今回のお話はかなりシリアスな上に登場人物も多かったのでなかなか納得するように話が展開できなくて何度も修正していて時間がかかってしまいました。
書いては、いやこの人ここでこんなこと言わない(しない)だろ、と修正を繰り返すうちにいつの間にか11月になっていました。
やっと書けたので投稿します!
豆腐メンタルなので批判は甘めにお願いします(;^ω^)
「皆様、今夜は突然の呼び出しに応じていただき、誠にありがとうございます」
自身の屋敷、萌柱邸の道場にて、楓子は目の前に集った面々へ言う。
楓子の目の前では
「全くだぜ!こっちは派手に厄介な鬼の調査中だったってのによぉ!」
と、音柱・宇髄天元が言い
「嗚呼、今後の鬼殺隊、ひいては鬼舞辻無惨打倒に重要な案件とまで言われて」
「しかも、お館様の名前まで出されたら来ねぇわけにはいかねぇだろうがよォ」
と、岩柱・悲鳴嶋行冥が合わせた手で数珠を鳴らしながら言い、風柱・不死川実弥も不機嫌そうに頷く。
「ふーちゃんのことだからまた凄いこと始めるのよね!」
恋柱・甘露寺蜜璃は微笑みながら言い
「厄介なこと、じゃないといいが……」
そんな蜜璃の隣で蛇柱・伊黒小芭内がボソリとため息をつき
「まあまあ、お館様が絡んでるんですから、いくら楓子が突拍子もないことをすると言ってもきっと大丈夫ですよ……たぶん」
そんな小芭内の呟きを聞いていた蟲柱・胡蝶――冨岡しのぶは苦笑いで言いながら、しかし、最後にやっぱり不安が拭いきれなかったのか呟く。
「うむ!しかも現柱だけでなく戦線を離脱した俺にまで招集をかけるとは相当な案件だと思えるな!」
と、元炎柱・煉獄杏寿郎が言い
「…………」
「…………」
霞柱・時透無一郎はぼんやりと、水柱・冨岡義勇はいつも通りの無表情で、しかし、楓子へ視線を向ける。
柱九人分の視線を受けた楓子は
「少々お待ちください。まだ揃っていないので」
「揃ってない?他にも誰か来るのか?」
楓子の言葉に天元が訊く。それに答えようと楓子が口を開きかけ
「楓子ちゃん、お見えになったわよ」
ノックの音と共に扉の向こうからカナエの声が聞こえてくる。
「わかりました。お通ししてください」
そんなカナエの言葉に楓子が応じると、扉がゆっくりと開く。そこには――
「なッ!?」
「あまね様ッ!?」
「それに輝利哉様までッ!?」
カナエの後ろから現れた人物に柱の面々が驚愕の表情を浮かべる。
「失礼しました、少々遅れてしまいました」
そんな柱の面々が驚愕する前であまねは輝利哉と共にゆっくりと楓子の隣に座る。
「我々は本日、今回の件のお館様の代理で来ました」
『ッ!?』
あまねの言葉に柱の面々の顔が強張る。今回の招集が本格的に重大な案件らしいと身構える。そんな面々を尻目に楓子はコホンと咳払いをし
「では、揃いましたので早速今回の招集の目的についてお話します。カナエさん、マコちゃんにタマちゃん達を連れて来てもらってください」
「わかったわ」
楓子の言葉に頷いたカナエは席を立つ。
「タマちゃん?」
楓子の言葉に蜜璃が首を傾げる。
「今回集まっていただいたのはタマちゃん――珠世さんと言う外部からの協力者を皆さんに紹介する為です」
「外部からの協力者、だとォ?」
実弥は怪訝そうに目を細める。
「その方は長年独自に鬼への研究をされていた医者です。その方の知識と技術が鬼舞辻無惨打倒に必要になると思い、この度我が萌柱邸に来ていただき共に尽力してもらうことになりました」
「へぇ!そんなお医者様がいたのね!」
「うむ!それは強力な助っ人になるな!」
楓子の言葉に蜜璃と杏寿郎は笑みを浮かべ、しのぶや天元達が興味深そうに見つめる中、
「ふうちゃん」
「あ、マコちゃん。入ってもらって!」
「うん」
楓子の言葉に扉の向こうから返事が聞こえ、ゆっくりと扉が開く。そこには――
「失礼します」
カナエと真菰に連れられて二人の人物が現れた。
