この先、火が必要だ
つまり
この先、光が有効だ


(ダークソウル2のネタバレがあります。ネタバレしたくない人は読まない方がいいです)

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この先、ネタバレに注意しろ


太陽の後継

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 太陽を信仰する宗教は、世界において珍しくはなかった。太陽は全てに平等に生命を与える。人の口にする作物は全て太陽のお陰とも言えるくらいに影響力は凄まじい。太陽を信仰する宗教が数多くあることは考えるまでも無く普通のことであったが、古い伝承によれば、もともと一つの宗教から枝分かれしていったのだと言う。青教もそのうちの一つと呼ばれている。そう、かつて多くの人が太陽をあがめ、忠誠を誓っていたのだ。それが年月により薄れていき分化してしまい源流をたどることを難しくしていた。

 太陽を象徴していたのはとある古き神の一族。光の神たる彼らの長の名は、現代に伝わっていない。がしかし今もなお密かに信仰が続けられている。朽ち果てた像が伝説の都市ドラングレイグのどこかに眠っているという。時の流れからも忘れ去られたそれは、伝説が伝説でなかったことを証明する一つの証拠でもある。

 遠い昔。まだ、世界に何もなかったころ。原初から生まれた一人と配下のものたちがいた。彼らは強靭な太陽の力を持ちて敵を打ち破ったという。ある時、長は旅に出た。太陽を消さぬために。財産の全てを親族に分け与え、わずかな衣服と武器を手に旅に出た。そのものを追いかけた配下もいれば、王の建造した古い都を守るためにとどまったものもいた。太陽は継がれた。だが、いつか陰るだろう。そのいつかの時に、王の思惑通りにふさわしいものが世界を繋ぎとめた。

 誓いをあげた彼ら巡礼の者たちは光の敵を討ち名誉の為に戦う。目指すは、太陽の後継者。

 彼らは戦い続ける。もっとも強きソウルを得るために。世界を繋ぎとめる、ただそれだけのために。

 彼らはこの世界の真理を知っている。世界は太陽――すなわち、原初に生まれた火炎によって生かされ続けていることを。永遠に燃える篝火が存在しないことも。薪がくべられてようやく火は火であることができることを。やがて光は消え去り闇ばかりが残るということを。

 かつて二人の者が身を投じた。一人は神。一人は人間。神も人も年月とともに名前さえ伝わらなかったが、太陽が地上にある限り最初に熾った火が無事であることは彼らにもわかっていた。篝火に身を投じた人間は聖人として祀り上げられた。

 同時に彼らは火の裏の側面も知っている。火が陰るたびに人のうちに秘める闇のソウルが色濃く存在を強調することを。闇のソウルは人の理性を奪い獣へと貶めることを。もしかしたら本来人は闇に属する怪物であり、ソウルを奪い尽くし血肉を啜る存在なのかもしれないことさえ。火を継げば世界はいつか悲劇に見舞われるだろう。光だけで存在はできない。光があるところ、闇がある。火が強くなれば呪いもまた強くなる。過去も未来も無くし、いつしか本能さえも無くして闇のソウルそのものに成り果ててしまうものもいる。ならばいっそ火を消して闇に全てを飲み込まれることを待つのもいいかもしれなかった。かつて人を唆した者がいたという。人は闇であるべきであると。人の時代をはじめるには、火を消すべきであると。

 それでも彼らは一様に太陽の後継を目指し剣を担ぐ。

 世界は悲劇なのか? 

 信仰に捧げようとしているのは、闇に過ぎないのか?

 太陽の後継たる彼らがくべようとしているのは、絶望なのか?

 彼らは答えるだろう、否と。

 もし貴方がドラングレイグへと足を踏み入れたならば。もし、故郷さえ思い出せなくなったら。その温かみのあるサインに触れて戦士を呼び出すといいだろう。

 彼らはこう叫び、信仰の為に剣を掲げるだろう。

 

 ――太陽万歳!

 


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