恋柱の継子、人の恋路に世話を焼く   作:大同爽

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無限列車編のエピローグ的なお話です。
あの激闘の末の結果やいかに!





恋45 恋柱の継子と杏寿郎からのバトン

 無限列車の激闘から二日が経った。

 日が昇ってすぐに到着した『隠』の人達が列車乗客の救出や治療を迅速に行ってくれたおかげで死者はゼロ。これは列車が横転したときに原作同様に客車への衝撃を抑えた杏寿郎さんの功績も多大にあるだろう。

 私はその場にいなかったので詳しい状況はわからないがあのリッカーもどきもかまぼこ隊の三人と伊黒様と不死川様に加え、途中で参戦した禰豆子ちゃん達の活躍で私達が猗窩座を倒したのと同じくらいに倒しきることができたようだ。

 流石に無傷とはいかないまでも、向こうはそれほど大怪我を負うことは無く、柱の二人に関してはこの二日で完全に回復したようでもうすでに任務に復帰できるまでになっている。

 そして、猗窩座と戦った私と杏寿郎さんはと言えば――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わっしょい!」

 

 現在私の目の前で杏寿郎さんは私が見舞いで持ってきたスイートポテトを食べながら叫んでいた。

 杏寿郎さんは蝶屋敷内の一室、そのベッドの上で炭治郎くん達も療養中に着ていた治療用の寝間着姿で胡坐をかいている。

 

「うむ!やはり楓子君のスイートポテトは絶品だな!」

 

「アハハッ、喜んでもらえてよかったです!」

 

 朗らかに言う杏寿郎さんに私はニッコリ微笑む。

 

「とりあえず以上が今回の一件の事後報告です」

 

「うむ!死者が出なくて何よりだな!」

 

 私の言葉に杏寿郎さんが嬉しそうに微笑みながら左手で持っていた食べかけのスイートポテトを頬張り

 

「わっしょい!」

 

 再び大きな声を上げる。

 

「あの巨大な化物にはさすがに俺も肝を冷やしたが竈門少年達も楓子君が応援として連れてきた伊黒達が頑張ってくれたようだな!犠牲者がいなくて何よりだ!」

 

「そうですね。なんでも禰豆子ちゃんが多大な貢献をしてくれたようですよ」

 

「うむ!これで伊黒達も禰豆子君が鬼殺隊の一員として戦えると、俺同様に理解してくれるといいが!」

 

「完全に信用は無理でもいい取っ掛かりにはなったんじゃないですかね?」

 

「そうだな!」

 

 私の言葉にうんうんと頷いた杏寿郎さんは私に視線を向け

 

「楓子君はどうだ?君も無傷と言うことは無かったように思ったが?」

 

「お陰様でピンピンしてます。おっしゃる通り無傷ではないですが、私も伊黒様達同様にもうすでにほとんど全快です」

 

「その首の包帯は?」

 

「……少し痣ができてて気になるので」

 

 杏寿郎さんの問いに私は隊服の上から指摘された首元を撫でる。

 

「まあ今回の件で戦った隊士の中で一番の重傷者は、杏寿郎さんですよ」

 

 言いながら私は杏寿郎さんの身体、その包帯とギブスで覆われ首から吊られた右腕に向ける。

 

「うむ、どうやらそうらしいな!」

 

 私の言葉に頷きながら杏寿郎さんは左手でその腕を撫でる。

 

「聞いてもいいか?」

 

「……なんでしょう?」

 

「俺の腕はどういう状態だ?」

 

「…………」

 

 杏寿郎さんの問いに私は押し黙る。

 

「胡蝶姉妹に訊いても教えてくれなくてな!ごまかされてしまった!」

 

「……そうですか」

 

 杏寿郎さんはいつもの笑みのまま私に視線を向ける。

 

「気遣いはいらない!率直に教えてほしい!俺も自分の身体のことだ、少しは察している!」

 

 言いながらもう一度右腕を撫でた杏寿郎さんは

 

