響け!ユーフォニアム一年目でゴールド金賞RTA   作:ブロx

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 お陰様で何とかここまで辿り着くことが出来ました。ここまでお読み頂き、本当にありがとうございます。
 また申し訳程度の音楽要素を入れてみました。いつも通りよく分からないネタなので気にしないで下さい。









第十四回

 

 

 

ここで退いたら誇りが消える。特別になる為に命を懸ける野生の少女に味方する男スパイダーもといRTA、はぁじまぁるよー。

 

 

 さて今更ながら走者が目指す物は最速と最適解です。ここで逃げたら、その誇りが失われる。次は無い。そう、ここは中盤ラスイベ関西大会。

 

 かつて幾億のプレイヤーが万全な準備を整えてなお運が悪くて負けたぁとか言うほどに我々の前に立ち塞がり続ける壁(千早じゃないよ)

 

 それを走者は全速前進DA!突破致します!

まずは切り札その1・アイテムの使用です。栗饅頭!これによりホモちゃんの演奏レベルがアップ!

 

そしてその2・話しかけるコマンド!黄前ちゃんに話しかけ、彼女の信頼値を上昇!

 

連鎖相乗効果発動により、高坂さんとあすか先輩の演奏レベルがアップ!

 

 あすか先輩の演奏レベルがアップしたことで香織先輩の演奏レベルが上がる!香織先輩の演奏レベルが上がることによりトランペット四騎士達の演奏レベルが上がる上がる!!

 

 ――完成です。現段階における北宇治高校吹奏楽部の最上。多分これが一番強いと思います。でも走者は完璧を嫌悪してるので、これよりも上を次は目指していきたい(MYR様リスペクト)

 

 このまま行けば清良女子にすら匹敵する演奏レベルの総計。数の暴力!そして走者のモチベを上げてくるぅぅ↓ふぅぅぅん↑↑(F1エンジン)

 傘木さんが舞台の幕を上げてくれました!!北宇治吹部を見ながら揺れるポニーテールと、瞳に映る輝く星は彼女が見たかった景色であり仲間達なんだよなぁ・・・。貴女の前途にも同じものを。

 

 ていうかここスキップし忘れたけどさあ画面が切り替わりました。

例によってミニゲーム特有のアラーム音。曲がランダムで二曲選ばれます。基準点未満だと終わりです。基準点以下でも終わりです。いつだってここは緊張して、汗と震えが止まりません。

 

でも意地があんだよ走者にはなあ!!!

 

 

    WARNING

 

The decisive music is approaching at full throttle.

 

   NO REFUGE

 

 

Are you ready? 

 

イクゾー!!  デッデッデデデデ!(カーン)デデデッデ!

 

さあ来い!北宇治の音楽みせてやろう!そして私の両手に勝利と栄光を!!勇気を!!不屈の闘志を!!!

 

 テレ、テレレ!テレ、テテテンッ!!

テーレレレテーテーテー、テーレーレーレーーン

テーテーテーテーレ、テーレーレーレーレーレー

テーレレレ テーテーテー、テーレーレーレーーン

テーレーレーテーレ、テーレーレーレーラ↑ーレーレーーン

 

 シシ、シシシ ミミ、ミミミ

ファ♯ーソ♯ラファ♯ミーラードー、シーラーソ♯ーファ♯ー

ファ♯ーソ♯ーラーソ♯ーミ、ラードーシーラーソ♯ーミー

ファ♯ーソ♯ラファ♯ ミーラードー、シーラーソ♯ーファ♯ー

ファ♯ーソ♯ーラーソ♯ーミ、ラード♯ーシーシーソ♯↑ーミーファ♯ーー   

(※イメージです)

 

一曲目終了!ミスなし!(ほんとぉ?)次は!?

 

 テレテテテ!テレテテテェ!

テレレレッレーレレレー(デーレレレレレレレッ)

テレテテテ!テレレレレー

レレレーーーン!!

テン!テテッテーン!

