そこにあるもの全部奇跡かもしれないRTA、はぁじまぁるよー。
あ、そうだ(唐突)このゲームを走る上で主人公をホモくん♂にしなかった理由!
それはこんな一癖も二癖もあるけど最高の吹部部員達と一つ屋根の下なんて奇跡走者が許さねえからです。
代われよ(真顔)
君はほんとうに悪い子だ。走者(のコンディション)に逆らってばかりいる。ゲームになりませんねえ。
さてそんな愛すべき猿軍団のみなさん!の中の中にいるポニテが勇気凛々直球勝負なホモちゃんの演奏レベルは着実に高まっています。他の部員のレベルも中々でこのまま渇望の玉座、求めるんでしたよね?(原罪の探究者並感)
いや無理っす。
足りん足りん足りん足りん足りん足りんタンバリン。タンバリン!(何度見ても笑う激ウマギャグ)
関西を勝ち抜く為にはまだ足りません。こんなんじゃ三校に勝てないよ~。まあこれなら何とか関西は勝てるんちゃう?って感じじゃ駄目駄目。
例えるならテストで赤点(59点以下)回避したいので60点取る勉強するのと同じです。現実が見えてません。
もっと上を目指す必要があります。それだけ関西吹奏楽コンクール最高戦力の三校・大阪東照と明静工科と秀大附属は凄まじいポテンシャルを持っているのです。負ければ終わりです。
このゲームでは脳筋よろしくプレイヤーの演奏レベルだけガン上げしていると、大会で勝つには運に頼らざるをえなくなります。仮に3年の先輩方のルートを征く場合関西で負けるとバッドエンド確定です。勿論このルートでも。
このゲームでのバッドエンドはきつめなのが多いです。中にはバッドの方が良いっていう(メロンパン)兄貴たちもいますが、走者は無理です。とくに全国で負けると・・・・やっぱつれぇわ。
なのでちょっと国盗り戦のトロンボーン衆、もとい塚本秀一兄貴に話しかけて彼のレベルを上げ上げします。
ちなみにこの兄貴、走者一押しキャラの一人です。黄前ちゃんの成長を妨げるような愛し方はしない男なので。
黄前ちゃん一筋な彼のルートは全部お友達ルートしかありません。徹底しすぎぃ! つまり裏を返せばホモちゃんにとってはプラスにしかならないという事。後の北宇治幹部はやっぱ違いますねえ!
ほらあ、言ってる傍から兄貴とホモちゃんの演奏レベルが大アップ!兄貴・・・彼女と幸せに。そして最終楽章で男、見せてください。
―――ん?
『出ていく』
『こっそり覗く』
お?木管仲間の傘木さんと調ちゃんがお話してる?
あっ良い。良いですよこれ。下を選択。
これはフルートパートの井上調ちゃんにバフが掛かるイベントです。い~い子だね君らほんとに楽しそうだね~~!おいホモちゃんも混ぜてくれや!!
あとはパパパ~っと練習&ウドのコーヒー飲んで苦くてむせてと。ちなみにこのコーヒー飲むと運が上がります。これでお排泄物じゃないイベがもっと来る可能性が微レ存。
ホモちゃんの身体に染付いたカフェインの匂いに惹かれて、危険なヤツらが集まってくるってわけです。
さてそんなこんなで合宿二日目の夜を迎えた所で今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
◆
「ちょっと、さ。助けてほしいんだけど」
「珍しいね、琴子が真面目な話だなんて。どうしたの?」
綺麗な瞳を細めて、彼女は笑みを浮かべてそう言った。
「うちの調がさ、ちょっとまずい」
「え?そうなんだ?」
・・・・・。
「傘木に対してあんなコンプレックスを持ってるとは思わなかった。これは素直に私の読み間違い。…正直、」
「手に負えない?」
「……、くやしいけど」
私は頭を下げる。それを見る彼女の表情は、変化も卑下も無い。そうだろうと確信できる位には、私とこの子の付き合いは浅くも短くもなかった。
「ん~、分かった。今日それとなく話してみるよ」
「…一人で?」
「友恵ちゃんも誘ってみようかな。同年代がいると、気も休まるだろうし」
「ありがと。沙菜っち」
「そのあだ名はやめて?」
親友の笑顔が、苦笑いに変わった。
◆
「おはよう久美子。ちょっといい?」
「おはよー。朝早くにどしたの?桃」
もうすぐ朝食だという頃。すっかり得意になった朝の雰囲気を身につけて、幼馴染は難しげな表情で現れた。今日も小綺麗なポニーテールが決まっている。横顔を見ると、最近吹部に復帰した傘木先輩にどこか似ていた。
「久美子はさ。――前に上手くなりたいから、ユーフォ吹いてるって言ってたよね?」
「うん」
「何で?」
「? 何で?」
するりと出そうになる答えを抑えて。私は桃の瞳を覗きこみながら尋ね返した。
「あ、えっと、さ。上手くなりたいと思ったのは何で?って話」
贅沢な悩みだなと感じながら。
「悔しかったからだよ。当たり前じゃん」
「……悔しい」
「だって私、ユーフォ好きだもん」
「………」
どうやったら上手くなれるかな?でもなく。そっちはどんな練習してるの?でもない。
理由の根幹。他人が演奏する目的を知りたいのだろう。こういう子はたまに居る。思考と実践がずれている奴が。でもそれが桃だとは思わなかった。
「桃は違うの?」
「え?何が」
「好きでしょ?クラ」
「………」
だって自分のクラリネットを証明する為に。貴女は今日も頑張って吹くんでしょう?
