前回書きました通り、いちばん好きな馬がサニーブライアンなのです。なので彼……この世界では彼女の話だけは書きたかった。
前回からえらく間が開いた上に、前回以上に取っ散らかりましたがよろしければ読んで頂ければ幸いです。今回は前回ちらっと出したオリジナルのウマ娘もそこそこに出番があります(主役もオリジナルだし)。まぁ前回のキンイロさんもキャラデザ以外何も不明なのでほぼオリジナルみたいなものですが。
彼女は、生まれてからずっと、目立たない女の子だった。
普通の女の子よりは、目立ったかもしれない。彼女は、人間とは違う種族故に。だから生まれた時は、周りの皆に祝福された。しかし人間の赤ちゃんであれ、生まれてくれば祝福されるものだ。
幼稚園、小学生、中学生。別になんて事はなく、普通に過ごしてきた。そして、「彼女達の種族」の憧れの場所、中央のトレセン学園に入学。成績は、上の下位といったところだった。
周りには、凄い娘達が大勢いた。それと較べれば彼女は平凡で、目立たなかった。そんな彼女でも、デビューは果たす。お世話になる事になったのは、温和そうな中年のトレーナーだった。年齢はもう三十代後半だというが、そうは見えないほど若々しい男性だった。
「君が、サニースイフトの……へぇ」
「あ、あの、よろしくお願いします!」
「そう固くならなくていいよ。まぁ、僕はそんな名トレーナーって訳じゃないけど、一生懸命やるから、よろしくね」
トレーナーはそう言って、優しく笑った。彼女は既に、そのトレーナーの事は母親から聞かされていた。彼女の母親の姉妹、サニースワローが十年前にダービーで二着にまで入れたのは、このトレーナーさんのおかげ、と聞いていた。だからあの人を信じなさい、と言われていた。そうトレーナーに伝えると、彼は頭を掻きながら苦笑する。
「でも、結局あの子にはタイトルを取らせてあげられなかったからな……」
「おか……母は、本当に凄い人だから、って」
「そう言って貰えるのは、嬉しいけれどもね」
彼はそんな風に言っていた。彼女は必死に練習して、そして迎えたデビュー戦を、見事勝利する事ができた。その時はトレーナーと二人で、ささやかな祝勝会を開いた。
しかしそれからずっと、彼女は勝てなかった。思うような結果が出ず、初めて挑んだ大レースでは五着以内が掲示される掲示板にさえ乗れなかった。それでも、トレーナーは彼女を見捨てずに真剣に向き合い続けた。
そして彼女はトライアルレース、弥生賞を迎える。ここで三番以内なら、ウマ娘達が夢見る最高の舞台、クラシックへの道が開かれる。彼女は必死に走って、何とか三着に入る事が出来た。その時は思わず涙が出る程嬉しかったが、本番皐月賞で良い走りをしなければ意味はない。その為には、もっと自分を追い込まないといけない、と思った。少し無理をして、二十日後の若葉ステークスにも出走する事に決めたのだが、そこでは四着と結果は出せなかった。その為に、皐月賞の頃には彼女はすっかり「一応クラシックには出るらしい」という程度の扱いになってしまった。
そして、迎えた四月一三日。ウマ娘サニーブライアンは、中山のレース場で静かに本番を待っていた。
サニーブライアンは、完全に緊張していた。緊張してはいけない、と頭では分かっていても緊張してしまうものだ。それを察したのだろう、トレーナーが声をかける。
「心配するな。お前は、お前の走りをすればいい」
「は、はい……!」
そう言ってくれるトレーナーの顔は、いつも通りだった。ポンポン、と肩を叩かれて、少し緊張が解れる。
「私、注目されてないですよね、はっきり言って」
「……まぁ、な。はっきり言って、お前が勝つと思ってる人なんてそういないさ。あのメジロの希望、メジロブライトや弥生賞を勝ったランニングゲイル、まぁこの辺が注目されるのは当然だな」
ウマ娘のレースは、かなりの注目度を誇る。トゥインクルシリーズの大レースともなれば、生中継され多くのファンが見る事になるのだ。ファンの間でも「贔屓」が生まれるのは当然ではあった。親の血統などの要因で人気の娘、レースで良い走りを見せた娘の注目度は、当然高くなる。その点で彼女は、名門の娘でもなければレースで素晴らしい結果を出した、というほどでもない。注目されていなくても仕方がない部分はあった。
「おお、そうだ。お前の走りだがな。前に決めた通りで良いな?」
「はい。一か八か、それで」
「おう。メディアにも、もう言ってあるからな。サニーブライアンは逃げます、って」
二人の作戦は一つ。とにかく、ハナを奪う事。全力で飛ばし、レース全体の支配権を奪う。彼女が有力視されていない事、そして有力視されている娘達がレース後半までは後方待機、最後に一気に加速し追い抜きにかかる所謂「差し・追い込み型」が多い事が「ミソ」だとトレーナーは判断していた。サニーは、それを信じるだけだ。とはいえ、不安はある。
