前回はずっと秘めていた炭治郎の本音にカナヲが寄り添いましたね!
さあ、そんな炭治郎達は新たな完成形変体刀の性能実験に参加します!
果たして炭治郎は、その同期の面々は強くなることができるのか!?
そんなわけで最新話です!
刀鍛冶の里にやって来て三日目、私は現在――
「あぁ!また糸が絡まってますよ!何やってるんですかッ!?」
「む、無茶言う~!!」
ひょっとこ面のショタに怒鳴られていた。
「あのねぇ!今朝説明受けて!まったくの素人の私が!しかもこの大きさの〝人形〟をそんなすぐに十本の指で操れるようになるわけないでしょ!!」
「言い訳する暇があったら早く絡まった糸を解いてさっさと手を動かしてください!!人並み以上に楓子さんは器用なんですから絶対できますよ!!柱ともあろう人がこの程度で『できない』なんて諦めるなんてはっきり言ってカスですよ!!」
「『できない』なんて言ってないわよ!!〝すぐには〟無理って言ってるの!!」
「ならそれこそ練習あるのみです!!さっさと手を動かして下さい!!」
「ぐぬぬぬぬ~ッ!!やぁってやろうじゃねぇかぁぁぁぁぁぁッ!!」
ひょっとこ面のショタのスパルタに私はやけくそ気味に叫びながら再び両手を構える。そんな私の両手の指のすべてには金属の輪がはめられそこから糸が伸び、その先には私の身長ほどの人型の絡繰り人形が鎮座していた。
四本の脚と四本の腕、白い袴に黄色の着物、顔はどこか女性的に見えるその人形こそ、私の考案した十本の刀の一つ、『微刀・釵』である。
「さあしっかり動かせるようになるまで今日は帰しませんし寝かせませんよ!!」
「DV彼氏みたいな物言いしてると将来奥さんに愛想憑かされるわよ!!」
「でぃいぶい?ってなんですか?」
「……なんでもないから気にしないで」
「なら無駄口叩いてないでさっさとやってください!!」
「わかってるわよちきしょぉぉぉぉぉぉッ!!」
私は叫びながら指を動かす。私の動かした指に繋がる糸が引かれ『微刀・釵』――日和号が立ち上がる。
「そのまま前に歩かせて!!」
「くぅッ!」
言われながら再び指を動かす、と、ぎこちない動きで日和号が歩を進める。
「ほら、ふらついてますよ!!」
「言われなくても……こなくそッ!!」
指が攣りそうになりながら必死に動かす。が――日和号は五歩ほど進んだところでバランスを崩し倒れる。
「だぁッ!!もうッ!!」
「何やってるんですか!!もっと全体の均衡に気を付けてください!!」
「気を付けてるのよこれでも!!そんな簡単に出来たら苦労ないっての!!」
「さあほら早く!!さっさと立たせてください!!」
「あぁもうッ!!」
悪態をつきながら再び手を構える。
――何故こうなったか、その経緯を語るためには数時間ほど遡る。
私、そして、かまぼこ隊の三人と玄弥君カナヲちゃん、マコちゃん、伊黒様と蜜璃さんは朝食後、里の山中にいた。
「と、いうわけで私考案の日輪刀の性能実験始めましょう!!」
「……始めるのはいいんだが――どこにあるんだ?」
私の言葉に伊黒様が訊く。
「どこって、目の前にあるじゃないですか」
「……こいつらのことか?」
「厳密には右のです」
「だが、これは……」
「人形、よね?」
私の言葉に伊黒様と蜜璃さん、他の面々も訝し気に見ている。
「そうです!これこそが私考案の日輪刀が一つ、『微刀・釵』!人呼んで日和号!!――あ、隣のはこの里に代々伝わる絡繰り人形『縁壱零式』です」
「微刀……」
「釵……」
「と、縁壱零式……」
私の言葉にみんな目を見開いている。
「そう!これを使えば鬼との戦闘において体力が尽きることもなく戦い続けることのできる戦力となるんですよ!、そして、この縁壱零式を管理し、日和号制作の手伝いをしてくれたのがこちらの、鋼村田鉄太さんと小鉄君親子です!」
「どうも、ご紹介に預かった鋼村田鉄太です」
「小鉄です!」
私はひょっとこ面をかぶった二人を紹介、二人もそれぞれ名乗る。
小鉄くんは言わずと知れた原作にも登場した彼だ。そして、そのお父さんである鉄太さん、彼は原作では亡くなっていたが、それも私が医療部門として研究していた医薬品のおかげで治療することができた。お陰で日和号制作も進めることができた。万々歳である。
「それで、この人形のどんな性能実験を手伝えばいいんですか?」
「いい質問だね~!」
玄弥君の問いに私は頷き
「今からみんなにはこの日和号が使い物になるか模擬戦をしてもらいます!」
「模擬戦?」
