To your valour,and instrument.Long may the sun shine!なRTA、はぁじまぁるよー。
あっついなあ・・・・もうじき夏合宿ですね~。千年目の夏の消える飛行機雲がって言ってる場合じゃねえ!!夏合宿前に例の二人を会わせなきゃならんのに分かるこの罪の重さ?え?傘木さんはどこ?ここ?
知wらwなwいwよw
・・・おっかしいなあ?彼女はダンスが趣味って設定なので学校近くの少々大きめな公園に行けば会える筈なんですが。確率イベントは古竜と同じく滅んでどうぞ(雷の杭)その代わり観鈴ちんはスタートからゴールまで幸せに生きるから。
こんなんじゃRTAになんないよ~。ホモちゃん毎日公園行って飽きない?もう今回も駄目だったらリセるからね。
ね?
『また、逢いましたね』
『何をやってるんですか?』
や↑ っ た ぜ 。
なんとそこには踊ってる可愛らしい傘木さんの姿が! って・・・あれ?踊ってないし。
しかも何で貴女制服のままなの?ダンス用の可愛い服は?ていうか初対面でしょホモちゃん何言ってんの。
う~~~ん、ままええわ(思考放棄)
傘木さん登場ムービーがもう始まってるけどRTAなのでキャンセルだ。
さてこれからやっと始まる連続イベントですが、ホモちゃんの演奏レベル向上には一切役に立ちません。しかし傘木さんを部に復帰させないという選択肢は、逆にみぞれちゃんの演奏レベル低下を引き起こします。このルートでそれは旨味がありません。
彼女を部に復帰させるメリットは前回の通りオーボエの覚醒と、部員の質の向上です。傘木さんはフルートがとても上手なキャラで、演奏の教え方も後輩に対する面倒見も良いすんばらしい先輩なのです。
ホモちゃん(ホモくん)が後輩キャラであればメリットしかありません。
だって走者知ってるんですよォ~?貴女が立華高校編の南先輩や未来先輩にも匹敵する先輩力の持ち主だって。北宇治高校吹奏楽部九垓天秤の一人なんですよね~?昔は戎君って呼ばれてたって、俺バラしちゃいますよォ~?(大嘘)
時間がないんで、早く復帰して毎日ポニテ拝ませて下さいよ!
(気付けばさっきから走者の欲望だだ漏れなの)笑っちゃうんすよね。
さておきホモちゃんが傘木さんに出会った事により、これでフラグが立ちました。
次はササッとみぞれちゃんと会話して傘木さんの事を聞き出します。これはみぞれちゃんの信頼値が高くなければ出来ない芸当です。低いともう二度と話しかけられなくなりますし、無視られます。そんなの走者がまた寝込みます(2日)
今まで毎日朝練して交流してきた甲斐がありましたねえ!
『あの人が、特別…?』
『凄い人ですね、傘木先輩』
下を選択。今度は部活終わりにまた公園に行って傘木さんに会いましょう。
『凄い人ですよね、鎧塚先輩』
『先輩は何故フルートを吹いているんですか?』
上、と見せかけて下です。
ここで上を選んでしまうと連続イベが終わって傘木さんルートB『隣りの傘から』に入ってしまいます。通称お友達ルートです。なんで?(半ギレ)
蕪崎詩乃ちゃん思い出す初見殺しは即刻止めて差し上げろ。
――とにもかくにもこれで傘木さんとみぞれちゃん両名と交流し、イベフラグを立てる事が出来ました。本ルートにおける名物サブイベント『Double Action』のスタートです。
どうあってもどんなに頑張っても追いつけない追い抜けない人。
普通に生きてりゃそんな人間100人200人は下らないでしょうが、傘木さんにとって記念すべき一人目がみぞれちゃんだったって話です。まあお互い様なんですけどね。二人はもっとお話して?
その為のサブイベ。最後は二人仲良く一緒に演奏して終了です。
こういった交響・演奏イベントはこのゲームにおいて非常に人気が高く、みぞれちゃんルートB『雨の上がった英をみる』のラストも例に漏れません。まあ今RTAでは全部スキップするんですけどね。
『先輩たちの演奏が聴きたいです』
『…分かりません』
お、予定通りです。上を選択。これで準備は整いました。あとは演奏家同士、楽器で語ってもらいましょう。つまりケッチャコ。つまりスキップです。
成功!
