恋柱の継子、人の恋路に世話を焼く   作:大同爽

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急にお気に入り件数が増えてて困惑しました。
いろいろ確認してたらランキング14位でした。
困惑しました。
その後10位まであがりさらに困惑しました。
夢かと思って頬をつねりました。
スゴく痛かったです(;´Д⊂)

評価いただき本当にありがとうございます!!
とてもとても嬉しかったので書きかけていた次話を大急ぎで仕上げました。
あと、短編から連載に変更しました!

ただ最新話を読む前にこれだけ言わせてください。
『おばみつ』が見たかった方すみません!今話は『おばみつ』じゃないです!!

そんなわけで最新話です!






恋4 いったいいつから、恋柱の継子の応援するCPがおばみつだけだと錯覚していた?

「おや、冨岡様!こんなところで奇遇ですね!お買い物ですか!?」

 

「……お前は」

 

 商店街にて日用品の買い物をしていた義勇に同じくこちらは食料品を買いに来ていた楓子がにこやかに話しかける。

 

「はい!恋柱・甘露寺蜜璃が継子、大好楓子です!以前柱の皆様に蜜璃さんからご紹介いただいて以来でしょうか!冨岡様のご活躍は度々耳にしております!」

 

「……そうか」

 

 ニコニコと話しかける楓子に、しかし、義勇はそっけない態度で返事をする。

 そんな義勇にも楓子は気にした様子なく話しかけている。

 

「そう言えば、こうしてお買物されているということは冨岡様は今日は非番ですか?」

 

「……ああ」

 

「では、よければこの後お時間頂けませんか?これから蝶屋敷でしのぶさんにお互いに料理を教え合うことになっていまして。よければ味見役で来ていただければ、と。女ばかりなので男性がいていただければたくさん作っても心配ないかなぁって」

 

「…………」

 

 楓子の言葉にチラリと視線を向けた義勇は

 

「……俺は行かない」

 

「そうですか、残念ですね。まあ柱の皆さんは普段から任務でお忙しいですからたまの非番くらいゆっくりしたいですよね。すみません、変なことお願いして」

 

「……ああ」

 

 義勇の言葉に楓子は残念そうに頷く。

 義勇は話は終わったと言わんばかりにそのまま去って行こうと歩き出し――

 

「私は創作料理の『エビマヨ』を作る予定だったんですよね。結構自信作なんですよ。しのぶさんからは『鮭大根』を教わることになっていたのですが……」

 

「ッ!?」

 

「それではすみません、失礼いたします」

 

 そう言って去って行こうとする楓子だったが

 

「ッ?どうしました、冨岡様?」

 

 後ろからガシッと手を掴まれ振り返る。

 

「……行く」

 

「はい?」

 

「……味見役、引き受ける」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

 義勇の言葉に嬉しそうに微笑んだ楓子は義勇の手を両手で包むように掴み、ブンブンと上下に振りながらお礼を言う。

 

「では、まだ買い物の途中なので、よければお手伝いお願いできますか?」

 

「……構わない」

 

「では行きましょう!」

 

 そう言って楓子は義勇を連れ立って歩き始めた。

 好物の鮭大根が食べられるとあって人知れず内心ウキウキしている義勇は気付かなかった、自身の前を歩く少女が「計画通り」と笑みを浮かべていることに。

 

 

 ○

 

 

 前世でいろんなジャンルの漫画やアニメにはまった私はそれらの影響でいろんなことに率先して挑戦した。キャンプのアニメにはまったときは友達とゆる~くキャンプをしにいったり、釣りのアニメにはまったときには釣り堀や海に釣りに行った。

 そんな私が挑戦したものの中でも料理は自信を持って特技と誇れる技能の一つだ。

 料理は化学、なんて言葉もあるが、実際適切な材料と手順さえ守れば美味しい物は出来上がる。

 その知識と経験がこの明治の世界においてもいかんなく発揮され、知識として現代の料理のレシピを覚えていたことでこの時代ではまだ開発されていない料理や、まだ日本では知られていない料理なんかも作ることができる。それらは蜜璃さんにもたいへん好評である。

 そして今回、私はしのぶさんに頼み込んで『鮭大根』の作り方を教わることになった。生前作ったことは無かったので『鮭大根』はいつかやってみたいと思っていたし、何よりこれは〝新たな幸せ〟のための布石である。