「俺は、もう刀は振るえないのだな?」

 

「……はい」

 

 私はその問いに一瞬考え、頷く。

 

「あの時、最後の猗窩座の攻撃で右腕の骨折――いえ、もはや折れるを通り越して粉砕されてしまっています。その負傷のせいで神経にも傷がつき、後遺症は避けられないでしょう。骨が繋がって、訓練すればある程度は動かせるようになるかもしれません。でも、もう以前の様には……」

 

「……そうか」

 

 私の言葉に杏寿郎さんは頷く。

 その表情は悲しみよりも、納得が強いようだ。

 

「すみません……」

 

 そんな杏寿郎さんへ私は頭を下げる。

 

「何故君が謝るんだ?」

 

「だって…杏寿郎さんの負傷はあの時私を庇ったからで……」

 

 私の言葉に、しかし、杏寿郎さんは優しく微笑みながら首を振る。

 

「俺のことは気にしなくていい」

 

「でも……」

 

「柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ!柱ならば誰であっても同じことをする!若い芽は摘ませない!特に君は大事な弟子で、甘露寺の弟子でもあり妹みたいなものだ!師として守るのは当然だ!」

 

「杏寿郎さん……」

 

「まあ今後のことは今はまだ何も思いつかんが、極論左腕だけでも刀を振るうことはできる!鬼と戦うことは困難でも、後進の育成はできるだろう!」

 

「そう…ですね……」

 

 朗らかに言う杏寿郎さんに、しかし、私は頷きながらも気分は重い。

 私としては自分の命を落としてでも杏寿郎さんを助けるつもりだったのに、ふたを開けてみれば助けられたのは私だった。

 なのに…それなのに……

 

「浮かない顔をするんじゃない!」

 

「でも、私を助けなければ杏寿郎さんは……」

 

「助けられたのは俺の方だ!」

 

「え……?」

 

 驚き呆ける私に杏寿郎さんはニッと笑いながら言う。

 

「君が伊黒や不死川を動かしてくれなかったら、俺や竈門少年達ではきっと今回の件はこうまで上手く収めることはできなかった!俺達だけではもっともっと被害は大きかっただろう!下手をすれば俺達は全員死んでいたかもしれん!それが俺の右腕一本で済んだのなら安いものだ!」

 

 言いながら杏寿郎さんは私の頭に左手を伸ばし、優しく撫でる。

 

「もっと誇ればいい!君は大きなことをなしたんだ!君が気に病むことなんて無い!」

 

「杏寿郎さん……!」

 

 私はその優しくも力強い言葉に涙ぐむ。

 

「それでも君が俺の負傷に責任を感じるのであれば、一つ頼まれてほしいことがある!」

 

「頼まれてほしいこと……?」

 

 杏寿郎さんの言葉に私は

 

「わかりました!やります!」

 

 大きく頷く。

 

「ハハッ!俺はまだ頼み事の内容を言っていないんだがな!」

 

「どんなことでも何でも言ってください!私にできることならなんでもやります!」

 

「フフ、そうか!頼もしいな!」

 

 力強く頷く私に杏寿郎さんは嬉しそうに微笑み

 

「では、さっそく君に頼みたいことなんだが!」

 

「はい!」

 

「お館様にはもうすでに話は通してあるのだが、君には――」

 

 その瞬間開いていた窓から強風が舞い込み、カーテンをふわりと舞い上がらせ、その延長線上に座っていた私の髪を揺らした。

 

「――どうだ?やってくれるか?」

 

 風に舞った私の髪とカーテンが元通りに収まった時、目の前の杏寿郎さんはにっこりと微笑みながら私に問いかける。

 私はその杏寿郎さんの問いかけに……

 

「……えぇ…それ本気で言ってます?」

 

その予想外の頼み事に唖然と呟いた。

 

 

 ○

 

 

 杏寿郎さんの見舞いから三日後、現在私は

 

「――以上が、今回の無限列車でのことの顛末です」

 