みぞれちゃんの演奏レベルがこれで三倍になりました。そして部に復帰した傘木さんと共に次回からは夏合宿といった所で今回はここまで!ご視聴ありがとうございました。
◆
「え?悩みがあるの?」
「…はい」
「よしよしオッケイ、なんでもこの鳥塚先輩に話してみたまえー」
「実は…鎧塚先輩に叱られまして」
「――――え?」
鎧塚先輩に叱られたその日の放課後。私は3年のヒロネ先輩に相談事をしていた。
「ちょっと詳しく話してくれる?」
「はい」
…自分で自分がわからなかったからだ。
「なるほど。知らずに吹部の友達を見下してたと」
「…はい」
「そしてそれを鎧塚さんにちょっと強めに指摘されたと」
「はい……」
「その友達は桃ちゃんより下手だったの?」
「そんなことありません。 その子は私が目指してる人なんです」
「目標の子を、かあ……。桃ちゃんも1年生なんだねえ」
「?どういう事です?」
「私の意見だけどね、そういうのはざらだよ。所謂よくある事。気にすること無い無い」
「…そう……なんでしょうか……?」
「うん。皆上手くなりたくて練習してるんだもの。ある日ふと、この子下手だなぁとか思う瞬間くらいあるよ」
「………でも」
「うん?」
「あの子の音色は綺麗な黄檗色だったんです」
「う? うん?」
「どこまでも広がっていく暖かい色。でも私だけが何色なのかが解からないんです。…本当に見下したいのは私自身なのに、友達を、大切な幼馴染を、見下しちゃったんです。
鎧塚先輩に言われるまで、私、気付けなかった。自分の色すら知らない石ころのくせに。おっこを――」
「ちょっとストップストップ。桃ちゃん、一個ずつ確認しよっか?」
「はい…」
「桃ちゃんは楽器の音を色で解かるの?」
「はい、最近は特に」
「共感覚ってやつだね。音楽をやっている人に、そういうのが有る人多いって聞いた事ある」
「え?そうなんですか?」
「うちの部でも結構居るんじゃないかな。まあ、ひけらかすような物でもないしね。ていうかまずもって音を自分なりに感じて表現するのが私達吹奏楽部じゃない?」
「そう、ですね…?」
「よくある事よくある事。さて次は自分の色が解からないって所だけど」
「はい」
「――ごめん桃ちゃん。それは私からは一つしか言えない」
「?」
「何か好きな物でも食べて気分転換するといいよ」
「ゑ? …はい?」
「色々なアドバイスはあるし、他の人に聞いても色々な意見とかポンポン出るとは思う。でもそんな言葉ひとつで解決するような悩みなら、そんなに悩んでない。違う?」
「かも………しれません」
「酷いとは思うけど、それは自分で解決するしかない。だって私達は吹奏楽部。音をどう出すかとか、どのように吹けばいいかとか。自分の音色はどうなのか、なんて皆死ぬほど知りたいよ」
そう言って、ヒロネ先輩は私の頭を優しく撫でた。
◇
「すいません。栗饅頭ください」
「はーい、ただ今~」
その日の練習が終わり、今は綺麗な夏の夕暮れ。私はいつもの日課の前に、お気に入りの和菓子屋さんに来ていた。
「いつもどうもね~」
「いえいえこちらこそー」
そう言って笑みを貼り付け、和菓子を受け取る。
「北宇治、関西大会ですってね~。調子はどう?」
「ばっちりです」
「頼もしいわね~。応援してるわよ?頑張ってね」
「はいっ、頑張ります」
笑みを浮かべなおす。
気持ちがふわふわとして、心と脳が何もかもをああだこうだと決め付けごちゃごちゃとしている。
こういう時はこうしろ、ああいう時はこういう声と顔で。
こう話せば上手くいく、上に行けるだろと。…それは楽器を吹いている時も、音を聴く時も他人と話す時も。澱みたいに離れない。
「あ、すみません」
「いえ」
…今日は急いで日課をこなして帰宅してご飯と饅頭を食べるとしよう。ヒロネ先輩の言うとおり、今日の私は気分転換しないといけない。ぐっすりと眠れば大丈夫さ。大丈夫。大丈夫だ。きっと。
「…………」
きっと。
「あら。貴女」
「――え?」
店の中でぶつかりそうになって体を傾けようとした私の耳に、聞いた事のある女性の声。以前アドバイスをくれたキャリアウーマンの人が、変わらない声と顔で私の前にいた。