 

 ソシ♯ドドド ソシ♯ドドドォ

ドミ♯レレッレーードシ♯ドー(ソシ♯ドミ♯レシ♯ド)

ソシ♯ドドドー ドレミ♯ミ♯ミ♯ーorソシ♯ドドドー

ミ♯ミ♯レーーorミ♯ソファーー 

レ ドシ♯ッドー

 

 ~デレッレーン、デレレレレッレーン(テンッ!テーン!)

デン!デレッレーン、デレレレレッレーン(テレレレレーン)

テーレーレーレー テーテーテーテー

テーーン!テテン、テテ!テテッテーーン

テーレーレーレーレーレーレー

テレレレッッテッテッテーン!テレレーン!!

 

 ~ソファッミ♯ー、ミ♯ファミ♯レシ♯ッソー(ミ♯ーレー)

ド、ソファッミ♯ー、ミ♯ファミ♯レシ♯ッソー

(レミ♯レシ♯ソー)

ソ♯ーソ♯ーソ♯ーソ♯ー ラ♯ーラ♯ーラ♯ーラ♯ー(ドーミ♯ーソーレーファーシ♯ーレー)

ドーー、ファソ-ソファーミ♯レッドー

ドーミ♯ーソーレーファーシ♯ーレー

ドソシ♯ドッミ♯ッファッソーー ソシ♯ド!

(※イメージです)

 

二曲目終了!走者のオイルが沸騰するわこんなん!得点は!?

 

 30006・・・、普通だな。と言いつつ基準点は19190点なので大きく突き放して北宇治高校吹奏楽部は関西大会ゴールド金賞と全国大会へのキップを入手!こんなえっらい功績誇らしくないの?

 

 吹部部員の演奏レベルは超アップです。どうだい、北宇治は強いだろう。

次回からはついにゲーム終盤!全国大会とかいう上位者ども打破目指して頑張ろうとホモちゃんが息巻いてる所で今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や。久しぶりだね皆」

 

「お久~」

 

「二年ぶりだね」

 

「元気してた?部長」

 

「もう。部長じゃないってば」

 

 それは全くの偶然だった。コンクールが始まるまでの、最後の休憩時間。少しぶらつこうとして角を曲がり、道を直進したらあらバッタリ。懐かしい顔付きとその気配に、傘木は自然と笑みを浮かべて右手をヒラヒラと左右に振った。

 

「あの頃を経験した元南中生にとっちゃいつまでも希美が部長だよ」

 

「そう?」

 

「うん」

 

「そう」

 

 大阪東照、明静工科、秀塔大学附属高校。全国吹奏楽コンクール出場の常連校であり、関西三校と呼ばれている吹奏楽の強豪。その主戦力の一角である2年生達は、かつての同期であり元部長と久闊を叙していた。

 

 元南中学吹奏楽部。最後の年を府大会銀賞でもって幕を閉じた3年生達。二年が経ったその眼には、相も変わらずギラギラとした熱が宿っている。

 私も同じような瞳なのだろうか。傘木は少し、けれど深く息を吸った。

 

「ところでなんだけどさ。――なんで去年いなかったの?」

 

「吹部から離れてた」

 

「は?」

 

「部長が?」

 

「まさか怪我か何かで?」

 

「ううん。単純に、折り合いがつかなくて」

 

強豪校へ進学を果たし、今年もこの時期冬服の三人の心配と疑心が、笑みに変わった。

 

「あ~、それは仕方ないね。でも貴女がいなくて去年は退屈だった。こいつらと清良しか、コレと思う演奏は無かったもの」

 

「でも今年ならと思ってたのに、…なに?Bメンバーなわけ?希美」

 

「うん」

 

「正直詰まんない」

 

「詰まんない?」

 

「そこに吹部があるのなら、どこの高校に行ったって私達は必ず大会で逢う筈だと思ってた。あの日のこと、もう忘れたわけ?」

 

「中学では銀で終わったけど」

 

「高校の全国の舞台で。ゴールド金賞を獲るのは」

 

「アタシら南中吹奏楽部生や」

 