「私、一番外のゲートなんですよね……逃げられるかな……」
彼女のスタート位置は、大外18番枠。当然の事ながら曲線のあるレースにおいて外側は距離が長くなる。大外から逃げる場合は内側に切り込んで行かねばならなくなるのだ。しかし、そこもトレーナーは織り込み済みだ、と言ってくれた。
「お前、スタート苦手だろ。だから却って外の方が良い。内だとスタートダッシュに失敗したら、包まれて身動きできなくなるぞ」
「な、成程……」
「外なら、ちょっと走る距離が長くなるのと、進路妨害取られないように相当飛ばさないといけなくなる、この二点がちょっとしんどいだけだ。お前なら大丈夫だよ」
そう言われて、サニーも覚悟を決めた。元々、勝てる見込みはないと思われているのだ。なら最初から一気に走って、その結果沈んでも仕方ないと言われるだけだろう、と思った。
「トレーナー。私、頑張ってきます!」
「おう。悔いのないようにな」
そう言って、トレーナーはもう一度、彼女の肩をポンと叩いた。それで、サニーもスイッチが入った。
レース本番。彼女は大外枠のゲートに向かう。ゲートに入ると、ふうと息を吐いて、一度体を揺らす。ちらりとスタンドを見ると、色とりどりの横断幕が目に入った。やはり目に付くのはメジロブライトやランニングゲイルといった人気あるウマ娘達の横断幕だ。サニーの名前は、ちらりと見た限りでは見つけられない、と思った時だった。決して大きくはないけれど、彼女の名前の入ったボードを胸に抱える人の姿が見えた。
「あ……お母……さん」
サニースイフト。ウマ娘としては、ほとんど結果は残せなかった。唯一出た大レースでは、一九着惨敗。それでも彼女にとっては、大切な母親だった。
その横で大声を張り上げている、中年のウマ娘もいる。叔母の、サニースワローだ。かつてクラシック第二戦、ウマ娘にとって夢のレースの一つ、日本ダービーで二着に入った事もあるのが自慢の、サニーブライアンの親戚では一番の成績を残した人だ。
そして、その二人の横に、トレーナーが立っている。彼は腕を組み、彼女をじっと見つめていた。
「応援して、くれるんだ」
嬉しかった。人気がなくたって、何だと思った。数じゃない。私を応援してくれる人は、いるのだ。そう思えた。
ガシャン、という音と共にゲートが開く。彼女は足に力を籠めると、一気に飛び出した。宣言通りの逃げ。速度をそのままに内に入り、先頭を取りに行く。しかしここで、少し予定外の事が起きた。雄叫びと共に、一人のウマ娘が上がってきたのだ。
「先頭はアタシが貰う!」
「嘘……つっかけて来る!?」
彼女はサニー以上の人気薄だった。同じ事を考えたのか。それは分からないが、負ける訳にはいかなかった。一度は彼女にハナを奪われるが、何とか抜き返す。それで彼女は諦めたのか、もう抜き返しには来なかった。
何とか予定の形に持ち込んだ彼女は、ここでゆっくりと力を抜いていく。そうする事で体力の消耗を抑え、最後の最後で抜かれるのを防ぐのだ。サニーが有力選手であれば、後ろの娘達は追い抜きに来るだろう。しかし来ない。抜こうと動いてはこない。これならチャンスがある、と思った。トレーナーの作戦通りだ。皐月賞は二千メートル、もうすぐ最後の直線に入る。まだ差がある。ここで一気にメジロブライトやランニングゲイル達が動いてくるはずだ、と思った。スタンドのどよめきが聞こえてくる。先頭を走っているのが誰か分からないウマ娘だから、というのはあるだろう。後ろからは地鳴りの様な音が聞こえてくる。私の後ろで、十七人のウマ娘が追い込みに来る。その恐怖が心臓を押し潰しに来た。それでも、まだスタミナは残っていた。ここで一気に足に力を籠める。
「行けーッ!!」
吠えた。残り百を切る。まだ他の娘達の姿は視界に入らない。つまり、私が先頭なのだと思った。行け、行けというトレーナーの声が聞こえる気がした。言われなくても、行く。視界の端に黒い髪が見えた気がした、その瞬間ゴール板の横を駆け抜けた。
一気に力が抜け、立ち止まる。ふう、と息を吐きだして、掲示板を見上げた。一着から五着までのウマ娘のゲート番号が表示される電光掲示板の、一着の部分に表示されていた番号は、18番だった。スタンドは地鳴りの様などよめきに包まれている。それはそうだろう。一着、更に言うなら二着・三着も自分と同じくらいの人気しかないウマ娘で、完全に大荒れのレースになったのだ。最も注目されていたメジロブライトは四着、ランニングゲイルは六着止まり。ブライトなどは明らかにショックを受けた様子だった。サニー自身も、この結果は信じられない思いだった。頑張ろうとは思ったし、作戦がハマったとも思った。しかしこれ程の結果が出るとは思わなかった。
「私……私、勝った、んだ」
