響け!ユーフォニアム一年目でゴールド金賞RTA   作:ブロx

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エス・ロイエスをやっと攻略したので初投稿です。







第十一回

 

 

 

 

ポニテ三銃士がついに揃ったRTA、はぁじまぁるよー。

 

 

 やっと夏合宿が始まりました。私服が綺麗だねぇ~、北宇治吹部の面々をじっくり見る余裕も無いスキップ祭りの場所はここです。

 

 ポニテ先輩こと中川夏紀先輩が居るチームもなか(ホモちゃんとは違うBチーム。Aチームの補佐もする)に傘木さんが加わり、現在ますます練習はヒートアップといった所さん!?そしてこの合宿は吹部部員全員と一つ屋根の下という事でフラグ建築の宝庫です。

 

 一般的なルートならみぞれちゃん関連、トランペット系ルートなら高坂さん関連。ダブルリード系ルートなら喜多村先輩関連。これらを進めるにはこの合宿は必要不可欠ですね。

 

 ちなみにトランペット四騎士の一人、笠野さんのルートを進みたい場合は加部ちゃん先輩とも交流する必要があります。このルートは云わば裏方ルートです。つまり見なくてもいい色々な場面を見る破目になるやつですね。

 

 目立たず、香織先輩や晴香先輩を立て、加部ちゃんといった後輩を指導し後を託して、部の内情・人間関係をつぶさに知り尽くし、問題が表面化する前に誰も知らなくていい深淵のままにするルート。

 ある意味黄前相談所の前身といった感じで面白いですよ、この深淵歩きルート。

 

 ルートB『笠』で彼女が本当にデレるシーンなんて初めてアノール・ロンド来た時思い出しますねえ!(不死並感)

 

 しかしながらじゃあこの『ドリームソリスター』ルートでは何をするのか?

全国大会で勝つ為の布石を打つ事です。そして当然!練習だッ!先達から受け継ぐ練習ッ!それが流儀ィィッ!! 知wらwなwいwよw

 まあ基本は演奏練習しつつ部員全体の信頼値を上げる感じですね。え?いつもの?これが一番難しいんだよなあ・・・。

 

『クラリネットだけです』

 

『実は他に…』

 

 あ、クソイベ。じゃなかったお排泄物ランイベ発生ですね。

これはたしかコーチの先生方に他の楽器だとどれが吹きたい?とか何とか言われるやつです。信頼値がアップするので上を選択します。

 

 コーチの橋本先生と新山先生は顧問の滝先生と同じ音大仲間です。勿論この方々のルートもありますが(あまり人気)ないです。例えば滝先生ルートだと過去から生前の奥さんがやってきて楽器で演奏対決します。ターミネーターかな?バックトゥザフューチャーでしょ。

 

『声をかける』

 

『声をかけない』

 

 っと、本命が来ました。ここの選択肢は声をかけないが正解です。声をかけると違うルートに入ります。

・・・だからPWPK6思い出させんの止めろっつってんじゃねえかよ。

 

『何という名前の曲なんですか?』

 

『先輩は何の為にユーフォを吹いてるんです?』

 

 下を選択。これで黄前ちゃんの直属の先輩、3年のあすか先輩の信頼値が上がります。

この人の信頼値は超絶上がりにくいので、確実にポイントを押さえておきたい所。流石はこの吹部のボス(北宇治高校吹奏楽部両翼の左)ですねえ!彼女を羽撃かせれば北宇治に負けは、負けは・・・・。んにゃぴ。 

 

 やっぱりまだよく分からないですね。ま、壁は大きい方がいいから多少はね?

待ってろよ全国。さてそんなこんなで合宿1日目が終わったところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

「――それで?緊急のパーリー会議って話だけど、何が議題なの?」

 

「夏合宿の話は昨日みっちり先生と話したでしょ?…となると?」

 

「もしもしぃ~?問題発生。 ってわけ?」

 

「まっさか~」

 

「皆ごめんね、時間取らせちゃって」

 

「晴香。全員集合だよ」

 

「では急ですが、臨時のパートリーダー会議を始めます。といっても議題は一つだけ。

実は去年部を辞めた2年生・傘木希美ちゃんが、吹部への復帰を希望しています。 そうだよね?副部長」

 

「はいはーい、イグザクトリー。ちょっと前に希美ちゃんと2年のオーボエ・みぞれちゃんが二人揃って部活終わりに私の前に来てね? え!?恋の相談?泥沼の三角関係?!…とか思ったんだけどいきなり部活に復帰したいんです~!って頭下げてきて。 いやーアレはびっくりした」

 

「傘木ちゃんが…?」

 

「マジ?この時期に?」

 

「嬉しい事じゃね?」

 

「だよなあ?」

 

「…みぞれちゃんと一緒に?本当?」

 

「………」

 

「希美ちゃんはコンクールに出たいとかじゃなく、ただ私達の、吹部の手助けがしたいって話です。なのでこの場で皆の意見を聞きたいと思います。

 …ちなみに私は復帰に賛成。去年色々あった上で、勇気を出してくれたんだもの。部長として無下にはできない。 副部長はどう?」

 