一人は幼く見えるがそれ以上に瞳に知性と見た目以上の貫録を伺わせる美しい女性、もう一人はまだ子どもに見える見た目の、しかし、警戒心を隠そうともしない鋭い視線の少年、この二人組。
しかし、その二人の容姿よりも先に歴戦の柱達は蓄えられた経験によって一瞬でその正体を感じ取る。
「紹介します、こちら珠世さんと愈史郎君と言って――」
「おい、どういうことだァ」
一同が驚愕する中で鋭い殺気を放ちながら実弥が一早く口を開く。
「そこの女とガキ、鬼じゃねぇかァ!」
「ガキ…だと?」
実弥の言葉に愈史郎がピクリと眉をしかめる。
「どういうことなのふーちゃん!?」
「そこの鬼どもが協力者だというのか?」
困惑した様子で訊く蜜璃。小芭内も鋭い視線で楓子を見る。
「ちゃんとご説明します」
それぞれ驚愕や困惑、殺気の入り混じった九人分の視線を受けながら楓子は頷き
「皆さんお察しの通りこちらの珠世さんと愈史郎君は――」
言いかけた楓子の言葉を珠世が手を伸ばして制し、一歩前に踏み出す。
「初めまして、私は珠世、こっちは愈史郎。皆さんの言う通り私達は鬼です」
『ッ!?』
珠世の言葉に一同は改めて息を飲む。
「私は数百年前に鬼舞辻無惨によって鬼にされ、いいように従わされ続けていました。しかし、今から約四五〇年前、とある事情から奴の呪縛から逃れることができ、以降奴を倒すために鬼について研究を続けていました」
「皆さんの懸念はわかります。ですが、この二人は安全です。珠世さんは研究の過程で自分の身体を改造して人を食べなくても済むようにしたんです」
「厳密には少量の血液を摂取する必要がありますが、他の鬼舞辻配下の鬼のような飢餓感は薄いでしょう。愈史郎も同様です」
「そんなことが出来るのか!?」
楓子の言葉に補足するように言った珠世の言葉に皆驚いたように眼を見開く。
「このように珠世さんと愈史郎君は鬼舞辻無惨を弱体化させる知識と技術を持っています。加えて人を襲う危険性が無いので敵対する理由もありません。禰豆子ちゃん同様に私達の強い味方になってくれます。なので――」
これから『梁』の一員としてよろしくお願いいたします、とにこやかに続けようとした楓子の言葉は
「待てェ」
静かに鋭い殺気を込めた視線で睨む実弥の言葉に遮られた。
「今の話が真実だとして、確かに人を襲わねぇんならひとまずは安全かも知れねぇ。だがよォ…一つ確認させろォ」
「なんでしょうか?」
実弥の言葉に楓子が訊く。そんな楓子に静かに、しかし、鋭い視線で見ながら口を開く。
「さっきの話じゃ、そこの鬼は自分達の身体を改造して人を喰わなくても済むようにしたらしいが、じゃあ…改造する前はどれほどの人間を喰らったァ?」
『ッ!』
実弥の指摘に柱の面々は眼を見開く。
「…………」
「どうなんだァ?答えろ」
言い淀む楓子に実弥がさらに訊く。
言いずらそうに顔を顰める楓子だったが
「私が、何人の人を殺めたか、ですね?」
そんな楓子の隣の当の珠世が口を開く。
「タマちゃんッ!」
「いいんです。当然の質問ですから」
眼を見開く楓子に珠世は首を振って言う。
「私は鬼になった当時自棄になってたくさんの人を殺め、喰らいました。それはそれは多くの人を私はこの手で殺めました」
珠世の言葉に実弥や天元がスッと目を細め少し殺気が増す。
「愈史郎は人を殺めたことも、人を食べたこともありません。彼は私が鬼にし、すぐに人を食べなくてもいいように処置しました」
「なッ!?」
「鬼にしたッ!?」
「鬼舞辻無惨以外に人を鬼にするすべを持った奴がいるのかッ!?」
珠世の衝撃的な言葉に皆驚きで眼を見開く。
「四〇〇年以上鬼の研究をしていたので……ですが、人を鬼にする術をある程度確立するのに200年以上かかりましたし、その後のこの二〇〇年の間に鬼にできたのは愈史郎だけです」
驚いている面々に珠世が言い