嬉しい、という感情も浮かばなかった。茫然としてしまって、何の感情も湧かなかい。それでも、スタンドのどよめきは何とも心地よかった。ふわふわした気持ちのままスタンドの方に歩いていく。スタンドではお母さんと、伯母さんの二人が大喜びで出迎えてくれた。
「おめでとう! やったね!」
「やったじゃないか、おめでとう! 私ももうデカい顔できないね」
そう母親達に言われて、ようやく実感も湧いてきた。そしていざ実感が湧くと、途端に感情が溢れて止まらなくなった。
「わ……私、私、勝ち……勝て、た……」
「そうだ。お前が、勝ったんだ」
いつの間にか、彼女の横にはトレーナーが立っていた。思わず抱き着いて、そのままわんわんと声を上げて泣いた。トレーナーはずっと、肩をポンポンと叩いてくれていた。
しばらく泣くだけ泣いて、落ち着いて顔を上げると、周りをメディアの人達が取り囲んでいた。大泣きしているところを見られ、写真も撮られたのだと思って顔が赤くなる。
「あ、ええ、と、あの」
「サニーブライアンさん、一着おめでとうございます。素晴らしいレースでしたが」
「あの、ありがとう、ございます。ええと……」
何を言っていいのか分からず、わたわたとしてしまう彼女を見かねて、トレーナーが後を引き取った。
「まあ、作戦通りに行きましたね。良かったです」
「トレーナーは、ええ……と、サニースワロー以来のクラシックで、初制覇という事になりますが」
「ええ。彼女の時は、二着と言っても、まぁメリーナイスには離されてしまったので。思った以上に、走ってくれましたよ。やった、って感じですね、嬉しいですよ」
「作戦は、見事にハマりましたが」
「まあ、有力どころが控えたんでね。スローに落とせば何とかなるか、とはね」
「有力な選手達が、最後追い上げて来ましたけれど、どうでした、その時は」
そう質問が飛ぶ。これは、私が言わないといけないだろう、と思った。何とか、口を開く。
「ええ、と。あまり、余裕はなかったんですけど。ただ、直線は長かったです。必死でしたね」
「次は、当然日本ダービーとなると思いますが」
「はい。頑張ります!」
そう言うと、一斉にカメラのシャッター音が響いた。
レースを終え、取材を終え、そしてウイニングライブを終え。寮に帰って食事と入浴を終えて、やっと落ち着いた気がした。自分の部屋の中で、ふうと息を吐く。まだ、ふわふわした感覚は少し残っている。私は自動販売機で買ったジュースを飲んで、目を閉じた。
「ふう……皐月賞ウマ娘、か……私が……」
作戦会議の時に、トレーナーに言われた事を思い出す。
「有力視されていない奴が大逃げを打つと、大半の奴はいずれバテるだろうからそのペースに巻き込まれないように、と待機する。特に有力どころは皆差し・追い込みだからな。後方で牽制し合うだろう。その間に少しペースを落として、体力を残しておけ。お前の武器は粘り強さだ。最後の直線、ある程度距離を持って、スタミナの余裕が多少あればお前は勝てる」
結果として、その通りになった。あの人を信じて良かった、と心から思う。運もあっただろう。それでも、勝ちは勝ちだ。
「次は……日本ダービー……」
「そうね」
不意に、そう声をかけられた。声のした方を向くと、そこに立っていたのは同い年で同室の、栗毛のウマ娘だった。
「あ……スズカ……」
「……見ていたわ。おめでとう」
そう言って、彼女は横の椅子に腰かける。彼女は今日の皐月賞に出られなかった。トライアルレースの弥生賞、サニーが三着に入ったあのレースに、彼女も出ていた。しかしレース発走前に、何故かゲートをくぐって外に出てしまった。その後入り直したが、精神的に落ち着けず出遅れ、結果は八着と惨敗した。それでもその素質は、世代の中でもメジロブライト達に並びトップレベルと言う声もあった。
「……私ね、今どんな気持ちかわかる?」
「え?」
いきなりそんな事を言われても、分かる訳がない。きょとんとしている彼女に、彼女は押し殺すような声で言った。
「……凄く、悔しい」
「あ……」
「私も、皐月賞を目指して来たわ。それでも、私はまだ未熟だった……あの時の事も、ちょっとした事で動揺して。だから、出られなかったのは仕方のない事、私の責任。それでも……ううん、だからこそ、悔しい」
「……そう、だよね」
だから、と言ってサニーをジッと見つめてくるスズカの視線は、ゾッとするほどの気迫に満ちていた。
「ダービーには絶対に間に合わせるから」
「うん」
「良いレースにしましょう」
「うん。分かってる。……一緒に逃げよう?」
「それは……どうなるか、分からないけど」
そう言って、彼女は少し笑った。彼女は一部で、掴みどころがないとか、冷たいとか言われているらしい。でも、同じ部屋にいるサニーには分かる。彼女は寂しがり屋で、そして走るのがとにかく好きなウマ娘。私達と、そう変わるものじゃない。
「じゃ、おやすみなさい。今度、私はプリンシバルに出るから」
