響け!ユーフォニアム一年目でゴールド金賞RTA   作:ブロx

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 お陰様で何とかここまで辿り着くことが出来ました。今回でひとまず一区切りです。ここまでお読み頂き、本当にありがとうございます。
 申し訳程度の音楽要素を入れてみました。いつも通りよく分からないネタなのであまり気にしないで下さい。









第八回

 

 

 

ついに序盤ラスイベ府大会コンクールがもう始まってる!RTA、はぁじまぁるよー。

 

 さて何矛盾言ってんすかって指摘したい兄貴達、これは文字通りの意味で、次は北宇治の演奏順番なのです。はやくな~い?

 

 そして学園バラエティたるこのゲームは、コンクールの時のみミニゲームが発生します。

まあ簡単な音ゲーみたいなもので、画面右から左に流れてくる音符マークをテンポよくカーソル合わせて押すだけです。

 

 基準点未満だと終わりです。基準点以下でも終わりです。わかりますね?

狙うはオーバーザトップ。既にこ↑こ↓から次の大会、関西と全国への挑戦は始まっているのです。

 

 基準点を大きく超えればその分ホモちゃんの演奏レベルが上がるだけでなく、吹部メンバーのレベルも大きく上がることになります。

 

はえ^~本番は練習ってそういう意味なんすね~。

 

 なので今回は走者の音楽センスと指使いが試される回でもあります(意味深)コントローラーを握る両手が汗ばんできました。冷たい谷のサリヴァーンと煙の騎士、私に勇気を分けてくれ!(歴史に残る二刀使い)

 

さあ画面が切り替わりました。ミニゲーム特有のアラーム音。ちなみに曲はランダムで二曲選ばれます。

 

 

    WARNING

 

The decisive music is approaching at full throttle.

 

   NO REFUGE

 

 

Are you ready? 

 

イクゾー!!  デッデッデデデデ!(カーン)デデデッデ!

 

 我が校と貴校の吹部の違いが音楽性の差だけならば、コンクールの存在など不要ら!!ここを突破できなければ、全国を征覇する事など夢でしかないな!

 

さあ来い!北宇治の音楽みせてやろう!

 

 デッデッデデデデ!(カーン)デデデッデ!

 デッデッデデデデ!(カーン)デデデッデ!

 ぺーぺぺぺーぺーぺーぺーペペペペッペー

 ペッペッペペペーペペペッペッペーペペーー

(※イメージです)

 

課題曲終了!統計的に次は曲調がガラリと変わります。画面には北宇治吹部の面々、そしてホモちゃんの顔とポニテのアップが綺麗だねぇー。

 

 ――我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔とともに死すこと無し。

 

?なんやこれ。何の曲か分からんが、出来らあっ!

 

 テッテーレーレーレッテレーン、テテテーテテテーテーテー(テテテテン)テーレーレーレッテレーン、テテテーテテテーテテテー(テテテテン)

 ミッミーソーシーラッミミー、ミファ♯ソーラソファ♯ーレーシー(ソソラミ)

 ミーソーシーラッミミー、ミファ♯ソーラソファ♯ーレファ♯ミー(ソソラミ)

 

(※イメージです)自由曲終了!得点は!?

 

 3006・・・、普通だな。といいつつ基準点は1919点なので大きく突き放して北宇治高校吹奏楽部は府大会ゴールド金賞と関西大会へのキップを入手!こんなえっらい功績誇らしくないの?

 

 吹部部員の演奏レベルは超アップです。さて次回からはゲーム中盤、関西大会とかいう国盗り戦=コンクール打倒めざして頑張ろうとホモちゃんが息巻いてる所で今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――息を大きく吸って、1つ下の後輩が顔をキラキラさせながら、口を開く。

 

「いよいよ明日かー。府大会、緊張してきますね海松先輩」

 

「そ?私は別に」

 

 自分の左手の指が自然に、かつリズミカルに動いているのが見えて。私は目を閉じて頭の中に流れている曲の演奏停止ボタンを押した。今はその時間ではない、の。

 

「ほっほ~!流石は北宇治ホルン隊が誇るクールビューティ担当だね!」

 

「しんしんと~?降りつもる~?」

 

「清き!ココルォ!!」

 

「やめて下さい樹里先輩比呂先輩」

 

「え、何の台詞です?合言葉?」

 

「知らなくていい」

 

私は後輩の美千代に手を軽く振って答えた。

 

「――まあしかし緊張っていえば。ちょっと前の香織には驚かされたわー」

 

「再オーディションの時のですか?凄かったですよねーペット」

 

「まあそれもそうだけど。…あの香織が先生に直談判するなんて耳を疑ったよ」

 

「誰かが香織を焚きつけたらしいよ?樹里」

 

「え?マジ?」

 

「多分それ桃ちゃんですよ」

 

「あ~……、帆高か」

 

「……やっぱり」

 

 目元を静かに床に落とすと、私達ホルンパートメンバーが練習する空き教室の床目がくっきりと見えた。

 

「だって桃ちゃんだけでしたもん。あの再オーディションの場で、香織先輩と高坂さん両方に拍手したの」

 

「あれな!あれもビックリ、ていうか空気が緊張したよ」

 

「確かにどっちも良かったけどさ。…だからってあの場で1年がやるかフツー……」

 

「流石は鳥塚の城の住人だね」

 

「へ?お城?」

 

「低音の田中王国とかダブルリードの喜多村とか。ま、各パートの俗称だよ」

 

「私達は何なんです?」

 

「ホルン隊」

 

「そのまんま……」

 