 それは当時の誰もが口にし、今も胸に掲げる執念だった。どの路を進もうとも、往こうとも吹部があるのならそれを選ぶ。上を目指す。特別になる。誓いはきっと、あの日から消える事は無いのだろう。

 

「去年も今年も部長が吹かない北宇治。ね、強いの?」

 

「強いよ」

 

「上手いの?」

 

「上手いよ。どこよりも」

 

「………」

 

 すれ違えば百人が百人振り向くだろう綺麗な夏服姿の傘木が、笑顔に自信を込めて言う。

 

「私ね。北宇治吹部の一員だけど、ファンでもあるの」

 

「―――へえ?」

 

「だからよっく聴いておいてね? 絶対虜になるから」

 

「貴女がそこまで言うなんて。優子とみぞれが居るだけはあるわけだ?」

 

「それだけじゃあないよ。全部の音色が良いんだから」

 

聴けば分かると、眼で伝える。

 

「それは少し楽しみ」

 

「ねえ部長?最後に一つだけいい?」

 

「なに?」

 

「音楽は。………もう嫌い?」

 

 依然変わらない彼女の姿。そう見える、かつての部長の姿。

一抹の不安が三人の胸を掠める。貴女はもう、なんとも思っていないのか。過去なんて物は、もう要らないゴミか。それだけは訊いておきたかった。

 

「―――ううん。好き」

 

「………」

 

「大好き」

 

奏者の瞳が言う。奏者の瞳が見る。

 

かつての仲間達。そして今の強敵(とも)達は同じ想いを込めて笑った。

 

 

 

 

 

 

 ―――クラリネットは、どう?

 

 ―――…はい?

 

 ―――楽器。まだ決まってないんでしょう?

 

 

懐かしい出会い。昔といって差し支えない過去を思い出し、私は閉じていた眼をすぐさま開けた。

 

「ん?桃ちゃん?何食べてるの?」

 

「ふひふぁんふうでう…!」

 

「栗饅頭? あ、もしかしてゲン担ぎ?」

 

「おおうぇふ!ふほうふぉうふぁふぁふぃふぁふふふぇ!」

 

「ブドウ糖か~賢いね~」

 

「いやなんで分かんのよ…」

 

「ヒロネは耳が良いからね」

 

 最後の休憩時間は同じパートの子達と過ごそう。

三年間の思い出という名前の昔馴染みがふとやって来ては一人、また一人と去っていく胸中で、思う。…泣いても笑っても、これが最後なのだと告げていきながら。

 

 手で口元を隠したもぐもぐ顔が可愛い後輩と、大変だった去年を凌いできた後輩。そして三年間ずっと一緒にやってきた仲間達を見渡して、私はまた少し眼を閉じた。

 

 ―――良い耳をしてるね、ヒロネちゃん。絶対音感ってやつだ。

 ―――そう…なんですか?変じゃありません?

 ―――うちの部にも何人か居るんじゃないかな。気にすること無い無い。

 

「…ねえ皆。こんな事言うと怒るかな」

 

「続けてどうぞ?」

 

「どうぞどうぞ」

 

「…わたしさ?なんだか幸せ」

 

「それは何より」

 

「ふふーん?」

 

 ―――え?悩み事?何か好きな物でも食べて気分転換するといいよ。オッケイ?

 ―――あの、先輩には悩み事とか無いんですか?自分の音色はどうなのかとか、……どう吹けばいいか、とか。

 ―――クラを好きになる理由とか?

 ―――……はい。

 

「今まで色々あったけど、私、ここで終わってもいいって思ってる。だってこんなにも後輩に恵まれてさ、友達にだって、恵まれてさ。私本当に、」

 

「嫌です!!!!」

 

「…え?」

 

 眼を開ける。少しぼやけた視線の先に、饅頭を食べ終わった後輩とその他全ての後輩が異口同音。ジッとこちらを見ていた。

 

「ここで終わったりなんてしません!私達は全国に行くんです!」

 

「もっと先輩達と一緒に吹きたいんです!!」

 

「終わりじゃありません!!!」

 

「………」

 

 ―――皆死ぬほど知りたいよ。私達は吹奏楽部だもの。

 

「ま、気持ちは分かるけどさ。ヒロネ?」

 

「私達。まだ先輩みたいだよ?」

 

「………」

 

 ―――でも、…でもね?もしかしたらさ?