 臨時で招集された柱合会議に説明の為に出席していた。

 

「そんな……複数の鬼を合成して上弦並の戦力を作るなんて……」

 

「嗚呼…鬼舞辻無惨、なんと業の深いことか……」

 

「吐き気を催す邪悪ってやつだな。派手に気に入らねぇ」

 

「命を弄んでいますね」

 

「…………」

 

 私の言葉にあの戦いに参加していなかった蜜璃さん、悲鳴嶼様、宇髄様、しのぶさんが顔を顰めて言い、普段表情を変えない義勇さんですらその顔に不快感を露わにしている。時透様はいつも通りぼんやりした表情をしてるので読めない。

 

「ただ、実際に対峙した感覚で言えば、確かに再生速度や攻撃力は上弦並だが、理性が無く血鬼術を使ってこない分、脅威性で言えば下弦並と言えるかもしれねェ」

 

「ああ。俺達に加え、あの例の鬼を連れた新人隊士とそのツレ達、それに例の鬼の少女でゴリ押しすれば足を止めて被害を出すことを食い止めることはできた」

 

 言いながら伊黒様は一瞬躊躇った様子を見せ、しかし、すぐに真剣な眼差しで集った面々の顔を見て最後にお館様に視線を向ける。

 

「正直、今回のあの化物の討伐の立役者はあの鬼の少女です。あいつの血鬼術による炎があの化物の再生を抑制してくれたおかげで倒しきることができました」

 

「……ああ。悔しいが、俺達だけじゃもっと時間がかかったでしょう」

 

 伊黒様の言葉に不死川様も頷く。その顔はどこか複雑そうに見えた。

 

「そうか、禰豆子は頑張ったんだね」

 

 二人の言葉にお館様はニコニコと嬉しそうに微笑む。

 

「これで、少しは禰豆子をみんなにも認めてもらえたかな?」

 

「……そうですね、少なくとも戦力に数えてもいいと判断しました」

 

「俺も同じくです」

 

 伊黒様が頷き、不死川様も同意するように頷き

 

「ですが、あいつが鬼である以上いつか人を襲うかもしれないという懸念は拭えません。もしもあいつが人を襲ったその時は当初の決めた通りに」

 

「…………」

 

 不死川様の言葉にお館様はそれでも笑顔を絶やさず頷き

 

「それでも、君達が禰豆子のことを少しでも信じてもいいと思えたことが進歩だ。とても喜ばしいよ」

 

 嬉しそうに言う。

 

「さて、今回の無限列車の一件は駆けつけてくれた実弥と小芭内と楓子の尽力と炭治郎、伊之助、善逸、禰豆子、そして杏寿郎の奮闘のお陰で最低限に留めることができた。さらには鬼舞辻無惨の新たな戦力の情報とその討伐、上弦の弐を打倒することにも成功した。これは大変に嬉しい報告の数々だ」

 

 言いながら、そこで言葉を区切ったお館様は少し寂し気に目を伏せ

 

「しかし、その代償に杏寿郎は右腕を負傷。隊士としての復帰は難しいだろう」

 

『ッ!』

 

 お館様の言葉に柱の皆さんが揃って息を飲む。

 

「しかし、本人はそれを重くは受け止めていないようで今後は後進の育成に尽力すると言っているよ」

 

「……煉獄さんらしいですね」

 

 お館様の言葉に蜜璃さんが安心した様子で微笑む。

 他の面々も思った以上に杏寿郎さんが元気な様子がうかがえたのかホッと息をつく。

 

「さて、そんな杏寿郎からの申し出もあって抜けた彼の穴を埋める為に新たな柱の選出をしたいと思う」

 

 言いながらお館様が私に視線を向ける。

 

「杏寿郎からは自分の後継に楓子を推薦する一文が添えられていた。私もその推薦に賛成するが、みんなはどう思うかな?」

 

 言いながら集った八人の柱の面々へ視線を巡らせる。

 うぅ…怖い。胃が痛い。気持ち悪い。吐きそう。

 三日前に杏寿郎さんから言われた時は唖然としたが、まさかお館様まで乗り気だと知った時にはぶっ倒れそうになった。

 私に杏寿郎さんの後継で柱になるとか無理!!恐れ多くて死んでしまいます!!辞退したい!!でも、あの時先に何でもするって言っちゃったし!!あの時の私の馬鹿野郎が!!安請け合いしてんじゃねぇよ!!

