物語が開始早々に、基地内は何故か重い空気が流れていた。
それもそのはずだ。前回キャスは鬼子であることがバレてしまい、基地内は全体がキャスを警戒するようになってしまった。だが羅衣は仲間として、同族として警戒はせず、毎日キャスを安心させるように話していた。
「キャスさんどうぞ。ココアです」
「うん…ありがとう」
まだ幼い笑みはほんの少し寂しさを感じた。
「……はァ」
キャスは静かにココアを飲みながら仕事を続けていた。自分がやらかした被害の損害額も計算してた。
「……」
沈黙が場を包む。
だが羅衣は1人、キャスのことを心配に思いながらもう一つの心配事を思っていた。ヤプールのことだ。
ヤプールに自分がウルトラマンエースの弟子であることを教え、さらにはキャスが鬼子であることがバレてしまった。『もしかしたらヤプールはキャスさんのこと狙う可能性がある…』と、思い続けてヤプールからの敵襲に備え、警戒をしていた。
だが羅衣が不安に思っていることは予想通りであった。
「失礼します」
「……あ?誰だ?」
「本部よりまいりました」
「……本部から何か連絡来たのですか?」
羅衣は首を傾げて問いかけた。
「極秘の任務です。キャス隊員を連行せよと。」
「……私を?」
羅衣は状況から察して勢いよく目を見開いて勢いよく蹴り飛ばした。
「キャスさん逃げて!!
隊長達はキャスさんを逃してください!!」
突然の状況に理解が出来なかった。だがヤバイ状況だと察してキャスは慌てて駆け出した。
「……」
その隊員らしきものは、即座にキャスを捕獲した。そして、消え失せた。
「あッ…キャスさぁんっ!!」
羅衣の叫び声だけが基地内に響いたのだった。
「どうしよ…どうしよ……僕のせいでキャスさんが…とうしよ…」
羅衣は頭を抱えながらその場に膝をついた。
「すぎた事だ。取り敢えずは奪還作戦をだな」
「ッ……は、はい…」
羅衣は気持ちを整えてその場で立ち上がり、作戦立てが始まったのだった。
「……ッ!?」
いつの間にかキャスは椅子に座っているものの四肢が鎖で拘束されていた。
「こ、これ、って…まさかッ、ヤプール…!」
『フハハハハ!!鬼め、ようやっとつかまえたぞ!』
「ッ……確かに私は鬼子として産まれたウルトラウーマンだ…ッ!だが何の目的だ!?離してくれない!?てか離してクソキモ星人がッ!!!」
反抗期の女子中学生みたいな見た目で怒鳴り続ける。
『フハハハハ!!そんな口撃など効かぬわ!貴様の鬼の因子を頂こうとな……』
「はぁっ!?ふざけないで!?それは許されない!!禁断のことだよ!!この血は特殊で悪影響すれば暴走が抑えられなくなるんだよ!」
キャスは必死に問いかけ続けた。勢いよく身体を起こしてるせいで椅子ごと倒れそうになるが体制を整えながら訴え続けた。
『元は鬼の信仰を使い開発した存在よ、暴走するはずもない』
ヤプールはそう言って注射針を取りだした。
「ッ!?な、何する気…!?暴走はする…ッ!(現に私の父親はしたっ!それで一時期は光の国から…ッ)」
『フハハハハ!!鬼の因子、頂くぞ!』
キャスの右腕に注射針が刺されてた。痛感にキャスは声を出すことができなかった。
「お、お願い…やめて……どう、か…私の一族、の……血を…汚さないで…ッ《もう1人の私》を…起こさないであげて…ッ」
『問答無用ッ!!!ぬはははははははは!!!』
「……誰か…助けて……
キャスはそう呟き、血が取られたことのショック、もしくは痛みの衝撃か何かで目を瞑り、気を失ってしまったのだった。だが少しずつ髪色が白くなっていた。
ヤプールはどんな超獣でも破壊できなかった鎖を用いてキャスを縛り付けた。決して破壊できないし、決してとかせやしない。力づくなんかもってのほかだ!