「そう!まあ流石に真剣を使っちゃうと怪我したり壊れたりもするから刃を潰した刀でだけどね」
私は頷きながら答え
「というわけで早速ですが鉄太さん、小鉄君!日和号起動させてください!!」
私は高らかに叫び
「いや、何言ってるんですか、無理に決まってるじゃないですか」
「あれ~ッ!!?」
小鉄君の呆れたような物言いに私はキョトンと首を傾げる。
「え?だって完成したんですよね?」
「ええ、完成しましたよ」
私の問いに鉄太さんが頷く。
「なら、もう戦えるんじゃ……」
「無茶言わないでください。誰も操作してないのに勝手に動くわけないじゃないですか」
「………え、これ操縦しないといけないんですか?」
「当然です」
「え…でも、縁壱零式は操縦しなくても動きますよね?」
「この縁壱零式は後ろのカギと指や手首で設定することで初めから決まっている型通りの動きをするだけです。全自動で動いているわけではありません」
「人形が自分でものを考えて勝手に動くなんてそんなことできるわけないじゃないですか。頭いいくせにそんなこともわからないんですか?」
「……ぐう正論」
小鉄君のとげのある言い方に私は押し黙り
「え?じゃあこの日和号はどうやって操縦するんですか?」
「これです」
炭治郎君の問いに鉄太さんは十個の指輪のようなものを取り出す。よく見ればそこには糸が付いており日和号に繋がっているらしい。
なんかあれだ、某銀髪銀目の人たちが自動人形達と戦うトランクから出てくる人形みたいだ。
「この糸が人形の各部に繋がっており対応する指にこの指輪を付けて糸を引くことで操るんです」
「糸って切れちゃわないんですか?」
「この糸には日輪刀の原料となる鋼が織り込まれているのでこの細さでも強度はそれなりにあります」
「へ~、こんなに細いのに!」
鉄太さんの言葉にマコちゃんが驚きの声を上げる。
「とりあえず、まずはどなたかがこの操縦方法を覚えてもらい、動かせるようになってからでないと模擬戦は難しいでしょう。そのためにこの縁壱零式も持ってきました」
鉄太さんは私たちの顔を見ながら言う。
「どなたかがこの操縦方法を覚えている間に、他の皆さんはこの縁壱零式で訓練をなさってはどうでしょうか?この人形は決められた型だけですが三百年以上前に実在した剣士の動きを模して動けるように作った絡繰り人形です。この人形と模擬戦をすればよい訓練となることでしょう」
「実在した人物!?」
「昔の奴は腕が六本もあったのかッ!?」
「んなわけねぇだろバカ!!」
驚く玄弥君と伊之助君、伊之助君の言葉に善逸君がツッコミを入れる。
「あれは、腕を六本にしないとその剣士の動きをまねすることができなかったそうです」
「どんな凄腕の剣士だ、それは」
鉄太さんの言葉に伊黒様も驚きの声を上げる。
そんな中、炭治郎君が口を開く。
「その剣士って誰なんですか!?どんな人だったんですか!?」
「さあ?何しろ三百年以上前の人物のことですので記録もなく……」
「そう…ですか……」
鉄太さんの言葉に炭治郎君は残念そうに呟く。
「どうかしたの?」
「あ、いえ…その……」
マコちゃんの問いに炭治郎君は少し言い淀み、意を決したように口を開く。
「実は俺、あの人形…というか、その元になった人物を夢で見た気がするんです」
「夢で?」
「だが、お前はこの里に来たのは今回が初めてなんだろう?」
「そう、何ですけど……」
伊黒様の言葉に炭治郎君も困惑した様子で頷く。
「……それ、記憶の遺伝じゃないでしょうか?」
と、そんな炭治郎君に小鉄君が言う。
「うちの里で言われていることです。受け継ぐのは姿形だけでなく、生き物は記憶も遺伝させる、初めて刀を作る時同じ場面を見た記憶があったり、経験していないはずの出来事に覚えがあったり、そういうものを記憶の遺伝と呼びます。あなたが見たものはきっとご先祖様の記憶なんですよ」
「て、ことは炭治郎のご先祖様はあの人形の元になった剣士にあったことがある、ってことなのか?」
「かもしれません」
小鉄君は善逸君の問いに頷く。他の面々は感心した様子で頷いている。
「まあ、それについては確かめようがないから置いておいて、とりあえず皆さんはこの縁壱零式で訓練していてください」
そんな面々を見ながら私は口を開く。
「日和号に関しては私の案ですから、まずは私が操縦技術を身に着けます」
「わかりました。では、縁壱零式は調整しながらでないと十全に真価を発揮できませんので私が付きましょう。楓子さんと日和号には小鉄が付きます。この子も操縦方法は知っていますのでご安心ください」