 と、言うわけで今日の柱合会議の議題は先日の無限列車の事後報告に加え私の柱昇進の是非を問うことが目的である。

 しかぁし!私はここに希望を見出した!!

 この集った柱の面々による多数決となれば絶対可決されることは無い!!だって私ほぼ初対面の不死川様に失礼なことしたし!!伊黒様だって私が柱になることを容認するわけないし!!

 と、内心ほくそ笑みつつ私はそれを表情に出さない様に澄ました顔で黙っている。

 そして、お館様の言葉を聞いた柱の面々は少し考える素振りを見せ

 

「私は大賛成です!彼女のことは師として見続けていましたが、彼女の豊富な知識と力量ならば問題ないと思います!」

 

 最初に先陣を切って言ったのは我が師匠である蜜璃さんである。

 

「俺も派手に賛成だ。こいつであれば柱として申し分ない」

 

 続いて宇髄様が頷き

 

「私も異論はありません。彼女の医療知識と技術による功績は大きいですし、本格的に彼女を柱として医療部門の正式なトップにするべきではないでしょうか?」

 

 続いてしのぶさんが言う。

 と言うかしのぶさん、医療部門の責任者に関しては私よりもしのぶさんかカナエさんの方が適任だってこれまでに何度も言ってますよねッ!?

 

「僕はどちらでも。お館様がそう決めたなら異論はないです」

 

 心の内で叫ぶ私を他所に時透様がぼんやりとした表情で言い

 

「俺も異論はありません」

 

 冨岡様が頷く。

 ま、まあここまでは想定内だ。

 だが!!ここからだ!!さあ頼みますよお三方!!ビシッと反対意見で賛成派の皆さんを論破してやってください!!

 そう思いながら残りの三人に視線を向けると、ちょうど悲鳴嶼様が口を開く。

 

「私も彼女の柱就任は異論ありません。彼女のもたらした医療技術により多くの隊士が救われたのは事実。加えて先の無限列車の一件ではその異質性を見抜き戦力を用意する先見の明は鬼殺隊にとってなくてはならない支えとなるでしょう」

 

 ……うん、ま、まあこれもまだ想定内。

 しかぁし!!伊黒様と不死川様なら!!

 と、私が食い入るように伊黒様たちに視線を向けるとそんな私の視線に一瞬首を傾げた伊黒様は他の面々に視線を向け

 

「大好は態度は不遜で俺のことも度々あれやこれやと揶揄することもあり、正直その態度には問題もあるように思う」

 

 と、伊黒様が口を開く。

 いいぞいいぞ!その調子ですよ!もっと言ってやれ!

 

「が、態度に難はあれど、こいつの力量と功績は本物だ。俺もこいつが柱に就任することに異論はありません」

 

 あっれぇぇぇぇぇぇッ!?伊黒様ぁぁぁぁぁぁッ!?

 い、いや、まだだ!!まだ真打である不死川様がいる!!

 あの人なら私の柱就任に賛成するはずが――

 

「俺も異論はありません。無限列車でも杏寿郎との共闘があったとはいえその頸を落としたのは間違いなくこいつの力量です。確かに性格に多少難があるようですが、実力があるのならそこは問題にはなりません」

 

 なんでだぁぁぁぁぁぁッ!!?

 なんで誰も異議申し立てしないの!?私なんで皆さんから意外と高評価なんですか!?私はただ自分の欲望に忠実に生きてきただけなのに!?