「ただ、一つ誤解しないでいただきたいのですが、私は鬼は増やそうとは思っていません。不治の病や怪我などを負って余命幾許もない、そんな人にしかその処置をしていません。その時には必ず本人に鬼になっても生き永らえたいか訊ねてから行っています」
珠世の説明に、しかし、実弥は鋭い視線のまま口を開く。
「アンタの説明が本当なんだとしても、俺達は、はいそうですか、とはすぐには納得できねェ」
「不死川の言ってることは派手にもっともだな」
実弥の言葉に天元が同調する。
「嗚呼…あなたの言葉を信じたい……が、それを素直に信じるには我々は多くの鬼と遭遇しすぎている……」
「たくさんの人間を喰らった過去を持ち、なおかつこれまで鬼舞辻無惨しかできないと思われていた人を鬼にする技術を持っているとなれば、待ったを掛けざるをえねェ。例えお館様がお認めになっていたとしても、だァ」
行冥も同調し、実弥は再び冷たく言う。
他の面々も押し黙る中
「実弥君達の心配はもっともだと思うわ」
口を開いたのはカナエだった。
「私も初めて楓子ちゃんに紹介された時、正直に言えば人を鬼にする術を持っているなんて話を聞いたら、私も少し怖かったわ」
少し自嘲するように苦笑いをするカナエ。しかし、すぐに真剣な表情に戻り
「でも、珠世さんの話を聞いて、私は〝この人〟は信じられるって思ったの。この人は私達がこれまで遭った鬼達とは違う」
「…………」
「姉さん……」
力強く言い切った。そんなカナエに実弥は黙って彼女を見つめ、しのぶが茫然と呟く。
「真菰、お前もなのか?」
と、義勇はカナエの隣に座る真菰に問いかける。
視線を向けられた真菰は真剣な表情で頷き
「この方は、私達と同じ鬼舞辻無惨を倒そうとする味方です」
力強く言い切る。
「なんでお前ら、そうまで言い切れるんだァ?」
二人の様子に訝しむように訊く実弥。
「それは……」
実弥の問いに、しかし、カナエは言い淀み珠世にチラリと視線を向ける。まるで自分の口から言ってもいいものか悩むようで――
「タマちゃん…珠世さんは鬼舞辻無惨に人生を滅茶苦茶にされた、私達と同じ被害者です」
そんなカナエを尻目に楓子が言う。
「いいですよね?」
「…………」
楓子に問われた珠世は黙ったまま答えない。
楓子はそれを肯定と捉え、話を続ける。
「珠世さんは鬼になる前、まだ人間として生きていた頃、病に倒れ死にかけていました。そんな珠世さんの元に現れたのが鬼舞辻無惨でした」
楓子が語り始めた珠世の過去に訝しむ様子で眉をひそめながらも実弥や天元など珠世と手を組むことに否定的な面々もとりあえず話を聞こうと耳を傾ける。
「珠世さんは自分の命がもう長くないと理解し、受け入れていました。でもたった一つだけ、思い残しがあったんです。それは、まだ幼いお子さんが成長し、大人になっていくのをそばで見届けることが出来ないことです。その思い残しがあったからこそ、珠世さんは生き永らえることが出来るという鬼舞辻無惨の申し出に縋ってしまったんです」
楓子は言いながら憎々し気に顔を顰める。
「鬼舞辻無惨の言う生き永らえる術は、もちろん鬼になることです。でも、鬼舞辻無惨は鬼になることも、その結果待ち受けている代償も、何一つ説明しなかったんです。皆さんはご存じだと思いますが、鬼とは本来、人や血に対して激しい飢餓を覚えてしまう生き物です。特に鬼になった直後はその衝動に突き動かされ、制御することはできません。でも、そんなことは知らない珠世さんは鬼舞辻無惨の申し出に乗って鬼になった結果――」
そこで一瞬楓子は珠世の様子を窺い、しかし、すぐに顔を正面――集った柱の面々に向け
「珠世さんは、その飢餓感に支配され、旦那さんとお子さんをその手にかけてしまったんです」
「ッ!」
楓子の言葉に実弥が息を飲み珠世に視線を向ける。珠世は当時のことを思い出した様子で悲痛な面持ちで俯く。