「これからはいつ誰がここを率いようが、ホルンは永遠不滅だからね」

 

「!…ファランの不死隊……」

 

「美千代それこじつけ」

 

「すいませーん」

 

・・・・・。

 

「?どしたの海松。さっきからご機嫌斜めで」

 

「確かに。やっぱり緊張してる?」

 

「……いえ。帆高がちょっと心配で」

 

「この時期に他パートの後輩を思いやれるとは。悪くはないけど逆にこっちが心配だね?」

 

「………すいません。ちょっと個人練行って、頭を切り替えてきます」

 

楽器を持った私は気持ち深めに頭を下げ、教室を後にした。

 

「…あ、調べる方の井上だ。お疲れ」

 

「お疲れー。みるみる」

 

 考えが同じだったのだろう。廊下で出会った同じ2年生・フルートパート、井上調は楽器を持ってひらりと手を振った。

 

 …部全体の合奏練習は既に終わり、居残り練習組が奏でる音色が放課後の学校を十人十色に染める中。特に耳に残るのはクラリネットのロングトーン。明日本番だからこその基礎練習だ。

 

「………。似てるよね」

 

「うん」

 

誰がとは言わず、誰にとも言わず。調は顔と声色を一致させず頷いた。

 

「今の2年にしか分かんないよね。…流石にこの気持ちは」

 

「噂じゃさ。あの子、鎧塚ともよく話してるって」

 

「…は?マジ?あの鎧塚と?」

 

「朝練すんごく早く来てて、そこでって感じみたい。…行動力半端ないよね。しかもあの雰囲気。傘木達を思い出すなって方が無理だよ」

 

「………」

 

 一年前のあの頃から滝先生が指導しに来るまで。私はずっと、大きな思考の海の中にいた。―――何でこいつらはこんなにも頑張っているんだろう、無駄なのに。という名の淡海だ。

 

「優子と友恵は?何か言ってる?」

 

「あの子達は香織先輩スキーだから。発破をかけた帆高を気に入ってるみたい。先輩も何も言わないし」

 

「……そっか」

 

「………うん」

 

・・・・・。

 

「…心配?」

 

「心配」

 

 何事も、やる時はやる。そうしていれば少なくとも昔よりマシにはなれる。浮き上がれる。今は、私はそう思えるようになれた。お陰さまで。

 

「アイツらは当時の私に教えてくれたよ。世の中、何かを求めれば何かが崩れてく。それはもう音を立てながら。…帆高はそうならなければいいけど」

 

「みるみるはクールだねえ、優しいねえ。ジト目が今日も素敵だよ?」

 

「ありがとYo」

 

「まあ何はともかく明日だね。後輩達に駄目な姿は見せたくないし。――もう先輩だもんね、私達」

 

「そうだね」

 

 終わらないロングトーンが耳にこびり付きつつある中。私達は先輩としての仕事を果たそうと、楽器を力強く握って歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 それは時に赤く、時に青かった。

さらに言えば偶に紺色、偶に黄緑一斤染。黄金白銀色彩十重二十重。私の眼にその色達は、とても燦然と輝いて見えていた。

 

 それらの色の正体が私達演奏者の奏でた音だという事に、私は全てが終わった後に気が付いて。合奏って、虹を創る事なんだなあと思った。

 

成る程。だから滝先生の指揮は、いつも虹みたいな色をしてたのか。

 

「桃ちゃん!!!」

 

ヒロネ先輩の瞳が会場中の光を集め乱反射しながら、でもまっすぐに私を捉えて両手を広げた。

 

「関西だよ!関西っ!!」

 

「………」

 

 北宇治高校吹奏楽部、ゴールド金賞関西大会出場。

審査員の人達とヒロネ先輩からその事を聞いても何処か心ここにあらずな私は、はいっとだけ返事をして先輩達に抱きつかれ、天を仰いだ。

 

最高の演奏。最大の色。最強の結果。意外と低い天井。

 

「嬉しいです。先輩」

 

「やったあああああああああああ!!!!!」

 

あちこちから上がる仲間達の喜びの声は、誰より上を目指そうという色で満ちていた。

 

 

 

 

「桃。やったね、関西だよ」

 

「うん」

 

「麗奈も葉月ちゃんもみどりちゃんも、皆みんな喜んでる。勿論目指すは全国だけど、段階を踏んでいかないと先へは行けないわけだし。やっぱりすっごく嬉しいよね」

 

「うん」

 

「いよいよ関西かあ…。強豪ひしめく激戦区だよ~。全国常連のあの三校を、どうやったら凌駕できるかがカギだね。頑張ろう」

 

「うん」

 

「聞いてないよね?」

 

「ううん」

 

「よかった」

 

ひどく嬉しいのだろう。すっかり見違えた幼馴染は不敵な笑顔を浮かべて、目元を少しだけ擦った。

 

「ねえ、久美子。一つ訊いていい?」

 

「ん?なに?」

 

「何で久美子はユーフォを吹いてるの?」

 

「上手くなりたいから。かな?」

 

「そっか」

 

「うん。――多分、そう」

 

「そっか」

 

だと思った。

 

 だって最近の久美子の音色はとても高揚感に満ちていたから。

この部に入部した頃とは全然違う。誰より上を目指すという気概と意志。それらは青天井を突き抜けて、きっと誰よりも高く飛ぶのだろう。そう誓ったのだろう。自分の胸に。

 

幼馴染は空を仰ぐ。いつか空に届くように。

同じようにして私も、すぐ上を見上げる。

 

「北宇治っ、記念写真撮りまーす!!皆並んでーー!!」

 

―――今よりも上なんて、あるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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