「私も賛成かな~。二人してあんな顔で頭下げられちゃったら断れないよ~」

 

「……。琴子は?」

 

「………」

 

「どう、思う?」

 

「……。私は復帰に賛成。それで会議はお終い、これでいい?」

 

・・・・・。

 

「晴香もあすかもさ、はっきり言えばいいじゃない?あの傘木希美が戻ってきて、フルートパートの和は乱れるけどよろしくって」

 

「乱れるって…。そんな大袈裟な」

 

「調は大丈夫じゃないかもしれないのに?」

 

「………」

 

「フルートで唯一残ってくれた2年生の調が。今はもうなんの感情も抱いてないって。言える?」

 

「それは………」

 

「ま、上手くやるよ。フルートパートリーダーとして、私は私のやるべき事をやるだけだもの」

 

「出来るの?琴子。 君がしっかりやってくれないと~、北宇治吹部全員の和が乱れるかもなんだけど?」

 

「今は私が3年でパーリーなんで。 これでいい?あすか」

 

「わお!流石は姫神さんちの琴子ちゃ~ん。勿論信じてるよん」

 

「来南は?」

 

「私も賛成かな。みぞれちゃんは特に希美ちゃんを気にしてたから。二人で、なんて凄いよ」

 

「俺も賛成」

 

「俺も」

 

「私も」

 

「では満場一致で復帰OKという事で。では解散します。お疲れ様でした」

 

「お疲れちゃ~ん」

 

 

 

 

 

 

ついにやってきた合宿当日。バスが目的地に着くと、濃い空気が私の肺をいっぱいにした。

 

「山の空気が、すごい…!」

 

「練習するにはもってこいの場所だねえ。あ、そうだ知ってる?桃ちゃん」

 

「え?何何?美千代ちゃん」

 

「あそこの石の上で座禅し続けてると古竜の頂って場所に、」

 

「へ??なんて?」

 

「ごめん帆高。ちょっとこいつ黙らせる」

 

 ホルンパートの2年生・岸部海松先輩が美千代ちゃんの腕を引いて、ていうかがっつりホールドして引きずりながら建物に歩いていった。

 

「離して下さい海松先輩! 竜狩りの剣槍が、ハベルがぁ!!楔石がああ!!!」

 

「ここに、そんなモノは、無い」

 

「あははは…」

 

「かわいそうに。あの子の人間性も限界かもね…」

 

「あ、中川先輩。お疲れ様です」

 

「お疲れー帆高ちゃん。 希美のこと、ありがとね。なんか色々協力してくれたんだって?」

 

「協力だなんて。私は何もしてませんよ、ホント」

 

「それでもだよ。帆高ちゃんが居たから決心がついたって希美は言ってたし。ありがとね」

 

「……いえ。本当に」

 

 中川先輩が煌く笑顔とポニーテールを風に乗せながら歩き去る。

そのちょっと後ろでは傘木先輩と鎧塚先輩、そしてトランペットの吉川先輩が談笑していた。

 

この合宿で少しでもあの人達に近付いてみせる。他のことは考えず、音楽に没頭する。私はそう心に決めた。

 

 

 

 

 

 

「皆さんおはようございます。今日から二泊三日の合宿のスタートですね。早速今から練習、と言いたいのですがその前に、皆さんに紹介したい人がいます」

 

「え?紹介?」

 

「……まさか滝先生の婚約者? アンリの直剣…」「おい」

 

「今日から木管を指導して下さる新山聡美先生です」

 

 現れた人物はシュッとして、だけど綿のような女性だった。浮かべる微笑は見渡す私達を、周囲をほっとさせているけれど自然と少し居住まいを正してしまう何かを持っていて。

 

「新山聡美といいます。よろしく」

 

軽くはない。ふわりとはしているけれど、この人は軽くはなかった。

 

「木管組は第二ホールで新山先生から指導を受けて下さい。では解散」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 新山先生の指導は、数をこなすという一言につきた。やる事はなにも難しい事ではないけれど、もう一回。ここはこうしてみようもう一回。あ、間違えた。頑張ろう!もう一回。もう一回。もう一回。出来るようになるまで。 

 

「ヴぁ~~~…」

 

「お疲れ、桃。なに?そんなにきつかったの?」

 

「滝先生並だよ……。詳しくはみどりちゃんに聞いて…」

 

「えぇ……?」

 

「今はとにかく飲み物ヴォ」

 

 自動販売機に小銭を入れ、出てきたオロナミンを飲む。…飲みすぎは体に良くないけど今日はご愛嬌。とにかく体が欲しているのだ。

 

「………ふうぅ」

 

 先程の練習を思い出す。そして理想とする音を、ヒロネ先輩の音色をイメージする。どう吹こうか、如何に吹けばいいか。答えは遠いけれど。

 

「…一歩一歩」

 

