最新話です!
構えた南蛮銃の引き金に指をかけた玄弥は、しかし――
「ッ!?」
ほぼ直感的に回避する。直後、玄弥の頭の上を妓夫太郎の血鬼術「飛び血鎌」の斬撃が飛ぶ。
(あ、あぶねぇッ!!あんなもん当たってたらひとたまりもねぇよ!!)
自分の避けた斬撃がそばの建物の柱を真っ二つにしたのを見ながら玄弥は胸中で叫ぶ。
(くそッ!全然近づけねぇ!やっぱり上弦は一筋縄じゃいかねぇ!それに比べて――)
玄弥はそっと視線を巡らせる。
玄弥の視線の先では妓夫太郎の「飛び血鎌」や堕姫の帯の攻撃をかいくぐり攻撃を仕掛ける楓子と真菰の姿が。
(片や現柱の大好さん、片や現柱の継子で階級「甲」の鱗滝さん。俺なんかとは比べ物にもならねぇ……しかも――)
そのまま視線を移動させる。そこでは楓子や真菰より危なげな様子はありつつも食らいついていく炭治郎とカナヲの姿があった。
(俺と同期のはずなの、なんであいつらは……!)
胸中で苦悩しながら玄弥は南蛮銃を強く握りしめる。
(こんなんじゃダメだ!今のままじゃ兄貴に――)
玄弥が悔しさに唇を噛んだ時――
「音の呼吸・壱の型!『轟』!!」
叫び声と共に爆音が響く。
見れば爆炎と土煙から距離をとるように堕姫達が飛びのいている。そして――
「ハッハァ!!派手に待たせたな!!」
屋根の上に立つ天元と善逸、伊之助。
「ここからは俺達もド派手に荒れるぜェ!!止めてみなァ!!」
天元の叫びと共に三人は戦いに参戦した。
〇
「ここからは俺達もド派手に荒れるぜェ!!止めてみなァ!!」
と、高らかに口上と共に参戦した三人の姿に私は笑みを浮かべる。
原作以上に技量を上げているかまぼこ隊のメンバーに加え天元様の他にも私やマコちゃん、カナヲちゃんに玄弥君など原作時にはいなかったメンツが揃っている。
いける!これなら被害を最小限に堕姫と妓夫太郎を倒すことができる!
――と、上手くいかないのが現実と言うもの。
笑顔で勝利を確信した私の耳に最悪の音が聞こえた。
――ベベンッ!
琵琶の音と共に背筋に悪寒が走る。
見れば私達が戦う道を両側から挟むように閉じた襖が現れ、それが同時に開く。
その奥からは――
「「グギャァァァァァァァッ!!!」」
無限列車の時よりも二回りくらい小さいリッカーもどきが現れた。小さいが襖それぞれから一体ずつの計二体だ。
「頭無惨のくせになんちゅうタイミングで戦力補充してくれてんだよ!!」
私はその様子に頭を抱える。
「楓子さんあれって!!」
「大好!あれが例の無限列車に現れたっていう複合鬼かッ!?」
「……ええ。でも、あの時よりも幾分小さいですね」
「でも二体いるじゃないですか!!」
私の言葉に善逸君が叫ぶ。
「あの時もめちゃくちゃ大変だったのに二体なんて!!」
「でもあの時より小さいからあの時ほど手間取らないかもよ?」
「その分二体いるんですよ!?しかも上弦の鬼まで二体!!こんなの無茶苦茶だぁぁぁぁぁッ!!」
善逸君が頭を抱えて叫ぶ。と、そんな善逸君に――
「うるせぇッ!!」
「あ痛ぁ!!?」
天元様が拳骨を頭に落とす。
「お前派手にうるせぇんだよ!折角お前のこと見直しかけてたのに評価ひっくり返すんじゃねぇよ!!」
「で、でもぉ~……」
天元様の言葉に善逸君が言い淀む。
「へッ!だらしねぇな!」
そんな善逸君に伊之助が笑う。
「あの時よりも俺たちは強くなってんだ!ちゃっちゃと仕留めて上弦どもを倒すぞ!」
「伊之助の言う通りだ!禰豆子の血鬼術で回復を制限すれば――」
「待って!見て、複合鬼たちの様子が!」
言いながら背負っていた箱から禰豆子ちゃんを出そうとする炭治郎君だったが、マコちゃんが止める。
見ればリッカーもどき達は私達に向かってくることなくキョロキョロとあたりを見渡す様に頭を動かし
「「グギャァァァァァァァッ!!!」」
雄叫びを上げそれぞれ北と東に駆けていく。
「え……?」
「どっか行きやがった!!」
「さてはあいつ等俺達を無視して人間を襲いに行きやがったな!!」
その様子に私達は思わず叫ぶ。
「早く追いかけないと被害が!」
「ッ!待った炭治郎君――」
言いながら駆けだそうとした炭治郎君だったが
「させるかよぉッ!!」
「ッ!!」
妓夫太郎が炭治郎君の目の前に嘲笑う様に笑みを浮かべて飛び出し鎌を振り下ろす。
「このッ!」
寸でのところで二人の間に飛び込んだ私が振り下ろされた鎌を受け止める。
「楓子さん!!」
「行って炭治郎君!!」
「でもッ!?」
「この二人は私達が食い止める!――はぁッ!!」