 一人頭を抱える私を他所にそんな八人の言葉に嬉しそうに微笑んだお館様は満足そうに頷き

 

「では、異論はないようなので、今日からここにいる大好楓子を新たな柱とする。おめでとう、楓子」

 

「え、えぇ~っと……」

 

 お館様のにこやかな言葉に私はどうにか上手い回避の方法はないのか!?と頭を巡らせるが――

 

「ヒッ!?」

 

 八人分の視線を受け私は、あぁこれは今更辞退とか無理な空気ですね!!と一人で諦めがつき

 

「……じゃ、若輩者ですが、今後ともご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします」

 

 言いながら三つ指を立てて頭を下げた。

 

「うん、新しく柱になってわからないこともあると思うから、先達としていろいろ教えてあげてくれるかな」

 

『はい』

 

 お館様の言葉に柱の皆様が頷く。八人が頷いたのを確認したお館様は微笑む。

 

「それと、先程しのぶからも申し出があった通り、これからは楓子に正式に医療部門の責任者に就任してもらおうと思う」

 

 え、待って聞いてないんですけど?

 

「これまで本人が医療を一挙に担う蝶屋敷の主人である柱のしのぶや元柱であるカナエを差し置いて自分がするのは恐れ多い、と辞退していたのもあって暫定的な責任者としていたが、彼女も柱になったので何のしがらみもないだろう」

 

 いやそうですけどさぁぁぁぁぁッ!!

 

「そして、彼女は以前より情報戦略部の責任者も任せていたが、この際だから部署として統合してしまおうかと思う。ついては今日から医療部門と情報戦略部を統合し、新たに『梁』とし、楓子にはその責任者として活躍していってもらおうと思う。異論がある人はいるかな?」

 

 お館様の問いに誰も否定の言葉を口にしない。

 いや、だれか反対しようよぉぉぉぉぉッ!!

 ちょ、蜜璃さん!なんでそんなに誇らしげなんですか!?

 しのぶさんはなんでさも当然みたいな顔してんですか!?医療部門は蝶屋敷の専売特許でしょうに!!

 他の方たちもなんでそんな落ち着いてんですか!?私今日柱に就任したのにその上新しく立ち上げられた部署の責任者まで任命されたんですけどぉぉぉぉぉッ!?

 

「それでは最後に彼女の柱としての称号についてだけど」

 

 内心で頭を抱える私の葛藤に気付かないお館様はニコニコと笑顔で口を開く。

 

「杏寿郎の後継であり、彼女自身の使う呼吸から取って、『炎柱』を――」

 

「お待ちください!!」

 

 お館様の言葉を遮って私は声を上げる。

 いやいやいや!さすがにそれは待ったをかけますよ!

 

「何かな?」

 

 私の待ったにお館様がきょとんと首を傾げる。

 

「その、流石に未熟な私が基本の五つの呼吸に数えられる『炎』をいただくのは恐れ多すぎます!私には役が勝ちすぎていると言いますか!別のものをご一考いただけませんか!?」

 

「そうかい?君には十分にそれだけの技量があると思うんだが、まあ本人が言うなら…そうだねぇ……」

 

 私の必死な言葉に頷いたお館様は少し考え

 

「……そうだね、君はその豊富な医療知識で鬼殺隊の隊士達の生命を守り、若い芽を育んだ。その君の功績から――」

 

 言いながらお館様は顔を上げて私にニッコリと微笑み

 

「『萌柱』でどうかな?」

 

「もえ……」

 

 前世でさんざん耳にし、なんなら自分でも口にしまくった言葉を!その事実を知らないのに何故的確にその言葉を選んだんですかね!?産屋敷家の直感恐るべし!!