先へ。上へ。あの低い天井の、その上へ。だってきっと、

 

「きっと有る」

 

きっと。果てなる高みを目指して、信じて一歩一歩進んでいく事は可能なのだ。

 

「あら?帆高さん?」

 

「新山先生。お疲れ様です」

 

「お疲れ様。…休憩中でもトレーニング?」

 

財布を持って、現れた先生は綺麗に笑いながらそう言った。

 

「トレーニングだなんてそんな。ちょっと練習を思い返していただけです」

 

「たしか帆高さんは、今年からクラリネットを始めたのよね?」

 

ガコンと、緑茶が出る。飲む?と視線で問われたので、私は手と首をぶるぶる左右に振った。

 

「はい、そうです」

 

「他の楽器に興味はなかったの?あ、これ吹いてみたい。とか」

 

「ありません。クラリネットだけです」

 

「……、何か特別な思い入れでもあるの?」

 

「憧れなんです。クラリネットは」

 

「憧れ?」

 

「はい。幼稚園の頃、両親と一緒に散歩していた時、急に楽器の音が聴こえてきたんです。…もうどんな音色だったかは思い出せないんですけど、とにかく凄くて感動した事は憶えてて。後で父に聞いたらクラリネットっていう楽器だーって教えてくれて。

 それ以来、何となくクラは特別で憧れなんです」

 

「素敵な経験をしたのね。帆高さんは」

 

「……そう言われると、何だか照れくさいですけれど」

 

「あら。そんな貴女の音色、私は好きよ?」

 

「止めてください……」

 

 恥ずかしがる私。新山先生は心底嬉しいといった表情をしながら、緑茶ペットボトルのキャップをするりと開けた。

 

「貴女をはじめ、前途ある子達と関わる事が出来て私は嬉しい。ありがとう、帆高さん」

 

 

 

 

 

 次の日の朝。

いつもの日課の要領で早くに起床した私は、少し外を走ってみようと顔を洗って外に出た。…やっぱり夏は朝が好い。合宿中だからか注ぐ日差しはいつもと違う感じがして、何だか太陽の光の恵みのよう。

 ここに来て良かった。走る私はほっと息を吐いた。

 

「……? あれ、この音」

 

 風と一緒に、微かに楽器の音色が流れている。走るのを止め、音の発生源にゆっくりと近付いていく。…すると、そこには。

 

「……っ」

 

 鈍色のユーフォニアム。あ、いや違う。銀色のユーフォと、それを吹く低音パートの田中あすか先輩がいた。…綺麗で不思議な深い音色。いつもは亜麻色で透き通っているのに、聴こえる音はまるで別人のような涅色をしていた。

 

「? ――あ、帆高ちゃーん」

 

「おはようございます、田中先輩」

 

「人が悪いなあ。声くらいかけてよ~」

 

「す、すいません。なんだか気が引けてしまって」

 

「ええ!?…そっかあ、帆高ちゃんにはユーフォの魅力が分からないのかあ…。ショックだなあ」

 

「いえそうではなく。 あの、先輩一つお訊きしてもいいですか?」

 

「ん?なあに?」

 

「先輩は何の為にユーフォを吹いてるんです?」

 

「………、へ?」

 

自身のユーフォニアムを一度握りなおして。先輩は眼を丸くさせた。

 

「うーん、それはどういう意味かな?」

 

「あ、すいません不躾に。でも何だか無性に、」

 

「尋ねてみたくなったってわけだ。 流石は帆高ちゃんだね~、そうやって希美ちゃんやみぞれちゃん、そして香織達を口説いたわけだ?」

 

「口説いたって」

 

「あっはっは~。まあ、可愛い後輩の質問とあらば答えてしんぜよう。ずばり、私がこのユーフォニアムさんを吹く理由は只の一つッ!」

 

「……」

 

・・・・・。

 

「――なんなんだろうね?」

 

「えぇ……」

 

私は思いっきりずっこけた。

 

「そう言う帆高ちゃんは?何の為に吹いてるの?」

 

「証明する為です」

 

「ほほー、自分をって所かな?」

 

「はい」

 

「それだけ?」

 

「…はい?」

 

「だってそれ、別にクラじゃなくてもいいじゃん?」

 

無機物じみた鉄のような瞳が、私を覗いた。

 

「―――え」

 

「好きだから。ならまだ分かる。 上手くなりたいから。ならまだ共感する。 意地だから。ならまだ納得できる。

でも帆高ちゃん、自分を証明する為の道具が楽器である必要があるのかな?」

 

「………」

 

・・・・・。

 

「この合宿で何かを見つけられれば、きっと、君の力になると思うよ? 帆高ちゃんはまだピチピチの1年生!先はまだまだ長いんだから~」

 

 今日も練習頑張ろうね~。そう言って先輩はゆうゆうと歩き去っていく。でも私は一歩も歩けない。分厚い壁が四方から迫り来るように、私はただ怖かった。

 

――分からない。今は、それが頭の中の全てを支配していた。

 

 

 

 

 

 

 

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