他の面々もそんな珠世の姿に複雑な表情で見つめる。
「愛する人の為に生きる選択をしたのに、その愛する人を自ら手にかける結果になった……珠世さんは鬼舞辻無惨によって人生を滅茶苦茶にされた被害者なんです」
楓子の言葉に誰も言葉を発することが出来ない。皆一様に重く黙る中、最初に口を開いたのは
「擁護していただけるのは嬉しいですが、私は被害者ではありません」
珠世だった。
珠世は悲痛な面持ちのまま口を開く。
「確かに、私はこの手で愛する夫と子どもを手にかけ喰らいました。でも、私はその悲しみで自棄になり、さらにたくさんの人を襲い、喰らいました。それはどんな理由があっても許されることではありません。私は、加害者なんです」
「珠世様……」
悲痛な面持ちで、しかし、強い思いの籠った珠世の言葉にその心情を慮り愈史郎が唇を噛む。
「皆さんが鬼である私達と手を組むことへの忌避感があるのは理解しています。私が奪った命の責を負えとおっしゃるなら、私はいくらでもこの頸を差し出します。ですが、もう少しだけ私に時間をください」
「珠世様!?」
「タマちゃん……」
言いながら珠世は床に手をつき、床に額を着ける。そんな珠世の姿に愈史郎は驚愕に眼を見開き、楓子は呟くように名前を呼ぶ。
「私に、鬼舞辻無惨を討つための手助けをさせてください」
そう言ったまま頭を下げ続ける珠世の姿に皆言葉を失う。と――
「私からもお願いします」
押し黙る面々の中で一人、あまねが口を開く
「同じ妻として、母親として、彼女の気持ちは痛いほどにわかります。だからこそ、この方の鬼舞辻無惨を憎む気持ちは信じられます。この方は我々の強力な味方となってくれるはずです」
真剣な面持ちで言うあまね。
楓子の語った珠世の過去、そして、今もなお頭を下げ続ける珠世の姿、加えてあまねの言葉に集った面々は考え込む。
そんな中最初に口を開いたのは――
「珠世さんと言っただろうか!あなたに一つ確認したいことがある!顔を上げてもらえるだろうか?」
杏寿郎だった。
杏寿郎の言葉に珠世がゆっくりと顔を上げたのを見て、杏寿郎は訊く。
「俺の先祖、過去の炎柱の手記の中で始まりの呼吸の剣士が鬼舞辻無惨に遭遇し、あと一歩と言うところまで追い詰めながら取り逃がしてしまった、という出来事の記録が残っていた。今から約四五〇年前のことだ。そこに鬼舞辻無惨が連れていた鬼を、いつか無惨を倒す手助けをする、と言うのでその剣士は見逃したという記述がある。その見逃された鬼の名があなたと同じ『珠世』だった。この鬼はもしや……」
「はい、私のことです」
杏寿郎の言葉に珠世は頷く。
「その始まりの呼吸の剣士の方――継国縁壱さんは本当に天才的な身体能力であと一歩と言うところまで無惨を追い詰めました。あの瞬間、私は無惨の死を期待し希望を見出しました。ですが、無惨は追い込まれた末、自分の身体を無数の肉片に変えて逃げ延びたんです。本当に、あの男の生き汚さと言ったら、あの場で死んでいればよかったのに……」
その当時のことを思い出した様子で今までの礼儀正しい様子とは打って変わって珠世は憎々し気にその美しい顔を歪めて口汚く罵る。
その様子にその場の楓子と愈史郎以外の面々はギョッと驚き
「……失礼しました」
そんな周囲の人間の驚きの視線にハッと冷静になった珠世がコホンと咳払いをする。
「無惨にとってもそれは必死の逃亡だったようで、その時に私は無惨の支配から逃れることができ、縁壱さんに無惨を倒す協力を頼まれました。私はその申し出を快諾し、同じように無惨を追い込んだ時に確実に奴を討ち滅ぼすことが出来るように奴を弱体化させるための研究を今日まで行ってきました」
「そうか……」
珠世の説明に納得した様子で頷いた杏寿郎は
「うむ!今の話で納得した!俺はあなたを信じることにするぞ、珠世さん!」
そう朗らかに微笑んで力強く言う杏寿郎に
「私もあなたのことを信じます」