 今回私が幸せを画策している相手は「胡蝶しのぶ」である。

原作ファンなら誰しも涙したであろう胡蝶しのぶが迎えた結末。蜜璃さんに次いで推している彼女のあの結末には私自身読みながら涙したものだ。あんなに綺麗で未来ある女性が幸せにならない道理は無い。

 そんなわけで今回私は蜜璃さん達に次いで「しのぶさんハッピーライフ計画」に着手することにした。

 手始めに彼女が少しでも生に執着できるように彼女には恋をしてもらう。その相手として白羽の矢が立ったのが冨岡義勇である。

「冨岡義勇」と「胡蝶しのぶ」。この二人は原作でも特に恋愛的な描写は無い物の、しのぶの初登場が義勇とセットだったり、義勇に対して歯に衣着せぬ物言いだったりとファンの間でこの二人のカップリングは割と主流になっている。かく言う私もその一人だ。

 ぎゆしのが公式で供給が少なかった分、二次創作で満たしていたこの欲、本物で見られるのなら是非もなし!

そんなわけで私は義勇としのぶをくっつけるために、入念な調査の末、義勇の非番の日の情報を得て、彼の休日の行動パターンを把握することで、接触に成功した。

 義勇が『鮭大根』が好き、と言うのは公式に知っていたので恐らく乗って来ると思ったのだが、まさかここまであっさり乗って来るとは思わなかった。

 あっさりと計画通りに義勇を連れて行く流れに持っていけた私、義勇を連れ立って蝶屋敷を訪ねたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁできましたよ~」

 

 楓子の声に机を囲んでいた面々が顔を上げる。

 楓子は自分が作った大皿に盛られた『エビマヨ』を、次いでしのぶも同じく大皿に盛られた『鮭大根』を運んで机の真ん中に置く。

 

「カナエさん、どうぞ」

 

「ありがとう、アオイ」

 

 アオイがおひつからご飯を盛った茶碗をカナエやカナヲ、義勇へと渡す。

 

「ん~、いい匂い」

 

「これが、大好さんの創作料理ですか……」

 

「1から10まで全部が創作ってわけでもないですけどね」

 

 微笑むカナエとアオイの差し出すお茶碗を受けとりながら楓子が答える。

 

「まあとりあえず食べましょうか」

 

 カナエの言葉を合図に机を囲んだ面々が手を合わせ声を揃えて「いただきます」と言った後にそれぞれ手元の取り皿に料理を取って食べ始める。

 

「ん!美味しい!」

 

「海老もプリプリとした食感で、何よりこのタレが美味しい!ご飯にあうわね!」

 

 エビマヨを口に入れたカナエとしのぶの二人が目を見開く。

 

「この『まよねーず』というタレ、とても不思議な味ですね」

 

「マヨネーズは結構汎用性高いですよ。生野菜に少しかけて和えても美味しいですし、唐揚げにもよく合いますよ」

 

「へぇ~、すごいですね。卵で出来るんでしたっけ?」

 

「うん、詳しい分量なんかはしのぶさんに伝えているのでそちらを聞いてもらえればと思うけど、簡単に言えば卵の黄身に酢と水と塩と胡椒を混ぜながらそこに油を加えて行ってお好みの食感になるまで加えて行けばいいだけ」

 

「へぇ~、それでこんなに美味しくなるんですね」

 

「まあこれはさらに他にも混ぜてるけどね」

 

 興味深そうに訊くアオイに答えながら楓子も『鮭大根』を頬張る。

 

「ん~!これも美味しいですね~!味が良く染みてます!ご飯によく合う!」

 

「それはよかった」

 

 しのぶも嬉しそうに微笑む。

 

「いやぁ、教えてもらってありがとうございます!これで出来る料理のレパートリーが増えました。蜜璃さんも喜んでくれると思います」

 

「いいのよ。私たちもこんなに美味しい料理教わったし」

 

「ええ。ねぇ、カナヲ?」

 

「…………」

 

 カナエがニコニコと訊くがカナヲは何も言わず黙々と食べ進めている。

 

「カナヲも気に入ったみたいね」

 

「だとしたら嬉しいですね」

 

 カナエの言葉に楓子は頷きながら次いで義勇へと視線を向ける。義勇はカナヲ同様に黙々と箸を動かしていた。

 

「もぉ、冨岡様、男一人で肩身狭いからってそんな黙って食べなくてもいいんですよ?」

 