「うん。ちゃーんと、チェックしておくよ」
「……できれば、見に来てほしいのだけれど」
「え? ……もう、本当寂しがり屋だね」
そんな事を言い合いながら、お互いベッドに入り込んだ。そしていつの間にか、彼女は眠っていた。
サニーは学園の中で、一躍有名人になった。クラシックの一冠を制したのだから当然、ではあるが、ここまで注目されるとは彼女自身、思っていなかった。学園内のどこを歩いていても、誰かが彼女を見ている。レースの翌日など、シンボリルドルフ会長に呼ばれて直々に褒められた。
「良い走りだったぞ。皐月賞制覇、おめでとう」
「ありがとうございます!」
「……しかし、これからが大変だろう。一度のG1制覇で満足していてはダメだ。常に上を目指す。そうでないと、どんどん追い抜かれてしまうからな」
「は、はい!」
緊張でガチガチになっている私に、会長はぼそりとこんな事を言った。
「しかし……あの時の事を思い出したよ」
「あの時……?」
「いや、何でもない。私の、思い出話さ」
話はそれで終わりだった。彼女は舞い上がって、ウキウキ気分で部屋を出る。何しろルドルフ会長といえば、トレセン学園のウマ娘の憧れの一人だ。絶対的な強さを持った、伝説の皇帝。呼び出されるだけでも緊張するのだ。
「あー……もう、緊張したなぁ……」
「どうしたんだ?」
不意に、そう声をかけられた。振り向くと、大柄なウマ娘と小柄なウマ娘が並んで立っている。二人とも、サニーのルームメイトだ。
「あ、ジャスティスにダンディー……」
シルクジャスティスと、エリモダンディー。大柄なシルクジャスティスは、その能力自体は高いと期待されているのだが、ムラのありすぎる性格などが災いしてデビュー以来全く勝利できずにいた。先日ようやく初勝利を飾ると、あの皐月賞の前日にもう一勝を上げている。もっと走り方やレースの勝負論を覚えればすぐにでもG1レースで勝負できると言われる程、才能はあると言われていた。もう一人、エリモダンディーはジャスティスとは対照的に小柄で大人しい少女だ。彼女は真面目にレースに取り組み、ジャスティスが「間に合わなかった」皐月賞に出走している。
「会長室……ああ、呼び出されたのですか?」
「う、うん。皐月の事で」
「凄かったよなぁ、お前。まぁ他の連中が情けなかったんだけどよ。大体ダンディー、おめぇも情けねえよ、もっと早く仕掛けてだな」
「ま、まぁそれを言われたら辛いですけど……」
「それを言うなら貴方は出てきてさえいないじゃない……」
「ぬぐ……」
シルクジャスティスがそう言って黙る。少し意地の悪い言い方になってしまったか、と思った。
「次は、日本ダービーですよね。私、次は負けませんから」
「そ、そうだ! 俺もな、ダービーには絶対に出てやるからな!」
二人はそう言いながら、歩いて行った。改めて、彼女は思う。私は今、狙われていると。次のレースでは、全員が私を目指して走ってくる事になるのだろう。気は抜けないと思った。その時は、そう思っていた。
彼女はより一層、練習に力を入れるようになった。少し無理をしているかもしれないが、それでもしっかりやらないと、私よりずっと才能に溢れた子達には歯が立たないだろう、と思っていた。折角、皐月で勝てたのだ。ダービーでも、無様な負けはしたくないと思った。それに彼女は太りやすく、少し油断するとすぐ体重が増えてしまい体が重くなる。それが理由で大敗でもすれば、恥ずかしい事この上ないと思った。練習だけでなく、彼女は一度ダービー前にレースに出ようかとも思っていたのだが、練習中に他の娘とぶつかり、足を少し傷めてしまった。幸いダービーに影響する様な大怪我にはならなかったが、ダービー前にレースに出る事は止められてしまった。
「お前な。そんな無茶したら壊れるぞ。それだけは許せない」
「そ、そうですか……分かりました」
トレーナーにはっきりそう言われてしまっては、引き下がるしかなかった。それに、トレーナーも彼女の体を心配して言ってくれている事はよく分かった。それは嬉しかった。
「無理せず、しっかり基礎練習をしていればいいさ。レース経験自体は、もう充分積んでいる。後はとにかく、本番の作戦だな」
「作戦、ですか。やっぱり大逃げで……」
「うーん、今のところはそれで行くつもりだがな。少し、気になる所はある」
そんな事をトレーナーは言っていたが、彼女にはその意味ははっきりとは分からなかったが、間違いなく何かを考えているんだろうと思った。それを信頼するだけだ。サニーはとにかく、トレーナーの指示通りに練習に励み続ける。
そうして、いよいよレースが間近に迫ってきた。出走登録されているウマ娘達の名前が発表され、そして枠順が決まる。皐月賞にはいなかったサイレンススズカ、シルクジャスティスの二人がいる。私の発走ゲート枠は、皐月と同じ大外十八番だった。それを受けて、トレーナーは大喜びでマスコミにコメントを残す。