しのぶも同調する。
「大事な家族を失った悲しみは私にもわかります。あなたの気持ちはきっと私達と同じ……だからこそあなたのことは信じられる」
「わ、私も!」
しのぶの言葉に蜜璃も頷き
「俺も異論はない」
義勇も短く言いながら頷き
「俺も派手に信用するぜ!」
天元も頷く。
「少なくとも、あんたの無惨への憎しみは本物らしい。だから無惨を討つために協力したいという申し出も信じられると」
「まあ、確かにそれには同意だ」
天元の言葉に小芭内も頷く。
「鬼は信用しないが…お前の思いは信じられる」
小芭内は神妙に言い
「嗚呼…大切な家族をその手で殺すことになった悲しみ、計り知れないものだろう……その思いに偽りはないと私も感じた……共に戦う同士となろう……」
行冥はボロボロと涙を流して頷き
「……俺は…お館様が認めたのならどっちでも」
無一郎はぼんやりと呟くように言う。
そして――
「……怪しい動きがあれば容赦はしねェ。だが、今は信じてやる」
最後に実弥は鋭い視線のまま言う。しかし、そのぶっきらぼうな言い方とは裏腹にその瞳には何か複雑な感情が見える。
「では、皆さんご理解いただけたということで――」
楓子はそんな面々の顔を見渡し
「今後はお二人にはうちの屋敷で寝泊まりしてもらい、ともに研究することになるのですが……皆さんにもご協力いただきたいことがあります。『青い彼岸花』…もしくはそれに類する言葉を聞いたら教えていただきたいんです」
「なんだそりゃ?」
楓子の言葉に天元が首を傾げる。
「これが鬼舞辻無惨を弱体化させるための鍵になるんです。そして、これは無惨達にとっても重要なものらしくて、向こうも探しているらしいんです」
「どういうことだ?」
小芭内は怪訝そうに眉を顰める。
「どうやらその『青い彼岸花』、鬼舞辻無惨が鬼になった薬を作る材料の一つらしいんですよ。そして、それがあれば鬼を人間に戻すのにも使えるみたいなんです」
『なッ!?』
楓子の説明にみな驚きに眼を見開く。
「ふうちゃ――楓子さんの言ってることは本当です」
そんな面々に珠世も言う。
「鬼舞辻無惨は私がまだ奴の元にいた当時から『青い彼岸花』を他の鬼達に探させていました。奴にとってそれはかなり重要度の高いもののようです」
「まあ私の掴んだ情報によると『青い彼岸花』は一年の間に限られた二、三日の間しか咲かない、しかもそれは昼間限定らしいですので、今後も無惨の手に落ちる可能性は少なそうですが……」
「朝顔とか昼顔みたいな花なのね」
楓子の補足説明に蜜璃が言う。
「日の光に当たりさえしなければ鬼は日中も活動できますが、仮にその話を無惨が知り、その花が咲く時期を特定しても、その時期に太陽が少しも射さない天気に都合よくなるのはかなり低いと思います。ですので、当分は無惨の手にその『青い彼岸花』が渡ることは無いでしょう」
「もし鬼舞辻無惨が『青い彼岸花』を手に入れたらどうなる?」
実弥の問いに楓子は
「そうなったら我々の完全敗北です。鬼舞辻無惨は太陽を克服し『
『…………』
楓子の言葉にみな言葉を失う。突然の情報にみな頭が追い付いていないようだ。
「でもまあ、これは考えうる最大最悪の状況です。さっきも言ったように無惨の奴は『青い彼岸花』の情報を何一つ手に入れられてないはずです。もし知っていたらもう少し動きがあるはずですが、それも見られません。なので、奴を倒すためになんとしても『青い彼岸花』を我々が先に見つける必要があります」
そう言って楓子はその場の全員を見渡し
「どんな些細な情報でも構いません。噂話でもいいので、何かそれに類する話を耳にしたときは私にご一報ください。よろしくお願いします」
そう言って締めたのだった。
と言うわけで、珠世さん&愈史郎君の柱との顔合わせ完了です。
柱の皆さんいろいろと思うところあると思いますが、一応は納得してくれたようです!
