響け!ユーフォニアム一年目でゴールド金賞RTA   作:ブロx

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第四回

 

 

 

 遥か昔、イルシールのはずれその地下に。罪の都と消えぬ火を見出した若き魔術師サリヴァーンのように。高校生の彼女の心にも消えぬ野心が灯ったRTA、はぁじまぁるよー。

 

 何ですか?これ。

そんな感じの初合奏が終わり、しかしホモちゃんと吹部メンバーの練習が光って見事二回目の合奏を乗り切れましたね。

 

 多少意味不明な点もありましたが、流れとしては順調イズ順調です。これは良いタイムが期待できる(天下無敵)

 

 さて今回待ち構えているのはサンライズフェスティバルというイベントです。

ここでホモちゃん君初心者だから楽器持たないで北宇治名物謎ステップを踏んで、どうぞ。なんて事をヒロネ先輩から言われたら再走です。

 

 ここで現段階のホモちゃんの演奏レベルを確認。

よし!あ~~いいね車でいえばセルシオくらいだね。

低いと必ず謎ステップ枠になってしまうので、それではホモちゃんの演奏レベルも周りの吹部部員のレベルも上がりません。つまり大会で負けます(終わり!閉廷!)

 

 ホモちゃんは吹部をシェイクしてくんなきゃいけないってそれ一番言われてるから。

 

だから、先輩にくっついて練習キチになる必要があったんですね。

 

・・・・ん?

 

『やらせてください!』

 

『分かったよ』

 

あああああああああああああああ↑!!!!!! クソガンモ!!!!!!

 

ふーざーけーるーなーあああああああああああ!!!!!!

 

 なんで?なんで?確率選択肢イベント発生です。下は論外。

上を選んでも運が悪ければサンフェスで楽器演奏できなくなります。

 

 選択肢を選んだ後、「さあ、練習練習!」だと終わりです。「さあ、練習練習!!」がホモちゃんの口から出れば楽器演奏が出来るわけですね。

 

・・・おまえPWPK7かよお!”!!(発狂)

 

 演奏レベル足りてんじゃーーん!問題ないじゃーーん!!

ここまで順調にやってきたのにハイヨロシクぅ最初からなんてやってられるか!私は部屋に戻る!!!本気でこのゲームイカレてきてんじゃなかろうな?って―――あ。

 

 ・・・演奏レベルが少し足りんかった?(二度見)え?本当はセルシオがあと一台必要?(セルシオばっかじゃねえかよお前ん家)

 

・・・・・。

 

上をポチッとな。

 

・・・。

 

・・・。

 

あ。

 

「さあ、練習練習!!」

 

ッ、ファアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

 

ホモちゃん大勝利!希望の未来へレディゴおおおおおお!!!!!!!

 

 失礼、取り乱しました。しかしてこの程度誤差だよ誤差!ゲームは一喜一憂してこそゲームだからね、しょうがないね!(Ludwig,the Holy BladeとかOrphan of Kosとか)

 

 さてサンフェスも上手くいってホモちゃんの演奏レベルと吹部全体のレベル、信頼値もウマウマといった感じだからまだ挽回がきくよ今回はここまで!ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

 なんですか?これ。と言いたげな顔が私達を見渡す。

まるで青ざめた血の空だ。合奏が終わり、先生を仰ぎ見る私は弾む息を整えて、拳に力を込めていた。

 

……もしまたそんな事を言われたら今度は黙っちゃいられない。私はジッと、滝先生を見つめていた。

 

「いいでしょう。皆さん、ちゃんと合奏をしていましたよ」

 

 先程とは打って変わった血色のいい顔と笑みが私達を見渡す。やった、嬉しい。JKの底力みせてやったぞ!

 

「では今からサンライズフェスティバルに向けての練習メニューを配ります。小笠原部長、これを」

 

「はいッ!」

 

「やったね、桃ちゃん。嬉しい?」

 

「はいッ!やりましたヒロネ先輩!」

 

 初合奏から一週間、私は密かに特訓をしていた。

肺活量を鍛える為に早朝走り込み(タイヤにくくり付けたロープをお腹に巻いてるイメージで)を行い、ご飯を食べて学校で朝練。そして平衡感覚を鍛える為、部活帰りに公園で平均台の上を眼を瞑って歩く。あとは帰宅しご飯を食べて気絶するように就寝。といった感じで。

 

 …楽器を吹く為に身体を満遍なく使うにはどうすれば良いか。

両親にそう訊いたら上記の答えが返ってきた。特に平衡感覚は何事の基礎らしい。眉唾物だが。

 

ちなみに勉強は致し方ない犠牲になった。

 

「よしっ、と。じゃあ皆、今日の練習をしよっか」

 

「了解ですヒロネ先輩」

 

「はい!この調子でそのサンフェス?でも私吹いて吹いて吹きまくりますよ!先輩!」

 

「え? 桃ちゃんサンフェスで吹きたいの?」

 