「―――うん。勿論」
やっぱり。
昔から嘘が下手だなと、私は思った。
◆
「よっす。どうしたよ?暗い顔して」
「え?そう見える?」
「もしかして隠してるつもりだったのか? そりゃ無理があるだろ」
「ついさっき久美子にも変な顔で見られたし、……そんなに?」
「そんなに」
朝ごはんを食べ、もうじき全体ミーティングをして練習だという頃に。高校生になって爽やかさが2割増しになった幼馴染が手を挙げながら声をかけてくる。
相手を柔らかく包み込むように。こういう所に久美子はやられたんだろうなと周囲を警戒しながら、私は天を仰いだ。
「なんだか昔のお前に少し戻ってきたな。悩み事か?」
「悩みってほどじゃないんだけどさ。………ねえ、シュウイっちゃんは確か中学の頃はホルン吹いてたよね?」
「ああ」
「今はトロンボーンなのは何で? ホルン、別に好きじゃなかったの?」
「好きか嫌いか、そのどちらかじゃないといけないのか?楽器って」
「いや……どうだろ?」
「大事なのはどう想ってるかじゃないか? ホルンはジャンケンで負けたからしかたなくだったけど、今は気に入ってるよ。トロンボーンは昔から憧れてたしな」
「……。どう、想ってるか…?」
「そりゃ嫌いでも吹かなきゃいけなくなった奴位いるだろうさ。希望の楽器に割り当てられなかったーとか、本当はこれをやってみたかったのにー、とか色々。でもま、吹いてるうちに自分なりの想いとか色々篭ってくるモンじゃないか?一応吹部だし」
「なにそれ。シュウイっちゃんのくせに。 久美子にもそれくらい熱く語りかけてみれば?」
「・・・言うんじゃなかった。余計なお世話だこんちくしょう」
「でもありがと。ちょっと元気でた」
「おう」
やはりグダグダ考えるのは性に合わない。
迷えば敗れる。倒れるとしても前のめり。シュウイっちゃんと話してるとそのように感じられる。思い出させてくれる。
やはり幼馴染は良いものだ。
「――何してるの?二人」
でも訂正。この子の前ではUターン。
「吹奏楽について相談に乗ってもらってたんだー幼馴染の意見は貴重だよねやっぱりだから大丈夫大丈夫大丈夫だよおっこ」
「そうなんだあ。ていうか何、その早口。あとあだ名」
「ごめん、じゃそういうことで。アディオース」
たとえ幼馴染でも、私は馬に蹴られて死にたくはなかった。
◇
「あーびっくりした。あの様子じゃ二人がくっ付くのも時間の問題かなあ。いやー、ほんと嬉しい。喧嘩しあってた小学校の頃が懐かしいよ。だから帆高桃はクールに去って、」
「―――ねえ傘木。一体どのツラ下げて戻ってきたの?」
「え?こんなツラ?」
「一度訊いてみたかったんだけどさあ。その皮の厚さ何センチ?」
「3.03030303センチ」
「一寸法師かあ…。面白くないね?」
「面白いこと言ってないからね」
「言えてるー」
「………」
曲がり角の前で私は頭を抱えた。
やっべえ所までクールに去って来ちゃった。修羅場とかそんな次元じゃないマカハドマを前にうずくまる。えー…? あれは傘木先輩と調べる方の井上先輩。たしか昨日は普通に接してた筈なのに何故。
「やっぱり許してくれないの?調」
「当たり前でしょ。アンタは去年逃げて、私は逃げなかった。この一年、今までお互い頑張ってきたけど私はここで。それが去年はごめーんまたここに参加しまーす? 同情はできるけど共感はできないよ」
「………」
・・・・・。
「…ずっとさ。アンタのフルートに憧れてた」
「!」