「大外十八番、というのはこちらとしては理想的。皐月と同じく大外から一気にハナを奪って逃げ切る。サニーは距離が伸びた方が向いていると思っているので距離の不安はない。絶対勝つとは言えないが、十分勝算はある」
そんなコメントを聞いて、彼女は少し不安になった。そう上手く行くのだろうか。特に、このレースにスズカが出てくるのが気になった。彼女も大逃げでくれば、自分は彼女と競り合わなければならなくなる。そうなれば体力をセーブできず、最後の直線で逃げ切れなくなるだろう、と思った。しかし、その不安は強引に押し込む事にした。トレーナーを信じる。そう決めたはずだ。だから彼女も、トレーナーと同じ事を言った。とにかく逃げる。皐月と同じ形で勝負し、そして勝つ。そんな事を言っていると、メディアの人達が苦笑いを浮かべているのが分かった。その時は、その意味が分からなかった。しかし、翌日になりその意味が分かった。分かってしまった。
翌日、日本ダービーの特集記事が雑誌などで出ていた。それを何となく手に取り、読む。日本ダービー、最有力ウマ娘はメジロブライト。皐月賞では差し切れなかったが実力はトップレベル、と書かれていた。それ自体は、納得はいく。二番手ランニングゲイル、三番手シルクジャスティス、四番手サイレンススズカ。そうして名前が続き、そして自分の名前を見つけたのは、六番目だった。
〈六番手サニーブライアン。有力ウマ娘達が後方で牽制し合う中逃げ切り、皐月賞を制覇。その勢いはあるが、レース展開が有利にハマったからこその勝利だろう。実力ある逃げ先行型のサイレンススズカが出てくる以上、競り合えば彼女のスタミナは最後まで持つか疑わしい。サイレンススズカに逃げ潰され、後方からの追い込み勢を抑えきれるとは思い難い〉
そんな事が、書いてあった。そして、最後にこう書かれていた。
〈皐月賞を勝った勝ちウマ娘ではあるが、その勝利はフロックだろう〉
その一文を見て、視界が真っ暗になる様な感覚を味わった。それから、その日をどの様に過ごしていたか、よく覚えていない。気が付いた時には、夜になっていた。スズカは普段通り、くるくると部屋を旋回しながら何かを呟いている。日本ダービーの作戦でも立てているのだろうと思った。いつもは気にならない彼女の癖が、妙にイラついた。
「……ちょっと、トイレに行ってくるね」
そう言って、部屋を出る。トイレの個室の中に入って、息を吐いた。その時、不意に涙が溢れてきた。フロック。偶然。私が勝ったのは、運が良かったから。自分でも、そう思っている部分はあった。それでも、他人にそう言われるのは辛かった。声を殺して、泣いた。それでも嗚咽は外に漏れる。サニーは知らない事だったが、たまたま廊下で彼女を見つけた一人のウマ娘が、様子が少し変だとその後をつけていた。そしてサニーがトイレの個室に入り、そして嗚咽を漏らしているのを聞いた。彼女はそれを他人に話す事は無かったので、その事を知っているのはそのウマ娘とサニーだけだ。ただ、その発端となった記事自体は他のウマ娘やトレーナー達も見ていた。ある者は自分が評価されている事を知り、ある者は自分の評価を不当と怒る。それ自体はいつもの光景だ。その中で、サニーブライアンのトレーナーはニヤリと笑っていた。
「こいつは、良い。ここまで都合よく事が運んでくれるとは」
彼女に注目が集まりすぎるのは、好ましくなかった。注目されると、どうしても他のマークがきつくなる。数年前、強力な先行逃げ切り型で三冠にリーチをかけたウマ娘が、菊花賞で完璧なマークを受けて敗戦した事もあった。しかし、思った以上に彼女の評価は上がらなかった。少し気の毒な気はするが、その分有利になったと思えばいい。彼自身はそう思っていた。だから、翌日にサニーがすっかり気落ちした様子で出てきたときは驚いた。
「どうした、随分元気ないが」
「……トレーナー、あの、記事見ました……?」
「記事? ……ああ、ダービーの特集か? そりゃ、見たが」
「トレーナーは、どう思いました……?」
「どう、って……別に、あんなのは気にすることはないさ。サニースワローなんて、ダービーじゃ下から三番目の評価だったんだ」
「でも、私は皐月を勝ったんですよ!」
彼女はそう叫んで、拳を震わせた。
「なのに……そりゃ、分かってます。私より、ブライトやジャスティス達の方が、才能があるってことくらい。でも……でも、私は」
「なら、見返してやれ」
トレーナーは、静かにそう言った。
「それしかないさ。もう評価は下された。もう出てしまった評価は変えられない。だが見返すことはできる。次に出る評価を変えさせることはできる」
「……はい」
「僕は、お前がそれをやれるだけの力を持ってると思ってる」
「はい」
彼女は力強く、そう言った。それを聞いて、トレーナーは大丈夫だ、と思った。このダービー、十分に勝ち目はある。