これで完全に珠世さん達との協力関係が結べました!
ここから本格的に無惨打倒の研究が始まります!
それに重要となってくる『青い彼岸花』は果たしてすぐに見つかるのか!?
お楽しみに!
そんなわけで今回の質問コーナーです!
今回はyu−suzuさんからいただきました!
――もし童磨を地獄に落とす力が有れば、ふーちゃんは何地獄に落とす?因みに自分は、漢女だらけのオカマ地獄。
楓子「実在するガチの地獄に落とすなら等活地獄の瓮熟処・衆合地獄の大量受苦脳処・大叫喚地獄の吼吼処と唐悕望処・焦熱地獄全般あたりが当てはまりそうだけど……因みに、の所を見るに私オリジナルの地獄ってことかな?
あいつ正直どんな責め苦でもケロッとしてそうだしなぁ~……とりあえず生理的嫌悪感はちゃんと感じそうだからゴキブリが所狭しと蠢く部屋に放り込まれる『ゴキブリ地獄』とかどうですかね?もしくはFate/Zeroで桜ちゃんが入れられてた蟲蔵みたいなところで蟲に延々と犯され続けるとか?」
だそうです!
因みに彼女の補足をすると楓子ちゃんが最初に上げているのは日本の仏教に基づく地獄のことです。
大雑把に言いますと、仏教の教えでは地獄は大きな括り八熱と八寒、さらにそれぞれ八つの地獄の括りがあり、その八つそれぞれに十六の部署がある、とされています。
「等活地獄」は殺生の罪で落とされる地獄で、その中の「瓮熟処」では動物を殺して食べた人が対象になります。楓子ちゃんはこの動物に人間を含んだんですね。
「瓮熟処」では極卒が罪人を鉄のカメに入れて煮ます。
「衆合地獄」は倒錯した性嗜好――要は邪淫と言われる性的な罪を司る地獄で、「大量受苦脳処」は異常な方法で性行為を行った人が対象になります。
「大量受苦脳処」では炎の剣で肛門から腰にかけて串刺しにされ、男は睾丸を、女性は卵巣を抜かれます。
「大叫喚地獄」は嘘をついて人を騙した罪で落とされる地獄で「吼吼処」は自分を信頼してくれる人を騙した人、「唐悕望処」は病気や貧困で困っている人に助けると言って何もしてあげなかった人がそれぞれ対象になります。
「吼吼処」では極卒が罪人の顎に穴をあけ、熱した鉄のハサミで舌を引き出し毒の泥を塗って焼け爛れたところに毒虫がたかる、というもの。
「唐悕望処」では目の前に美味しそうな料理が現れるので駆け寄ると途中に生えた鉄鉤で傷つき、痛い思いをしてたどり着いてみれば美味しそうな料理に見えたものは熱した鉄や糞尿の池でその中に落ちてしまう、というものです。
「焦熱地獄」は誤った宗教の教えを広め、その教えを実践したことで多くの人の生命や財産を害した人を対象にしています。
長々と解説失礼しました。
と言うわけで今回はこの辺で!
さてここでお知らせ!
この度めでたく本編話数50話を達成しました!
それを記念して次回は本編話数50話記念の番外編にしたいと思います!
内容は以前やったキメツ学園の続編です。
お楽しみに!
~大正コソコソ噂話~
善逸と伊之助も珠世と愈史郎とはカナエたちと同じタイミングで顔合わせをしています。
出会った第一声で「うわっひゃぁぁ!めっちゃ美人!?」と叫んだ善逸は速攻で愈史郎にボコられました。