 私が胸中で一人恐れ戦いている中で

 

「萌!いいですね!字体も可愛らしいと思います!」

 

 蜜璃さんが微笑んで頷き

 

「楓子の使う呼吸の『炎』から連想される『燃える』という意味も感じさせる語感もとてもいいと思います」

 

 しのぶさんも微笑んで肯定する。

 他の皆さんも特に「えぇそれどうなの?」みたいな様子は見られない。普通に受け入れられている。当然である、「萌え」という言葉が私の思うような意味で使用されるようになったのはこの大正の世から100年近く後のことなのだから。

 

「どうかな楓子?」

 

「えぇ~っと……」

 

 お館様の悪意ナシの100%善意の視線に私は

 

「と、とてもいいと思います」

 

 頷くしかなかった。

 

「うん、気に入ってくれてよかった」

 

 私の返答にお館様は嬉しそうに頷く。

 

「では、今日から楓子は『萌柱』として、そして『梁』の責任者として、活躍してくれることを期待しているよ」

 

 嬉しそうに微笑むお館様、そして、他の柱の皆様の視線に

 

「はい、ご期待に沿えるよう精進いたします!」

 

 力強く頷くしかなかったのだった。

 




と言うわけで大好楓子、『萌柱』就任です!
そして、医療部門と情報戦略部が統合され『梁』が立ち上げられました!
さあ柱となった楓子ちゃんの今後の活躍にご期待ください!



そして今回の質問コーナーです!
今回は倭人さんからいただきました!

――上弦 ニの鬼 童磨を策略や富岡義勇の協力等を利用して、無事に討ち取ることができました。
if、もしもの話ですが、今後、楓子の枕元に童磨の幽霊が「うらめしや~」と出てきたら、「マッスルソルト!!(←キ○肉マン 超人タッグトーナメント編の一幕を参照されたし) とっととくたばれ 糞野郎」等と塩を撒いて追い払うのかしら?
それとも、自分の持ち霊として使役するのかしら?(←どこのシャーマンキ○グの話だよ!?)
それとも……(以下略)

楓子「あの糞野郎は認知したら確実に調子乗るのでもし幽霊として出てきたら徹底的に無視します。それはもう徹底的に、いないモノとして扱います。まあそれでも諦めずに憑き纏ってくるようならお館様に頼んで比叡山とかの霊験あらたかなお坊さんにお祓いしてもらいますね」

と言うことでした!
さて、ここでお知らせとお願いです!
今回のお話を投稿した時点で確認したところお気に入り件数がもう少しで3000件に届きそうになっています。そして、あと5話でトータル話数が50話を迎えようとしています。
そこで皆さんにお願いです!
現在記念の番外編を考えているのですが、どのエピソードが読んでみたいかのアンケートにご協力ください!
企画中の番外編は以下の四つです。

1、キメツ学園の続編。
  原作のキメツ学園と若干設定改変し義勇さんの同僚の体育教師になった錆兎さんが登場予定。
2、魔法少女コチョウ☆しのぶ
  現代日本のとある町で魔法少女に変身しして鬼と叩くしのぶさんと妖精(楓子)のお話。
3、ifもしも楓子が魘夢の血鬼術を受けたら
  微睡む意識の中から浮上した楓子は気付けば前世で通っていた大学の講義室にいて……
4、童磨に憑かれた楓子
  童磨討伐から二年後の夏、朝目覚めた楓子はその枕元に見たくもないあの糞野郎の姿を見た。

この四つです。
4番は今回の質問を見て面白そうだと思ったので入れてみました。
と言うわけで直感で面白そうだと思うものを一つお選びください!
ご協力よろしくお願いします!
そんなわけでまた次回!
アンケートは6/11(金)で締め切ります!
よろしくお願いいたします!


~大正コソコソ噂話~
楓子が責任者に任命された『梁』ですが、「柱」が鬼殺隊を支える個々の特出した文字通りの「柱」なら、そんな柱や他の隊士達を繋ぎ鬼殺隊の力を強固にする横向きの支えとなるように、と言う意味で耀哉は名付けました。


次回の番外編の内容は?

  • キメツ学園の続編
  • 魔法少女こちょう☆しのぶ
  • ifもしも楓子が魘夢の血鬼術を受けたら
  • 童磨に憑かれた楓子
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