そして、ダービー当日。十八人のウマ娘が、指定されたゲートに入っていく。満員の観衆のボルテージが上がっていく。日本で行われるあらゆるレースの中で、最高の舞台と称される事も多い夢の大レース、日本ダービー。そのスタートが迫っている。
「いよいよダービーか……誰が勝つと思う?」
「俺はやっぱり、シルクジャスティスが強いと思うがなぁ」
「俺はサイレンススズカが逃げ勝つと思うぜ、単純な足の速さなら一番だろ」
そんな会話を聞きながら、トレーナーはジッとコースを見つめる。やはり、サニーの評価は高くない。それで、良いと思った。
「皐月賞勝ったのに、人気ねぇんだな……」
今日も観戦に来ていたサニースワローがそうぼやく。確かに、サニーの家族は納得できないだろう。曲がりなりにも皐月賞を勝ったのに、六番目の評価というのは低すぎる。
「……うーん、まぁ確かに色々、幸運ではあったと思うけど」
「でもよ、皐月賞だぜ? クラシック一冠を勝ってこの扱いはよ」
「それは思うけれど」
「何、構わないさ。人気や評価なんてのはどうでも良い、一着が取れれば」
「取れる、んですか……?」
「スイフト、お袋のお前が信じてやらにゃどうにもならんだろ」
「それは、そうですが」
「見返してやって欲しいよなぁ。……私は二着、って言ったって大差だったしな。出来れば取って欲しいよ、ダービー」
サニースワローはそう言ったが、実際の所サニーブライアンが勝つ、と思っている人間は決して多くはなかっただろう。しかしそんな中で、ポツリとベレー帽の老人が呟いた。
「うーん。フロックか。G1に、フロックがあるかねぇ」
どれだけの人間が、その言葉を聞いただろうか。それでも、見抜いている人間は、確実にいた。
その頃、サイレンススズカは悩みの中にいた。彼女自身は、ひたすら先頭を走り、とにかく速く、速く走りたいと思っている。ただ、彼女のトレーナーはそれを認めなかった。無理をすることはない。大逃げは戦法としてリスキーすぎる。その意見は最もではあった。過去に安定して勝利を重ねてきたウマ娘達は、その多くは先頭三、四番手に控える先行、或いは中段からやや後ろで待つ差しと呼ばれる戦法を取っている。もちろん大逃げで成果を出したウマ娘も過去に何人もいるが、安定感という点では劣る、と判断する者は多かった。
ただ、彼女は不満だった。純粋に、走る事が好きだったから。我慢して控える、というのが嫌だった。常に先頭で、走り続けたかった。
しかし、勝つ為にはそうも言っていられないのだろう。ダービーに勝ちたい気持ちは、彼女とてある。サニーが逃げるのは、おそらく間違いない。彼女と戦闘争いをすれば共倒れになりかねない。勝つ為に、ハナは彼女に譲る。それで、彼女の心も決まった。
ファンファーレが鳴る。競技場のボルテージが上がっていく。一生に一度の晴れ舞台、日本ダービー。そのゲートが、開いた。誰よりも最初に飛び出したのは。
《さあ先行争い行った行った行った行ったーッ! 皐月賞勝ちウマ娘、サニーブライアンが内に食い込んで早くも先頭!》
TV中継の実況アナウンサーが叫ぶ。皐月賞と同じように、サニーが猛然と切り込み先頭に立った。同じ逃げ型のサイレンススズカは抑え先団止まり。これはサニー達にとっては望み通りの展開だった。サイレンススズカとハナの奪い合いになれば、勝ちの目は一気に薄くなる。皐月賞の直後、一緒に逃げよう、と言ったが実際にはそれをされては困るのだった。最も、あの時はダービーを本気で勝ちたいとは思っていなかったかもしれない。ある意味、皐月賞で満足してしまっていた部分はあった。ダービーでは恥ずかしくないレースを、という程度だった。でも、今は違う。全身全霊で、勝ちに行く。
二コーナーを回ったところで、サニーブライアンが先頭、サイレンススズカは三番手、ブライトは真ん中より少し後方、という形になった。最後方にはシルクジャスティス、そしてエリモダンディーが控える。そのタイムを見たアナウンサーが言う。
《ペースはそれ程早くありません!》
「そうだ、それでいい」
トレーナーが呟く。レース全体のペースを落とし、最後の直線で突き放せるだけの足を残す。最も恐れていたサイレンススズカとの潰し合いは起こらない。ペースも落とせた。
「ねえ、大丈夫、ですかね……?」
心配そうに、サニースイフトが訊いた。ブライトが中団へ上がってくる。ジャスティスやダンディーもいよいよスパートをかけようという体勢で、ついに最後の直線に、入る。府中の直線は長い。ここから一気に速度が上がる。サニーブライアンと二番手の距離は、それ程離れていない。一斉に追い上げが来た。しかし。
サイレンススズカは、苦しい位置にいた。我慢した筈が、息が上がってくる。こんな筈ではなかった。変に心を押し殺した、そのせいなのか。ただ、私以上にサニーは苦しい筈だ。そう思った彼女の視界に飛び込んできたのは、信じられない光景だった。