妓夫太郎の鎌を押し返し叫ぶ。
「炭治郎君とカナヲちゃんは逃げた複合鬼の対処!私を含む残りの人達はこの上弦二体の対処をします!」
「で、でも炭治郎とカナヲちゃんだけじゃ――」
「複合鬼の方には待機してもらってる蜜璃さん達の手を借ります!」
私は一瞬考え
「待機してもらってる位置から考えて、北側に向かった方は蜜璃さんと伊黒様!東側に向かった方はしのぶさんと義勇さん!」
「わかった!義勇さん達には私が鎹烏を飛ばすわ!」
「頼んだ!天元様は蜜璃さん達に!」
「おうよ!」
叫びながら私は改めて炭治郎君とカナヲちゃんに視線を向け
「二人も行って!いくら小さくっても柱二人でもあの複合鬼の対処は厳しい!特に禰豆子ちゃんの能力はあの複合鬼の対処には必須だから!!」
「わ、分かりました!」
「わかりました!」
思い悩んで、しかし、すぐに納得した様子で炭治郎君が頷き、カナヲちゃんも頷く。
「とりあえず東側から!しのぶさんの毒は複合鬼には効きが悪いかもしれないから!!」
「わかりました!!」
私の言葉に頷いた二人は東に駆けて行った複合鬼を追いかけるべく駆け出し
「簡単に行かせると――」
「思わないでよね!」
しかし、黙ってそれを見送ってくれるほど妓夫太郎達も優しくない。
二人そろって炭治郎君達を阻むように飛び掛かり
「こっちもそれは派手に織り込み済みなんだよ!!」
「させるか!!」
そんな妓夫太郎と堕姫を天元様たちが阻む。
しかし、それを掻い潜り堕姫の帯が炭治郎君達を襲う。
――こうなったら奥の手!!
「シィィィィッ!!」
私は呼吸を素早く切替え
「炎+蛇の呼吸 『
うねり燃え盛る炎の蛇の如く迫りくる帯を切り裂いていく。
「楓子さん、今の!?」
「いいから行って!!」
驚愕に目を見開く炭治郎君に叫びながら私は日輪刀を構える。
背後で炭治郎君とカナヲちゃんが駆けて行くのを感じながら私は他の面々に叫ぶ。
「二人が抜けた分、私達で確実に仕留めますよ!!」
「おう!!」
「は、はい!!」
「任せて!!」
「ド派手に行くぞおめぇら!!」
私の言葉に頷く面々を見ながら最後に玄弥君に視線を向ける。
玄弥君は強張った表情で日輪刀と南蛮銃を構えている。
「玄弥君!」
「は、はいッ!」
そんな彼に私は呼びかける。と、玄弥君は強張った表情のまま顔を向ける。そんな彼に私は真剣な顔で言う。
「玄弥君!期待してるよ!!」
「ッ!は、はいッ!!」
私の言葉に玄弥君がこわばった表情のまま、しかし、力強く頷いたのだった。
改めまして更新遅くなりすみません!
いろいろ忙しくてバタバタしていたらこんなに間が空いてしましました!
本当にお待たせしました!
お待たせしてしまったお詫びと言っては何ですが新しく表情差分のイラストを描いてみました!
よければ楓子ちゃんのいろんな表情の想像にお役立てください!
【挿絵表示】
と言うわけで最新話!
順調に進んでいたかに見えた吉原決戦でしたがここであの頭無惨が余計なことしてくれましたね(;^ω^)
さてさて楓子たちはこの窮地を乗り越えられるのか!?
お楽しみに!
そんなわけで今回の質問コーナーです!ただの歩兵さんからです!
――もし楓子が金カムキャラでコンビを組むとしたらどんなキャラと組みますか?こちらは第七師団の鶴見中尉が一番かなと思っています。人身掌握、対人格闘、情報、etcのプロ。正に、今の楓子のやってることほぼ当てはまります。まさに、楓子のパートナーに相応しいとしか思えません!鼻や耳をそいだり、脅迫したり、洗脳したりとお茶目?な面はありますが。
楓子「鶴見中尉かぁ……いや、嫌いじゃないけど、あの人のそれは決して『お茶目』で済ませていいものではない!あと個人的にアシリパさんと杉本陣営の方が好きなので!と言うわけでコンビを組むなら私は谷垣源次郎ですかね。金カムだと彼が一番推しなので!ただもちろん彼がインカラマッとくっつくのを邪魔しない、どころか積極的にくっつけにかかります!ぶっちゃけあの二人のイチャイチャを近くで見たいがためにコンビ組むところはありますね!」
とのことでした!
と言うわけで今回はこの辺で!
また次回もお楽しみに!
~大正コソコソ噂話~
楓子の使った炎と蛇の複合技は楓子が試験的に行っている呼吸を混ぜ合わせ新しい呼吸を生み出す実験の産物です。
まだまだあくまでも試験的なものなので未完成ですが、今回はその中でも使えるものを選んでいます。
いつか楓子オリジナルの呼吸を披露してくれる日が来る……かも?