「……ああ」

 

「まったく、男一人でこんな美少女五人に囲まれてるからって緊張してるんですかぁ~?」

 

「…………」

 

 冗談めかして言う楓子だったが義勇は何も言わず黙ってジィッと楓子の顔を見る。

 

「…………」

 

「…………」

 

「………………」

 

「………………」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「自分で自分の事を美少女って言ってごめんなさいすいませんこの人たちと自分を同じ枠に数えてごめんなさい醜女の分際ですいませんでしたなのでそんな『え、お前自分の事本気で美少女だと思ってんの?恥ずかしくないの?』みたいな目で見るのやめてください」

 

「「楓子(ちゃん)!!?」」

 

 沈黙に耐えかねた楓子が土下座しながら早口で言う様子にカナエとしのぶが慌てる。

 

「ちょ!義勇君はそんなこと一言も言ってないから!」

 

「そ、そうよ!気にし過ぎだから!」

 

「いいえ、目がそう言ってます。皆さんのような美人と自分を同列に語ってしまってすみません。私なんて皆さんと比べたら月とスッポンです」

 

「楓子ちゃんはスッポンなんかじゃないから!楓子ちゃんは十分可愛いし美人よ!」

 

「……ホントニ?」

 

「「ホントホント!」」

 

「………カナヲチャンヨリモ?」

 

「あぁ…それはカナヲの方が可愛いかなぁ~?」

 

「ゴメンネ醜女デ」

 

「姉さん!!」

 

 背中を丸めてため息をつく楓子を宥めるのにそこから20分かかった。

 そんなことがありつつ食事は進みあらかたお皿の中身が空になり、みんなで食後のお茶を飲んでいた。

 

「どうでした、冨岡様?美味しかったですか?」

 

「……ああ」

 

「それはよかった。味見役をお願いしてよかったです……ちなみに私のエビマヨとしのぶさんの鮭大根ではどっちがおいしかったですか?」

 

「………………」

 

 楓子の問いに言いづらそうに視線を巡らせる様子を見せ

 

「………鮭大根」

 

「ちくしょうやっぱりかぁぁ!!!明らかに鮭大根の方バクバク食べてましたもんねぇ!!!」

 

 大の字で畳に倒れる楓子に義勇は少し申し訳なさそうに眉をひそめていた。それを聞いたしのぶはまんざらでもなさそうに、しかし、それを顔を出さないように澄ました顔をしていた。

 

「まああれだけ美味しそうに食べてたら味見役頼んだ甲斐があったって物ですね。次は冨岡様に気に入ってもらえるもの作ってみせますよぉ!」

 

 言いながら楓子は立ち上がり机の上のお皿を片付け始める。

 

「あぁ、いいわよ。楓子はお客さんなんだから座ってて」

 

「でも……」

 

「私たちも教わったんだからお相子よ」

 

 そう言ってしのぶが楓子が重ねて集めたお皿を運んでいく。アオイもそれを手伝ってお皿を運んでいく。

 

「しのぶもああ言ってるし、楓子ちゃんはゆっくりしてて」

 

「……では、お言葉に甘えて」

 

 カナエにも言われたので楓子は浮かしていたお尻を下ろす。

 

「それにしても、義勇君たくさん食べてたもんね~。鮭大根なんか一人で半分以上食べてたんじゃない?」

 

 楓子が腰を下ろしたのを見てカナエはニコニコと微笑みながら言う。

 

「………すまん」

 

「あぁ、別に怒ってるわけじゃないのよ。男の子なんだからたくさん食べないと」

 

 にこやかに言うカナエの言葉に義勇は頷く。

 

「そんなに気に入ったんですか、しのぶさんの鮭大根?」

 

「………ああ」

 

「ハハ、心なしかいつもより表情明るく見えますね」

 

 頷く義勇に笑いながら楓子は言う。

 

「………まぁ、うまかったからな」

 

「そんなに好きなんですね」

 

「……ああ、毎日でも食いたいくらいだ」

 

 カシャーン!