「そ……んな……」
差が、開く。サニーの背中が遠のく。まだ、足があるのか。誰より早く走っていた筈なのに。
「やられた……またペースを持っていかれた!?」
そう呟いたのはブライトだった。またしても、あの逃げにやられるのか。それだけは、避けなければならなかった。
「クッソ……だが、行ける!」
そう吼えて、一気にシルクジャスティスが加速する。更にエリモダンディーも来る。マチカネフクキタル、ランニングゲイルらも突っ込んできた。そんな追い込み勢に、スズカは呑み込まれる。それでもサニーは先頭で一気にゴール目掛け突き進む。
「行ける、行けるぞ! もう一息だ!」
サニースワローが叫ぶ。
「頑張って、お願い……!」
サニースイフトが願う。
「……良しッ!」
トレーナーが、そう呟いた。もう残り百メートルを切っている。シルクジャスティスが、渾身の力を振り絞って上がってきた。サニーとの距離が縮む。縮む。しかし。
「クソ……!」
あと、少し。だが、ゴールはもう目前まで迫っていた。
《サニーブライアンだ、サニーブライアンだ、これはもう、フロックでも、何でもない! 二冠達成!》
実況アナウンサーのその叫びと共に、サニーブライアンは先頭でゴール板を通過した。驚異的な追い上げを見せたシルクジャスティスが二着、メジロブライトが三着、エリモダンディーが四着、ランニングゲイルが五着。競技場が、どよめきと歓声に包まれた。二冠達成。本当に実力ある者でなければ、到底達成できない大記録。
「やった! やった!」
「やったぜ! やったぜ、見たか!」
サニースイフトとサニースワローが抱き合いながら叫ぶ。
会場中を包む大歓声の中で、サニーは大きくガッツポーズをしてみせた。後方でシルクジャスティスは悔しそうな顔で呻き、ブライトも肩で息をしながら座り込んでいる。声をかけてきたのは、エリモダンディーだった。
「負け……ました……」
「最後は、ちょっと、怖かったけどね……勝てて、良かった」
「本当に……強いですね、サニーさんは。私なんかより、ずっと」
「そんな事無いよ。エリモだって」
そう言った時、不意に足元に違和感を感じた。少し、疼く様な、鈍い感触。しかし、それはほとんど気にならなかった。喜びが、勝っていた。本当に、生きてきてこれ程嬉しい事はないと思った。
二四〇〇メートル。レースの距離としては、中距離の中では長い部類に入る。これより長いレースは、殊にG1の大レースとなるとそれ程多くはない。その距離を、逃げ切った。逃げ切られた。
「……あんな」
あんなレースが、できるのだ。終わってみれば、サニーに全て支配されたという気がした。先頭を走る逃げ戦法は、風を受けるという点やスタミナ面で最後に不利となる。差してくる後方勢に追い抜かれる、という展開が多くなる。それは間違いのない理屈ではある。だが、逆にレースを完全に支配する事も出来る。後方のウマ娘は、基本的には受け身だ。
「私も……あんな風に」
本当に強い、とは何なのか。人によって、その答えは千差万別だろう。自分にとっての「本当に強い」とは、あの姿なのではないか。そう思わずにいられなかった。自由に走って、そして勝ち切ってみたい。自分を抑えて、負ける事がこれ程悔しいとは思わなかった。初の晴れ舞台で、九着惨敗という結果。自分が心の底でやりたかった事をしたルームメイトが、遥か前方で一着を取った光景さえ、他のウマ娘達の背中に隠れて見えなかったのだ。
「……もう、私は」
心に決めた。私は、もう自分を抑えない。勝ちさえすれば、結果がついてくれば、認めてもらえるだろう。もう、こんな思いは二度としたくない。そう思った。
また、負けた。芝生の上に座り込んで、ブライトは茫然としていた。今回は一応、ウイニングライブ出演の叶う三着には入っている。しかし、そんな事はどうでもよかった。また、負けた。同じ相手に、同じようなやられ方で。名門と言われた、メジロの看板を背負った、自分が。
試合前に、最も自分を可愛がってくれていた先輩から、激励の言葉を貰っていた。そういえば、その先輩もダービーの出走で一番の評価を受けながら、逃げ馬に届かず敗れていた。そして先週、同じメジロの出身で姉妹の様に過ごした少女がオークスを勝っていた。
あの人の無念を晴らしたかった。彼女に続きたかった。それなのに、この様だ。元々はそれ程期待値が高かったわけでは無い。かつて名門と言われたメジロ家も勢いを失いつつあり、自身もデビューでは勝利こそしたがタイムは遅いものだった。それでもその後複数の勝ち星を挙げて、やがて世代トップレベルと目されるようにもなった。メジロ家復活の、希望の星と言われるようになった。それは重たくもあったが、嬉しくもあった。それなのに。
「おい、立てるか?」