「まだ口内炎が痛むのかしら?饅頭を買ったにしてはあまり良くない顔よ」
「あ、いえそんな。もう口内炎は出来ていません、その節はありがとうございました」
「そう」
「はい」
「………」
・・・・・。
「栗饅頭を買いたいのだけど。通って構わないかしら?」
「……?」
気付けば私は店の通路を塞ぐようにしてジッと立っていて、この人にとっては邪魔以外の何者でもなかった。
「す、…すいません!!」
急いで道を開ける。大丈夫、帰って大好きな栗饅頭を食べて寝ればきっと大丈夫。
「………」
だってどうせ。明日も今日と同じだから。
「待ちなさい」
「……え?」
どうせ。きっと。
「音楽は簡単に傷む。貴女はそうは思わないかしら?」
「………、?」
「良い音、悪い音。どちらも聴く人が聴けばすぐに分かる物。だって演奏は、人間がしているのだから。そして人間が生物である以上、傷みもするし下手にも上手にもなる」
「………」
「プロとなると話は少し違うわ。でも貴女は高校生。傷んでも、下手でも、上手くいかなくても、今の全てをそれに。音楽に打ち込んでみたらどうかしら」
「……」
・・・・・。
「――やって、みます。ありがとうございました。 でも貴女は一体?この前もそうでしたけど」
「只の客よ」
そう言ってその人は店の奥に進んでいった。
話す舌はもうないのだろう。一瞥もせずに。……もう少し音楽に没頭してみよう。何か見えるかもしれない。そんな気持ちが、わたしの胸には湧いてきたのだった。
◆
「―――いつも御贔屓に。学生さんにアドバイスですか、大人ですね?」
「いいえ。別に何も」
「たしか貴女の娘さんも吹奏楽部でしょう?皆頑張ってくれるといいですねえ」
「? いいえ」
「……え?」
「音楽は、どうせ傷み腐って終わる物です。私の娘にそんな物は必要ありません」
「? でもさっきあの子には、」
「思い知らせてあげるのが大人という物です。現実は自分の予想通り上手くなどいかず、上には上が居て、常に打ち砕かれる物。これからあの子は音楽に対して本腰を入れる。今のうちに、それは知るべきでしょう。いつもの栗饅頭を」
「………。そんなものでしょうか?」
「学生は勉強だけ頑張っていれば評価され上に行けるのです。そんなものです。我々とは違います」
女性は川の流れのような瞳で、丁寧に財布から紙幣を差し出した。
◆
…次の日の部活が終わり、これまた私はいつもの日課をこなす。
近くの公園で眼を瞑って平均台の上を歩き続けて、クルリと回れ右。また歩くを繰り返す。
「よっとっ、と」
高校生になってから始めたこれも、ずいぶんと手馴れてきた。クラリネットの演奏も毎日上手くいっている。友人も先輩も良い人が多いし、毎日自分の成長を感じている。良い事だ。順風満帆だ。これからもずっと。
そう、思ってしまった。先を見てしまった。
細く先のない平均台を歩いてる最中だというのに。
「!あ、っ」
え? 落ちる。腕守らなきゃ。―――だって、クラリネットが。楽器が吹けなくなっちゃう。
「おっと。 危ない、やっぱりまた逢ったね」
「へ?うぇあれ? 何をやってるんですか?」
「それはこっちの台詞なんだけどねー」
足を滑らせた私は見事に抱きとめられていた。
…以前話したポニーテールの人だ。いつの間にこんな近くに居たのだろう。この間もそうだったけど。
「ダメだよー?平衡感覚を鍛えてる時にごちゃごちゃ考えたら。 両腕は大丈夫?痛みとか無い?」
「は、はい!ありがとうございます…っ」
「あははー、可愛い後輩の為ならえんやこら~ってね?」
「あ、あははは……。 後輩?」
フワリと地面に下ろされてもずっと困惑してる私の眼が、眼前で笑みを浮かべてる女性の制服の柄を脳に送った。――私と同じだ。
「私、北宇治高校2年の傘木希美。昔からフルートを少々。貴女は?」
「北宇治高校吹奏楽部1年の、帆高桃です。楽器はクラリネット担当です」
「クラの子かー。うんうん、やっぱり」
「へ?やっぱり?」
「この前の府大会。 すっごく良かったよ?貴女のクラ」
「あ、ありがとうございます!」
ソロがあるトランペットでもオーボエでもなく私のクラを?