 ―――…先輩?

 

「そっかー。じゃあ私達のクラ、今日金獲って全国で響かせちゃう?」

 

「勿論!!!」

 

 ―――全国で金賞を獲れたなら。それが分かるかもしれないよ?ヒロネちゃん。

 

 声が重なる。輪になる。過去が私の頭を優しく撫でて、そっと微笑む。

もう一つ。クラリネットを好きになる理由が増えましたよ。先輩。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、久美子。今いい?」

 

「いいけど何? あまり大きな声出さないでよ?桃」

 

ひょこっと。いよいよ本番間近という時に、幼馴染が顔を出す。

 

「私さ。皆を想って吹いてみるよ」

 

「それって麗奈の真似?それともみぞれ先輩の真似?」

 

「うーんと、ね。なんていうかその、……ね」

 

「?」

 

幼馴染は瞳を地面へ、そして天井へと向け、そしてついに私を映した。

 

「久美子がいたから。私は今ここにいる」

 

「…へ?」

 

「貴女と逢って、皆と出逢って。だから私はここでクラを吹ける。今日、私はそれを込めてみる」

 

「………」

 

 柄にもない言葉。馬子にも衣装。緊張して変な物でも食べたのか? そう言うのは簡単だった。でも言葉は一言も出なかった。

 

 小学校からずっと、この子と眼を合わせてはおしゃべりをしてきた。でも今まで一度だってこんな眼を見た事はない。何か良い事でもあったのだろうか。

 

 ――綺麗な色。まるで空にかかる虹の色。もっと見てみようと思って瞬きを一回すると、そこにはもういつもの顔だけがあった。

 

「頑張ろう。皆とおっこに」

 

「………」

 

乾杯のつもりだろう、拳と拳を突き合わせる。ゴツンと、グータッチの音が鳴る。

 

「痛いんだけど」

 

「後で覚えてろ」

 

 いつまで経っても直らない腐れ縁の悪癖をいつか直してやる。ちょっとの笑顔と、変わらない笑みの中で。私はそう想ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青い空から夜の空へ、漂う雲や風の行方。一丸と全てが収斂し物語性を醸している。―――虹色。聴き終えて最初に思ったのは、まずそれだった。

 連続写真というよりは絵画に近い。高校生の奏演にしては、全体的にやや大人びている。だからこそのギャップ。幼い容姿との食い違いが、合奏に魅力を与えていた。

 

 それを引き出す指揮者の才能。手練。まさに類稀なると言って差し支えない。

終わってみれば、この場の誰しもが三日月を心に思い浮かべるだろう。冴え渡る月。まるで夜の虹。現に視線を右左にずらせば、感極まり泣いている者も居た。

 

 万雷の拍手。審査員への印象。選曲の有利性。

これを聴かせられては、この後の学校には少々不利だ。全国に進む一校は北宇治高校吹奏楽部で間違いなく。何故なら審査という物は、人間という生物(なまもの)がしているのだから。

 

「――そう。貴女はそっちを選んだのね」

 

 ずっと手を組んでいた両拳を肘掛へとそっと広げ、拍手喝采が終わるタイミングで立ち上がる。一人娘と、とある和菓子好きの最期の演奏を聴きに来たが、どうやらあの子達の音楽はまだ最期ではないらしい。

 

 気持ちが悪くて賢しい音色。吹けた所でこの先の人生に何の役にも立ちはしない。今も昔も、私はそういったものが一番大嫌いで。

 

「つまらない方を選ぶなんてね。腐り落ちて、終わった時に泣くのは他でもない自分なのに」

 

 関西吹奏楽コンクール会場。

懐かしさどころか何の感慨も湧かない心と頭が、もうこのゴミの吹き溜まりから出ろと私の脚を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

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