「………グルルルッ…」
そんな声が部屋中に響いた。
場所は変わり、SDF基地に戻り、作戦を立てるも羅衣達は苦戦していた。
「どうにかして助ける必要がある訳だが」「いちおうGPSは機能している」「あの隊員は既に死んでたみたいだぜ」「死体が喋っている」「人間の皮被って来てたんだろうな」
会議は踊る、されど進まず。
「…………あ、あの…」
羅衣は恐る恐る手を上げた。
「「「「「「「なんだ」」」」」」」
「ヒェッ……あ、あの…人間に化けていた星人のDNAなどを摂取すれば…キャスさんが攫った位置が分かるんじゃないのですか…?アイツは恐らくヤプール人という星人の手先です。ですから…アイツが仮にもヤプールと似たような遺伝を持っていれば、見つけることができる可能性があります…」
羅衣は少しオロオロしながら答えた。場の空気にとてつもなく緊張していたのだ。
「人間に化けていた訳では無い。人の皮を物理的に被っていたんだ」
「……ならその皮で居場所特定って可能ですよね?人の皮は必ずしも人の手で作られています。だとしたら、あの人間の皮を作った場所にいる可能性もあります」
「……ありだな」
「それなら早速やってみましょう。何事も、やらなければ分かりませんからね」
羅衣は立ち上がり調査を始めた。時間があれば絵を描く羅衣にとっては細かい作業ももお手のもんである。
「……ほう」
「機械系はそんなに得意ではありませんが…キャスさんが教えてくれたおかげで特定位置情報を得る操作は教えてくれたので僕でも操作はできます」
羅衣は調査を教えて画像をモニターに送った。
「ここですね。この工場の中にいる可能性があります。幸いにも人気は無いみたいです」
そう言った瞬間、羅衣は身体中に悪寒が通り、心臓が大きく振動を起こし始めて羅衣はその場に倒れそうな勢いで床に膝をついた。
「……羅衣隊員を医務室へ」
「いいえ…大丈夫です。僕が助けに行きます。キャスさんは……僕にとって先輩でありますし、仲間なんですから。隊長達はここに残ってください。超獣が現れた時の為に…ッ」
羅衣は汗をかきながら立ち上がり、武器を手にしてキャスの元へ駆け足で向かった。
「……あーらら」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…キャスさんは…助けないと…!(今さっき感じたあの衝撃…間違いない!ヤプールと…キャスさんが鬼になっている!)」
羅衣は呼吸を荒くしながらキャスを助ける為に駆け出し続けた。1人では無茶なことだと思わずに向かい続けた。
「………マズいことになったみたいだね」
路地裏で羅衣の駆け出しているところを見た赤いメッシュがかかった少女らしき人物がそう言って路地裏の闇の中へ消えていった。
キャスは何もせず、声も出さずに椅子の上で気を失い続けていた。手足が鎖で拘束されているものの微動だにせずにいた。
その途中、羅衣はある老人に呼び止められた。
「この豆を食いなされ。魔を滅する故に豆、そう伝えられし赤い豆ですじゃ」
「え?あ…その……い、今急いでいるのですが…(それにめっちゃ怪しい…)」
羅衣は呼吸を整えながら足を止め、警戒しながら豆を見つめていた。
「お前は私を信じなさい、ほれ。信じなさい」
「……信じなさいと、言われても……(この人、もしかして星人?いや、でもそんな気配は感じない……でももし本当なら…あえて踊らせるようにしましょう…)」
羅衣は覚悟を決めて豆を自分の手に乗せた。匂いを嗅ぎ、見た目を確認をした。しかも長時間も。
「…………これ……毒入りじゃないですよね?」
疑心暗鬼が長時間続いた。相手がシビれを切らしてしまうのが目に見えた。
「毒は入ってないさ」
羅衣はそうは言われても突然貰ったものの、疑心暗鬼は消えなかった。だが意を決して口の中に放り込んだ。
……。
何も変わらない。
「………詐欺ですか?」
羅衣は睨みながらそう言った。
しかし、確かに高揚感は浮かんでくる。なんでも出来るかのような。
羅衣は自分の状態に首を傾げながらも時間がないと分かり、一礼をした後キャスの元へ駆け足で向かった。
「……カレカレータ」
