魔眼持ちの方舟生活   作:タキオンのモルモット

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待たせたな!

今年卒業する為に頑張ってます作者です。




第十五話:宗教国家に碌な国はない(偏見)

あの日の俺は相当ショックを受けていたのだろう。

 

ラテラーノを抜け出したはいいものの、何もする気が起きず、女に脅えながら、イェラグにて惰性でトランスポーターをしていたあの時。

 

『死』というものがどれ程恐ろしいものかというのは自分がよく解っているだけに、自殺しようとも思えず。かと言って積極的に生きようとは思わなかった。

 

龍門の小さな屋外ステージで歌っていたソラちゃんに出逢うまでは。

 

その歌声に心を奪われた。あの時だけは『女』とかそんなの関係なしに、怯えることなく、気がついたら最前列で彼女の歌を聴いていた。

 

その時から急に生きる活力が湧いてきた。それからはデビューしたばかりのソラちゃんの追っかけとして只管に応援していた。態々龍門に居を構え、ソラちゃんを追いかけ続けた。

 

俺にとってソラちゃんは光であり、推しであり、恩人なのだ。

 

そんな彼女と、今では同僚だ。

 

だが距離が近づいても勘違いしてはいけない。自分は一ファンである事を自覚し、距離を取りつつ、然しソラちゃんが万が一俺を頼る事があれば全てを投げうってでもフォローしよう、そんな覚悟を決めていた。

 

···············決めていたのだ。

 

 

 

「ど、どうしようテキサスさん··········シキさんの顔が疲れたピ〇チュウみたいな顔になっちゃったんだけど」

 

「··········ソラに頼まれれば一瞬で頷くと思っていたんだがな··········」

 

「いや、流石に無理があるでしょ··········

 

ラテラーノに護衛について来て欲しいは流石に」

 

つい数日前、ソラの初めての巡業ライブが決まった。龍門から始まりイェラグ、シエスタ等様々な所を回り、次はまさかのラテラーノ。

 

ラテラーノがこんな俗物的なものを許可するのは初めての事であり、だからこそ何か裏があるんじゃないか。そう察したペンギン急便は助けを求めた。

 

よりによってシキに。

 

ここで一応補足しておくが、ソラは当初シキにこんな事を頼むのは反対だった。

 

というか、そりゃそうだろう。シキの身に起こった出来事は知らない奴は居ないレベルの大事件である。

 

だが連れていこうとするバカが居た。もちろんあの二人である。

 

「1ヶ月もシキと離れるなんてイヤだ!」

 

と駄々を捏ねた結果、ペンギン急便の皇帝が「ソラが頼みゃ一発じゃね?」と煽った結果である。

 

だが、結果は表情が苦悩に満ちる事となった。

 

「やっぱり··········ダメですよね。あんな、シキさんにとって辛いことしか無かった所なんて··········」

 

「··········いや、そうじゃないんだよ··········そうじゃないんだよソラちゃん」

 

「え?」

 

「正直、ソラちゃんの頼みを断るなんて死んでもしたくない。例え目的地がラテラーノだろうともだ。だけどラテラーノだけはダメだ」

 

 

「ど、どうして··········?」

 

そうソラが問うと、シキは声を絞り出す。

 

「あそこが宗教国家だからだ」

 

「それに何の関係があるんだ?」

 

テキサスのごもっともなツッコミに、シキは─────

 

「だって──────」

 

「「だって??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイツら絶対ソラちゃんより俺を取るんだもん」《xbig》

 

《xbig》「お前は何を言ってるんだ???」

 

 

 

「いやお前よく考えてみろよ。宗教国家って神様第一で神様を祀ってるんだぞ?新生したラテラーノが誰を崇め奉ってると思う?そう、俺だ。俺なんだよ」

 

「いや、だからそれがどうしたと───────」

 

「俺がそこにソラちゃんと行ったとしよう。ソラちゃんは放置されてアイツらは俺を崇めはじめるんだ!!巫山戯るなッ!!」

 

「いいか!?俺がこうして今を生きているのはソラちゃんのおかげなんだ!!そんなソラちゃんを放置してアイツらは俺を崇めはじめるに決まってる!!宗教国家だからな!!ソラちゃんが俺のせいでそんなぞんざいな扱いを受けるなんてあっちゃならないんだよォ!!」

 

 

 

「うわ出たよ厄介オタクめ···············」

 

あまりの超理論にテキサスとソラが呆けている中、ボソリとエクシアの本音が口から漏れた。

 

「行きたくねえ·····行きたくねえよ·····でも行かなくて何か起きたら一生後悔するし··········」

 

「あ、行くつもりはあるんだ??」

 

「でも行ったらアイツらソラちゃんそっちのけで崇め奉るじゃん··········どうしようもないんだよ··········今回唯一チケット取ってないんだぞ··········」

 

「相当な覚悟をお持ちなようで」

 

シキが泣きながらグチグチとラテラーノの恨み辛みを吐き出し始めた頃、たまたま話を聞いていたドクターがボソリと呟いた。

 

 

 

 

「···············変装すれば?シキはサンクタだけど羽も輪っかも無いからいけると思うんだけど」

 

「「「それだァ!!」」」

 

 

 

 

 

 

かくして青年は嘗ての故郷に足を運ぶ。

 

 

姿形を変えて

 

普段とは違う武器を携え

 

髪を金色に染め

 

耳にピアス

 

ペンギン急便のジャージに袖を通し

 

黒いニーソ

 

スパッツ

 

黒のTシャツ

 

そしてスカート

 

 

 

 

 

「「完璧な変装だね!!」」《xbig》

 

 

 

 

 

「なんでさ!!!!!?」

 

 

 

 




新章〜根源顕現〜オタクの矜持を添えて

正直今回のじゃまだ生ぬるかった?

  • もっと傷口に塩塗っていい。
  • 丁度いい
  • もっと優しくしてあげて
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