「わかりました!」
鉄太さんの言葉に頷いた私は炭治郎君達に向き直り
「じゃ、ちょっと私日和号にかかりきりになるので、その間しっかり訓練しててね!」
「「「はい!」」」
「おうよ!」
「…はい」
炭治郎君達同期組五人が頷いたのを見て
「マコちゃんと伊黒様、蜜璃さん達は良ければ五人の訓練を見ながら助言をしてもらえれば」
「わかったわ!」
「ああ」
「任せて!フーちゃんの分もしっかり指導するから!」
三人もそれぞれ頷く。
「あ、よければ伊黒様達もどうぞ。この縁壱零式の性能ならきっと柱の皆さんの特訓相手にも十分なれると思いますので」
「それほどなのか……」
「いったいこの元になって剣士の方ってどれほどの人だったのかしら……」
鉄太さんの提案に伊黒様も蜜璃さんも驚きの声を漏らす。
「では、早速分かれて特訓開始としましょう!!」
私の号令に二手に分かれ行動を開始した。
――と、いう経緯で現在に至るわけだが
「はぁ…はぁ…はぁ……や、やっと十歩ほど歩かせられた」
まだぎこちないものの日和号を動かすコツのようなものが少し見えた気がする。
だが、そろそろぶっ通しで四時間はやっているだろう。その間水分もご飯も、何なら休憩もなしだったのでそろそろ集中力の限界だ。一度一息つかないとこれ以上は効率が悪い。
「の、喉乾いた…み、水……」
私はのそのそと脇に置いていた水筒に手を伸ばし
「何やってるんですか!休憩してる時間なんかありませんよ!」
スパルタ小鉄君が叫ぶ。
「ほら、早く練習の続きを――」
「アホか!!死ぬわ!!」
小鉄君の言葉を遮って思わず叫ぶ。
「ねぇさっきから気になってたけど、君の特訓方法は効率悪すぎ!そこ正座!!ちょっと説教するから!!」
「え?えッ?えッ!?」
困惑した様子の小鉄君に私はとりあえず水筒の水を飲んで喉を潤し
「君ねぇ、子どもだからと思って多くは言わなかったけど、疲労している状態でいくら鍛えても特訓の効率は悪くなるばっかりなの!!だから適度な休憩をはさみながら行うことで集中も続くし、そもそも水無し食無し睡眠無しじゃ特訓以前に生命活動の危機に直結するから、特訓中には論外なの!!大体ねぇ――」
――この後小一時間かけてとうとうと説教した。
というわけで新たなる完成形変体刀の『微刀・釵』こと日和号登場でした。
が、当然ですが元ネタの様に稼働させることはできませんでしたね(;^ω^)
というわけでこういう形での運用方法となりました。
そして、今回は原作でもおなじみの小鉄君の登場、さらに、原作では亡くなっていた小鉄君のお父さんの登場でした。
楓子の技術の影響がこんなところにも発揮されましたね!
ちなみに原作では小鉄君の苗字が(私の記憶している限り)出ていなかったので勝手に命名させていただきました。
というわけで炭治郎君達の強化は生存している小鉄君のお父さんが担い、楓子は小鉄君のスパルタ特訓に参加となりました!
果たして、日和号は戦闘に有用に使うことができるのか!?
と、言ったところで今回の質問コーナーに移ります!
今回はカメカメ817817さんからいただきました!
――もし、ポケモンの世界に転生してたら、どのポケモンをゲットしたいですか?そして、柱の皆さんや炭治郎くんたちにはどのポケモンが合いそうですか?
楓子「私もポケモンは一時期しか触れてないからあんまり詳しくないけど、知ってる中ならルカリオがいいですね。
炭治郎君達や柱の皆さんは…以下の奴なんていかがでしょう?
・炭治郎君:ミュウツー
・善逸君:ピチュー
・伊之助君:オコリザル
・カナヲちゃん:ニンフィア
・玄弥君:ブラッキー
・マコちゃん:ポッチャマ
・蜜璃さん:サーナイト
・伊黒様:アーボック
・しのぶさん:バタフリー
・義勇さん:エンペルト
・煉獄さん:バシャーモ
・宇髄様:メロエッタ
・時任様:ゲッコウガ
・不死川様:ジャローダ
・悲鳴嶋様:レジロック
ってところですかねぇ~。一時期しかちゃんとやってない上にネットでよく見るようなのしか知らないニワカなのでイメージに合わない!など意見あったらごめんなさい。
ちなみに炭治郎君がミュウツーなのは人間を恨んでるミュウツーも炭治郎君なら絆されるんじゃないかなぁってイメージです」
ということでした!
そんなわけで今回はこの辺で!
次回もお楽しみに!
~大正コソコソ噂話~
結局夜まで特訓を続けた楓子でしたがその日は何とかふらつかずにゆっくりと数歩歩けるようになるのが限界でした。