老人の声は、風に掻き消えた。
「はぁ…はぁ…はぁ…こ、ここ、が…」
羅衣は目的の場所へ付き、中に入り、キャスを探し出した。
「………グルルルッ…」
そんな声がこだました。羅衣はその声が耳に入り、当てずっぽうで探し出す。
「ッ……(なんか悪臭がする…鼻が曲がりそう。この臭いと気配は……ヤプールッ!?そしてキャスさんか!?)」
羅衣は呼吸を荒くしながらも探し続けた。そしてようやく、キャスが椅子に四肢を拘束されたまま座っているのを見つけた。
その鎖はキャスの身体をしっかり縛りあげていた。
「キャスさ、んっ!」
呼吸を荒くしながらも鎖を取り外しそうとした。だが鎖をしっかりと縛っているので上手く取れなかった。
凄まじい力だ。しっかり縛りあげている。
「ッ……申し訳ございませんが…耐えてくださいッ」
自分が手にしていた武器を構えて鎖に向けて放ち続けた。鎖に弾を当て続けた。
ようやく鎖が解けた。
「キャスさんっ!大丈夫ですか!返事をしてください!!」
肩を揺すりながら問いを待ち続けた。ふと羅衣は足元に落ちている注射針に気が付いた。
「……血跡…?(まさかキャスさんの血を…ッ!ならマズい!ヤプールが超獣を出しに来る!!!)」
羅衣は危機を察知し、空を見上げた。その背後ではキャスが白い髪を揺らしながら立ち上がった。
「グルルルル……グルルル…」
その瞬間、空が割れた。
「来たっ…!」
「ガァァァァァッ!!」
キャスが吠えながら羅衣に襲いかかった。
「しまっ…」
羅衣は武器でキャスの口元に咥えさせなんとか抑えつけたが状況がピンチとなってしまった。キャスを助けるか超獣を倒すか、どちらを優先すれば良いのか分からず混乱していた。ふと、現れた超獣が気になり、空を勢いよく顔を上げて見上げた。
鬼超獣 オニデビル。
とんでもない力を誇る。
「ッ……オニデビル…!」
羅衣はオニデビルを見ながらもキャスを抑え続けた。
「どうすれば良いんだ…(戦闘機を出そうにも超獣には効果ない。ただ怯ませるだけだ……そしてキャスさんを抑える力で精一杯…!どうすれ、ば……どうすれば…ッ!!)」
羅衣は汗をかきながらキャスを抑え状況に混乱していた。だが一時的に場は静かになった。キャスが襲うことをやめたのだ。代わりにキャスの変身アイテムであるネックレスを握りしめて変身した。鬼となって変身したウルトラウーマンルリが現れてしまったのだ。
「なっ…!?どうして!?」
羅衣は慌ててブレスレットを取り出し変身した。
……ヴィクロスの体に異変が起きた。
「ぐっ……!?(な、なに、が…何が起きたのですか?!僕の体に…)」
ヴィクロスは膝をついて胸を抑えながら呼吸をしていた。目の前ではオニデビルと鬼化状態のウルトラウーマンルリが見つめながらその場で暴れていた。ルリに至っては目の前の獲物を食べようともしている目つきにも見えた。
ヴィクロスの腕に力がこもらない。
「なん、で…ですか?(いつもあんなに筋トレをしているし、トレーニングも怠らずにしているのに…ッ)」
ヴィクロスは少しずつ立ち上がりながら呼吸を整えて相手2人に拳を構えた。
先手はオニデビルであった。
オニデビルはその剛腕からラリアットを放った。
「グァッ!?ガァッ、ッ…」
ヴィクロスは叫び続けた。カラータイマーは未だにならないはずが上手く力が湧かないのだからだ。
いつの間にかルリが目の前に現れてヴィクロスに引っ掻きながら攻撃をしていた。
「ぐっ!ガァッ…!ルリ、さん…ッ!やめてください!!お願いしますッ!」
ヴィクロスはなんとか拳に力を溜めてルリの頬に拳を重く入れた。
「ギャァァ!?」
ルリは吹き飛んでビルに激突し、その場に倒れるように座り込んだ。
「ギュガァアアッ!」
背後からオニデビルが拳を放つ。
「グァァァ!ダァッ!!ッ…ぐっ……(何故だ…何故僕に力が…まさかっ!?)」
ヴィクロスの脳裏にある光景が思い出された。それは羅衣としていた時、見知らぬ老人に豆を食べろと言われ、そして自分は食べたことだ。
『やらかしてしまいました…』ヴィクロスはそう思いながらオニデビルに力が無くとも殴り続けた。
その時である。