「私と同い年で、こんなにも凄い演奏が出来る傘木を尊敬してた。アンタを追いかけて、いつか追いこして、その先の景色を一緒に見てやるって思ってた。あの吹部の空気の中でも」
「……調」
「あの日。アンタが辞めた日に、私も部を辞めようと思った。でも出来なかった。根性じゃなく、勇気が無かったから。…惰性で続けてきたのかもしれない、でもいつか自分に後輩が出来たら。その後輩達には私みたくなってほしくないなって思いながら、フルートを吹いてきた。去年を遠い綺麗な思い出にしたかった。――でも気付いたら、アンタはここに戻ってきた」
・・・・・。
「部活なんて皆自分勝手にやる物。他人は他人で、自分は自分。 琴子先輩からはそう言われた。だから私は自分勝手にこう思う。―――ねえ、何で今戻ってきたの?私の思い出」
…調先輩は怒るとも哀しむとも違う表情で傘木先輩を見つめた。嬉しいとも、待望とも異なるそれは例えるなら憎悪に近かった。
底知れない何か。白か黒かでは推し量れない何かがあの人の心にはあって、言葉にする事でどうにか形を成している。自分に言い聞かせているのだろう。ずっと心の中で、燻っていた何かを。
「傍で見てみたかったんだよ。北宇治の音楽を」
「――あ?」
「北宇治高校吹奏楽部の音を、あの子の音楽を。傍で聴いてみたかった。だから戻ってきた」
「………他には、何も?」
「無いよ」
誰がどう見ても限界だった。調先輩の綺麗すぎる表情に亀裂が入り、静かだったその内側が表面上という薄氷を粉々に砕いて露わになる。眉間に集まり続けるしわがその証拠。
喧嘩になる。 だから私は足を踏み出して―――、
「ストップ。こら、喧嘩はお外でやるものでしょ?」
「――え?」
「か、笠野先輩?」
「私もいるよー?」
「! 友恵も」
「後輩の帆高ちゃんがこんな顔面蒼白になるほどだよ?今は落ち着いた方がいいんじゃないかな?」
私の後ろから不意に現れる3年の笠野先輩と2年の加部先輩。二人とも柔らかい笑顔だけど加部先輩は少し固い。何だか年季のようなものが感じられて、私は笠野先輩の方に顔を向けた。
「……すみません、先輩」
「すみません」
「まあ格好よく出てきたはいいけど、3年の私から言えることは一つだけだよ、二人とも。――何かが誰かが納得できないなら聞かせてほしいな。少しは先輩を頼ってほしいんだけど?」
「……こいつが許せません」
「……こいつに許してほしい。です」
「なら答えは一つだね」
「え?」
素っ頓狂な音程の声が私の喉から出る。
笠野先輩は、1×1=1でしょ?と言わんばかりの明朗明快な声を出していた。
「演奏しよっか二人とも。音には深さが出るってね。その人だけが持ってる特別が。それを聴けば納得できるんじゃないかな?お互いに」
だってもう二人は奏者でしょ? 笠野先輩は続けた。
「………」
「………」
調先輩は一度眼を瞑ったと思うと、ゆっくり目蓋を開けて傘木先輩を見た。そのまま数秒が経って、北宇治高校吹奏楽部・Aメンバー、フルートパート唯一の2年生は無言で廊下を歩き出す。
言葉では完全に形にしきれない何か。それは音でなら、演奏ならば表現できる筈。表せる筈。
傘木先輩も同じく歩き出す。鎧塚先輩と奏で合ったあの時のように、奏者の瞳で。それしか知らないという風に。
「いやー、格好いいですねぇ。フルートの子達」
そんな二人を見送る先輩達は笑みを浮かべている。
……真似出来ない。だから素直に凄いと思って、私は眼を伏せた。
「今日の練習が楽しみだね。帆高ちゃん?」
柔らかく笑みを浮かべるその人が、私にはとても大きく見えた。