係員に言われ、肩を貸されて何とか立ち上がる。ふらついた足取りで、コースを後にする。サニーをなめていた、とは思わない。それでも、ジャスティスとどちらが差し勝てるかの勝負とは思っていた。それが、これだ。
「……ブライト」
不意に、声をかけられた。何度も聞いて、そして今は一番聞きたくなかった声。顔を上げると、そこには二人のウマ娘がいた。黒髪のショートカットの女性と、黒髪で長髪の少女。
「ライアン……さん」
「残念だったね……お疲れ様」
「……私、は」
「言わなくてもいいよ。……分かる、から」
「あの、ブライト……その」
長髪のウマ娘はそれだけ言って、しかし言葉が続かなかった。どう声をかけていいのか、分からなかった。
「ドーベル……に、続きたかった……んだけど」
それだけ言って、もう何も言えなくなった。ライアンが、グッとブライトを抱き寄せた。
「よく頑張ったよ。……別に、これが最後のレースじゃないんだ」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
ブライトはもう、それしか言えなかった。
それから、数日後。サニーブライアンの足に、骨折が判明した。レース中に折れたのでは、と言われるが、詳しい事は分からなかった。二冠となれば、当然秋の菊花賞を制して三冠へ、という期待も高まったのだが、それは夢と消えた。骨折からの復帰が、間に合わないと判断されたのだ。
「……残念だったな。お前は、距離が長い方が力が出せると思ってる。菊も、勝負になると思ったんだが。菊は無理だが、来年春の天皇賞を目指す事にしよう」
トレーナーはそう言ったが、サニーはある意味で満足していた。
「いえ……もちろん、菊花賞に出られないのは残念ですけれど。でも、良いんです」
「え?」
「私の事を、皆が認めてくれた。私は、それが嬉しいんです。見返したかったから」
「……そうだな。僕は、一番人気より一着が欲しい、って言ったんだが」
「それも、分かりますよ。……トレーナーさん、私、本当に、貴方に会えて良かった。貴方に会えなかったら、多分、こんな成績は上げられなかったと思います」
そう言って、彼女は笑った。或いは、己の運命を悟ったかのように。
結局その後、彼女はレースに復帰する事は無かった。その後の経過が思わしくなく、別の故障も併発してしまい、引退が決まる。二冠ウマ娘は、己の実力を証明したダービーを最後に、ターフを去った。
彼女がターフを去った後。彼女が復帰後の目標にするつもりだった春の天皇賞を制したのは、その前のレースを三連勝し勢いに乗るメジロブライトだった。
そして、その年のシリーズを沸かせ続けたウマ娘が一人。スタートからゴールまで、誰もついてこられない。圧倒的なスピードを持ち、最後の直線で再加速して突き放す。運命の日、一一月一日のあの時まで、ファンを、関係者を、ウマ娘達を驚嘆させ続けた影なき逃亡者。もう、自分を抑えない。もう、誰にも負けたくない。
《二番手は、エルコンドルパサーだが離れている!!》
「……やっぱり、凄いじゃん」
引退し、トレーナー転身を目指していたサニーは、テレビの前でそう言った。画面の中で、彼女はそれまで負け知らずだった後輩を遥かに突き放していた。
《グランプリ王者の貫禄!! どこまで行っても逃げてやる!!》
「頑張ってね、スズカ」
そう言って、彼女は微笑んだ。
色々とリアルが忙しいもので、次があるか、あるとしてもいつになるかは未定ですが。次回やるならダイタクヤマトか……或いは世代を変えるか。ジャスティスとブライトは好きだけどどう考えても暗い終わりしか想像できないし……うーむ。
またあの年の皐月賞やダービーに関わった馬達全てを登場させたわけではありません。あまり多過ぎても取っ散らかってしまうので……特にオースミサンデーやシルクライトニングは登場させると尺を割かざるを得ず、そうなると完全に話がてんわやんわになってしまうと思い記述しませんでした。
今回は前回と比べて、「人」も現実に寄せたというか、実在の方々らしき人も何人か。問題があれば修正なり削除なりします。
最後のレースは、最初は金鯱賞にするつもりでしたが青嶋アナの実況する毎日王冠が好き過ぎてこちらに……ただこれだと、スズカの次のレースが例の11/1なんですよね……なんかよからぬフラグみたいになってしまった。
また本作では原作アニメにて「母親が同じ場合は兄弟扱い(ビワハヤヒデとナリタブライアン)、父が同じ場合はシンパシーを感じる(サイレンススズカとスペシャルウィーク等)、父と子では尊敬しているなどの関係性(シンボリルドルフとトウカイテイオー等)」という設定があるらしいと思われたので、それを採用しています。ただこれだと現実のデビュー年と合わせた結果ウマ娘の成長速度が意味不明にはなってしまう事にはなってしまって悩みどころではありますが……。