謎の闇が、ヴィクロスをぶん殴った。
「ぐぁっ!?(な、なんですか…!?新手の敵!?)」
ヴィクロスは少しずつ顔を上げて見つめた。
それは闇のみの巨人であった。しかし、その拳はヴィクロスの腹から赤い豆を取り出していた。
「……ッ…え?」
ヴィクロスは驚愕に思い込み続けながらその巨人を見つめ続けた。
その闇は霧散した。
「え?……な、なんだったんですか?」
ヴィクロスはそう呟きながら立ち上がり、オニデビルに拳を再び構えた。ようやくまともに戦うことができるようになったからだ。
その横ではルリが立ち上がり、ヴィクロスに向かって襲いかかり始めた。
「ガァァァァァッ!!」
「なっ…!?」
2対1という数の暴力に振り回されて力が戻ってもなお、ヴィクロスは押され続けていた。
その場から少し離れたビルの屋上で青く中心に黄緑色の星が付いているスマホを片手にヴィクロスの戦いを観ている者がいた。そのスマホを耳元に置き、誰かに電話をかけ始めた。電話の相手は《3人》だった。
「復帰はしたけどやっぱピンチみたい…ボクらが《先輩》として助っ人に行くしかないみたい」
その少女は通話相手3人にそう言った。
「グァッ!ダァッ!」
ヴィクロスはオニデビルとルリに押され続け、気がつけばカラータイマーが点滅し始めていた。
「どうする?助太刀する?」
スマホで会話をしながら問いかける少女はそう言った。その会話を聞く、とある3人は地上でヴィクロスの戦いを見ていた。
「オニデビル如きに……」
右目を隠した青年はそうボヤいた。
「オニデビルかぁ。足元すくってやりゃいいのにさ」
空手着の青年はそう言った。
「……Damn it.」
青いパーカの青年はそう呟いた。
「決まりだね。始めようか♪アバドン、ヴェラム、ビータ」
少女はそう告げた瞬間、スマホを耳元から離れさせ画面に表示されたパスコードを入力した。
「うぉおおおお!!アバドン!」
「ヴェラァアアアアアアアアアアアアム!!」
「……ビータ」
「ラピスゥ!!」
各々の力を解放する。
各々が光に包まれて本来の姿となる。
「ぐっ…ダァッ!」
ヴィクロスは疲労や痛みのせいかまともに立てず、膝をつきながらオニデルビとルリの攻撃に耐え続けた。
オニデビルがヴィクロスにトドメを刺そうとしたその瞬間…
「スターライト光線!!」
どこからかともなく流星のような光線が放たれ、オニデビルに直撃した。
「……え!?」
ヴィクロスは驚きながらその方向へ顔を向けた。
「……よう」
「だらしないね」
「……heh, sucker」
「やぁ、随分と苦戦してるみたいだね。ヴィクロス」
「貴方達は…ラピスさん!アバドンさん!ヴェラムさん!ビータさん!どうしてここにいるのですか!?」
ヴィクロスは嬉しそうに叫びながらそう言った。
「……エースさんに言われてきた……で、あってるよね?」
そう言うのはウルトラウーマンラピス、U40出身のブルー族。レイブラットの遺伝子を持つため怪獣を操ることが出来る現在進行形で活躍しているウーマンである。詳しくはウルトラウーマンラピスを読んでみてください(露骨な宣伝やめろ)
「しょーーーーじきだりぃがな」
「異次元はコラボ先だしね」
「……あと相手は《オニデビル》だ」
「ま、とにかく。来たからにはやるけどさ。あの子も止めないとだし」
ラピスは伸びをしながらルリに指を指した。
「グルルルルル……グルルルルル……」
ルリは睨みながら狼の威嚇のような声を上げていた。
オニデビルも同様である。
「……いくぞ」
「は、はいっ…!」
「無理しないでね。オニデルビをお願い!こっちはあのウーマン止めるから!」
「……ああ、わかった」
「さて、ちょっと先輩の良いところ見せないとね…♪」
ラピスは拳を構えながら一足先に先手を取った。
「ッ…グッ!」
ヴィクロスはフラつき痛みに耐えながらもラピスの後を追った。
「ガァァァァァッ!!」
ルリは走り出してラピスに攻撃をした。
柔軟性が抜群のラピスな軽々と避けて蹴り飛ばした。ヴィクロスも負けずに腹部を殴り続けて吹き飛ばした。
同時に放たれるは蹴り技である。
ウルトラマンビータの蹴り技である!