全部の音の聞き分けでも出来るんだろうか。だとしたら凄い人だなーと、私は頭の片隅で思いながらお辞儀した。
「運指がとても上手だったよー。息も鍛えられてるし、出る音色は単色というよりいっぱいある方だったね? ヒロネ先輩に似て、練習態度は真面目で真剣って音に出てた。よく練習したねー」
「………は、え?」
――色?私のクラに?いっぱいの、色?
「小笠原部長も香織先輩も優子も全然音色の余韻が違うし、葵先輩やヒロネ先輩達だってそう。一年前とは月とすっぽんだよー。皆輝いてた。かっこよかった。 君達1年が、あの部を変えたんだねえ」
「………」
『去年ね、この吹部は上級生と下級生とで―――』
浮かべている笑みが、先輩の笑顔の種類が変わる。対外的な微笑ではなく対内的な、でもどこかこの人にひどく似つかわしい綺麗な笑み。それは蔑むでも見下すでもなく。まるで怪物みたいだと、私は思った。
「うん、決めた。やっぱり今かな」
「なにが、ですか…?」
「実は私、元北宇治吹部の一員だったの。でも貴女達のお陰で決心がついた。―――私、今の部に復帰する」
訳の分からない事を先輩は言って、地面に転がっているボールを手に取った。公園で遊んだ誰かが持って帰るのを忘れたのだろう。それをキシと軽く握って、笑みを深めている。
「こんな時が来るなんて。私、思いもしなかったなー」
振りかぶる。左足が、高々と上がる。空中で留まる。
「あの日以来悔しくて、夜も眠れないしやる事もないから寝ないでフルート吹いて。それでもなんか違うから色んな事に手を出して。
指が回りやすくなるかなー?腸腰筋とか大事かなー?投球練習してみよう。体力付けないとなー、とりあえず走ってみよう。平衡感覚鍛えると演奏上手くなるかなー?ほんとかなー?平均台の上を歩いてみよう。他の吹部はどんな演奏するのかなー?生で聴きたいから長期休みに全国津々浦々強豪校の演奏を聴いてみよう。その他にも色々全部、やってみたよ」
ぴくりとも動かない全身は、それがいったい楽器の演奏技術にどう繋がるのかと問いただして余り有るほど綺麗で途轍もなく。でもそれら全てがこの先輩の全てを形作っていると言わんばかりに格好よかった。
「―――もう逃げない」
振り下ろされる足。同時に大地を踏みしめ、凄まじい豪球が右腕から射出された。
ボールは一瞬、ぐにゃりとあらぬ方向に曲がって暴投、かと思うとそのまま真っ直ぐにXの字を描きながらまるで太陽光のように私の眼に焼きついて、突き進む球は遠くの壁に当たってやっと止まった。
「今度こそ、私は進む。何であの日、私達は銀賞だったのか。一体何がダメだったのか。何であの子に言葉をかけなかったのか。
――足りなかったんだよ何もかも。強さにかける想いが上手くなりたいって想いが、純粋に雑魚だった」
頭がおかしくなるような投球を見て、私は夢の中にいるのかと一瞬思ったが、自分のありとあらゆる全てが心底足りないという先輩の表情を見て、私はここが現実なのだと再認した。
それはある日を境に。久美子が浮かべてる表情だったから。
「私は、上手くなる」
…自分を全うすると決めたのだろう。怪物が私の眼には、
「そして今度こそ、みぞれに証明してみせるの。私のフルートを」
どこか。将来の自分と重なっているように見えた。