「え? えっと、はい!吹きたいです!!」

 

「う~ん、頑張ってはいるけど…。初心者にあれはねえ?」

 

「たしかに……」

 

「………ゑ?」

 

「サンフェスって行進しながら楽器を吹くんだよ桃ちゃん」

 

「勇気凛々直球勝負って事ですか?」

 

「そうだねマーチだね。分かりづらいね」

 

「私、やりたいです!」

 

「うーん……」

 

ヒロネ先輩達3年生が悩んでいる中、2年生のりえ先輩が私達1年生を見ながら口を開いた。

 

「初心者は吹くだけでもしんどいのに、歩いて行進して楽器を演奏するなんてきっついよ?ホント冗談じゃなく路傍に倒れちゃうって」

 

「それは嫌かも…」

 

「桃ちゃん、私達初心者には荷が重いよ……。一緒に北宇治名物謎ステップを踏もう?きっと為になるよ」

 

「やらせてください!」

 

「流石は桃ちゃん、と言いたい所だけど今回ばかりは本当に…」

 

 私はもう二言は無いといった顔をする。

…どんな答えが待っていても世界中敵に回しても、必ずやり遂げる。そんな私の頭の片隅でアンタいつの時代の人?ドン引きだよと声を上げてる自分をぶん殴り、前を見据えて。

 

「――ま、いいか。桃ちゃんなら大丈夫かも」

 

「賛成」

 

「ええ!?マジですか先輩方!!?」

 

「勿論今決定ってわけじゃないよ。様子を見ながらってとこかな」

 

「練習します!」

 

「いいサンフェスになるように頑張ろうね、皆」

 

「さあ、練習練習!!」

 

ちなみに演奏の許可が下りたのは、サンフェスの一週間前の事だった。

 

 

 

 

 

 

 ――迎えたサンフェス当日、私は全てをやりきっていた。

制服に着替えて少し木陰で涼みながら、息を吸う。

 

 今日は楽しかった。久美子達も心底演奏が楽しそうで、この部に入って良かったとモロに顔に出ていたし。

 

「…良かった。さてと、後は帰って平均台っ、と」

 

――そう考え、日が陰りはじめた空の下を歩く私は、なんと懐かしい同級生の顔を見る事になった。

 

「あ?何だ、あずにゃんか。久しぶりだね」

 

「桃こそ久しぶり。あとそのあだ名止めてくれる?」

 

 かつての同級生は水色のユニフォームを着て溌溂とした表情をしていた。そんなこの子の名前は努力と書いて、佐々木梓と読む。

 

「みんな私の付けたあだ名を悉く否定してくれちゃってさ。可愛いのに」

 

「いや可愛くないから。それ思ってるの桃だけだから」

 

「そう?」

 

「うん、そう」

 

さっきまで久美子と話しててさー、と笑顔を咲かせる彼女は相変わらずな風に私は見えた。

 

「進学したの立華だったっけ。どう?練習きつい?」

 

「きついなんてモノじゃないよー。桃も来れば良かったのに」

 

「う~ん、それは遠いからやだ」

 

「なあにそれー!」

 

 ポニーテールが綺麗な梓は中学で久美子と同じ吹奏楽部だった。

元帰宅部の私はクラスが三年間同じだったという事で、こうして少しは仲良く話が出来ている。 吹奏楽強豪の立華高校に進学したと以前聞いてはいたが、それは何ともこの子らしい進路だった。

 

「そういえばいつかクラリネットが吹きたいって言ってけど、え、何?桃本当に吹部に入ったの?初心者だし今回はステップ役だったんでしょ?」

 

「いや。吹いたよ」

 

「え?ほんとに?」

 

「本当。私、サンフェスで吹きたかったもの」

 

「………へ~」

 

 進まなくちゃいけない、進み続けなくちゃいけない。そうしなくちゃ押しつぶされて生きていけない。といった眼の色。

それは梓の顔に時たま現れる本音という名前の、彼女だけの色だった。

 

「スタートしてるんだ、桃も」

 

「そう言う梓は勿論相変わらず求められる要求に全部完璧に応えてるんでしょ?流石だなあ。大学は工学系とかがいいんじゃない?」

 

「あはは。う~ん、どうかな?」

 

ロボットでも造ってろ。私は眼を瞑りながら思った。

 

「あ! そういえば立華ってマーチングのカテゴリーキングなんだよね?じゃああれやるの?」

 

「え、キング?え?あれって?」

 

「皆でこんな感じで円陣組んでさ、―――俺達は誰だ? 王者立華!! 誰よりも汗を流したのは? 立華!!! みたいなやつ」

 

「そんなのやらないよー。もっともーっとカッコいいって」

 

「え~?ホントに~?」

 

 何を言ってるんだという風な顔を互いに見合って、私は笑みを深める。獰猛の二歩手前まで。

 あの時久美子を助けられなかった私と同じ穴の狢の顔は、今も好きにはなれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

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