「グルルルルル……グルルルルル……」
ルリは声を震わせながらオニデルビの隣にやってきた。
「あ、ヤバい!そっちにルリ行った!!正気に戻させればそれで良いから!取り敢えず殴って目を覚ましてあげて!」
ラピスはそう叫んだ。その後ろでヴィクロスが倒れ込んでしまった。
アバドンは無言で下段回し蹴りを放った。
「ギャァァッ!」
ルリはその場に勢いよくぶっ倒れた。
「今のうちに…!ハァッ!」
ラピスは左手に拳を作りルリの腹に直撃させた。
「ガァァァ…!!」
ルリはその場で光粒子になって消えた。人間に戻ったキャスがその場で気を失った。
ここからが本当の死闘が始まった。
「ッ…デリャ!ダァッ!」
ヴィクロスは先輩ウルトラマン達のことを援護しようと殴るがカラータイマーが鳴り続け、疲労が溜まっているせいか上手く力が入らなかった。あの豆は取り出されたはずが無意味となってしまった。
「ぐっ…ま、まだまだ…やります…!」
ヴェラムは既にオニデビルを組み敷いている。
「……弱い」
「流石にこんな大人数だと辛いもんね」
ラピスはようやく援護が出来ると思いながら駆け寄った。
「ッ……埒があかないですよ。もうトドメを刺しましょう!!このままだとヤプールの思う壺です!ヤプールはどこでも僕のことを見ているのです!ですから皆さんのことも見ているはずです!」
ヴィクロスはついに溜まりに溜まっていた怒りをぶちまけるように叫んだ。
アバドンは既に動いていた。
光速。それはあまりにも速すぎた。
「ッ………(もう、悔しくてたまりませんよ…何故僕は強くなれないんですか…)」
ヴィクロスは戦う4人を見て何もせずその場に立ちすくみ続けた。頭と心の中では自分の悔しさと後悔が繰り返しながら言い続けた。
「あ、バカ!!ボォーとしてないで!」
オラオラオラァ!
アバドンの叫びとラッシュがオニデビルを襲う。
「あ…ッ!フロージウム光線!!」
ヴィクロスが腕をL字にした瞬間、冷気を感じさせる光線を放ち、オニデビルに直撃する。
それと同時に、全員の光線がオニデビルを打ち砕いたのだった。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
ヴィクロスは膝をついてその場で呼吸を整えた。
「大丈夫?」
ラピスは肩を支えた。
「は…はい……なんと……か…」
そう告げた瞬間、ヴィクロスは時間切れとなってしまい光粒子となって人間に戻った。
「あ……まぁ、頑張っていた方だよね?3人とも」
「ああ」
「だね」
「うむ」
「そうだよね」
ラピスは人間体に戻り、羅衣となったヴィクロスの元へ近づいた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……あ、み、皆さん…誰ですか?」
羅衣は近くの自販機で買った水を飲んで呼吸を整えながら問いかけた。
「あ、そっか。人間体だと初めましてだもんね」
「……じゃ」
「あ、待ってください…せ、せめて名前だけでも教えてください。み、皆さん…ラピスさんとアバドンさんとヴェラムさんとビータさんですよね?」
羅衣は体力の限界で上手く立てなかったが無理矢理立ち上がりそう言った。
「諸星慎太郎、ウルトラマンアバドンだ」
「松本肇。ウルトラマンヴェラム」
「橘シュン、ウルトラ親衛隊特攻隊長・ウルトラマンビータだ」
「宝生紗和、ウルトラウーマンラピスだよ」
「……….そう、です、か…」
羅衣は笑いながらその場で倒れてしまった。
「あ………………どうする?」
「……さあな」
「………はぁ…ま、先輩として…基地に送ってあげよう。あのウーマンも安定にさせないとまた暴走するからね」
紗和はその場で眠っているキャスを見つけ、ゆっくりと背負った。
「誰か彼をお願い。まだ人間体の時の名前聞いてないから分からないや…」
「俺が行こうか」
慎太郎はそう言った。
「ありがとう…よし、行こうか。でも彼…下手だよね、体術を使うの。要するに空手や柔道とかが…」
「俺が教え込むか……」
「その方が良いね。一応エースさんからのお願いでもあるし、このままだとヤプールに負ける未来が見えるよね…」
ふと紗和は近くにあった定食屋に目が入った。その瞬間、何かを思い出したような衝撃が走った。
「そういえばさ………ボクら4人…ここに来てから食事したっけ?」
苦笑を見せながら3人に問いかけた。そして空腹音が鳴った。
「……食ってねえな!」
ウルトラマンアバドン・ウルトラマンヴェラム・ウルトラマンビータはりゅーど様が作成したオリトラマンです。
りゅーど様にもウルトラウーマンラピスがいるので、りゅーど様の小説も是非読んでくださると私も嬉しいです!
アバドン→https://syosetu.org/novel/197813/
アバドンseason2→https://syosetu.org/novel/243356/
ビータ→https://syosetu.org/novel/234755/