 

 義勇の言葉の直後、背後で大きな音が響く。

 三人が見ると、そこでは

 

「ま、毎日……!?」

 

 顔を真っ赤に染めてアワアワと焦った様子のしのぶが立っていた。彼女の足元には箸が数本転がっていた。

 

「しのぶ?」

 

「………?」

 

「ッ!?」

 

 カナエと義勇の二人が首を傾げるのを見てしのぶは慌てて咳払いをする。因みに楓子はそんな様子をニヤニヤと見つめている。

 

「そ、そんなお世辞言われても嬉しくありませんから!」

 

「………お世辞じゃない」

 

「ッ!?」

 

「すごくうまかった。ありがとう」

 

「………いえ、どういたしまして」

 

 義勇の言葉にしのぶは顔を赤く染めたまま頷き、そんな様子を楓子に加えてカナエも微笑ましそうに見つめている。

 

「も、もう!姉さんに楓子までなんですかその眼は!?」

 

「「別に~」」

 

「クッ……!」

 

 声を揃えてニヤニヤと言う楓子とカナエにしのぶは顔を赤く染めたまま唇を噛む。

 

「わ、私のも美味しかったかもしれませんけど、楓子のエビマヨも!まよねーずも美味しかったでしょ!」

 

「フフ、そうねぇ~。あのまよねーずって言うのすごいわね~」

 

 話を逸らすしのぶにカナエもこれ以上妹をいじめては可哀そうだと話に乗っかる。

 

「楓子、またこの『まよねーず』を使った料理教えてね」

 

「ええ、いいですよ~」

 

 しのぶの言葉に頷きながら

 

「あ、でもあんまり食べ過ぎないようにしてくださいね?太るんで」

 

 ピシッ

 

 笑顔のまま言った楓子の言葉にカナエとしのぶの笑顔が凍り付いた。

 

「……楓子ちゃん、今なんて?」

 

「ん?あぁ、太るって言ったんですよ」

 

 二人の笑顔がぎこちなくなるのに気付かないまま楓子は話を続ける。

 

「マヨネーズって食用油と不飽和脂肪酸や酸が含まれてますからねぇ。卵や酢の影響で油臭さを感じないように工夫されてますけど、約七割が脂肪であって、カロリーが高くて1日あたり大さじ1杯以上のマヨネーズを食べるだけでも、体質によっては一般的にはカロリー過多で、栄養学上好ましくない場合もあるんですよ」

 

「「か、かろりー?」」

 

「ん~、カロリーって言うのは要は人間が身体を動かす上での燃料みたいなものだと思ってもらえればいいです。人間は食物を食べることでその燃料であるカロリーを摂取するんですが、そのカロリーは取り過ぎると燃料として消費されずに脂肪として身体に蓄えられちゃうってことですね。それが続けばそのままブクブクブクブク肥えて太ってく訳ですね」

 

「か、体に蓄えないためにはどうすればいいの!!?」

 

「えッ!?ああ、そうですね……まあ得たカロリーを消費してしまえばいいわけですから適度に運動するとかですかね?」

 

「「…………」」

 

 楓子の言葉を聞いた胡蝶姉妹は顔を見合わせ

 

「ね、ねぇしのぶ?姉さんなんだかお腹が膨れたら身体を動かしたくなってきたわ」

 

「あ、あら、奇遇ね姉さん。ちょうど私もそう思っていたところよ」

 

「じゃあ今から道場の方に行って少し稽古でもしない?」

 

「あら、いいわね。そうしようか、姉さん」

 

「じゃ、じゃあそんなわけで私たちはちょっと道場の方に行って来るわね」

 

「お二人はゆっくりして行ってください」

 

「え?あぁ、はい……」

 

 ニコニコと笑顔のまま立ち上がる二人の言葉に楓子は首を傾げながら頷く。

 そのままふたりは引き攣った笑みのまま部屋を後にしたのだった。

 

「あれ?カナエ様としのぶ様はどこか行かれたのですか?」

 

「なんか運動したくなったって道場行ったよ」

 

「……今食事をしたばかりなのに…ですか?」

 

「つい今しがた食事したばかりなのに」

 

 楓子の言葉にアオイは首を傾げる。

 義勇、アオイ、楓子の三人はよく分からないまま首を傾げ続けるのだった。

 




因みに今回は楓子ちゃん的には一緒に食事をして距離を縮めようくらいの作戦だったんですが、義勇さんの思わぬ言動に一人で胸中で歓喜の踊りを踊っていました。

へ(´∀`へ)ヨイヨイ♪(ノ´∀`)ノヨイヨイ♪

↑歓喜のダンスを踊る楓子ちゃんの様子

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