。
『は?』
スマホを開いた瞬間、驚愕した。
時刻 23:59
訳が分からない
いくら薬の副作用とは言ったところで深夜まで寝てたと言うことか?
『あの....すいません』
すると突然後ろから声が聞こえてきた。
『っ!』
慌ててふりむくと、先ほど鼻血を出していた女子生徒がいた。
『驚かせてごめんなさい....。ハンカチとティッシュをお返ししようと思って....』
そう言って彼女は僕にハンカチとティッシュを返す。
『もう遅いですし、早く帰りましょうか!』
そう言って彼女は僕の手を握る。
ベチャッ
彼女が僕の手を握った瞬間、嫌な感触が手に伝わった。
『っ!?』
慌てて彼女の手を振りほどき、つないでいた自分の手を見る。
つないでいた自分の手は血で真っ赤に染まっていた。
『あー....そういえば、洗うの忘れてましたね』
彼女はそう言って僕に近づく
『ねぇ、何で私が鼻血を出したか知りたいですか?』
僕は首を横に振る。しかし、彼女はクスッと笑い話を続けた
『校内を歩いてたら、なぜか知らない人に殴られたんです。酷くないですか?』
恐怖で震える僕に彼女はこう言い放った。
『だからついカッとなって殺しちゃいました♪』
『は?』
彼女の言葉に唖然とする。
『それで、あなたが警察とか通報されると私が困るんですよね』
『っ!?』
僕は逃げようと保健室を出ようとする
ガシッ
『駄目ですよ?話は最後まで聞かないと』
彼女は僕の腕をがっちりとつかみ、こう言った。
『逃げて通報されると困るので、あなたもここで殺しちゃいますね♪』
そう言って彼女は包丁を取り出し、僕に振りかざす
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
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「っ!?はぁ.....夢か....」
時刻を見ると、もうすぐ5限目が終わる時刻だった。
「あの....大丈夫ですか?」
声のする方向を見ると、先ほど包丁で僕を襲ってきた彼女が僕の左手を握り、心配そうにこちらを見ていた。
「あ、あの....手」
「えっ?あっ!ご、ごめんなさい!うなされてたので///」
彼女は顔を赤らめながら慌てて握っていた手を離す。
「い、いや...大丈夫です....」
間違いない....。きっと彼女も男子キラーだ。まぁ夢では本物のキラーだったけど....。もし、中学の時にこれをやられていたら間違いなく、勘違いして告白していただろう。
「あの....ティッシュとハンカチありがとうございました」
そう言って彼女は僕にハンカチとティッシュを返す。しかしある違和感に気づく
(あれ?ティッシュカバーが付いてない)
いつも付けている猫が描かれているティッシュカバーが付いていなかった。もしかしてティッシュカバーだけパクられた?
「そのティッシュカバーの事なんですけど、血が付いてしまったので洗ってお返ししますね」
あー良かった。てっきりパクられたのかと思った。
「....そのハンカチ手作りなんですか?」
「へ?あっ..うん」
彼女は僕が作った柴犬の刺繍が入ったハンカチに興味があるようだ。
「かわいいですね!ワンちゃんお好きなんですか?」
「う、うん...動物は基本好きだよ」
すると僕の言葉に彼女はクスッと笑った。えっ?なに?なんか僕、変な事した?それともキョドってるのがバレた?
「先輩は優しい人ですね」
「へ?」
彼女の言葉に僕は驚く
「編入してくる男子生徒がウチの女子生徒を突き飛ばして逃げたと噂で聞いたので...きっと怖い人なのかなって思ってました」
どうやら噂は形を変えて、ぶつかったから突き飛ばしたに変わってるようだ。
キーンコーンカーンコーン
そんなことを考えていると5限目の終了を知らせるチャイムがなる。
「では私は着替えがあるのでこれで失礼しますね」
彼女は席を立ち、ドアの方へ向かう。
「あっ!そういえば、名前まだ言ってなかったですね。国際交流学科、一年の桜坂しずくといいます。」
そう自己紹介し、こちらに振り向く。
「また放課後にお会いしましょうね。佐竹祐介先輩♪」
「........えっ?」
なんだろう........ものすごく嫌な予感がする。
続く
ホラー要素いらないんじゃね?と一瞬思ってしまった。
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